JP3020044B2 - 鋳型枠の崩壊除去方法 - Google Patents
鋳型枠の崩壊除去方法Info
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- JP3020044B2 JP3020044B2 JP6024735A JP2473594A JP3020044B2 JP 3020044 B2 JP3020044 B2 JP 3020044B2 JP 6024735 A JP6024735 A JP 6024735A JP 2473594 A JP2473594 A JP 2473594A JP 3020044 B2 JP3020044 B2 JP 3020044B2
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- Japan
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- pressure
- casting
- aqueous solution
- alkali metal
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- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用範囲】本発明は鋳型枠を鋳造物より崩壊
除去する方法に関するものであり、特にロストワックス
法等の精密鋳造法で使用された鋳型枠を鋳造物より崩壊
除去するのに優れた方法である。
除去する方法に関するものであり、特にロストワックス
法等の精密鋳造法で使用された鋳型枠を鋳造物より崩壊
除去するのに優れた方法である。
【0002】
【従来の技術】ロストワックス法により鋳造物を製造す
る場合において、鋳型枠を鋳造物から取り除く方法とし
ては、鋳型枠付きの鋳造物を、弗酸や溶融水酸化ナトリ
ウムに投入し、鋳型枠成分のバインダーに由来するシリ
カを溶出させることにより、鋳型枠を崩壊除去させ、最
終製品の鋳造物を得る方法がある。弗酸を使用する方法
は、鋳型枠除去に長時間を要する上、製品である鋳造物
の金属成分が溶出したり、また取扱いが危険である他、
廃液の処理にも問題があるため、一般には溶融水酸化ナ
トリウムを使用する方法が採用されている。
る場合において、鋳型枠を鋳造物から取り除く方法とし
ては、鋳型枠付きの鋳造物を、弗酸や溶融水酸化ナトリ
ウムに投入し、鋳型枠成分のバインダーに由来するシリ
カを溶出させることにより、鋳型枠を崩壊除去させ、最
終製品の鋳造物を得る方法がある。弗酸を使用する方法
は、鋳型枠除去に長時間を要する上、製品である鋳造物
の金属成分が溶出したり、また取扱いが危険である他、
廃液の処理にも問題があるため、一般には溶融水酸化ナ
トリウムを使用する方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融水
酸化ナトリウムを使用する鋳型枠の崩壊除去方法も全く
問題のない方法ではなく、その処理温度が400〜60
0℃と高温であるため、中子の熱変形により又は精密鋳
造物それ自体が変形を起こし、得られる鋳造物に充分な
精度が得られないことや、さらには鋳造物に亀裂を生じ
たりする場合があり、又、溶融水酸化ナトリウムを入れ
る処理容器も、耐熱性や水酸化ナトリウムによる腐食の
問題がある。又、その処理設備は、溶融水酸化ナトリウ
ムミストを捕収処理する設備を必要とし、さらにはその
運転費用もかなりの費用を要するものである。又、製品
を取り出した後の水酸化ナトリウムと鋳型枠の溶解物か
らなる廃棄物は、処理終了後の温度低下によって処理容
器中で固化するため、処理後の廃棄物の取り出しには機
械により或いは作業者が叩き割って取り出す必要があっ
た。さらに、処理容器から取り出した水酸化ナトリウム
中には、鋳造物の素材である鋳鉄等に含まれるクロム等
の有害重金属が溶け出しており、その処理には高度の技
術を必要とするものである。
酸化ナトリウムを使用する鋳型枠の崩壊除去方法も全く
問題のない方法ではなく、その処理温度が400〜60
0℃と高温であるため、中子の熱変形により又は精密鋳
造物それ自体が変形を起こし、得られる鋳造物に充分な
