JPH0647523A - 鋳型枠の崩壊除去方法 - Google Patents
鋳型枠の崩壊除去方法Info
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- JPH0647523A JPH0647523A JP22098692A JP22098692A JPH0647523A JP H0647523 A JPH0647523 A JP H0647523A JP 22098692 A JP22098692 A JP 22098692A JP 22098692 A JP22098692 A JP 22098692A JP H0647523 A JPH0647523 A JP H0647523A
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- molding flask
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Abstract
(57)【要約】
【目的】鋳型枠を鋳造物より崩壊除去する方法におい
て、低温で処理することが出来、鋳造物の変形、金属の
溶出等の恐れがなく、処理後の廃棄物を簡便に処理出来
る方法を見出す。 【構成】1.シリカを含有する鋳型枠を、アルカリ金属
水酸化物の水溶液中で加圧下に過熱する、鋳型枠を鋳造
物より崩壊除去する方法。 2.1において、圧力の上昇、低下を繰り返す鋳型枠を
鋳造物より崩壊除去する方法。 3.1又は2において、あらかじめシリカを溶解させた
アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いる鋳型枠を鋳造物
より崩壊除去する方法。
て、低温で処理することが出来、鋳造物の変形、金属の
溶出等の恐れがなく、処理後の廃棄物を簡便に処理出来
る方法を見出す。 【構成】1.シリカを含有する鋳型枠を、アルカリ金属
水酸化物の水溶液中で加圧下に過熱する、鋳型枠を鋳造
物より崩壊除去する方法。 2.1において、圧力の上昇、低下を繰り返す鋳型枠を
鋳造物より崩壊除去する方法。 3.1又は2において、あらかじめシリカを溶解させた
アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いる鋳型枠を鋳造物
より崩壊除去する方法。
Description
【0001】
【産業上の利用範囲】本発明は鋳型枠を鋳造物より崩壊
除去する方法に関するものであり、特にロストワックス
法等の精密鋳造法で使用された鋳型枠を鋳造物より崩壊
除去するのに優れた方法である。
除去する方法に関するものであり、特にロストワックス
法等の精密鋳造法で使用された鋳型枠を鋳造物より崩壊
除去するのに優れた方法である。
【0002】
【従来の技術】ロストワックス法は、溶融ろう等の消失
模型を、耐火物粉末とバインダーからなる耐火物スラリ
ーに浸漬し、ついでスタッコ材(粉末状又は粒状の耐火
物)を振りかけ乾燥する工程を繰り返すことにより、模
型表面に厚いセラミックシェル層を形成し、その後、溶
融による脱模型、及び焼成の工程を経て鋳型枠を形成
し、該鋳型の模型が存在した空間に、鋳造物となるべき
溶融金属を注入し、最終的には鋳型枠を除去して精密鋳
造品を完成するものである。ロストワックス法には、大
気中で溶融金属を減圧吸引して注入するCLA法、不活
性ガス中で溶融金属を減圧吸引し鋳造するCLV法、な
らびに溶融金属を常圧下鋳型に流し込む通常鋳造法の3
種類がある。ロストワックス法による鋳造方法は、金属
の鋳造の他、セラミックスの精密鋳造への応用も行われ
ており、従来の方法では困難であった肉薄で複雑な形状
の精密鋳造が出来る優れた方法である。
模型を、耐火物粉末とバインダーからなる耐火物スラリ
ーに浸漬し、ついでスタッコ材(粉末状又は粒状の耐火
物)を振りかけ乾燥する工程を繰り返すことにより、模
型表面に厚いセラミックシェル層を形成し、その後、溶
融による脱模型、及び焼成の工程を経て鋳型枠を形成
し、該鋳型の模型が存在した空間に、鋳造物となるべき
溶融金属を注入し、最終的には鋳型枠を除去して精密鋳
