JPH0647548A - 自動溶接方法及び装置 - Google Patents

自動溶接方法及び装置

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JPH0647548A
JPH0647548A JP22806592A JP22806592A JPH0647548A JP H0647548 A JPH0647548 A JP H0647548A JP 22806592 A JP22806592 A JP 22806592A JP 22806592 A JP22806592 A JP 22806592A JP H0647548 A JPH0647548 A JP H0647548A
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JP
Japan
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welding
value
welding torch
welding current
torch
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Application number
JP22806592A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Miyahara
洋 宮原
Kohei Miura
浩平 三浦
Chiyuki Maehama
千之 前浜
Kenji Takashita
健二 高下
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Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動アーク溶接開始後に溶接電流の設定値を
変えても、当初設定した溶接部と溶接トーチとの距離が
変わらないで、確実に溶接できるようにする。 【構成】 溶接トーチ20の移動方向に直交する面内に
おいて溶接トーチを一定周期で揺動させること、溶接電
流の周波数成分のうち溶接トーチの揺動周期と同一の周
波数成分を検出すること、1揺動期間中の平均溶接電流
値Qを検出すること、検出した上記揺動周期と同一の周
波数成分が小さくなるように溶接トーチの揺動中心位置
を揺動中心線に直交する方向に移動させること、上記1
揺動期間中の平均溶接電流値の初期値Q0 からの変化分
Q0 −Q及び溶接電流設定値の初期値I0 からの変化分
I0 −Iをあらかじめ定めた比率kで加算した値が小さ
くなる方向に溶接トーチの揺動中心位置を揺動中心軸線
に沿って移動させること、を行って自動的にアーク溶接
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動溶接方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動溶接装置としては、特開昭6
0−56483号公報に示されるようなものがある。こ
れに示される自動溶接装置は、溶接信号(電流又は電
圧)のウィービング(揺動)周波数成分を抽出する第1
バンドパスフィルタと、揺動周波数成分と揺動波形との
位相を調整する第1位相調整器と、これの出力を揺動半
周期信号に同期して整流する第1同期整流器と、これの
出力を揺動の1周期間、積分する第1積分器と、溶接信
号の揺動周波数の2倍の周波数成分を抽出する第2バン
ドパスフィルタと、揺動周波数の2倍の周波数成分と揺
動波形との位相を調整する第2位相調整器と、これの出
力を揺動1/4 周期信号に同期して整流する第2同期整流
器と、これの出力を揺動の1周期間、積分する第2積分
器と、を有しており、溶接中に溶接トーチを一定周期で
連続的に揺動させ、揺動の1周期の終りにおける第2積
分器の出力を第1積分器の出力より減算し、減算値が正
のときにのみ揺動1周期の終りにおける第1積分器の出
力の極性により位置ずれ方向を判別して、出力差に応じ
た量だけ溶接トーチを移動させることにより、溶接トー
チと溶接部とのすきま(ギャップ)が一定に保持された
状態で自動溶接を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の自動溶接装置には、溶接トーチの揺動周期