精度が得られないことや、さらには鋳造物に亀裂を生じ
たりする場合があり、又、溶融水酸化ナトリウムを入れ
る処理容器も、耐熱性や水酸化ナトリウムによる腐食の
問題がある。又、その処理設備は、溶融水酸化ナトリウ
ムミストを捕収処理する設備を必要とし、さらにはその
運転費用もかなりの費用を要するものである。又、製品
を取り出した後の水酸化ナトリウムと鋳型枠の溶解物か
らなる廃棄物は、処理終了後の温度低下によって処理容
器中で固化するため、処理後の廃棄物の取り出しには機
械により或いは作業者が叩き割って取り出す必要があっ
た。さらに、処理容器から取り出した水酸化ナトリウム
中には、鋳造物の素材である鋳鉄等に含まれるクロム等
の有害重金属が溶け出しており、その処理には高度の技
術を必要とするものである。
【0004】本発明者らは、金属成形品、セラミックス
成形品等を鋳造により製造する際の鋳型枠、特にロスト
ワックス法で使用した鋳型枠を鋳造物より崩壊除去する
方法において、低温で処理することが出来、鋳型枠を崩
壊除去した後の廃棄物を簡便に処理出来る方法について
検討を行い、鋳型枠付きの鋳造物をアルカリ金属水酸化
物の水溶液中で加圧下に加熱すること、その加圧方法と
して圧力の上昇、低下を繰り返すこと及びアルカリ金属
水酸化物の水溶液としてあらかじめシリカを溶解させた
ものを用いる方法が有効であることを見いだした(特願
平4−220986号)。
成形品等を鋳造により製造する際の鋳型枠、特にロスト
ワックス法で使用した鋳型枠を鋳造物より崩壊除去する
方法において、低温で処理することが出来、鋳型枠を崩
壊除去した後の廃棄物を簡便に処理出来る方法について
検討を行い、鋳型枠付きの鋳造物をアルカリ金属水酸化
物の水溶液中で加圧下に加熱すること、その加圧方法と
して圧力の上昇、低下を繰り返すこと及びアルカリ金属
水酸化物の水溶液としてあらかじめシリカを溶解させた
ものを用いる方法が有効であることを見いだした(特願
平4−220986号)。
【0005】前記鋳型枠の崩壊除去方法は、溶融水酸化
ナトリウムを使用する方法と比較して、低温で処理する
ことができ、鋳型枠を崩壊除去した後の廃棄物を簡便に
処理出来るという優れた方法であるが、低温で且つ低い
アルカリ金属水酸化物の水溶液濃度においては、短時間
に鋳型枠を十分に崩壊除去することはできなかった。本
発明者らは、鋳型枠の崩壊除去方法において、より低温
で且つより低いアルカリ金属水酸化物の水溶液濃度で、
短時間に鋳型枠を鋳造品から完全に崩壊除去できる方法
を見いだすため鋭意検討を行ったのである。
ナトリウムを使用する方法と比較して、低温で処理する
ことができ、鋳型枠を崩壊除去した後の廃棄物を簡便に
処理出来るという優れた方法であるが、低温で且つ低い
アルカリ金属水酸化物の水溶液濃度においては、短時間
に鋳型枠を十分に崩壊除去することはできなかった。本
発明者らは、鋳型枠の崩壊除去方法において、より低温
で且つより低いアルカリ金属水酸化物の水溶液濃度で、
短時間に鋳型枠を鋳造品から完全に崩壊除去できる方法
を見いだすため鋭意検討を行ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記鋳型
枠の崩壊除去方法において、加圧方法及び加熱方法につ
いて鋭意検討を行なった結果、前記課題を解決するため
には、圧力の上昇、低下を繰り返す操作を特定の圧力幅
及び間隔で行い、且つ特定の方法で加熱することが有効
であることを見いだし本発明を完成した。すなわち、本
発明は、シリカを含有する鋳型枠を、アルカリ金属水酸
化物の水溶液中で、圧力差2kgf /cm2 以上及び7分以
内の間隔で圧力の上昇と低下を繰り返しつつ、温度変化
を10℃以内に維持して加熱することを特徴とする、鋳
型枠を鋳造物より崩壊除去する方法に関するものであ
る。以下本発明を詳細に説明する。
枠の崩壊除去方法において、加圧方法及び加熱方法につ
いて鋭意検討を行なった結果、前記課題を解決するため
には、圧力の上昇、低下を繰り返す操作を特定の圧力幅
及び間隔で行い、且つ特定の方法で加熱することが有効
であることを見いだし本発明を完成した。すなわち、本
発明は、シリカを含有する鋳型枠を、アルカリ金属水酸