造品を完成するものである。ロストワックス法には、大
気中で溶融金属を減圧吸引して注入するCLA法、不活
性ガス中で溶融金属を減圧吸引し鋳造するCLV法、な
らびに溶融金属を常圧下鋳型に流し込む通常鋳造法の3
種類がある。ロストワックス法による鋳造方法は、金属
の鋳造の他、セラミックスの精密鋳造への応用も行われ
ており、従来の方法では困難であった肉薄で複雑な形状
の精密鋳造が出来る優れた方法である。
【0003】このロストワックス法において、鋳型枠を
鋳造物から取り除く方法としては、鋳型枠付きの鋳造物
を、弗酸や溶融水酸化ナトリウムに投入し、鋳型枠成分
のバインダーに由来するシリカを溶出させることによ
り、鋳型枠を崩壊除去させ、最終製品の鋳造物を得る方
法があるが、弗酸を使用する方法は、鋳型枠除去に長時
間を要する上、製品である鋳造物の金属成分が溶出した
り、また取扱いが危険である他、廃液の処理にも問題が
あるため、一般には溶融水酸化ナトリウムを使用する方
法が採用されている。
鋳造物から取り除く方法としては、鋳型枠付きの鋳造物
を、弗酸や溶融水酸化ナトリウムに投入し、鋳型枠成分
のバインダーに由来するシリカを溶出させることによ
り、鋳型枠を崩壊除去させ、最終製品の鋳造物を得る方
法があるが、弗酸を使用する方法は、鋳型枠除去に長時
間を要する上、製品である鋳造物の金属成分が溶出した
り、また取扱いが危険である他、廃液の処理にも問題が
あるため、一般には溶融水酸化ナトリウムを使用する方
法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融水
酸化ナトリウムを使用する鋳型枠の崩壊除去方法も全く
問題のない方法ではなく、その処理温度が400〜60
0℃と高温であるため、中子の熱変形により又は精密鋳
造物それ自体が変形を起こし、得られる鋳造物に充分な
精度が得られないことや、さらには鋳造物に亀裂を生じ
たりする場合があり、又、溶融水酸化ナトリウムを入れ
る処理容器も、耐熱性や水酸化ナトリウムによる腐食の
問題がある。又、その処理設備は、溶融水酸化ナトリウ
ムミストを捕収処理する設備を必要とし、さらにはその
運転費用もかなりの費用を要するものである。又、製品
を取り出した後の水酸化ナトリウムと鋳型枠の溶解物か
らなる廃棄物は、処理終了後の温度低下によって処理容
器中で固化するため、処理後の廃棄物の取り出しには機
械により或いは作業者が叩き割って取り出す必要があっ
た。さらに、処理容器から取り出した水酸化ナトリウム
中には、鋳造物の素材である鋳鉄等に含まれるクロム等
の有害重金属が溶け出しており、その処理には高度の技
術を必要とするものである。
酸化ナトリウムを使用する鋳型枠の崩壊除去方法も全く
問題のない方法ではなく、その処理温度が400〜60
0℃と高温であるため、中子の熱変形により又は精密鋳
造物それ自体が変形を起こし、得られる鋳造物に充分な
精度が得られないことや、さらには鋳造物に亀裂を生じ
たりする場合があり、又、溶融水酸化ナトリウムを入れ
る処理容器も、耐熱性や水酸化ナトリウムによる腐食の
問題がある。又、その処理設備は、溶融水酸化ナトリウ
ムミストを捕収処理する設備を必要とし、さらにはその
運転費用もかなりの費用を要するものである。又、製品
を取り出した後の水酸化ナトリウムと鋳型枠の溶解物か
らなる廃棄物は、処理終了後の温度低下によって処理容
器中で固化するため、処理後の廃棄物の取り出しには機
械により或いは作業者が叩き割って取り出す必要があっ
た。さらに、処理容器から取り出した水酸化ナトリウム
中には、鋳造物の素材である鋳鉄等に含まれるクロム等
の有害重金属が溶け出しており、その処理には高度の技
術を必要とするものである。
【0005】本発明者らは、金属成形品、セラミックス
成形品等を鋳造により製造する際の鋳型枠、特にロスト
ワックス法で使用した鋳型枠を鋳造物より崩壊除去する
方法において、低温で処理することが出来、鋳型枠を崩
壊除去した後の廃棄物を簡便に処理出来る方法を見出す
ため鋭意検討を行ったのである。
成形品等を鋳造により製造する際の鋳型枠、特にロスト