の2倍周波数成分を検出する必要があり、また、これを
積分する必要があるので、このための積分器を必要と
し、演算機構も複雑になるため、装置が高価になるとい
う問題点がある。また、溶接中に溶接電流の設定値を変
えると、溶接開始前に設定しておいたギャップが変わっ
てしまい、確実な溶接を行うことができないという別の
問題点もある。本発明はこのような課題を解決すること
を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均溶接電流
値の初期値からの変化分と溶接電流設定値の初期値から
の変化分を加算した値が小さくなる方向に、溶接トーチ
の揺動中心位置を揺動中心軸線に沿って移動させること
により上記課題を解決する。すなわち本発明の自動溶接
方法は、溶接部に沿って自動的に溶接トーチを移動させ
てアーク溶接を行う方法であって、溶接トーチの移動方
向に直交する面内において溶接トーチを一定周期で揺動
させること、溶接電流の周波数成分のうち溶接トーチの
揺動周期と同一の周波数成分を検出すること、1揺動期
間中の平均溶接電流値を検出すること、検出した上記揺
動周期と同一の周波数成分が小さくなるように溶接トー
チの揺動中心位置を揺動中心線に直交する方向に移動さ
せること、上記1揺動期間中の平均溶接電流値の初期値
からの変化分及び溶接電流設定値の初期値からの変化分
をあらかじめ定めた比率で加算した値が小さくなる方向
に溶接トーチの揺動中心位置を揺動中心軸線に沿って移
動させること、を行うようにしている。また、上記方法
を実施する装置は、溶接トーチ(20)と、これにワイ
ヤ(26)を供給するワイヤ送給装置(24)と、溶接
トーチ(20)を移動方向に直交する面内において揺動
させる揺動装置(22)と、これを揺動中心線に直交す
る方向に移動させる横方向移動装置(28)と、揺動装
置(22)を揺動中心軸線に沿って移動させる上下方向
移動装置(29)と、横方向移動装置(28)及び上下
方向移動装置(29)を溶接部に沿って移動させる縦方
向移動装置(38)と、溶接電流設定部(50a)が設
けられているとともに設定された溶接電流を溶接トーチ
(20)に供給する溶接電源(50)と、溶接トーチ
(20)の溶接電流を検出する電流検出器(52)と、
溶接トーチ(20)の揺動位置を検出して揺動位置信号
(64)を出力する揺動位置検出器(60)と、電流検
出器(52)からの溶接電流値信号(54)に基づいて
溶接電流の周波数成分のうち溶接トーチ(20)の揺動
周期と同一の周波数成分(S)を演算しこの値に基づい
て横方向移動装置(28)に作動指令信号(66)を出
力する一方上下方向移動装置(29)に作動指令信号
(67)を出力する制御装置(56)と、を有するもの
において、上記制御装置(56)には、上記溶接電源
(50)の溶接電流設定部(50a)から溶接電流設定
値信号(51)が入力されており、上記制御装置(5
6)は、上記溶接電流値信号(54)及び上記揺動位置
信号(64)に基づいて平均溶接電流値(Q)を算出す
るとともに溶接電流設定値(I)の初期値(I0)から
の変化分及び平均溶接電流値(Q)の初期値(Q0 )か
らの変化分をあらかじめ定めた比率(k)で加算した値
を上記作動指令信号(67)とすることを特徴としてい
る。なお、かっこ内の符号は実施例の対応する部材など
を示す。
【0005】
【作用】上記のような構成によって、溶接トーチの位置
ずれが修正可能であるのは次のような原理による。すな
わち、溶接トーチの位置ずれの大きさと方向について、
大きさは、溶接電流の周波数成分のうち溶接トーチの揺
動周期と同一の周波数成分の大きさに対応させることが
でき、また、方向はトーチ揺動に対する前記の周波数成
分の位相の正逆関係によって決定できる。このことは、
次の説明から明らかである。溶接電流は、ワイヤ先端と
相手部材との距離に対応している。すなわち上記距離が
小さいほど電流が増大する。たとえば、図4(a)に示
すように溶接トーチが溶接部から大きく位置ずれする
と、左側の斜面Mは溶接電流にほとんど影響を与えず、
右側の斜面Nのみとの関係で溶接電流が決定される。従