化物の水溶液中で、圧力差2kgf /cm2 以上及び7分以
内の間隔で圧力の上昇と低下を繰り返しつつ、温度変化
を10℃以内に維持して加熱することを特徴とする、鋳
型枠を鋳造物より崩壊除去する方法に関するものであ
る。以下本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明の鋳型枠の崩壊除去方法が適用され
る鋳型枠としては、水性シリカゾル、エチルシリケート
等をバインダーとして製造された、シリカを含有する鋳
型枠の何れにも適用出来、特に、前記バインダーと、ジ
ルコン、アルミナ、石英、砂等の耐火物の粉末又は粒子
を使用して製造されたロストワックス法精密鋳造におけ
る鋳型枠を、鋳造物より崩壊除去するのに好ましく適用
出来るものである。
る鋳型枠としては、水性シリカゾル、エチルシリケート
等をバインダーとして製造された、シリカを含有する鋳
型枠の何れにも適用出来、特に、前記バインダーと、ジ
ルコン、アルミナ、石英、砂等の耐火物の粉末又は粒子
を使用して製造されたロストワックス法精密鋳造におけ
る鋳型枠を、鋳造物より崩壊除去するのに好ましく適用
出来るものである。
【0008】本発明を実施するための装置としては、通
常の加圧系の単位操作に用いられるオートクレーブ等を
使用することができる。
常の加圧系の単位操作に用いられるオートクレーブ等を
使用することができる。
【0009】本発明で使用する、アルカリ金属水酸化物
の水溶液の、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、特に水酸化ナ
トリウムを使用することが好ましい。アルカリ金属水酸
化物の水溶液の濃度は、5〜60重量%であることが好
ましく、より好ましくは5〜50重量%、特に好ましく
は10〜30重量%である。5重量%に満たない場合
は、鋳型枠を崩壊除去することが困難となり、他方、6
0重量%を越える場合は、鋳造物の金属が溶解してきた
り、オートクレーブ等の腐食等の問題を生じる。特に本
発明は、20重量%以下の低濃度で、鋳型枠を完全に崩
壊除去することができる。使用に適したアルカリ金属水
酸化物の水溶液の量は、その濃度及び処理する鋳型枠中
に含まれるシリカの合計量と関連があり、必要に応じて
予備的な試験を行うなどして適宜設定すれば良い。
の水溶液の、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、特に水酸化ナ
トリウムを使用することが好ましい。アルカリ金属水酸
化物の水溶液の濃度は、5〜60重量%であることが好
ましく、より好ましくは5〜50重量%、特に好ましく
は10〜30重量%である。5重量%に満たない場合
は、鋳型枠を崩壊除去することが困難となり、他方、6
0重量%を越える場合は、鋳造物の金属が溶解してきた
り、オートクレーブ等の腐食等の問題を生じる。特に本
発明は、20重量%以下の低濃度で、鋳型枠を完全に崩
壊除去することができる。使用に適したアルカリ金属水
酸化物の水溶液の量は、その濃度及び処理する鋳型枠中
に含まれるシリカの合計量と関連があり、必要に応じて
予備的な試験を行うなどして適宜設定すれば良い。
【0010】本発明では、アルカリ金属水酸化物の水溶
液として、あらかじめシリカを溶解させたアルカリ金属
水酸化物の水溶液を使用することが好ましい。これによ
り、処理時間の短縮及び使用するアルカリ金属水酸化物
の水溶液の濃度低減が可能となる。あらかじめシリカを
溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液を鋳型枠除去
処理に使用することにより、鋳型枠の崩壊除去が有利に
行われる詳細な理由は不明であるが、アルカリ金属水酸
化物の水溶液中に溶解しているシリカが、鋳型枠中のシ
リカの溶解速度を加速する効果によるものと考えられ
る。シリカは、後述する処理条件で、アルカリ金属水酸
化物の水溶液に溶解出来るものであれば種々の種類、大
きさ、形状のものが使用出来、具体的には、ケイ酸ソー
ダ、ケイ砂、合成シリカ等を挙げることが出来る。あら
かじめシリカを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶
液中のシリカ濃度としては、アルカリ金属水酸化物の水
溶液に10重量%以下含有させることが好ましい。
液として、あらかじめシリカを溶解させたアルカリ金属
水酸化物の水溶液を使用することが好ましい。これによ
り、処理時間の短縮及び使用するアルカリ金属水酸化物
の水溶液の濃度低減が可能となる。あらかじめシリカを
溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶液を鋳型枠除去
処理に使用することにより、鋳型枠の崩壊除去が有利に
行われる詳細な理由は不明であるが、アルカリ金属水酸
化物の水溶液中に溶解しているシリカが、鋳型枠中のシ
リカの溶解速度を加速する効果によるものと考えられ
る。シリカは、後述する処理条件で、アルカリ金属水酸
化物の水溶液に溶解出来るものであれば種々の種類、大
きさ、形状のものが使用出来、具体的には、ケイ酸ソー
ダ、ケイ砂、合成シリカ等を挙げることが出来る。あら
かじめシリカを溶解させたアルカリ金属水酸化物の水溶
液中のシリカ濃度としては、アルカリ金属水酸化物の水
溶液に10重量%以下含有させることが好ましい。
【0011】本発明の鋳型枠崩壊方法では、加圧方法を
圧力の上昇、低下を繰り返す方法、すなわち圧力スイン
グで行う。この場合の圧力としては、ゲージ圧で1〜2
0kgf /cm2 であることが好ましい。本発明では、圧力
スイングの圧力幅として、ゲージ圧で2.0kgf /cm2
以上とする必要があり、又この間隔が、7分以内でなけ
ればならず、好ましくは2分以内である。圧力幅が、ゲ
ージ圧で2.0kgf /cm2 に満たない場合、及び/又は
圧力スイングの間隔が7分を越える場合には、鋳型枠を
短時間に崩壊させることができない。本発明者らは、鋳
型枠の崩壊をより有利に行う手段について種々の検討の
結果、アルカリ金属水酸化物の水溶液を鋳型枠中に浸透
させることが効果的なことを見出し、その方法として、
圧力を上昇、低下させ鋳型枠を処理することが有効であ
ることを見出すに至ったのである。圧力の上昇、低下が
鋳型枠の崩壊に有効である理由の詳細は不明であるが、
圧力の変化に伴い、鋳型枠の内部の沸騰が急激に起こ
り、その繰り返しにより、鋳型枠の内部へのアルカリ金
属水酸化物の水溶液の浸透、鋳型枠のシリカの溶出がよ
り有利に行われるものであると考えられる。
圧力の上昇、低下を繰り返す方法、すなわち圧力スイン
グで行う。この場合の圧力としては、ゲージ圧で1〜2
0kgf /cm2 であることが好ましい。本発明では、圧力
スイングの圧力幅として、ゲージ圧で2.0kgf /cm2
以上とする必要があり、又この間隔が、7分以内でなけ
ればならず、好ましくは2分以内である。圧力幅が、ゲ
ージ圧で2.0kgf /cm2 に満たない場合、及び/又は
圧力スイングの間隔が7分を越える場合には、鋳型枠を
短時間に崩壊させることができない。本発明者らは、鋳
型枠の崩壊をより有利に行う手段について種々の検討の
結果、アルカリ金属水酸化物の水溶液を鋳型枠中に浸透
させることが効果的なことを見出し、その方法として、
圧力を上昇、低下させ鋳型枠を処理することが有効であ
ることを見出すに至ったのである。圧力の上昇、低下が
鋳型枠の崩壊に有効である理由の詳細は不明であるが、
圧力の変化に伴い、鋳型枠の内部の沸騰が急激に起こ
り、その繰り返しにより、鋳型枠の内部へのアルカリ金
属水酸化物の水溶液の浸透、鋳型枠のシリカの溶出がよ
り有利に行われるものであると考えられる。
【0012】本発明では、上記鋳型枠を入れたアルカリ
金属水酸化物の水溶液を加熱する。加熱温度に変化があ
る場合は、低温で短時間に鋳型を崩壊除去することがで
きず、加熱温度の変化は、10℃以内としなければなら
ない。加熱温度は100〜220℃が好ましい。温度が
100℃に満たない場合は、鋳型の崩壊を充分に行うこ
とが出来ず、他方220℃を越える場合は、鋳造物の変
形、亀裂、或いはオートクレーブ等の腐食が生じる場合
がある。本発明では、100〜130℃程度の低温で、
鋳型枠を充分に崩壊除去することができる。
金属水酸化物の水溶液を加熱する。加熱温度に変化があ
る場合は、低温で短時間に鋳型を崩壊除去することがで
きず、加熱温度の変化は、10℃以内としなければなら
