JPH0647859Y2 - 穀粒運搬車における穀粒取出用の送穀装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、穀粒運搬車の穀粒ホッパーから排出される穀
粒を取出す穀粒取出用の送穀装置についての改良に関す
る。

［従来の技術］ コンバインにより圃場において収穫した穀粒を、穀粒乾
燥機が設置してある作業場に運搬するのに、トラックの
荷台に穀粒ホッパーを装架して構成する穀粒運搬車が用
いられるようになってきているが、その穀粒運搬車で作
業場に運搬した穀粒を荷卸しするときに、その穀粒を作
業場に設置されている穀粒乾燥機の機内に直接張込んで
いけることの要望がある。

この要望に応えるため、穀粒ホッパーの排出口に、長い
フレキシブルのパイプを接続するとともに、穀粒ホッパ
ー内の底部に横設する搬送樋内に配設するコイルバネよ
りなる送穀螺旋を長く延長し、その延長した送穀螺旋を
このパイプ内に嵌挿することで、穀粒ホッパーの排出口
に、長い送穀コンベアが接続する状態となるようにし
て、この送穀コンベアを作業場に設置してある穀粒乾燥
機の張込口に導き、穀粒運搬車で運搬してきた穀粒を車
体に装架してある穀粒ホッパーから排出するときに、そ
の穀粒を穀粒乾燥機の機内に張込んでいけるようにする
手段が開発されている。

［考案が解決しようとする課題］ この手段は、穀粒運搬車を運転走行させるときに、接続
した送穀コンベアが邪魔になる問題がある。また、この
ことから、運搬車の車体に装架してある穀粒ホッパーの
排出口に、その排出口から排出される穀粒を、作業場に
設置されている穀粒乾燥機の張込口に導くための、送穀
コンベアを装脱自在に接続せしめるようにすると、その
送穀コンベアを駆動させるために、複雑な機構が必要と
なり、また、伝導機構を接続するための面倒な接続操作
を要するようになる別の問題が出てくる。

本考案は、これらの問題を解消せしめるためになされた
ものであって、穀粒運搬車の荷台に装架せる穀粒ホッパ
ーの排出口に対して、穀粒を作業場に設置されている穀
粒乾燥機の張込口に導くための送穀コンベアの受入口を
接続する操作が、簡単に行なえ、かつ、穀粒ホッパーの
排出口から排出される穀粒を穀粒乾燥機の張込口に送給
するよう、その送穀コンベアを駆動させるのが、簡単な
操作で行なえるようにする新たな穀粒運搬車用の送穀手
段を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ そして、本考案においては、この目的を達成するための
手段として、運搬車の荷台上に、穀粒ホッパーとその穀
粒ホッパー内に装設せる送穀装置の駆動用のモーターと
を装架し、そこ穀粒ホッパーには後面側に後方に突出す
る排出筒を設け、かつ、該穀粒ホッパーの後面側には、
前記モーターの接続コードに接続するスイッチとその接
続コードを電源コンセントに接続せしめる挿込プラグを
具備せしめて電源コードとを設けるとともに、電源取出
用のソケットを、前記電源コードに接続せしめて設け、
別に前記排出筒の吐出口から吐出する穀粒を受入れ得る
ホッパーを形成して所望の場所に移動自在の機台に支架
し、そのホッパーには、それの排出口に送穀螺旋を収蔵
せる送穀筒を接続するとともにその送穀螺旋を駆動せし
めるモーターを組付け、かつ、そのモーターの電源コー
ドに、前記ソケットに挿込まれる挿込プラグを装備せし
めてなる穀粒運搬車における穀粒取出用の送穀装置を提
起するものである。

［実施例］ 次に実施の一例を図面に従い詳述する。

第１図は本考案による穀粒運搬車における穀粒取出用の
送穀装置の側面図で、同図においてＡは運搬車１とその
運搬車１の荷台10に装架した穀粒ホッパー２とで構成せ
る穀粒運搬車、３はその穀粒運搬車Ａと別体に形成した
ホッパーを示す。

運搬車１は、車体にキャビン11と荷台10とを装備せしめ
た通常のトラックである。

穀粒ホッパー２は、前記荷台10上に載架し得る大きさの
箱状に形成されて、機枠20に支架せしめてあり、その機
枠20ごと前記荷台10上に載架せしめてある。該穀粒ホッ
パー２は、それの底壁21が第２図にて鎖線に示している
ように漏斗状に形成してある。また後面側の機壁22の下
部には排出口が形成してあり、その排出口には後方に向
けて突出する排出筒23が接続してある。そして、該穀粒
ホッパー２の内腔の底部には、前記漏斗状の底壁21で集
められる穀粒を前記排出筒23に送り出す送穀装置を構成
するスクリューオーガー24が、該穀粒ホッパー２の内腔
を前後に貫通するように横架軸支してある。

Ｍは前記スクリューオーガー24を駆動するモーターで、
穀粒ホッパー２の機枠20に組付け支架せしめてあり、そ
れの出力軸は、穀粒ホッパー２の前面側の機壁の外面に
設けた伝導機筐25内の伝導機構を介して前述のスクリュ
ーオーガー24の回転軸に伝導している。