って、1揺動周期中に溶接トーチは斜面Nに1回最も接
近し、また1回最も遠ざかり、これに応じて1回だけ最
大電流が得られ、また1回だけ最小電流が得られる。こ
のため、溶接電流は図4(b)に示すように変化する。
この溶接電流の周期は揺動周期と一致している。従っ
て、溶接電流の、溶接トーチの揺動周波数と同一の、周
波数成分の大きさ(振幅)は大きくなっている。一方、
図5(a)に示すように、溶接トーチの位置ずれが比較
的小さい場合には、斜面M側に揺動したときにもこれの
影響を受ける。しかし、斜面Mの影響の度合は、斜面N
の影響の度合よりも小さい。したがって、図5(b)に
示すように、溶接電流は1揺動周期中に大小2つの山を
生ずることになる。すなわち、溶接トーチの揺動周期と
同一の周波数成分と、これ以外の成分とを合成した電流
波形が得られる。このため、溶接トーチの揺動周期と同
一の周波数成分の度合は相対的に小さくなっている。更
に、図6(a)に示すように、溶接トーチのずれが全く
ない状態になると、1回の揺動ごとに斜面Mと斜面Nと
が同等の影響を与え、揺動周期と同一の周波数成分は存
在しないことになる。このように、図4から図6の状態
に変化するに従って、揺動周期と同一の周波数成分が減
少していく(換言すれば、1回の揺動について電流変化
が1回発生する度合いが減少していく)。従って、上述
のように、溶接電流の、溶接トーチの揺動周波数と同一
の周波数成分の大きさ(振幅)は、溶接トーチの溶接部
からの位置ずれの大きさに応じて増大していくことにな
る。一方、溶滴の落下、ワイヤの曲り、ワイヤ送給速度
の変動、仮付部の有無等の条件の変化による影響は、こ
れらの周波数成分が溶接トーチの揺動周波数と異なるた
め、溶接トーチの揺動周波数と同一の周波数成分の大き
さにほとんど影響を与えない。また、溶接トーチのずれ
の方向によって位相の正逆関係が相違することは、図7
(a)及び(b)と図8(a)及び(b)とを比較すれ
ば明らかである。すなわち、斜面Mと斜面Nとの影響度
合いは溶接トーチのずれの方向によって全く逆となる。
従って、同一のトーチ揺動に対して、電流波形の位相関
係は正逆の関係(同位相又は逆位相の関係、すなわち1
80度の位相差を持つ関係)になり、このために、電流
の周波数成分のうちトーチ揺動周期と同一の周波数成分
の位相関係も正逆の関係になる。以上のようにして、溶
接電流の周波数成分のうち溶接トーチの揺動周期と同一
の周波数成分の大きさと位相の正逆関係とから溶接トー
チの位置ずれの度合いと方向とを求めた後、ずれの度合
いに応じた(比例した)量だけ逆方向にトーチ位置を移
動させる。これにより溶接トーチの位置は溶接部の真上
に接近するので、この操作を繰返して行うことにより溶
接トーチを溶接部の真上に移動させ保持することが可能
になる。更にいえば、上述した溶接電流の周波数成分の
うち溶接トーチの揺動周期と同一の周波数成分の大きさ
及び位相の正逆関係は、具体的には、溶接電流と溶接ト
ーチの揺動量とを乗算し、乗算値を各揺動周期ごとに積
分して得られる積分値の絶対値及びその正負の関係とし
て求めることが可能である。従って、溶接電流と溶接ト
ーチの揺動量とを乗算すると共に乗算値を各揺動周期ご
とに積分し、上記積分によって得られる積分値の正負か
ら、溶接トーチの修正方向を決定し、この修正方向に上
記積分値の絶対値に応じた量だけ溶接トーチの揺動中心
位置を移動すれば、上記のような溶接条件の変動に影響
されることなく、溶接トーチの位置を溶接部に一致させ
ることができる。上記演算によって、溶接トーチの揺動
周波数と同一の周波数成分が取り出されることは、フー
リェ級数に基づいて説明される。すなわち、関数f
(t)がーπ≦t≦πの変域で周期的である場合には、
【数1】 と展開することができ、ここで
【数2】
【数3】 である。従って、揺動周期と同一の周波数成分は、
【数4】
【数5】 であるが、トーチの揺動動作が正弦波(sint)状に
なるように揺動させることによって、a1 は考慮不要と
なり、揺動周期と同一の周波数成分(基本波成分)S
は、 S=b1 となる。従って、溶接電流(f(t))と溶接トーチの
揺動量とを乗算し、乗算値を各揺動周期ごとに積分する
ということは、上記演算を行っていることに相当し、基
