JPH0649003A - アミノ酸複合体 - Google Patents
アミノ酸複合体Info
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- JPH0649003A JPH0649003A JP11738992A JP11738992A JPH0649003A JP H0649003 A JPH0649003 A JP H0649003A JP 11738992 A JP11738992 A JP 11738992A JP 11738992 A JP11738992 A JP 11738992A JP H0649003 A JPH0649003 A JP H0649003A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 DL−アミノ酸を効果的に光学分割する。
【構成】 光学活性N−アシルアスパラギン酸とDL−
α−アミノ酸から成る光学活性α−アミノ酸複合体。
α−アミノ酸から成る光学活性α−アミノ酸複合体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミノ酸複合体に関す
る。更に詳しくは光学活性N−アシルアスパラギン酸を
分割剤として用い、これを溶媒中で、DL−アミノ酸と
反応せしめ生成する2種の複合体(ジアステレオマー)
相互間の溶解度差を利用してDL−アミノ酸を光学分割
する方法において、有用な中間体として得られるアミノ
酸複合体である光学活性アミノ酸・光学活性N−アシル
アスパラギン酸複合体に関する。
る。更に詳しくは光学活性N−アシルアスパラギン酸を
分割剤として用い、これを溶媒中で、DL−アミノ酸と
反応せしめ生成する2種の複合体(ジアステレオマー)
相互間の溶解度差を利用してDL−アミノ酸を光学分割
する方法において、有用な中間体として得られるアミノ
酸複合体である光学活性アミノ酸・光学活性N−アシル
アスパラギン酸複合体に関する。
【0002】
【従来の技術と解決しようとする課題】光学活性アミノ
酸は、医薬、甘味料等の原料としてきわめて有用な物質
であるが、合成法によって得られるアミノ酸はラセミ体
(DL−体)であるため、これを光学分割する必要があ
る。
酸は、医薬、甘味料等の原料としてきわめて有用な物質
であるが、合成法によって得られるアミノ酸はラセミ体
(DL−体)であるため、これを光学分割する必要があ
る。
【0003】従来、DL−アミノ酸の分割方法としては
(1)N−アシル体をアシラーゼで不斉加水分解する方
法(特開昭51−110095)、(2)そのまま又は
各種の塩などとして直接接種分割する方法(特公昭52
−8821)等が知られている。しかし、(1)の酵素
による方法は一旦アシル化してアシル体にしなければな
らず、又高価な酵素を用いるので不利はまぬがれない。
又(2)の接種分割は1回当りの分割率が低く、工業的
には大規模な装置を必要とする欠点がある。
(1)N−アシル体をアシラーゼで不斉加水分解する方
法(特開昭51−110095)、(2)そのまま又は
各種の塩などとして直接接種分割する方法(特公昭52
−8821)等が知られている。しかし、(1)の酵素
による方法は一旦アシル化してアシル体にしなければな
らず、又高価な酵素を用いるので不利はまぬがれない。
又(2)の接種分割は1回当りの分割率が低く、工業的
には大規模な装置を必要とする欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、工業的に有
利なDL−アミノ酸の光学分割法について鋭意検討した
結果、光学活性N−アシルアスパラギン酸を分割剤に用
いることによりDL−アミノ酸を極めて効果的に分割し
得る、有用な中間体である2種の複合体を生成すること
を見出し、本発明を完成するに至った。
利なDL−アミノ酸の光学分割法について鋭意検討した
結果、光学活性N−アシルアスパラギン酸を分割剤に用
いることによりDL−アミノ酸を極めて効果的に分割し
得る、有用な中間体である2種の複合体を生成すること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、DL−アミノ酸と光学活性N−
アシルアスパラギン酸とを溶媒中で反応せしめると、D
−及びL−アミノ酸夫夫の光学活性N−アシルアスパラ
ギン酸塩、すなわち2種のジアステレオマーを生成する
