JPH0648263A - 車両の衝突判定装置 - Google Patents

車両の衝突判定装置

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JPH0648263A
JPH0648263A JP3264541A JP26454191A JPH0648263A JP H0648263 A JPH0648263 A JP H0648263A JP 3264541 A JP3264541 A JP 3264541A JP 26454191 A JP26454191 A JP 26454191A JP H0648263 A JPH0648263 A JP H0648263A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の衝突を加速度に基づく衝撃力と速度変
化量から判定する。 【構成】 車両に加わる加速度をオフセット積分器16
が時間積分して速度変化量を演算する一方、加速度に含
まれる車両の衝突時に顕著に現れる特定の帯域成分を帯
域濾波回路17にて抽出し、二乗演算器18において二
乗することで衝撃力を演算し、衝撃力と速度変化量を媒
介変数として判定回路19が衝突判定を行うことによ
り、車両が衝突したときに乗員に危害が及ぶ塑性衝突に
ついて、衝撃力と速度変化量と合わせて総合的に衝突判
定し、高速かつ高精度の衝突判定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、衝撃力と速度変化量
から車両の衝突を高速かつ高精度に判定するようにした
車両の衝突判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の衝突による乗員の死亡事故を減ら
すため、前部座席に座る運転者や運転助手を衝突時の衝
撃から保護するエアバッグ装置の導入が急がれている。
例えば運転席側のエアバッグ装置は、車両のステアリン
グホイールの中央部分にエアバッグが埋め込んであり、
衝突により車両が一定限度を越える衝撃を受けたときに
接点を閉じる衝撃センサが展開信号を発し、スクイブと
呼ばれる起爆素子に動作電流を通電してエアバッグを爆
発的に展開させる構成とされており、展開したエアバッ
グがステアリングホイールと運転者の間に介在して緩衝
機能を果す。しかし、この種の従来のエアバッグ装置
は、衝撃力に感応して機械的に接点を閉じる衝撃センサ
を用いているため、例えば車両が悪路を走行したときに
受ける衝撃や、或は車両が縁石に乗り上げたときに受け
る衝撃等によって衝撃センサが誤動作してしまう危険が
高く、さらにまた車両が電柱などに衝突したさいに電柱
が車体の一部にめり込んでしまうようなケースでは、比
較的緩慢に衝突が行われるために衝撃センサが作動しな
いこともあり、衝撃センサの動作に対する信頼度が低い
といった欠点があった。
【0003】そこで、衝突判定をより確実に行うため、
例えば図6に示した車両の衝突判定装置1のごとく、車
両に取り付けた加速度センサ2の出力を時間積分し、そ
の積分値が安全限界を越えたときに衝突判定するものが
提案されている。同図に示した車両の衝突判定装置1
は、加速度センサ2が検出する加速度信号を高域濾波回
路3を介してアンプ回路4に送り込み、アンプ回路4に
て増幅された加速度信号G(t)をリミッタ回路5によ
り振幅制限したのち、オフセット積分器6に供給してオ
フセット積分するものである。オフセット積分器6は、
通常走行時に発生する加速度信号の最大値をオフセット
Gsとしており、加速度信号G(t)からオフセットG
sを差し引いた値に対し、 [G(t)−Gs]dt なる時間積分を行うものである。オフセット積分器6の
積分出力は、比較器7に供給されてしきい値Erと比較
され、積分出力がしきい値を越えたときに衝突と判定
し、エアバッグのための展開信号が出力されるようにな
っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両の衝突判定
装置1は、オフセット積分器6が加速度信号G(t)を
時間積分する構成であるため、積分結果が得られるまで
に時間がかかり、このため瞬時にして衝突を判定する必
要がある場合などに展開信号が遅れやすいといった課題
があった。いま仮に、車両が中速或は高速で走行してい
るときに、エアバッグの展開に要する時間が30msで
あるとずれば、衝突時の衝撃を受けて前のめりになった