ワックス法で使用した鋳型枠を鋳造物より崩壊除去する
方法において、低温で処理することが出来、鋳型枠を崩
壊除去した後の廃棄物を簡便に処理出来る方法を見出す
ため鋭意検討を行ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するためには、鋳型枠付きの鋳造物をアルカリ金
属水酸化物の水溶液中で加圧下に加熱すること、その加
圧方法として圧力の上昇、低下を繰り返すこと、及びア
ルカリ金属水酸化物の水溶液としてあらかじめシリカを
溶解させたものを用いることが有効であることを見出し
本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、シリカを
含有する鋳型枠を、アルカリ金属水酸化物の水溶液中で
加圧下に加熱することを特徴とする、鋳型枠を鋳造物よ
り崩壊除去する方法、該方法において圧力の上昇、低下
を繰り返すことを特徴とする鋳型枠を鋳造物より崩壊除
去する方法、及び前記いずれかの方法においてあらかじ
めシリカを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液を
用いることを特徴とする鋳型枠を鋳造物より崩壊除去す
る方法に関するものである。以下本発明を詳細に説明す
る。
を解決するためには、鋳型枠付きの鋳造物をアルカリ金
属水酸化物の水溶液中で加圧下に加熱すること、その加
圧方法として圧力の上昇、低下を繰り返すこと、及びア
ルカリ金属水酸化物の水溶液としてあらかじめシリカを
溶解させたものを用いることが有効であることを見出し
本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、シリカを
含有する鋳型枠を、アルカリ金属水酸化物の水溶液中で
加圧下に加熱することを特徴とする、鋳型枠を鋳造物よ
り崩壊除去する方法、該方法において圧力の上昇、低下
を繰り返すことを特徴とする鋳型枠を鋳造物より崩壊除
去する方法、及び前記いずれかの方法においてあらかじ
めシリカを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液を
用いることを特徴とする鋳型枠を鋳造物より崩壊除去す
る方法に関するものである。以下本発明を詳細に説明す
る。
【0007】本発明の鋳型枠の崩壊除去方法が適用され
る鋳型枠としては、水性シリカゾル、エチルシリケート
等をバインダーとして製造された、シリカを含有する鋳
型枠の何れにも適用出来、特に、前記バインダーと、ジ
ルコン、アルミナ、石英、砂等の耐火物の粉末又は粒子
を使用して製造されたロストワックス法精密鋳造におけ
る鋳型枠を、鋳造物より崩壊除去するのに好ましく適用
出来るものである。
る鋳型枠としては、水性シリカゾル、エチルシリケート
等をバインダーとして製造された、シリカを含有する鋳
型枠の何れにも適用出来、特に、前記バインダーと、ジ
ルコン、アルミナ、石英、砂等の耐火物の粉末又は粒子
を使用して製造されたロストワックス法精密鋳造におけ
る鋳型枠を、鋳造物より崩壊除去するのに好ましく適用
出来るものである。
【0008】本発明を実施するための装置としては、通
常の加圧系の単位操作に用いられるオートクレーブ等を
使用することが出来る。
常の加圧系の単位操作に用いられるオートクレーブ等を
使用することが出来る。
【0009】本発明で使用する、アルカリ金属水酸化物
の水溶液の、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、特に水酸化ナ
トリウムを使用することが好ましい。アルカリ金属水酸
化物の水溶液の濃度は、5〜60重量%であることが好
ましく、より好ましくは5〜50重量%、特に好ましく
は10〜30重量%である。5重量%に満たない場合
は、鋳型枠を崩壊除去することが困難となり、他方、6
0重量%を越える場合は、鋳造物の金属が溶解してきた
り、オートクレーブ等の腐食等の問題を生じる。使用に
適したアルカリ金属水酸化物の水溶液の量は、その濃度
及び処理する鋳型枠中に含まれるシリカの合計量と関連