が、この2種のジアステレオマーは相互間の溶解度差に
より、一方の塩のみを晶析分離、すなわち光学分割し、
次いでこれを、例えばアルカリで処理するなどの手段に
より、目的とする光学活性アミノ酸を容易に、かつ高純
度で取得しうるので、工業的にきわめて有利に光学活性
アミノ酸の製造を実施することが可能である。
アシルアスパラギン酸とを溶媒中で反応せしめると、D
−及びL−アミノ酸夫夫の光学活性N−アシルアスパラ
ギン酸塩、すなわち2種のジアステレオマーを生成する
が、この2種のジアステレオマーは相互間の溶解度差に
より、一方の塩のみを晶析分離、すなわち光学分割し、
次いでこれを、例えばアルカリで処理するなどの手段に
より、目的とする光学活性アミノ酸を容易に、かつ高純
度で取得しうるので、工業的にきわめて有利に光学活性
アミノ酸の製造を実施することが可能である。
【0006】光学活性N−アシルアスパラギン酸は、分
割すべきDL−α−アミノ酸と反応して生成させた場合
に互いに溶解度差が大きい2種のジアステレオマーを生
成するものであることが望ましい。具体的には、N−カ
ルボベンゾキシアスパラギン酸、N−ベンゼンスルホニ
ルアスパラギン酸、N−アセチルアスパラギン酸、N−
トルエンスルホニルアスパラギン酸、N−ベンゾイルア
スパラギン酸等が挙げられる。これらの化合物は、周知
のものであってかつ周知の方法で容易に製造することが
出来る。
割すべきDL−α−アミノ酸と反応して生成させた場合
に互いに溶解度差が大きい2種のジアステレオマーを生
成するものであることが望ましい。具体的には、N−カ
ルボベンゾキシアスパラギン酸、N−ベンゼンスルホニ
ルアスパラギン酸、N−アセチルアスパラギン酸、N−
トルエンスルホニルアスパラギン酸、N−ベンゾイルア
スパラギン酸等が挙げられる。これらの化合物は、周知
のものであってかつ周知の方法で容易に製造することが
出来る。
【0007】また、DL−α−アミノ酸は、特に限定さ
れるものではないが、フェニルアラニン、バリン、ロイ
シン、アラニン、置換フェニルグリシン類、メチオニ
ン、ノルバリン、リジン、トリプトファンなどが挙げら
れる。
れるものではないが、フェニルアラニン、バリン、ロイ
シン、アラニン、置換フェニルグリシン類、メチオニ
ン、ノルバリン、リジン、トリプトファンなどが挙げら
れる。
【0008】光学活性N−アシルアスパラギン酸と光学
活性α−アミノ酸の反応は以下の条件で行う。
活性α−アミノ酸の反応は以下の条件で行う。
【0009】使用する溶媒としては水および親水性有機
溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール類、N,N−ジメチルオルムア
ミド等)、またはこれらの混合溶媒が好ましい。
溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール類、N,N−ジメチルオルムア
ミド等)、またはこれらの混合溶媒が好ましい。
【0010】反応温度は溶媒の沸点以下であれば良い
が、通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜80℃
の範囲である。また、晶析温度については、後工程にあ
たる固液分離の際に対掌アミノ酸またはそれを構成成分
とする塩やジアステレオマーの晶出・混入を防止するた
めに、60℃以下とすることが望ましい。
が、通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜80℃
の範囲である。また、晶析温度については、後工程にあ
たる固液分離の際に対掌アミノ酸またはそれを構成成分
とする塩やジアステレオマーの晶出・混入を防止するた
めに、60℃以下とすることが望ましい。
【0011】pHについては、複合体形成の観点から1
ないし4の範囲で操作することが好ましいが、アミノ酸
の種類や共存する塩類の有無によって、最適な操作範囲
が異なることがある。
ないし4の範囲で操作することが好ましいが、アミノ酸
の種類や共存する塩類の有無によって、最適な操作範囲
が異なることがある。
【0012】光学活性N−アシルアスパラギン酸の使用
量は、DL−α−アミノ酸に対して、0.4ないし4倍
モルであれば良い。また分割時に光学分割の対象となる
DL−α−アミノ酸の塩類、例えば硫酸塩、塩酸塩、リ
ン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の共存は、目的ジ