ない。加熱温度は100〜220℃が好ましい。温度が
100℃に満たない場合は、鋳型の崩壊を充分に行うこ
とが出来ず、他方220℃を越える場合は、鋳造物の変
形、亀裂、或いはオートクレーブ等の腐食が生じる場合
がある。本発明では、100〜130℃程度の低温で、
鋳型枠を充分に崩壊除去することができる。
【0013】圧力スイングの方法としては、加熱を制限
された変化許容域内の温度において行うため、オートク
レーブを外部加熱し、窒素等の不活性ガス又は空気等の
非腐食性ガスをオートクレーブ内に供給して、オートク
レーブ内圧を上昇させ、一定時間後に非腐食性ガスをオ
ートクレーブから開放して内圧を低下させる方法があ
り、この他にも、非腐食性ガスを満たしたオートクレー
ブを密閉し、そこへポンプ等を用いてアルカリ金属水酸
化物の水溶液をオートクレーブ内へ送り込みオートクレ
ーブ内圧を上昇させ、一定時間後にアルカリ金属水酸化
物の水溶液をオートクレーブから開放して内圧を低下さ
せる操作を繰り返す方法がある。加熱装置としては、加
熱で通常使用される、電気ヒーターや蒸気、オイル等使
用した熱交換機が使用できる。
された変化許容域内の温度において行うため、オートク
レーブを外部加熱し、窒素等の不活性ガス又は空気等の
非腐食性ガスをオートクレーブ内に供給して、オートク
レーブ内圧を上昇させ、一定時間後に非腐食性ガスをオ
ートクレーブから開放して内圧を低下させる方法があ
り、この他にも、非腐食性ガスを満たしたオートクレー
ブを密閉し、そこへポンプ等を用いてアルカリ金属水酸
化物の水溶液をオートクレーブ内へ送り込みオートクレ
ーブ内圧を上昇させ、一定時間後にアルカリ金属水酸化
物の水溶液をオートクレーブから開放して内圧を低下さ
せる操作を繰り返す方法がある。加熱装置としては、加
熱で通常使用される、電気ヒーターや蒸気、オイル等使
用した熱交換機が使用できる。
【0014】処理時間は、処理条件、鋳型枠の種類等に
より適宜選択すればよく、より長時間処理を行った方が
鋳型が崩壊し易いが、本発明によれば4時間以内の短時
間で鋳型枠を崩壊させることができる。
より適宜選択すればよく、より長時間処理を行った方が
鋳型が崩壊し易いが、本発明によれば4時間以内の短時
間で鋳型枠を崩壊させることができる。
【0015】鋳型枠を崩壊除去処理した後の鋳型枠崩壊
物とアルカリ金属水酸化物の水溶液からなる廃液は、固
化することなく水性スラリーの状態であり、該廃液は処
理容器より容易に取り出すことが出来、その後3〜10
Nの硫酸等で中和処理すれば容易に固化するので、産業
廃棄物として廃棄する等の方法により簡便に処理するこ
とが出来る。
物とアルカリ金属水酸化物の水溶液からなる廃液は、固
化することなく水性スラリーの状態であり、該廃液は処
理容器より容易に取り出すことが出来、その後3〜10
Nの硫酸等で中和処理すれば容易に固化するので、産業
廃棄物として廃棄する等の方法により簡便に処理するこ
とが出来る。
【0016】
実施例1 外部に加熱器を備えた10リットルオートクレーブに、
ロストワックス法でバインダーとしてシリカゾルを用い
て製造された鋳型枠付鋳造物、及び粉末合成シリカを
2.5重量%溶解させた18重量%の水酸化ナトリウム
水溶液を入れた。外部加熱により水溶液を120℃±5
℃に加熱し、圧縮窒素ガスを用いてオートクレーブ内圧
力を1分間隔で1.5kgf/cm2 から5.0kgf
/cm2 (ゲージ圧)に変化させる操作を継続した。1
時間後、窒素ガスの供給を停止し、オートクレーブ内圧
力を開放した。放冷後、オートクレーブを解体したとこ
ろ、鋳型枠は崩壊していた。
ロストワックス法でバインダーとしてシリカゾルを用い
て製造された鋳型枠付鋳造物、及び粉末合成シリカを
2.5重量%溶解させた18重量%の水酸化ナトリウム
水溶液を入れた。外部加熱により水溶液を120℃±5
℃に加熱し、圧縮窒素ガスを用いてオートクレーブ内圧
力を1分間隔で1.5kgf/cm2 から5.0kgf
/cm2 (ゲージ圧)に変化させる操作を継続した。1
時間後、窒素ガスの供給を停止し、オートクレーブ内圧
力を開放した。放冷後、オートクレーブを解体したとこ
ろ、鋳型枠は崩壊していた。
【0017】実施例2 水酸化ナトリウム水溶液を110℃±5℃に加熱した以