本波成分Sを求めていることになる。一方、1揺動期間
中の平均溶接電流値は、溶接トーチと溶接部との揺動中
心線軸方向の距離の大きさに応じて変化する。このこと
は次の説明から明らかである。いま溶接トーチが、図9
(a)のように揺動中心線軸方向の、ある初期位置に位
置し、図9(b)のような電流波形を示しているものと
すると、電流の平均値はIm0 であり、1揺動周期中の
電流変化の大きさはIb0 −Ia0 である。溶接中に溶
接トーチが図10(a)のように揺動中心線軸方向に沿
って溶接部に近づく方向にずれた場合(すなわち、上下
方向位置yが図9(a)のy0 から図10(a)のy1
に減少したとき)、電流の平均値が図9(b)のIm0
から図10(b)のIm1 に増加し、さらに1揺動周期
中の電流変化の大きさもIb0 −Ia0 からIb1 −I
a1 に増加する。逆に溶接トーチが溶接部から遠ざかる
方向にずれた場合、上記説明とは反対に、電流の平均値
は減少し、さらに1揺動周期中の電流変化の大きさも減
少する。これは次の理由による。溶接電流は、ワイヤ先
端と相手部材との距離が近いほど大きくなるので、溶接
トーチが溶接部に近づくほど平均電流も大きくなる。ま
た、同一の振幅で溶接トーチを揺動させた場合、溶接ト
ーチが溶接部に近いほどワイヤ先端と相手部材との最接
近距離(揺動位置cまたはbでの斜面M又はNへの距
離)と最離反距離(揺動位置aでの斜面M又はNへの距
離)の差異が大きくなるので、電流変化の度合いも大き
くなる。以上説明したように、平均溶接電流は、溶接ト
ーチの上下方向位置yによって変化するので、溶接中、
溶接電流設定値が一定のままであれば、平均溶接電流を
初期値(適正条件下で溶接開始した直後の値)からの変
化分(増減)が小さくなるように溶接トーチを揺動中心
線軸方向(y方向)に移動すれば、溶接トーチの揺動中
心線軸方向の位置を一定に保つことができる。溶接の途
中で溶接電流設定値を変更する場合には、平均溶接電流
値の初期値からの変化分及び溶接電流設定値の初期値か
らの変化分より差分Eを求める。 E=k{(Q0 −Q)−(I0 −I)} ここにQ0 :平均溶接電流の初期値 Q :平均溶接電流 I0 :溶接電流設定値の初期値 I :溶接電流設定値 k :比例係数 この差分Eの値が小さくなるように溶接トーチを揺動中
心線軸方向に移動させる。これにより溶接中に溶接電流
設定値を変更しても、被溶接物の溶接部と溶接トーチと
のy方向の距離(ギャップ)を一定に維持することがで
きる。
【0006】
【実施例】図1に下向き隅肉溶接の場合の本発明の実施
例を示す。溶接トーチ20は揺動装置22によって揺動
可能に支持されている。揺動装置22は溶接トーチ20
を一定周期で揺動させることができる。溶接トーチ20
にはワイヤ送給装置24からワイヤ26を送給可能であ
る。揺動装置22は上下方向移動装置29と支持部材3
1を介して連結されている。上下方向移動装置29はモ
ータ29aを有しており、このモータ29aを作動させ
ることにより、支持部材31を図1中で上下方向に移動
させることができる。すなわち、モータ29aを駆動さ
せることにより、揺動装置22及びこれに支持された溶
接トーチ20を上下方向に移動させることができる。上
下方向移動装置29は横方向移動装置28と支持部材3
0を介して連結されている。横方向移動装置28はモー
タ28aを有しており、このモータ28aを作動させる
ことにより支持部材30を図1中で水平方向に移動させ
ることができる。すなわち、モータ28aを駆動するこ
とにより、揺動装置22及びこれに支持された溶接トー
チ20を水平方向に移動させることができる。モータ2
8a及び29aはパルスモータであり、入力される正転
用又は逆転用パルスに応じて正転又は逆転する。横方向
移動装置28は、フレーム32上に軸受34及び36を
介して溶接方向(紙面に直交する方向)に移動可能に支
持された走行台38上に設けられている。なお、走行台
38を駆動する駆動装置は図示を省略してある。この走
行台38及び駆動装置が縦方向移動装置を構成する。走
行台38を移動させることにより、溶接トーチ20を紙
面に直交する方向に移動させることができる。被溶接物
40及び42は台44上に設置される。被溶接物40及