乗員が12.5cm前傾したときに、展開しきったエア
バッグが乗員を受け止めるよう理想的に設計するために
は、実際に衝突が発生してから衝突判定を下すまでに猶
予される期間はきわめて短い時間に限られてしまい、現
実に衝突判定の遅れからエアバッグの展開が間に合わ
ず、満足すべき緩衝効果が得られないケースもあった。
また、オフセット積分器6から得られる速度変化量は、
衝突の前後で著しい変化を示すケースでは衝突判定に役
立つが、例えば車両が電柱に衝突した場合のように比較
的緩慢に停止に至る場合は、悪路走行時と区別できない
ケースも希ではなく、このため電柱衝突時にはエアバッ
グが作動しないのに、山岳道路のような悪路を走行した
ときにエアバッグが作動してしまうなど、衝突判定に正
確さを欠くことがある等の課題を抱えていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決したものであり、車両に加わる加速度を検出する加
速度センサと、この加速度センサの出力を時間積分して
速度変化量を演算する速度変化量演算手段と、前記加速
度センサの出力から車両の衝突時に顕著に現れる特定の
帯域成分を抽出する帯域濾波手段と、この帯域濾波手段
の出力を二乗して衝撃力を演算する衝撃力演算手段と、
この衝撃力演算手段の出力と前記速度変化量演算手段の
出力を媒介変数として衝突判定を行う判定手段とを具備
することを特徴とするものである。
【0006】
【作用】この発明は、車両に加わる加速度を時間積分し
て速度変化量を演算する一方、加速度に含まれる車両の
衝突時に顕著に現れる特定の帯域成分を抽出して二乗す
ることで衝撃力を演算し、衝撃力と速度変化量を媒介変
数として衝突判定を行うことにより、車両が衝突したと
きに乗員に危害が及ぶ塑性衝突について、衝撃力と速度
変化量を合わせて総合的に衝突判定し、高速でなおかつ
高精度の衝突判定を行う。
【0007】
【実施例】以下、この発明の実施例について、図1ない
し図5を参照して説明する。図1は、この発明の車両の
衝突判定装置の一実施例を示す回路構成図、図2は、図
1に示した判定回路に用いる衝突判定マップを示す図、
図3,4,5は、それぞれ正面衝突時とクッションドラ
ム衝突時及び悪路走行時の図1に示した回路各部の信号
波形図である。
【0008】図1に示す車両の衝突判定装置11は、加
速度センサ12により得られる加速度信号をAD変換に
よりディジタルデータに変換し、離散値データとして一
切の処理を行う。加速度センサ12としては、半導体基
板上に応力歪みゲージを形成した半導体加速度センサを
用いており、応力を受けて歪んだときに半導体のピエゾ
抵抗が変化することを利用する応力歪みゲージを、車両
の進行方向に受圧面を向けて組み込んである。加速度セ
ンサ12の出力は、離散値データに変換する前に、まず
折り返し歪みの影響を排除するための低域濾波回路13
において加速度信号を帯域制限し、続いてサンプリング
クロックに同期して動作する開閉スイッチ14を介して
AD変換器15に供給され、所定の量子化ビットをもっ
てディジタルデータに変換される。AD変換器15から
得られる加速度データG(k)は、同時並行的にオフセ
ット積分と衝撃力演算にかけられる。
【0009】まずオフセット積分は、逐次加算型のオフ
セット積分器16により行われ、離散値化された加速度
データG(k)から通常走行時に発生する加速度信号の
最大値を示すオフセットデータGoを減算したものを、
サンプリングクロックに合わせて加算することで行われ
る。すなわち、オフセット積分により得られる速度変化
量ΔV(k)は、 ΔV(k)=Σ[G(k)−Go] として求められる。このため、通常走行時に車両に加わ
る加速度の最大値をオフセットとして積分対象から外す
ことができ、通常走行している最中に悪路から受ける振
動で速度変化量が堆積し続けるケースや、或は車両が縁
石に乗り上げたさいに受ける急激な速度変化といった衝
突判定を狂わせやすい要因を、相当範囲にわたって排除
することができる。また、加速度センサ12自体が個体
差としてもつ定常誤差についてもオフセットに含めるこ
とができるため、計測系の動作補償も併せて可能であ
る。
【0010】一方、衝撃力演算は、まず帯域濾波回路1
7において加速度データに含まれる100Hzから40
0Hzの帯域成分を抽出し、続く二乗演算器18におい
て二乗演算することで行われる。ここでは、車両が衝突