があり、必要に応じて予備的な試験を行うなどして適宜
設定すれば良い。
の水溶液の、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、特に水酸化ナ
トリウムを使用することが好ましい。アルカリ金属水酸
化物の水溶液の濃度は、5〜60重量%であることが好
ましく、より好ましくは5〜50重量%、特に好ましく
は10〜30重量%である。5重量%に満たない場合
は、鋳型枠を崩壊除去することが困難となり、他方、6
0重量%を越える場合は、鋳造物の金属が溶解してきた
り、オートクレーブ等の腐食等の問題を生じる。使用に
適したアルカリ金属水酸化物の水溶液の量は、その濃度
及び処理する鋳型枠中に含まれるシリカの合計量と関連
があり、必要に応じて予備的な試験を行うなどして適宜
設定すれば良い。
【0010】本発明の鋳型枠崩壊方法は、加圧下に行わ
れ、この場合の圧力としてはゲージ圧で1〜20kgf /
cm2 であることが好ましい。加圧方法としては、窒素等
の不活性ガス、スチーム等を使用して加圧する方法が挙
げられ、特にスチームを使用する方法が加熱と加圧を同
時に出来るため好ましい。処理温度は120〜220℃
が好ましく、上記圧力においてこれを容易に達成するこ
とが出来る。処理温度が120℃に満たない場合は、鋳
型の崩壊を充分に行うことが出来ず、他方220℃を越
える場合は、鋳造物の変形、亀裂、或いはオートクレー
ブ等の腐食が生じる場合がある。処理時間は、処理条
件、鋳型の種類等により適宜選択すればよく、より長時
間処理を行った方が鋳型が崩壊し易いが、鋳造品の変
形、亀裂、金属の溶出等を避けるためには48時間を超
えないことが好ましい。
れ、この場合の圧力としてはゲージ圧で1〜20kgf /
cm2 であることが好ましい。加圧方法としては、窒素等
の不活性ガス、スチーム等を使用して加圧する方法が挙
げられ、特にスチームを使用する方法が加熱と加圧を同
時に出来るため好ましい。処理温度は120〜220℃
が好ましく、上記圧力においてこれを容易に達成するこ
とが出来る。処理温度が120℃に満たない場合は、鋳
型の崩壊を充分に行うことが出来ず、他方220℃を越
える場合は、鋳造物の変形、亀裂、或いはオートクレー
ブ等の腐食が生じる場合がある。処理時間は、処理条
件、鋳型の種類等により適宜選択すればよく、より長時
間処理を行った方が鋳型が崩壊し易いが、鋳造品の変
形、亀裂、金属の溶出等を避けるためには48時間を超
えないことが好ましい。
【0011】又、本発明は、上記鋳型枠の崩壊除去方法
として、特に加圧方法を圧力の上昇、低下を繰り返す方
法、すなわち圧力スイングで行うことを第2の発明とす
るものである。この場合の圧力幅としては、ゲージ圧で
0.5kgf /cm2 以上とすることが好ましい。本発明を
より効果的に行うには、圧力の急激な変化を複数回繰り
返すことが好ましい。圧力スイングの方法としては、オ
ートクレーブ中の圧力を抜いて系内を減圧した後、高圧
のスチームを供給する操作を繰り返す方法や、機械的に
圧力を上昇、低下させる方法等が挙げられる。本発明者
らは、鋳型枠の崩壊をより有利に行う手段について種々
の検討の結果、アルカリ金属水酸化物の水溶液を鋳型枠
中に浸透させることが効果的なことを見出し、その方法
として、圧力を上昇、低下させ鋳型枠を処理することが
有効であることを見出すに至ったのである。圧力の上
昇、低下が鋳型枠の崩壊に有効である理由の詳細は不明
であるが、圧力の変化に伴い、鋳型枠の内部の沸騰が急
激に起こり、その繰り返しにより、鋳型枠の内部へのア
ルカリ金属水酸化物の水溶液の浸透、鋳型枠のシリカの
溶出がより有利に行われるものであると考えられる。
として、特に加圧方法を圧力の上昇、低下を繰り返す方
法、すなわち圧力スイングで行うことを第2の発明とす
るものである。この場合の圧力幅としては、ゲージ圧で
0.5kgf /cm2 以上とすることが好ましい。本発明を
より効果的に行うには、圧力の急激な変化を複数回繰り
返すことが好ましい。圧力スイングの方法としては、オ
ートクレーブ中の圧力を抜いて系内を減圧した後、高圧