び42の接触面端部が溶接すべき溶接部46である。ワ
イヤ送給装置24及び台44はそれぞれ給電線47及び
48によって溶接電源50と接続されている。溶接電源
50には溶接電流設定部50aが設けられており、これ
に溶接電流設定値を設定可能である。また、溶接電源5
0には電流検出器52も設けられており、溶接電源50
の溶接電流設定部50aからの溶接電流設定信号51及
び電流検出器52からの信号54は、それぞれ制御装置
56に入力される。電流検出器52は、たとえばホール
素子を利用した磁気的電流検出器又はシャント抵抗器で
あり、溶接電流に比例した信号54を発生する。制御装
置56には揺動装置22に設けられた揺動位置検出器6
0からの信号64も入力される。揺動位置検出器60
は、溶接トーチ20が揺動中心位置を1方向から通過す
るときに(すなわち、1揺動周期に付き1回)パルス状
の信号64を発生するものであり、たとえば溶接トーチ
20と連動するスリット機構及び光電スイッチによって
構成することができる。制御装置56は、モータ28a
へ回転量及び回転方向を指令する信号66、及びモータ
29aへ回転量及び回転方向を指令する信号67を出力
することができる。制御装置56の構成を図2にブロッ
ク図として示す。制御装置56は、AD変換器70、マ
イクロプロセッサ72、記憶器74、及び駆動信号出力
部76及び77を有している。AD変換器70は、電流
検出器52からのアナログ信号54をデジタル信号80
に変換し、また、溶接電源50の溶接電流設定部50a
からのアナログ信号51をデジタル信号81に変換す
る。マイクロプロセッサ(中央処理装置CPU)72
は、記憶器74に格納してあるプログラムに基づいて、
信号の読み込み、演算、信号の出力等の制御を行い、後
述のような機能を達成する。記憶器74にはマイクロプ
ロセッサ72を作動させるプログラム及び演算に必要な
データが格納してあり、また演算中の数値データ等も一
時的に格納される。上述の溶接電流設定信号51に対応
するデータは、溶接電流設定値の初期値I0 として記憶
器74に記憶される。駆動信号出力部76及び77は、
マイクロプロセッサ72からの信号82及び83に応じ
てそれぞれモータ28a及び29aを所定量だけ所定方
向に駆動するパルス信号66及び67を出力する。
【0007】次に、この実施例の作用を説明する。図1
及び2に示す装置により次のようにして溶接が行われ
る。溶接トーチ20は、揺動装置22によって図1中紙
面に平行平面内で揺動中心線(この場合、垂直線)を中
心として揺動しつつ走行台38によって紙面に直交する
方向に移動し、溶接部46をアーク溶接する。溶接トー
チ20が溶接部46の真上の一定高さ位置を通過するよ
うに、制御装置56からの信号66及び67によってモ
ータ28a及び29aが回転し、溶接トーチ20は水平
方向及び上下方向に移動される。制御装置56は、揺動
位置検出器60からのパルス状の信号64及び電流検出
器52からの信号54に基づいて、図3に示すフローチ
ャートの手順に従ってモータ28aに出力する信号66
及びモータ29aに出力する信号67を決定する。ま
ず、揺動位置検出器60からの信号64がオンとなるこ
とを検出することにより、溶接トーチ20が最初に揺動
中心位置を1方向から通過することを検出し(ステップ
102)、これを検出すると同時にAD変換器70から
の信号81(溶接電流設定値の初期値I0 )を読み込
み、記憶器74に記憶させる(ステップ103)。これ
と同時にAD変換器70からの信号80を読み込み、記
憶器74に記憶させる(ステップ104)。次いで、微
小時間△T(たとえば、揺動周期の1/100の時間)
のアイドル時間をおいて(ステップ106)、溶接トー
チ20が揺動中心位置にあるかどうかを判断し(ステッ
プ108)、揺動中心位置に復帰していない場合にはス
テップ104に戻って微小時間△T後の信号80を読み
込み、記憶器74に記憶させる。この信号80の読み込
み及び記憶は溶接トーチ20が揺動中心位置に復帰する
まで(すなわち、揺動位置検出器60からの信号64が
オンとなるまで)繰り返される。すなわち、1揺動周期
間に信号80が△T時間毎に100回測定され、データ