したときに乗員に危害が及ぶ塑性衝突について、車両の
前部を無数のばね体が複合された塑性ばねと見なしてお
り、衝突により車両が停止に至る過程で加速度信号の基
本1/4正弦波に重畳する各種の振動波形のなかから、
衝突時に顕著な変化を示す特定の帯域成分を抽出するこ
とができる。すなわち、加速度データのうち100Hz
から400Hzの帯域成分は、車種ごとに固有の周波数
分布を示すが、衝突の激しさすなわち衝撃の大きさに応
じて大きな変化を示すことが判っており、従ってこれら
の帯域成分に着目することで、速度変化量を追跡しただ
けでは分からない衝撃力を検出することができる。ま
た、二乗演算器18が、正負にわたって変化する上記の
帯域成分を二乗演算するため、加速度の正負に関係なく
衝撃力の大きさを正確に把握することができ、これによ
り後述する判定回路19において、悪路走行や縁石乗り
上げ等に伴う衝撃等と区別して、エアバッグの作動を必
要とする衝突であることを判定することができる。
【0011】オフセット積分出力と衝撃力演算出力は、
判定回路19に供給され、図2に示す衝突判定マップに
従って衝突判定にかけられる。実施例に示した判定回路
19は、衝撃力ΔE(k)と速度変化量ΔV(k)を2
軸とする平面上で衝突域と非衝突域を区画する判定曲線
を境界に衝突判定を行う。すなわち、判定回路19は、
衝撃力ΔE(k)と速度変化量ΔV(k)を媒介変数
(パラメータ)として、まず
【0012】
【数1】
【0013】
【0014】なる算術演算を行い、演算結果が
【0015】
【数2】
【0016】
【0017】なる関係を満たす場合に衝突と判定するも
ので、回路全体は算術演算回路から構成される。なお、
式中のa,bは、衝撃力ΔE(k)と速度変化量ΔV
(k)を2軸とする衝突判定マップ上で楕円近似した判
定曲線の係数であり、車種に固有の値をとるため、車種
ごとに実際に衝突試験を繰り返すことで経験的に最適値
を求めることができる。また、判定曲線としては、楕円
以外にも直線や円或は双曲線さらには3次以上の複雑な
曲線による近似が可能である。
【0018】図2に示した衝突判定マップには、中速で
の正面衝突と高速での正面衝突の外に、緩衝機能をもっ
た缶状体からなるクッションドラムとの衝突や電柱や支
柱といったポールへの衝突といった事例ごとに、衝撃力
ΔE(k)と速度変化量ΔV(k)の相関が最も深い領
域を、それぞれ点線で囲って示してある。また、判定曲
線の内側の領域には、通常走行や車体のシャーシ部分だ
けの危険を伴わない衝突を示すアンダーキャリッジ或は
悪路走行のごとく、判定回路19が非衝突であると判定
する事例についても、衝撃力ΔE(k)と速度変化量Δ
V(k)の相関が最も深い領域をそれぞれ点線で囲って
示してある。これらの分類パターンは、実際に車両を使
って衝突実験をしたさいに得られたデータにもとづいて
作成したものであり、衝撃力ΔE(k)と速度変化量Δ
V(k)が判れば、判定曲線に従って衝突と非衝突が鮮
明に区別できることを物語っている。
【0019】事実、例えば時速50km前後の速度で正
面衝突した場合は、図3に示したように、衝撃力ΔE
(k)も速度変化量ΔV(k)もともに早い段階で一定
の限界を越える変化を見せ、速度変化量ΔV(k)が従
来の判定基準を越える前に、衝撃力ΔE(k)の大きさ
との総合的な判断から衝突判定を行うことができる。従
って、衝突の初期の段階でエアバッグを展開し、乗員を
安全に保護することができる。また、クッションドラム
に時速30km前後で衝突した場合には、図4に示した
ように、衝撃力ΔE(k)自体は小さいものの、速度変
化量ΔV(k)が一定レベルを越えた時点でエアバッグ
を展開させることができる。従って、クッションドラム
との衝突では、速度変化量ΔV(k)が衝突判定の支配
的要因を占めることが判る。さらにまた、従来ポール衝
突時との判別が難しかった悪路走行時については、図5
に示したように、衝撃力ΔE(k)は突発的にある程度
のレベルに達する変化を示すが、速度変化量ΔV(k)
が規定レベルにまで達しないため、誤って衝突判定が下
されることはない。
【0020】このように、車両の衝突判定装置11によ
れば、車両の前部を無数のばね体が複合された塑性ばね
と見なすことで、衝突により車両が停止に至る過程で加
速度信号の基本1/4正弦波に重畳する各種の振動波形
のなかから、衝突時に顕著な特定の帯域成分を抽出する
ことで、速度変化量を追跡しただけでは分からない衝撃