アステレオマーを構成するアミノ酸の対掌体またはそれ
を構成成分とするジアステレオマーの溶存状態を安定化
せしめ、もって分割の収率向上に寄与するので適宜使用
される。
量は、DL−α−アミノ酸に対して、0.4ないし4倍
モルであれば良い。また分割時に光学分割の対象となる
DL−α−アミノ酸の塩類、例えば硫酸塩、塩酸塩、リ
ン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の共存は、目的ジ
アステレオマーを構成するアミノ酸の対掌体またはそれ
を構成成分とするジアステレオマーの溶存状態を安定化
せしめ、もって分割の収率向上に寄与するので適宜使用
される。
【0013】本発明でDおよびL−α−アミノ酸それぞ
れの光学活性N−アシルアスパラギン酸の塩、すなわ
ち、2種のジアステレオマー相互間の溶解度差を利用し
て両者を分別する具体態様の例を挙げると、次の通りで
ある。DL−α−アミノ酸と光学活性N−アシルアスパ
ラギン酸との混合溶液を調製し、必要に応じて当該アミ
ノ酸の塩類を共存せしめ、これを溶解度の小さいジアス
テレオマーのみが固相として晶出するように冷却、濃
縮、溶解度低下のための有機溶媒添加および/またはp
H調節し、ついで固液分離して晶出固相を適宜な方法で
分離する。なお、光学分割すべきα−アミノ酸は、必ず
しもD−体とL−体との等量混合物である必要はない。
れの光学活性N−アシルアスパラギン酸の塩、すなわ
ち、2種のジアステレオマー相互間の溶解度差を利用し
て両者を分別する具体態様の例を挙げると、次の通りで
ある。DL−α−アミノ酸と光学活性N−アシルアスパ
ラギン酸との混合溶液を調製し、必要に応じて当該アミ
ノ酸の塩類を共存せしめ、これを溶解度の小さいジアス
テレオマーのみが固相として晶出するように冷却、濃
縮、溶解度低下のための有機溶媒添加および/またはp
H調節し、ついで固液分離して晶出固相を適宜な方法で
分離する。なお、光学分割すべきα−アミノ酸は、必ず
しもD−体とL−体との等量混合物である必要はない。
【0014】結晶として単離した光学活性α−アミノ酸
・光学活性N−アシルアスパラギン酸複合体は、必要に
応じて、例えば水または水性媒体からの再結晶操作等に
より、容易に光学精製を行うことが出来る。
・光学活性N−アシルアスパラギン酸複合体は、必要に
応じて、例えば水または水性媒体からの再結晶操作等に
より、容易に光学精製を行うことが出来る。
【0015】このようにして目的ジアステレオマーを得
た後、これから光学活性α−アミノ酸を単離する方法に
ついても、またN−アシルアスパラギン酸を回収する方
法、あるいはその循環再使用についても、適宜の方法で
実施して良い。
た後、これから光学活性α−アミノ酸を単離する方法に
ついても、またN−アシルアスパラギン酸を回収する方
法、あるいはその循環再使用についても、適宜の方法で
実施して良い。
【0016】そのような方法の一例を示せば、光学活性
α−アミノ酸・光学活性N−アシルアスパラギン酸複合
体を水または水性媒体中に懸濁し、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ソーダなどのアルカリを加えて分
解し、光学活性α−アミノ酸のみを結晶化せしめ、これ
を分離取得する。またこの時母液に含まれる光学活性N
−アシルアスパラギン酸は、そのままあるいは適当なp
Hに調整した後に、光学分割剤源として循環再使用して
良いのは勿論である。
α−アミノ酸・光学活性N−アシルアスパラギン酸複合
体を水または水性媒体中に懸濁し、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ソーダなどのアルカリを加えて分
解し、光学活性α−アミノ酸のみを結晶化せしめ、これ
を分離取得する。またこの時母液に含まれる光学活性N
−アシルアスパラギン酸は、そのままあるいは適当なp
Hに調整した後に、光学分割剤源として循環再使用して
良いのは勿論である。
【0017】または他の方法として、例えば光学活性α
−アミノ酸・光学活性N−アシルアスパラギン酸複合体
を、稀硫酸水、稀塩酸水等の酸性溶液に溶解後、カチオ
ン交換樹脂塔に通液し、その後アンモニア水、水酸化ナ
トリウム水溶液等のアルカリ溶液の溶離剤を通液するこ
とにより、光学活性アスパラギン酸溶液を貫流液とし
て、また光学活性α−アミノ酸溶液を溶離液としてそれ