A1 、A2 ・・・A100 として記憶される。1揺動周期
が終了して溶接トーチ20が揺動中心位置に戻ると、ス
テップ110に進み、次式に示す演算を行う。
【数6】
【数7】 ここにAi・・・信号80の測定データ N・・・・Aiのデータ数(上例ではN=100) この演算結果Sは、それぞれ電流検出器52からの信号
54に含まれる周波数成分のうち溶接トーチ20の揺動
周期と一致する周波数成分を抽出したものとなってい
る。ここでSの値の大きさは溶接トーチ20の揺動周波
数の周波数成分の大きさに略比例し、またSの値の正負
は揺動に対する周波数成分の位相の正逆に一致してい
る。一方、Qは電流検出器52からの信号54の平均
値、すなわち平均溶接電流値(初期値Q0 )となってい
る。この状態で溶接電流設定値が変更されたかどうかを
判断する(ステップ112)。溶接電流設定値が変更さ
れている場合は、再度、信号81(変更された溶接電流
設定値I)を読み込み、記憶器74に記憶する(ステッ
プ114)。変更されていなかった場合はステップ11
6に進む。上記のようなS及びQの値に基づいて、作動
指令信号D及びEが演算される(ステップ116)。す
なわち、Sの値に比例してDが演算され、またEが演算
される。 E=k{(Q0 −Q)−(I0 −I)} ここにQ0 :平均溶接電流の初期値(溶接開始直後の適
正条件下での値) Q :平均溶接電流 I0 :溶接電流設定値の初期値 I :溶接電流設定値 k :比例係数 ただし、比例係数kは、使用するモータ28a及び29
aの回転特性によって異なるが、大きくすればトーチ位
置修正の応答性がよくなり、逆に小さくすれば安定性が
増す傾向を考慮して適宜決定される。上述の作動指令信
号D及びEが、信号82及び83として駆動信号出力部
76及び77に入力される。駆動信号出力部76は、入
力された信号82の大きさ及び正負に応じて所定数の正
転用又は逆転用パルスを信号66としてモータ28aに
出力する。同様に駆動信号出力部77は、モータ29a
に信号67を出力する(ステップ118)。次いでリタ
ーンし、上記と同様なルーチンが繰り返し実行される。
したがって、溶接トーチ20の揺動周期ごとに溶接トー
チ20の水平方向位置及び上下方向位置が調節されるこ
ととなる。なお、本実施例のフローチャート(図3)
は、ステップ110→118が、ステップ104→10
8における信号80の定期的な読み込みに影響を及ぼさ
ないように十分に高速に実行されることを前提にしてい
るものであるが、ステップ104→108の実行と、ス
テップ110→118の実行とを同時に並行して行う、
いわゆる並列処理を行えば、上記前提は不要である。な
お、上記作動指令信号Eの演算の1回目においては、Q
=0、及びI=0となる。すなわち、k(Q0 −I0 )
の値が作動指令信号Eとされる。また、2回目以降の演
算においては、そのときの平均溶接電流値Q(及び必要
に応じて変更された溶接電流設定値I)が使用される
が、ステップ112において「ノー」の場合には、上式
中Iの値は1回前の値がそのまま使用される。上記のよ
うな制御装置56の作用によって溶接トーチ20は、常
に溶接部46の真上で、しかも一定高さに位置するよう
に制御される。たとえば、溶接トーチ20の位置が溶接
部46の真上位置から水平方向にずれた場合、溶接電流
中に含まれる周波数成分のうち溶接トーチ20の揺動周
期と同一の周波数成分は大きくなるが、駆動信号出力部
76からの信号66はこれを小さくする方向にモータ2
8aを回転させる。モータ28aの回転方向は信号82
の正負に応じて決定され、溶接トーチ20は溶接部46
の真上位置に水平移動される。溶接トーチ20が溶接部
46の真上に位置している場合には、溶接電流中に含ま
れる周波数成分のうち溶接トーチ20の揺動周期と同一
の周波数成分は極めて小さくなるので、モータ28aは
ほとんど回転せず溶接トーチ20も水平移動しない。一
方、溶接トーチ20の位置が溶接部46の真上位置の初
期位置(溶接開始直後の位置)から更に上方向にずれた
場合、平均溶接電流値Qは小さくなる。従って、作動指
令信号Eは負の値をとり、その絶対値は大きくなるが、
駆動信号出力部77からの信号67は、この絶対値を小
さくする方向にモータ29aを回転させる。逆にトーチ