力を検出することができ、これにより正負にわたって現
れる特定帯域成分を二乗して得られる衝撃力から、悪路
走行や縁石乗り上げ等に伴う衝撃等と区別して、エアバ
ッグの作動を必要とする衝突であることを判定し、速度
変化量と合わせて総合的に衝突判定することにより、高
速かつ高精度の衝突判定が可能である。また、衝撃力Δ
E(k)と速度変化量ΔV(k)を2軸とする平面上で
衝突域と非衝突域を区画する曲線を境界に衝突判定を行
う判定回路19を用いたので、衝撃力ΔE(k)と速度
変化量ΔV(k)が与えられたときにこれらを算術的に
関数演算し、演算結果が衝突域と非衝突域を区画する曲
線の内外いずれの側に存在するかをもって衝突判定が可
能であり、特に車種等によって判定曲線が異なろうと
も、関数を置き換えるだけで対応することができるた
め、優れて汎用性を有するものである。
【0021】なお、上記実施例では、判定回路19を算
術演算回路を用いて構成したが、これ以外にも、例えば
衝撃力ΔE(k)と速度変化量ΔV(k)をアドレスと
して衝突判定データを格納したメモリと、このメモリを
読み出し制御する回路から構成することもでき、その場
合に、例えばROM化されたルックアップテーブル等を
用いて瞬時にして衝突判定が可能であり、また車種別に
ROMを用意することで、広範な対応が可能である。ま
た、加速度センサ12としては、ピエゾ抵抗変化を検出
する半導体加速度センサに限らず、圧電素子を用いたも
のや、或は純粋機械式に弾性ばねを用いるものなどを使
用することもできる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、車両
に加わる加速度を時間積分して速度変化量を演算する一
方、加速度に含まれる車両の衝突時に顕著に現れる特定
の帯域成分を抽出して二乗することで衝撃力を演算し、
衝撃力と速度変化量を媒介変数として衝突判定を行う構
成としたから、車両が衝突したときに乗員に危害が及ぶ
塑性衝突について、車両の前部を無数のばね体が複合さ
れた塑性ばねと見なすことで、衝突により車両が停止に
至る過程で加速度信号の基本1/4正弦波に重畳する各
種の振動波形のなかから、衝突時に顕著な特定の帯域成
分を抽出することで、速度変化量を追跡しただけでは分
からない衝撃力を検出することができ、従って正負にわ
たって現れる特定帯域成分を二乗して得られる衝撃力か
ら、悪路走行や縁石乗り上げ等に伴う衝撃等と区別し
て、安全装置の作動を必要とする衝突であることを判定
し、速度変化量と合わせて総合的に衝突判定することに
より、高速かつ高精度の衝突判定が可能であり、単一セ
ンサを用いるシングルポイントセンサ方式にふさわしい
衝突判定装置を提供することができる等の優れた効果を
奏する。
【0023】また、この発明は、加速度センサとして、
半導体基板上に応力歪みゲージを形成した半導体加速度
センサを用いることにより、応力を受けて歪んだときに
半導体のピエゾ抵抗が変化することを利用する応力歪み
ゲージを、車両の進行方向に受圧面を向けて組み込むこ
とで、小型のものでも十分なダイナミックレンジをもっ
て加速度を検出することができ、特に半導体基板と応力
歪みゲージを一体化させた拡散型のセンサの場合、精度
の高いものが安価に入手できるため、全体の製造コスト
を引き下げることができる等の効果を奏する。
【0024】また、速度変化量演算手段として、通常走
行時に車両に加わる加速度の最大値をオフセットとし、
このオフセットを前記加速度センサの出力から差し引い
たものを時間積分するオフセット積分器を用いることに
より、通常走行している最中に悪路から受ける振動で速
度変化量が堆積し続けるケースや、或は車両が縁石に乗
り上げたさいに受ける急激な速度変化といった、衝突判
定を狂わせやすい要因について、通常走行時に車両に加
わる加速度の最大値をオフセットとして積分対象から外
すことができ、また加速度センサ自体が個体差としても
つ定常誤差についてもオフセットに含めることができる
ため、計測系の動作補償も併せて可能である等の効果を
奏する。
【0025】また、前記帯域濾波手段として、100か
ら400Hzまでの周波数帯域に濾波中心を有する帯域
濾波回路を用いることにより、衝突時に塑性変形する車
両の前部の加速度振動波形のうち、衝突時に特有の顕著
な変化を示す帯域成分を抽出し、衝撃力の目安として衝
突判定に有効活用することができ、例えば中心周波数が
250Hzで両側に±150Hzの幅をもったバンドパ