ぞれ分離取得することも出来る。
−アミノ酸・光学活性N−アシルアスパラギン酸複合体
を、稀硫酸水、稀塩酸水等の酸性溶液に溶解後、カチオ
ン交換樹脂塔に通液し、その後アンモニア水、水酸化ナ
トリウム水溶液等のアルカリ溶液の溶離剤を通液するこ
とにより、光学活性アスパラギン酸溶液を貫流液とし
て、また光学活性α−アミノ酸溶液を溶離液としてそれ
ぞれ分離取得することも出来る。
【0018】次に本発明のジアステレオマーの一部につ
いて融点、溶解度を表1に示す。
いて融点、溶解度を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】本発明の光学活性α−アミノ酸・光学活性
N−アシルアスパラギン酸複合体の組成は、光学活性α
−アミノ酸と光学活性N−アシルアスパラギン酸とのモ
ル比が1:1であるとは限らず(例えば、L−フェニル
アラニンとN−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸
の複合体の場合、混晶を形成することもあり得るので、
前者と後者との比は、晶析条件により、1:1〜2の範
囲に分布する)、また、結晶水を含むものも含まぬもの
もあるが、このような複合体の組成の如何に拘わらず、
光学分割は所期通りに行なわれ、また、得られる複合体
から光学活性α−アミノ酸を最終的に取得できるのであ
る。
N−アシルアスパラギン酸複合体の組成は、光学活性α
−アミノ酸と光学活性N−アシルアスパラギン酸とのモ
ル比が1:1であるとは限らず(例えば、L−フェニル
アラニンとN−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸
の複合体の場合、混晶を形成することもあり得るので、
前者と後者との比は、晶析条件により、1:1〜2の範
囲に分布する)、また、結晶水を含むものも含まぬもの
もあるが、このような複合体の組成の如何に拘わらず、
光学分割は所期通りに行なわれ、また、得られる複合体
から光学活性α−アミノ酸を最終的に取得できるのであ
る。
【0021】また、光学活性α−アミノ酸を本発明のア
ミノ酸複合体の形で晶析せしめるときは、対掌体(光学
的不純物)以外の不純物の淘汰もできる。例えば、着色
不純物を含むDL−α−アミノ酸溶液に光学活性N−ア
シルアスパラギン酸を加えて溶解度の小さい方のジアス
テレオマーを晶析し、分離すれば、着色不純物の淘汰さ
れたアミノ酸複合体が得られ、これより最終的に着色不
純物の混入のない光学活性α−アミノ酸を得ることがで
きる。また、着色不純物を含む光学活性α−アミノ酸溶
液に溶解度の小さい方のジアステレオマーを形成する光
学活性N−アシルアスパラギン酸を加えてアミノ酸複合
体を晶析し、分離すれば、同様にして、着色不純物の混
入のない光学活性α−アミノ酸を得ることができる。
ミノ酸複合体の形で晶析せしめるときは、対掌体(光学
的不純物)以外の不純物の淘汰もできる。例えば、着色
不純物を含むDL−α−アミノ酸溶液に光学活性N−ア
シルアスパラギン酸を加えて溶解度の小さい方のジアス
テレオマーを晶析し、分離すれば、着色不純物の淘汰さ
れたアミノ酸複合体が得られ、これより最終的に着色不
純物の混入のない光学活性α−アミノ酸を得ることがで
きる。また、着色不純物を含む光学活性α−アミノ酸溶
液に溶解度の小さい方のジアステレオマーを形成する光
学活性N−アシルアスパラギン酸を加えてアミノ酸複合
体を晶析し、分離すれば、同様にして、着色不純物の混
入のない光学活性α−アミノ酸を得ることができる。
【0022】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが本発明はこれ等の実施例により何ら制限を受
けるものではない。
説明するが本発明はこれ等の実施例により何ら制限を受
けるものではない。
【0023】なお、得られたジアステレオマー塩は、塩
酸水溶液に溶解後、カチオン交換樹脂カラム塔を通しア
ミノ酸を吸着させ、その後カラムにアンモニア水を流
し、溶離液を濃縮乾固しアミノ酸を単離しその施光度を
測定する事によりアミノ酸の光学純度を分析した。
酸水溶液に溶解後、カチオン交換樹脂カラム塔を通しア
ミノ酸を吸着させ、その後カラムにアンモニア水を流
し、溶離液を濃縮乾固しアミノ酸を単離しその施光度を
測定する事によりアミノ酸の光学純度を分析した。
【0024】実施例1 DL−フェニルアラニン8g、N−カルボベンゾキシ−