のスチームを供給する操作を繰り返す方法や、機械的に
圧力を上昇、低下させる方法等が挙げられる。本発明者
らは、鋳型枠の崩壊をより有利に行う手段について種々
の検討の結果、アルカリ金属水酸化物の水溶液を鋳型枠
中に浸透させることが効果的なことを見出し、その方法
として、圧力を上昇、低下させ鋳型枠を処理することが
有効であることを見出すに至ったのである。圧力の上
昇、低下が鋳型枠の崩壊に有効である理由の詳細は不明
であるが、圧力の変化に伴い、鋳型枠の内部の沸騰が急
激に起こり、その繰り返しにより、鋳型枠の内部へのア
ルカリ金属水酸化物の水溶液の浸透、鋳型枠のシリカの
溶出がより有利に行われるものであると考えられる。
【0012】本発明では、第3の発明として、アルカリ
金属水酸化物の水溶液に対して、あらかじめシリカを溶
解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液を使用する。こ
の方法によれば、処理時間の短縮及び使用するアルカリ
金属水酸化物の水溶液の濃度低減が可能である。あらか
じめシリカを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液
を鋳型枠除去処理に使用することにより、鋳型枠の崩壊
除去が有利に行われる詳細な理由は不明であるが、アル
カリ金属水酸化物の水溶液中に溶解しているシリカが、
鋳型枠中のシリカの溶解速度を加速する効果によるもの
と考えられる。シリカは上記処理条件でアルカリ金属水
酸化物の水溶液に溶解出来るものであれば種々の種類、
大きさ、形状のものが使用出来、具体的には、ケイ酸ソ
ーダ、ケイ砂、合成シリカ等を挙げることが出来る。シ
リカの濃度としては、アルカリ金属水酸化物の水溶液に
10重量%以下含有させることが好ましい。
金属水酸化物の水溶液に対して、あらかじめシリカを溶
解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液を使用する。こ
の方法によれば、処理時間の短縮及び使用するアルカリ
金属水酸化物の水溶液の濃度低減が可能である。あらか
じめシリカを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液
を鋳型枠除去処理に使用することにより、鋳型枠の崩壊
除去が有利に行われる詳細な理由は不明であるが、アル
カリ金属水酸化物の水溶液中に溶解しているシリカが、
鋳型枠中のシリカの溶解速度を加速する効果によるもの
と考えられる。シリカは上記処理条件でアルカリ金属水
酸化物の水溶液に溶解出来るものであれば種々の種類、
大きさ、形状のものが使用出来、具体的には、ケイ酸ソ
ーダ、ケイ砂、合成シリカ等を挙げることが出来る。シ
リカの濃度としては、アルカリ金属水酸化物の水溶液に
10重量%以下含有させることが好ましい。
【0013】鋳型枠を崩壊除去処理した後の鋳型枠崩壊
物とアルカリ金属水酸化物の水溶液からなる廃液は、固
化することなく水性スラリーの状態であり、該廃液は処
理容器より容易に取り出すことが出来、その後3〜10
Nの硫酸等で処理すれば容易に固化するので、産業廃棄
物として廃棄する等の方法により簡便に処理することが
出来る。
物とアルカリ金属水酸化物の水溶液からなる廃液は、固
化することなく水性スラリーの状態であり、該廃液は処
理容器より容易に取り出すことが出来、その後3〜10
Nの硫酸等で処理すれば容易に固化するので、産業廃棄
物として廃棄する等の方法により簡便に処理することが
出来る。
【0014】
【作用】本発明はアルカリ金属水酸化物の水溶液を使用
し、より低温で鋳型枠を崩壊除去出来るため、従来の溶
融水酸化ナトリウムを使用する場合の様な高温で処理を
行う必要がなく、その結果、鋳造物の変形、亀裂やオー
トクレーブ等の処理容器の腐食を防ぐことが出来、さら
に廃液の後処理を簡便にすることが出来る。
し、より低温で鋳型枠を崩壊除去出来るため、従来の溶
融水酸化ナトリウムを使用する場合の様な高温で処理を
行う必要がなく、その結果、鋳造物の変形、亀裂やオー
トクレーブ等の処理容器の腐食を防ぐことが出来、さら