４は前記モーターＭに接続した接続コードで、穀粒ホッ
パー２の底壁21の外面に沿い配線されて、後面側の機壁
22の外面に組付けたスイッチ40に接続している。そし
て、そのスイッチ40には、先端に商用電源の電源コンセ
ントに挿込まれる挿込プラグ50を具備する電源コード５
が、穀粒ホッパー２の後部から長く引出し得るように接
続せしめてあって、この電源コード５の挿込プラグ50
を、作業場に設置してある商用電源の電源コンセントに
挿込み接続した状態で前記スイッチ40をオンに操作する
ことで、モーターＭが作動するようにしてある。

６は穀粒ホッパー２の後面側に設けた電源取出用のソケ
ットで、それに接続する接続コード60は、前述のスイッ
チ40を介して前記モーターＭの電源コード５に接続して
ある。

３は前述の穀粒運搬車Ａとは別体に形成したホッパー
で、第１図に示している如く、穀粒運搬車Ａの穀粒ホッ
パー２から後方に突出する排出筒23の吐出口23aの下方
に配置して、その吐出口23aから吐出される穀粒を上面
側に開放する受入口から受入れ得る形状に形成してあっ
て、所望の場所に設置し得る機台30に組付け支架してあ
る。そして該ホッパー３にはそれの底部の一側面に排出
口31が装設してあり、その排出口31には、撓曲自在の可
撓管に形成した長い送穀筒80の基端部が接続し、その送
穀筒80内には、コイルバネ状に形成した送穀螺旋81が回
転自在に収蔵され、それの送穀方向の終端側は、送穀筒
80の先端に設けた剛体の放出筒80aに軸支され、送穀方
向の始端側は、ホッパー３の機枠3aに軸支した回転軸82
に連結せしめてある。

９は前記送穀螺旋81を駆動するモーターで、前記機台30
に組付け支架せしめ、それの出力軸を前述の回転軸82に
伝導連結することで送穀螺旋81を駆動するようにしてあ
るが、該モーター９はそれの電源コード90の遊端側に前
述の穀粒運搬車Ａの穀粒ホッパー２の後面側に装設した
ソケット６に対し挿込プラグ91を設けておいて、そのソ
ケット６との接続により、穀粒運搬車Ａの穀粒ホッパー
２の送穀装置（スクリューオーガー24）を駆動するモー
ターＭの電源回路を介し駆動せしめるようにしてある。

なお、図面において、83は送穀筒80の先端の放出筒80a
に設けた放出口、Ｂは作業場に設置せる穀粒乾燥機、ｂ
はその穀粒乾燥機Ｂの張込口を示している。

［作用］ このように構成せる実施例装置は次のように作用する。

穀粒運搬車Ａで圃場から運搬してきた穀粒の荷卸しを
行なうとき、または、穀粒運搬車Ａの荷台10に装架した
穀粒ホッパー２に収容して圃場から運搬してきた穀粒
を、穀粒乾燥機Ｂが設置してある作業場において荷卸し
するときは、 まず、穀粒運搬車Ａの荷台10に装架してある穀粒ホッパ
ー２の後面側に突設せしめた排出筒23の吐出口23aの下
方に、その穀粒ホッパー２とは別体に形成して機台30に
支架せしめてあるホッパー３を配位する。この作業は、
ホッパー３が所望の場所に設置し得る機台30に支架して
あることから、その機台30ごとの移動により簡単に行な
える。

次いで、そのホッパー３の排出口31に基端側が接続して
ある送穀筒80の先端側の放出口83を、作業場に設置して
ある穀粒乾燥機Ｂの張込口ｂに臨ませた状態とする。

次に、穀粒運搬車Ａの荷台10に装架した穀粒ホッパー２
に設けてある送穀装置の駆動用のモーターＭの電源コー
ド５を引き出して、作業場に装設してある商用電源の電
源コンセントに接続する。

さらに、別体に形成しておいたホッパー３の排出口31に
接続する送穀筒80内の送穀螺旋81を駆動するモーター９
の電源コード90を、前記運搬車Ａの荷台10に装架した穀
粒ホッパー２の後面側に設けてあるソケット６に接続す
る。

そして、この状態となったところで、穀粒運搬車Ａの荷
台10の穀粒ホッパー２の後面側に装設してあるスイッチ
40を操作してオンに作動させる。

これにより穀粒運搬車Ａの荷台10上の穀粒ホッパー２内
の送穀装置（スクリューオーガー24）が作動して、該穀
粒ホッパー２内の穀粒が排出筒23の吐出口23aから吐出
するようになる。また、別体のホッパー３に接続する送
穀筒80内の送穀螺旋81の駆動用のモーター９が、作動し
て前記送穀螺旋81を駆動し、穀粒運搬車Ａの荷台10の穀
粒ホッパー２の吐出口23aから、この別体のホッパー３
内に吐出されてくる穀粒を、送穀筒80内の送穀螺旋で穀
粒乾燥機Ｂの張込口ｂに向け搬送して、その張込口ｂに
投入していくようになる。