L−アスパラギン酸10g、硫酸2.4gを水90ml
に溶解した。50℃にて撹拌しつつ10%カセイソーダ
水溶液9.7mlを6時間で加えた。その結果、硫酸は
半量中和され、DL−フェニルアラニンに対しその1/
4倍モル残存する。(なお、以下の実施例においても、
硫酸は最終的に存在するD−フェニルアラニンに対し、
その1/2倍モル量となるように調整した。)生成した
結晶を分離し、水10mlで洗浄後乾燥し、L−フェニ
ルアラニン・N−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン
酸塩8.2gを得た。分析の結果含有されるL−フェニ
ルアラニンの光学純度は98%であった。また、この塩
におけるL−フェニルアラニンとN−カルボベンゾキシ
−L−アスパラギン酸とのモル比は1:1.5であっ
た。なお、この塩の粉末X線回折図は、2θ=4, 1
6.2,17.4,17,6,18.6,19.1,2
4.6および28.8(度)に高いピークを示した。
L−アスパラギン酸10g、硫酸2.4gを水90ml
に溶解した。50℃にて撹拌しつつ10%カセイソーダ
水溶液9.7mlを6時間で加えた。その結果、硫酸は
半量中和され、DL−フェニルアラニンに対しその1/
4倍モル残存する。(なお、以下の実施例においても、
硫酸は最終的に存在するD−フェニルアラニンに対し、
その1/2倍モル量となるように調整した。)生成した
結晶を分離し、水10mlで洗浄後乾燥し、L−フェニ
ルアラニン・N−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン
酸塩8.2gを得た。分析の結果含有されるL−フェニ
ルアラニンの光学純度は98%であった。また、この塩
におけるL−フェニルアラニンとN−カルボベンゾキシ
−L−アスパラギン酸とのモル比は1:1.5であっ
た。なお、この塩の粉末X線回折図は、2θ=4, 1
6.2,17.4,17,6,18.6,19.1,2
4.6および28.8(度)に高いピークを示した。
【0025】利用例1 実施例1で得られたジアステレオマー結晶を水30ml
に懸濁し、カセイソーダにてpH7に調整後5℃に冷却
した。生成した結晶を分離乾燥し、L−フェニルアラニ
ン1.8gを得た。分析したところ、光学純度は98%
以上であった。
に懸濁し、カセイソーダにてpH7に調整後5℃に冷却
した。生成した結晶を分離乾燥し、L−フェニルアラニ
ン1.8gを得た。分析したところ、光学純度は98%
以上であった。
【0026】実施例2 DL−フェニルアラニン8g、N−カルボベンゾキシ−
L−アスパラギン酸8.1g、硫酸1.2gを水100
mlに加え60℃に加熱した。撹拌しつつ2℃/時間の
割合で40℃迄冷却した後、更に2時間撹拌した。生成
した結晶を分離し、水20mlで洗浄後乾燥し、L−フ
ェニルアラニン・N−カルボベンゾキシ−L−アスパラ
ギン酸塩8.2gを得た。分析の結果含有されるL−フ
ェニルアラニンの光学純度は97%であった。
L−アスパラギン酸8.1g、硫酸1.2gを水100
mlに加え60℃に加熱した。撹拌しつつ2℃/時間の
割合で40℃迄冷却した後、更に2時間撹拌した。生成
した結晶を分離し、水20mlで洗浄後乾燥し、L−フ
ェニルアラニン・N−カルボベンゾキシ−L−アスパラ
ギン酸塩8.2gを得た。分析の結果含有されるL−フ
ェニルアラニンの光学純度は97%であった。
【0027】利用例2 実施例2で得たジアステレオマー結晶を水30mlに懸
濁し、カセイソーダにてpH7に調整後5℃に冷却し
た。生成した結晶を分離乾燥し、L−フェニルアラニン
2.2gを得た。分析したところ、光学純度は98%以
上であった。
濁し、カセイソーダにてpH7に調整後5℃に冷却し
た。生成した結晶を分離乾燥し、L−フェニルアラニン
2.2gを得た。分析したところ、光学純度は98%以
上であった。
【0028】実施例3 DL−フェニルアラニン8g、硫酸1.2gを40℃に
て水100mlに懸濁し、撹拌しつつN−カルボベンゾ
キシ−D−アスパラギン酸10gを5時間で加えた。生
成した結晶を分離し、水10mlで洗浄後乾燥し、D−
フェニルアラニン・N−カルボベンゾキシ−D−アスパ
ラギン酸塩5.2gを得た。分析の結果含有されるD−
フェニルアラニンの光学純度は98%であった。
て水100mlに懸濁し、撹拌しつつN−カルボベンゾ
キシ−D−アスパラギン酸10gを5時間で加えた。生