に廃液の後処理を簡便にすることが出来る。
【0015】
実施例1 5リットルオートクレーブに、バインダーとしてシリカ
ゾルを用いて製造された鋳型枠付鋳造品及び48重量%
の水酸化ナトリウム水溶液を投入し、圧力15kgf /cm
2 のスチーム(温度200℃)を供給することにより加
圧及び加熱を行った。6時間後、スチームの供給を停止
し、放冷後オートクレーブを解体したところ、鋳型枠は
崩壊していた。
ゾルを用いて製造された鋳型枠付鋳造品及び48重量%
の水酸化ナトリウム水溶液を投入し、圧力15kgf /cm
2 のスチーム(温度200℃)を供給することにより加
圧及び加熱を行った。6時間後、スチームの供給を停止
し、放冷後オートクレーブを解体したところ、鋳型枠は
崩壊していた。
【0016】実施例2 圧力を10分間隔で15〜16kgf /cm2 (温度200
〜203℃)に変化させる操作を1時間継続した以外は
実施例1と同様の方法で処理した。1時間後、スチーム
の供給を停止し、放冷後オートクレーブを解体したとこ
ろ、鋳型枠は崩壊していた。圧力スイングを行うことに
より、加熱処理時間の短縮が出来た。
〜203℃)に変化させる操作を1時間継続した以外は
実施例1と同様の方法で処理した。1時間後、スチーム
の供給を停止し、放冷後オートクレーブを解体したとこ
ろ、鋳型枠は崩壊していた。圧力スイングを行うことに
より、加熱処理時間の短縮が出来た。
【0017】実施例3 48重量%の水酸化ナトリウムに粉末合成シリカを10
重量%となる様加えて溶解させ、圧力を2分間隔で15
〜16kgf /cm2 (温度200〜203℃)に変化させ
る操作を10分間継続した以外は実施例1と同様の方法
で処理した。10分後、スチームの供給を停止し、放冷
後オートクレーブを解体したところ、鋳型枠は崩壊して
いた。シリカを溶解させた水酸化ナトリウム水溶液を使
用したことより、加熱処理時間の短縮が出来た。
重量%となる様加えて溶解させ、圧力を2分間隔で15
〜16kgf /cm2 (温度200〜203℃)に変化させ
る操作を10分間継続した以外は実施例1と同様の方法
で処理した。10分後、スチームの供給を停止し、放冷
後オートクレーブを解体したところ、鋳型枠は崩壊して
いた。シリカを溶解させた水酸化ナトリウム水溶液を使
用したことより、加熱処理時間の短縮が出来た。
【0018】実施例4、5、6 実施例1と同様の方法で、以下の条件により鋳型枠を崩
壊させた。 処理条件 圧力:3〜5kgf /cm2 (10分間隔で圧力を変化させ
た) 温度:143〜158℃ 処理時間:3時間 水酸化ナトリウム濃度:12、24、48重量%(シリ
カ濃度は各々2.5重量%) 結果を表1に示す。
壊させた。 処理条件 圧力:3〜5kgf /cm2 (10分間隔で圧力を変化させ
た) 温度:143〜158℃ 処理時間:3時間 水酸化ナトリウム濃度:12、24、48重量%(シリ
カ濃度は各々2.5重量%) 結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】実施例7 5重量%の水酸化ナトリウムに粉末合成シリカを5重量
%となる様加えて溶解させ、、圧力を10分間隔で3〜
5kgf /cm2 (温度143〜158℃)に変化させた以
外は実施例1と同様の方法で処理した。水酸化ナトリウ
ム水溶液の濃度がかなり低いため、3時間処理しても鋳
型枠は崩壊出来なかったが、合計48時間処理したとこ
ろ鋳型枠は崩壊した。
%となる様加えて溶解させ、、圧力を10分間隔で3〜
5kgf /cm2 (温度143〜158℃)に変化させた以
外は実施例1と同様の方法で処理した。水酸化ナトリウ
ム水溶液の濃度がかなり低いため、3時間処理しても鋳
型枠は崩壊出来なかったが、合計48時間処理したとこ
ろ鋳型枠は崩壊した。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法は、低温で鋳型枠を鋳造物
より崩壊除去することが出来るため、鋳造物の変形、金
属の溶出、処理容器の腐食等の恐れがなく、又、鋳型枠