20の位置が下方向にずれた場合は、作動指令信号Eは
正の値をとり、その絶対値は大きくなるが、同様に信号
67はこの絶対値を小さくする方向にモータ29aを回
転させる。モータ29aの回転方向は信号83の正負に
応じて決定され、溶接トーチ20は溶接部46の真上位
置の初期位置に一致するように上下移動される。溶接ト
ーチ20が溶接部46の真上位置の初期位置にある場合
には、作動指令信号Eは極めて小さくなるので、モータ
29aは、ほとんど回転せず、溶接トーチ20も上下移
動しない。上記のようにして、溶接トーチ20の位置は
揺動の1周期毎に溶接部46の真上の一定位置にくるよ
うに制御され、溶接トーチ20は溶接中常に溶接部46
の真上の一定位置に保持され、走行台38の移動により
溶接線に沿って溶接が行われる。溶接中には、溶滴の落
下、ワイヤの曲り、ワイヤ送給速度の変動、ワイヤの溶
け方の不均一、仮付部の有無等の条件の変動を生ずる
が、これらの変動の周波数成分は溶接トーチ20の揺動
周波数の周波数成分とは相違しており、溶接トーチ20
の揺動周期と同一の周波数成分に対してはほとんど影響
を与えない。したがって、上記のような溶接条件の変動
にもかかわらず、溶接トーチ20は確実に溶接部46の
真上の一定位置に保持される。
【0008】次に、溶接トーチ20の動作を、具体的に
溶接電流などの数値を用いて説明する。溶接電流設定値
の初期値I0 =260(アンペア)、平均溶接電流の初
期値Q0 =250(アンペア)、比例係数k=1とする
と、 1.定常時 E=k{(250−250)−(260−260)}=
0…ギャップ修正なし 2.溶接電流上昇時 E=k{(250−251)−(260−260)}=
−1…ギャップ→大 3.溶接電流下降時 E=k{(250−249)−(260−260)}=
1…ギャップ→小 4.溶接電流設定値上昇時 E=k{(250−250)−(260−261)}=
1…注1 E=k{(250−251)−(260−261)}=
0…ギャップ修正なし 5.溶接電流設定値下降時 E=k{(250−250)−(260−259)}=
−1…注1 E=k{(250−249)−(260−259)}=
0…ギャップ修正なし (注1)溶接電流設定値Qを変更した場合に、一時的に
平均溶接電流値の初期値からの変化分(Q0 −Q)と溶
接電流設定値の初期値からの変化分(I0 −I)とのバ
ランスがくずれるが、その後、平均溶接電流値Qが溶接
電流設定値Iに追従するため、ギャップ修正がなくな
る。 以上、説明したように、溶接電流設定値Iが初期値I0
から上昇した場合、下降した場合のいずれであっても、
ギャップ修正は行われないので、溶接の途中、必要に応
じて溶接電流設定値Iを変更しても確実に溶接すること
ができる。
【0009】なお、上記実施例の説明では、作動指令信
号Eの計算式として、 E=k{(Q0 −Q)−(I0 −I)} を用いるものとしたが、これに限定されるわけではな
く、たとえば、平均溶接電流値の初期値からの変化分
(Q0 −Q)と、溶接電流設定値の初期値からの変化分
(I0 −I)にそれぞれ異なる比例係数(k1 、k2 )
を乗じた後、これらの差分を求めるようにすることもで
きる。すなわち、 E=k1 (Q0 −Q)−k2 (I0 −I) ここにk1 :溶接電流の比例係数 k2 :溶接電流設定値の比例係数 を用いるようにすることもできる。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶接作業中に溶接電流の設定値を変更しても、溶接部と
溶接トーチとの距離を一定に維持することができるの
で、確実に自動アーク溶接を行うことができ、従来より
も安価な装置で、幅広い作業条件に対応することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動溶接機を示す図である。
【図2】制御装置をブロック図として示す図である。
【図3】制御方法のフローチャートを示す図である。
【図4】位置ずれが大きい場合の電流波形を示す図であ
る。
【図5】位置ずれが小さい場合の電流波形を示す図であ
る。
【図6】位置ずれがない場合の電流波形を示す図であ
る。
【図7】右方向へ位置ずれした場合の電流波形を示す図