成した結晶を分離し、水10mlで洗浄後乾燥し、D−
フェニルアラニン・N−カルボベンゾキシ−D−アスパ
ラギン酸塩5.2gを得た。分析の結果含有されるD−
フェニルアラニンの光学純度は98%であった。
【0029】利用例3 実施例3で得られたジアステレオマー結晶を水30ml
に懸濁し、カセイソーダにて、pH7に調整後5℃に冷
却した。生成した結晶を分離乾燥し、D−フェニルアラ
ニン1.4gを得た。分析したところ、光学純度は98
%以上であった。
に懸濁し、カセイソーダにて、pH7に調整後5℃に冷
却した。生成した結晶を分離乾燥し、D−フェニルアラ
ニン1.4gを得た。分析したところ、光学純度は98
%以上であった。
【0030】実施例4 DL−フェニルアラニン6g、N−ベンゼンスルホニル
−L−アスパラギン酸5.4g、硫酸1.8gを水11
0mlに溶解した。50℃にて撹拌しつつ10%カセイ
ソーダ水溶液7.3mlを5時間で加えた。生成した結
晶を分離し、水10mlで洗浄後乾燥し、L−フェニル
アラニン・N−ベンゼンスルホニル−L−アスパラギン
酸塩3.1gを得た。分析の結果含有されるL−フェニ
ルアラニンの光学純度は94%であった。
−L−アスパラギン酸5.4g、硫酸1.8gを水11
0mlに溶解した。50℃にて撹拌しつつ10%カセイ
ソーダ水溶液7.3mlを5時間で加えた。生成した結
晶を分離し、水10mlで洗浄後乾燥し、L−フェニル
アラニン・N−ベンゼンスルホニル−L−アスパラギン
酸塩3.1gを得た。分析の結果含有されるL−フェニ
ルアラニンの光学純度は94%であった。
【0031】実施例5 DL−バリン11.7g、N−カルボベンゾキシ−L−
アスパラギン酸13.4g、硫酸2.5gを水50ml
に加え50℃に加熱した。撹拌しつつ2℃/時間の割合
で20℃迄冷却した後、更に2時間撹拌した。生成した
結晶を分離し、水20mlで洗浄後乾燥し、L−バリン
・N−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸塩9.7
gを得た。分析の結果含有されるL−バリンの光学純度
は98%であった。
アスパラギン酸13.4g、硫酸2.5gを水50ml
に加え50℃に加熱した。撹拌しつつ2℃/時間の割合
で20℃迄冷却した後、更に2時間撹拌した。生成した
結晶を分離し、水20mlで洗浄後乾燥し、L−バリン
・N−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸塩9.7
gを得た。分析の結果含有されるL−バリンの光学純度
は98%であった。
【0032】利用例4 実施例5で得られたジアステレオマー結晶を水20ml
に懸濁し、カセイソーダにてpH7に調整後5℃に冷却
した。生成した結晶を分離乾燥し、L−バリン1.7g
を得た。分析したところ、光学純度は98%以上であっ
た。
に懸濁し、カセイソーダにてpH7に調整後5℃に冷却
した。生成した結晶を分離乾燥し、L−バリン1.7g
を得た。分析したところ、光学純度は98%以上であっ
た。
【0033】実施例6 DL−ロイシン10g、N−カルボベンゾキシ−L−ア
スパラギン酸12.2g、硫酸1.9gを水500ml
に加え60℃に加熱した。撹拌しつつ2℃/時間の割合
で10℃迄冷却した後、更に2時間撹拌した。生成した
結晶を分離し、水30mlで洗浄後乾燥しL−ロイシン
・N−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸塩9.1
gを得た。分析の結果含有されるL−ロイシンの光学純
度は95%であった。
スパラギン酸12.2g、硫酸1.9gを水500ml
に加え60℃に加熱した。撹拌しつつ2℃/時間の割合
で10℃迄冷却した後、更に2時間撹拌した。生成した
結晶を分離し、水30mlで洗浄後乾燥しL−ロイシン
・N−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸塩9.1
gを得た。分析の結果含有されるL−ロイシンの光学純
度は95%であった。
【0034】実施例7 60℃において水80mlに対し、D−フェニルアラニ
ン0.2g、L−フェニルアラニン2.3gおよびN−
カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸4.0gが溶解
している液を調製した。この溶液を約10℃の条件下に