を崩壊除去した後の廃棄物は、水性スラリーとして容易
に回収出来るため、廃液の処理を簡便に行うことが出
来、特にロストワックス法等の精密鋳造法に好ましく適
用出来るものである。
より崩壊除去することが出来るため、鋳造物の変形、金
属の溶出、処理容器の腐食等の恐れがなく、又、鋳型枠
を崩壊除去した後の廃棄物は、水性スラリーとして容易
に回収出来るため、廃液の処理を簡便に行うことが出
来、特にロストワックス法等の精密鋳造法に好ましく適
用出来るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田崎 和典 宮崎県日向市大字日知屋字木原16303番地 の3富士デヴイソン化学株式会社テクニカ ルセンター内 (72)発明者 福島 浩一 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成化学工業株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 谷川 伸 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成化学工業株式会社名古屋総合研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】シリカを含有する鋳型枠を、アルカリ金属
水酸化物の水溶液中で加圧下に加熱することを特徴とす
る、鋳型枠を鋳造物より崩壊除去する方法。 - 【請求項2】請求項1において、圧力の上昇、低下を繰
り返すことを特徴とする鋳型枠を鋳造物より崩壊除去す
る方法。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2において、あらかじ
めシリカを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液を
用いることを特徴とする鋳型枠を鋳造物より崩壊除去す
る方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22098692A JPH0647523A (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 鋳型枠の崩壊除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22098692A JPH0647523A (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 鋳型枠の崩壊除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0647523A true JPH0647523A (ja) | 1994-02-22 |
Family
ID=16759682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22098692A Pending JPH0647523A (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 鋳型枠の崩壊除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0647523A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102921935A (zh) * | 2012-11-29 | 2013-02-13 | 吴耀祖 | 一种铸件表面残留铸砂的清除方法 |
-
1992
- 1992-07-29 JP JP22098692A patent/JPH0647523A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102921935A (zh) * | 2012-11-29 | 2013-02-13 | 吴耀祖 | 一种铸件表面残留铸砂的清除方法 |
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