スフィルタを用いることで、こうした帯域成分を十分に
捕捉することができる等の効果を奏する。
【0026】また、衝撃力演算手段として、AD変換に
より離散値化された加速度データを二乗演算する二乗演
算器を用いることにより、ディジタル式の掛算器を用い
た確実で正確な二乗演算が可能であり、高速演算が要求
される衝撃力の割り出しに有効である等の効果を奏す
る。
【0027】さらにまた、判定手段として、衝撃力と速
度変化量を2軸とする平面上で衝突域と非衝突域を区画
する曲線を境界に衝突判定を行う算術演算回路を用いる
ことにより、衝撃力と速度変化量が与えられたときにこ
れらを算術的に関数演算し、演算結果が衝突域と非衝突
域を区画する曲線の内外いずれの側に存在するかをもっ
て衝突判定が可能であり、特に車種等によって判定曲線
が異なろうとも、関数を置き換えるだけで対応できるた
め、優れた汎用性を有する等の効果を奏する。
【0028】また、判定手段を、衝撃力と速度変化量を
アドレスとして衝突判定データを格納したメモリと、こ
のメモリを読み出し制御する回路から構成することによ
り、ROM化されたルックアップテーブル等を用いて瞬
時にして衝突判定が可能であり、また車種別にROMを
用意することで、広範な対応が可能である等の効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の車両の衝突判定装置の一実施例を示
す回路構成図である。
【図2】図1に示した判定回路に用いる衝突判定マップ
を示す図である。
【図3】正面衝突時の図1に示した回路各部の信号波形
図である。
【図4】クッションドラム衝突時の図1に示した回路各
部の信号波形図である。
【図5】悪路走行時の図1に示した回路各部の信号波形
図である。
【図6】従来の車両の衝突判定装置の一例を示す回路構
成図である。
【符号の説明】
11 車両の衝突判定装置 12 加速度センサ 15 AD変換器 16 積分手段(オフセット積分器) 17 帯域濾波手段(帯域濾波回路) 18 衝撃力演算手段(二乗演算器) 19 判定手段(判定回路)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に加わる加速度を検出する加速度セ
    ンサと、この加速度センサの出力を時間積分して速度変
    化量を演算する速度変化量演算手段と、前記加速度セン
    サの出力から車両の衝突時に顕著に現れる特定の帯域成
    分を抽出する帯域濾波手段と、この帯域濾波手段の出力
    を二乗して衝撃力を演算する衝撃力演算手段と、この衝
    撃力演算手段の出力と前記速度変化量演算手段の出力を
    媒介変数として衝突判定を行う判定手段とを具備するこ
    とを特徴とする車両の衝突判定装置。
  2. 【請求項2】 前記加速度センサは、半導体基板上に応
    力歪みゲージを形成した半導体加速度センサであること
    を特徴とする請求項1記載の車両の衝突判定装置。
  3. 【請求項3】 前記速度変化量演算手段は、通常走行時
    に車両に加わる加速度の最大値をオフセットとし、この
    オフセットを前記加速度センサの出力から差し引いたも
    のを時間積分するオフセット積分器であることを特徴と
    する請求項1記載の車両の衝突判定装置。
  4. 【請求項4】 前記帯域濾波手段は、100Hzから4
    00Hzまでの周波数帯域に濾波中心を有する帯域濾波
    回路であることを特徴とする請求項1記載の車両の衝突
    判定装置。
  5. 【請求項5】 前記衝撃力演算手段は、AD変換により
    離散値化された加速度データを二乗演算する二乗演算器
    であることを特徴とする請求項1記載の車両の衝突判定
    装置。
  6. 【請求項6】 前記判定手段は、衝撃力と速度変化量を
    2軸とする平面上で衝突域と非衝突域を区画する衝突曲
    線を境界に衝突判定を行う算術演算回路であることを特
    徴とする請求項1記載の車両の衝突判定装置。
  7. 【請求項7】 前記判定手段は、衝撃力と速度変化量を
    アドレスとして衝突判定データを格納したメモリと、こ
    のメモリを読み出し制御する回路からなることを特徴と
    する請求項1記載の車両の衝突判定装置。
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