穀粒の荷卸しを終えたとき、 穀粒の荷卸しを終えたときは、まず、穀粒運搬車Ａの荷
台10上の穀粒ホッパー２の後面側に設けてあるソケット
６から、別体のホッパー３の送穀螺旋81の駆動用のモー
ター９の電源コード90の先端の挿込プラグ91を外す。こ
れにより、穀粒運搬車Ａと別体のホッパー３との連繋が
離れるから、別体のホッパー３は、機台30ごとの移動で
所望の場所に格納する。

次に、穀粒運搬車Ａの荷台10上の穀粒ホッパー２の後面
側に設けてある電源コード５の先端を電源コンセントか
ら抜きとって巻込み、該穀粒ホッパー２の機枠20に収納
する。これにより、穀粒運搬車Ａは自在に走行できる状
態となる。

［考案の効果］ 以上説明したように上述の如く構成してある本考案によ
る穀粒運搬車における穀粒取出用の送穀装置は、次の効
果が得られる。

穀粒運搬車Ａの荷台10上の穀粒ホッパー２から排出され
る穀粒を、作業場に設置してある穀粒乾燥機Ｂの張込口
ｂに投入していく際、別体に形成して移動自在の機台30
に支架したホッパー３とそれの排出口31に接続する送穀
筒80らよりなる穀粒取出用の送穀装置が、その別体のホ
ッパー３を、それを支架せる機台30ごとの移動により、
それの受入口が穀粒運搬車Ａの荷台10上の穀粒ホッパー
２の排出筒23の下方に位置するように据えるだけで、何
等の機構的な接続・連結手段を要することなく、穀粒運
搬車Ａの荷台10上の穀粒ホッパー２に対して接続させ得
るようになる。

そして、その別体の送穀装置の送穀螺旋81の駆動が、こ
の別体のホッパー３に組付けてあるモーター９の電源コ
ード90の挿込プラグ91を、穀粒運搬車Ａの荷台10上の穀
粒ホッパー２の後面側に設けてあるソケット６に接続す
るだけの操作で行なえるようになる。

従って、穀粒運搬車Ａの荷台10上の穀粒ホッパー２の排
出筒23から排出される穀粒を、作業場に設置してある穀
粒乾燥機Ｂの張込口ｂに対して直接送り込めるようにす
るために、別体に形成してある送穀装置たる送穀螺旋81
を収蔵した送穀筒80を、何等の機械的な接続手段および
接続操作を要することなく、穀粒運搬車Ａの荷台10上の
穀粒ホッパー２の排出筒23に接続連通でき、また、接続
したこの送穀螺旋81の駆動が、それの駆動用のモーター
９の電源コード90を、穀粒運搬車Ａの荷台10上の穀粒ホ
ッパー２に設けられているモーターＭの回路に対する接
続により簡単に得られるようになり、しかも、穀粒運搬
車Ａの荷台10上の穀粒ホッパー２からの穀粒排出作動と
一緒に送穀螺旋81の送穀作動を制御せしめ得るようにな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置の側面図、第２図は同上の
後面図である。 図面符号の説明 Ａ…穀粒運搬車、Ｂ…穀粒乾燥機 ｂ…張込口、１…運搬車 10…荷台、11…キャビン ２…穀粒ホッパー、20…機枠 21…底壁、22…機壁 23…排出筒、23a…吐出口 24…スクリューオーガー、25…伝導機筐３ …ホッパー、3a…機枠 30…機台、31…排出口 ４…コード、40…スイッチ ５…電源コード、50…挿込プラグ ６…ソケット、60…接続コード 80…送穀筒、80a…放出筒 81…送穀螺旋、82…回転軸 83…放出口、９…モーター 90…電源コード、Ｍ…モーター

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】運搬車１の荷台10上に、穀粒ホッパー２と
   その穀粒ホッパー２内に装設せる送穀装置の駆動用のモ
   ーターＭとを装架し、その穀粒ホッパー２には後面側に
   後方に突出する排出筒23を設け、かつ、該穀粒ホッパー
   ２の後面側には、前記モーターＭの接続コード４に接続
   するスイッチ40とその接続コード４を電源コンセントに
   接続せしめる挿込プラグ50を具備せしめた電源コード５
   とを設けるとともに、電源取出用のソケット６を、前記
   電源コード５に接続せしめて設け、別に前記排出筒23の
   吐出口23aから吐出する穀粒を受入れ得るホッパー３を
   形成して所望の場所に移動自在の機台30に支架し、その
   ホッパー３には、それの排出口31に送穀螺旋81を収蔵せ
   る送穀筒80を接続するとともにその送穀螺旋81を駆動せ
   しめるモーター９を組付け、かつ、そのモーター９の電
   源コード90に、前記ソケット６に挿込まれる挿込プラグ
   91を装備せしめてなる穀粒運搬車における穀粒取出用の
   送穀装置。