3日間放置し、生成した結晶を分離し、水約10mlで
洗浄した。得量7.6g(水分約30%)また分析の結
果含有されるL−フェニルアラニンの光学純度は98%
であった。この結晶の粉末X線回折図は、2θ=5,1
7.7,18.7および28.2(度)に高いピークを
有する。なお、この結晶の組成は等モルのL−フェニル
アラニン、N−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸
および水よりなるものであることが確認された。
ン0.2g、L−フェニルアラニン2.3gおよびN−
カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸4.0gが溶解
している液を調製した。この溶液を約10℃の条件下に
3日間放置し、生成した結晶を分離し、水約10mlで
洗浄した。得量7.6g(水分約30%)また分析の結
果含有されるL−フェニルアラニンの光学純度は98%
であった。この結晶の粉末X線回折図は、2θ=5,1
7.7,18.7および28.2(度)に高いピークを
有する。なお、この結晶の組成は等モルのL−フェニル
アラニン、N−カルボベンゾキシ−L−アスパラギン酸
および水よりなるものであることが確認された。
【0035】利用例5 実施例7で得られたジアステレオマー結晶を水30ml
に懸濁し、カセイソーダにてpH7に調整後5℃まで冷
却した。析出結晶を分離後乾燥し、L−フェニルアラニ
ン2.0gを得た。分析の結果その光学純度は99%以
上であった。
に懸濁し、カセイソーダにてpH7に調整後5℃まで冷
却した。析出結晶を分離後乾燥し、L−フェニルアラニ
ン2.0gを得た。分析の結果その光学純度は99%以
上であった。
Claims (2)
- 【請求項1】 光学活性α−アミノ酸・光学活性N−ア
シルアスパラギン酸複合体 - 【請求項2】 アシル基がカルボベンゾキシ基もしくは
ベンゼンスルホニル基である請求項1記載の複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11738992A JPH07110841B2 (ja) | 1992-05-11 | 1992-05-11 | アミノ酸複合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11738992A JPH07110841B2 (ja) | 1992-05-11 | 1992-05-11 | アミノ酸複合体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58133991A Division JPS6025959A (ja) | 1983-07-22 | 1983-07-22 | Dl―アミノ酸の光学分割法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0649003A true JPH0649003A (ja) | 1994-02-22 |
JPH07110841B2 JPH07110841B2 (ja) | 1995-11-29 |
Family
ID=14710445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11738992A Expired - Lifetime JPH07110841B2 (ja) | 1992-05-11 | 1992-05-11 | アミノ酸複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07110841B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7653600B2 (en) | 1997-05-30 | 2010-01-26 | Capital Security Systems, Inc. | Automated document cashing system |
-
1992
- 1992-05-11 JP JP11738992A patent/JPH07110841B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07110841B2 (ja) | 1995-11-29 |
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