である。
【図8】左方向へ位置ずれした場合の電流波形を示す図
である。
【図9】溶接トーチが溶接部から離れている場合の揺動
周期中の電流波形を示す図である。
【図10】溶接トーチが溶接部に接近している場合の揺
動周期中の電流波形を示す図である。
【符号の説明】
20 溶接トーチ 22 揺動装置 24 ワイヤ送給装置 26 ワイヤ 28 横方向移動装置 29 上下方向移動装置 38 走行台(縦方向移動装置) 40,42 被溶接部材 46 溶接部 50 溶接電源 52 電流検出器 51,54,64,66,67 信号 56 制御装置 60 揺動位置検出器 76,77 駆動信号出力部 80,81,82,83 信号 E 作動指令信号 I0 溶接電流設定値の初期値 I 溶接電流設定値 Q0 平均溶接電流値の初期値 Q 平均溶接電流値 k 比例係数(比率)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高下 健二 広島県広島市安芸区船越南1丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接部に沿って自動的に溶接トーチを移
    動させてアーク溶接を行う自動溶接方法において、 溶接トーチの移動方向に直交する面内において溶接トー
    チを一定周期で揺動させること、 溶接電流の周波数成分のうち溶接トーチの揺動周期と同
    一の周波数成分を検出すること、 1揺動期間中の平均溶接電流値を検出すること、 検出した上記揺動周期と同一の周波数成分が小さくなる
    ように溶接トーチの揺動中心位置を揺動中心線に直交す
    る方向に移動させること、 上記1揺動期間中の平均溶接電流値の初期値からの変化
    分及び溶接電流設定値の初期値からの変化分をあらかじ
    め定めた比率で加算した値が小さくなる方向に溶接トー
    チの揺動中心位置を揺動中心軸線に沿って移動させるこ
    と、 を特徴とする自動溶接方法。
  2. 【請求項2】 溶接部に沿って自動的に溶接トーチを移
    動させてアーク溶接を行う自動溶接装置であって、溶接
    トーチ(20)と、これにワイヤ(26)を供給するワ
    イヤ送給装置(24)と、溶接トーチ(20)を移動方
    向に直交する面内において揺動させる揺動装置(22)
    と、これを揺動中心線に直交する方向に移動させる横方
    向移動装置(28)と、揺動装置(22)を揺動中心軸
    線に沿って移動させる上下方向移動装置(29)と、横
    方向移動装置(28)及び上下方向移動装置(29)を
    溶接部に沿って移動させる縦方向移動装置(38)と、
    溶接電流設定部(50a)が設けられているとともに設
    定された溶接電流を溶接トーチ(20)に供給する溶接
    電源(50)と、溶接トーチ(20)の溶接電流を検出
    する電流検出器(52)と、溶接トーチ(20)の揺動
    位置を検出して揺動位置信号(64)を出力する揺動位
    置検出器(60)と、電流検出器(52)からの溶接電
    流値信号(54)に基づいて溶接電流の周波数成分のう
    ち溶接トーチ(20)の揺動周期と同一の周波数成分
    (S)を演算しこの値に基づいて横方向移動装置(2
    8)に作動指令信号(66)を出力する一方上下方向移
    動装置(29)に作動指令信号(67)を出力する制御
    装置(56)と、を有するものにおいて、 上記制御装置(56)には、上記溶接電源(50)の溶
    接電流設定部(50a)から溶接電流設定値信号(5
    1)が入力されており、上記制御装置(56)は、上記
    溶接電流値信号(54)及び上記揺動位置信号(64)
    に基づいて平均溶接電流値(Q)を算出するとともに溶
    接電流設定値(I)の初期値(I0 )からの変化分及び
    平均溶接電流値(Q)の初期値(Q0 )からの変化分を
    あらかじめ定めた比率(k)で加算した値を上記作動指
    令信号(67)とすることを特徴とする自動溶接装置。
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