JPH0648037Y2 - コーナーテープ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、建築物の内外壁における出隅部分を保護す
るためのコーナーテープに関する。

〔従来の技術〕

コンクリート、モルタル、ボード継ぎ目等の建築物にお
ける出隅部分を保護し、衝撃による損傷や破損の発生を
防ぐコーナーテープを本出願人は実公昭55-6895号によ
ってすでに提案した。

上記のテープは第６図に示すように、多孔性テープ１の
一面側に二条の金属製の薄板テープ２、２を多孔性テー
プ１の中央部で所定の間隔を有するように、長さ方向に
沿って固定した構造になっている。

このコーナーテープ３は、第７図に示す如く、建築物に
おける出隅部分Ａの外面に沿わせ、出隅部分Ａのコーナ
ー稜線に多孔性テープ１の中心部を一致させて折り曲
げ、多孔性テープ１の両側全面に塗装用パテ又は接着剤
を塗布してコーナーテープ３を出隅部分Ａに止め、この
後パテ処理と仕上塗装等により埋込み状態に仕上げるも
のである。

上記のようなコーナーテープ３は、出隅部分Ａの外圧に
対してコーナの欠損を阻止するだけでなく、出隅部分Ａ
を構成するボードＢ、Ｂの大小異なる挙動に対して継ぎ
目を仕上表面に生じさせないという効果がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記のようなコーナーテープ３は、出隅
部分Ａのコーナーに対して多孔性テープ１が位置するだ
けであるため、コーナー部分に物をぶつけたりひっかけ
た場合、多孔性テープ１に破損が生じ、その結果、第７
図に示すように、多孔性テープ１が切れて両側の薄板テ
ープ２、２がめくれ上り、端部が薄く刃物状となって突
出する。

このため、人や物が接触すると損傷を与えるという危険
性があり、しかも多孔性テープを修復するには、コーナ
ーテープを剥して切断し、新たなテープを貼らなければ
ならないため、非常に手間がかかるという問題がある。

この考案の課題は、上記のような問題点を解決するた
め、出隅部分のコーナーに衝撃が加わっても多孔性テー
プが切断されてその結果薄板テープにめくれ上りや剥れ
が発生するということがなく、人や物に対して損傷を与
えない安全性の高いコーナーテープを提供することを目
的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記のような課題を解決するため、この考案は、多孔性
のテープと、半円形もしくはＬ字状の断面形状を有し、
前記テープの一面側中央部の長さ方向に沿わせて固定し
たコーナー保護部材と、前記多孔性テープの一面側でコ
ーナー保護部材を挟む両側の位置に所定の間隔を設けて
長さ方向に固定した薄板テープとで構成され、前記コー
ナー保護部材は、長さ方向に沿う開口面が多孔性テープ
の一面側で開口するように多孔性テープに固定されてい
る構造としたものである。

〔作用〕

出隅部分の外面に重ねて沿わせるとき、中央のコーナー
保護部材をコーナー部分に外接するようにして多孔性テ
ープをパテ又は接着剤で出隅部分に固定すれば、コーナ
ーに臨む多孔性テープの折れ曲り部分は、内側がコーナ
ー保護部材によってコーナーと直接接触するのが防が
れ、外部からの衝撃によって多孔性テープが破損するこ
とがない。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面の第１図乃至第５図
に基づいて説明する。

第１図と第２図のように、コーナーテープ11は、可撓性
を有する多孔性テープのテープ12と、このテープ12の一
面側で中央部長さ方向に沿って固定したコーナー保護部
材13と、多孔性テープ12の一面側でコーナー保護部材13
を挟む両側の位置に、長さ方向に沿って固定した二条の
薄板テープ14、14とによって構成され、両薄板テープ1
4、14は、コーナー保護部材13との間に所定の間隔を有
するように配置されている。

前記多孔性のテープ12は、寒冷紗の如き粗組織物のほ
か、第５図に示すような無数の小孔15を有する薄い金属
テープや合成樹脂テープでもよく、また多孔性で強度の
ある紙テープを使用してもよい。

前記コーナー保護部材13は、金属もしくは合成樹脂を用
い、断面半円形やＬ字状の細幅テープに形成され、その
長さ方向に沿う開口面13aが多孔性テープ12の一面側で
開口するように多孔性テープ12に固定されている。

両側の薄板テープ14、14は、ステンレスや硬質合成樹脂
等を用いて形成され、この薄板テープ14、14と前記コー
ナー保護部材13とは、多孔性テープ12に接着剤を用いて
添着一体化されている。

この考案のコーナーテープは上記のような構成であり、
次に使用の方法を説明する。

第３図に示すように、建築物における出隅部分Ａのコー
ナーにコーナー保護部材13が外接するようコーナーテー
プ11を臨ませ、その両側をコーナーの稜線を挟む表面に
重なるように折り曲げ、コーナーテープ11の両側全面に
塗装用パテ又は接着剤を塗布し、出隅部分Ａにコーナー
テープ11を圧着して止める。

多孔性のテープ12により、塗装用パテ又は接着剤はこの
テープ12を通過して出隅部分Ａの下地面に接着すること
になり、コーナーテープ11を出隅部分Ａへ固定すること
ができる。

この後、コーナーテープ11全体が埋まるように、パテ処
理が行なわれ、仕上塗装16等により表面仕上げを行な
う。

上記の取付け状態で、コーナーに対してコーナー保護部
材13が外嵌接合しているため、多孔性テープ12がコーナ
ーに直接接触することがなく、コーナー部分に外部から
衝撃が加わった場合、コーナー保護部材13が衝撃を吸収
し、多孔性テープ12のコーナーに臨む部分の衝撃による
損傷や欠損の発生を防止することになる。

また、両側の薄板テープ14、14は、第４図に示すよう
に、出隅部分Ａにおける内装乾式工法の下地ボードＢ、
Ｂの継ぎ目やボードとモルタル、プラスター等の塗装仕
上げの継ぎ目の外観上の亀裂防止の保護や欠損の発生を
阻止することになる。

〔効果〕

以上のように、この考案によると、多孔性テープの一面
側中央部長さ方向に半円形もしくはＬ字状の断面形状を
有するコーナー保護部材を固定し、該テープの一面側で
コーナー保護部材を挟む両側の位置に薄板テープを固定
したので、建物の出隅部分を覆うことにより、出隅部分
の継ぎ目やコーナー部分を保護し、外観上の亀裂を防止
し、欠損を阻止することができる。

また、コーナー保護部材が出隅部分のコーナーに外接
し、多孔性テープがコーナーに直接接触するのを防ぎ、
コーナー部分に加わった外部衝撃をコーナー保護部材に
よって緩衝し、多孔性テープの破損の発生がなく、安全
性を向上させると共に、取替え等の手間を省くことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るコーナーテープの正面図、第２
図は同上の横断平面図、第３図と第４図は同上の使用状
態を示す横断面図、第５図はコーナーテープの他の例を
示す正面図、第６図は従来のコーナーテープを示す正面
図、第７図は同上の使用状態を示す横断面図である。 11……コーナーテープ、 12……多孔性のテープ、 13……コーナー保護部材、 14……薄板テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多孔性のテープと、半円形もしくはＬ字状
   の断面形状を有し、前記テープの一面側中央部の長さ方
   向に沿わせて固定したコーナー保護部材と、前記多孔性
   テープの一面側でコーナー保護部材を挟む両側の位置に
   所定の間隔を設けて長さ方向に固定した薄板テープとで
   構成され、前記コーナー保護部材は、長さ方向に沿う開
   口面が多孔性テープの一面側で開口するように多孔性テ
   ープに固定されているコーナーテープ。