外は、実施例1と同様の方法で鋳型枠付鋳造物を処理し
た。3時間後、窒素ガスの供給を停止し、オートクレー
ブ内圧力を開放した。放冷後、オートクレーブを解体し
たところ、鋳型枠は崩壊していた。
外は、実施例1と同様の方法で鋳型枠付鋳造物を処理し
た。3時間後、窒素ガスの供給を停止し、オートクレー
ブ内圧力を開放した。放冷後、オートクレーブを解体し
たところ、鋳型枠は崩壊していた。
【0018】実施例3及び4 圧力スイングの間隔を3分(実施例3)又は5分(実施
例4)で行った以外は、実施例1と同様の方法で、鋳型
枠付鋳造物を処理した。いずれの場合も、3時間の処理
で鋳型枠は崩壊した。
例4)で行った以外は、実施例1と同様の方法で、鋳型
枠付鋳造物を処理した。いずれの場合も、3時間の処理
で鋳型枠は崩壊した。
【0019】比較例1 圧力スイングの間隔を10分で行った以外は、実施例1
と同様の方法で、鋳型枠付鋳造物を処理した。3時間
後、窒素ガスの供給を停止し、オートクレーブ内圧力を
開放した。放冷後、オートクレーブを解体したところ、
鋳型枠は崩壊していなかった。さらに、3時間(合計6
時間)同様に処理したところ鋳型枠は崩壊していた。
と同様の方法で、鋳型枠付鋳造物を処理した。3時間
後、窒素ガスの供給を停止し、オートクレーブ内圧力を
開放した。放冷後、オートクレーブを解体したところ、
鋳型枠は崩壊していなかった。さらに、3時間(合計6
時間)同様に処理したところ鋳型枠は崩壊していた。
【0020】比較例2 10リットルオートクレーブに、ロストワックス法でバ
インダーとしてシリカゾルを用いて製造された鋳型枠付
鋳造物、及び粉末合成シリカを2.5重量%溶解させた
18重量%の水酸化ナトリウム水溶液を入れた。スチー
ムを使用してオートクレーブ内圧力を1分間隔で1.5
kgf/cm2 から3.5kgf/cm2 (ゲージ圧)
に変化させる操作を継続した。その間の温度は、110
〜138℃で大きく変化した。3時間後、スチームの供
給を停止し、オートクレーブ内圧力を開放した。放冷
後、オートクレーブを解体したところ、鋳型枠は崩壊し
ていなかった。さらに、3時間(合計6時間)同様に処
理したところ鋳型枠は崩壊していた。
インダーとしてシリカゾルを用いて製造された鋳型枠付
鋳造物、及び粉末合成シリカを2.5重量%溶解させた
18重量%の水酸化ナトリウム水溶液を入れた。スチー
ムを使用してオートクレーブ内圧力を1分間隔で1.5
kgf/cm2 から3.5kgf/cm2 (ゲージ圧)
に変化させる操作を継続した。その間の温度は、110
〜138℃で大きく変化した。3時間後、スチームの供
給を停止し、オートクレーブ内圧力を開放した。放冷
後、オートクレーブを解体したところ、鋳型枠は崩壊し
ていなかった。さらに、3時間(合計6時間)同様に処
理したところ鋳型枠は崩壊していた。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法は、より低い温度で且つよ
り低いアルカリ金属水酸化物の水溶液濃度で、短時間に
鋳型枠を鋳造物より崩壊除去することが出来るため、鋳
造物の変形、亀裂及び金属の溶出、又はオートクレーブ
等の処理容器の腐食等の恐れがなく、又、鋳型枠を崩壊
除去した後の廃棄物は、水性スラリーとして容易に回収
出来るため、廃液の処理を簡便に行うことが出来、特に
ロストワックス法等の精密鋳造法に好ましく適用出来る
ものである。
り低いアルカリ金属水酸化物の水溶液濃度で、短時間に
鋳型枠を鋳造物より崩壊除去することが出来るため、鋳
造物の変形、亀裂及び金属の溶出、又はオートクレーブ
等の処理容器の腐食等の恐れがなく、又、鋳型枠を崩壊
除去した後の廃棄物は、水性スラリーとして容易に回収
出来るため、廃液の処理を簡便に行うことが出来、特に
ロストワックス法等の精密鋳造法に好ましく適用出来る
ものである。
フロントページの続き (72)発明者 谷川 伸 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究 所内 審査官 金 公彦 (56)参考文献 特開 平6−315760(JP,A) 特開 平6−122065(JP,A) 特開 平6−47523(JP,A) 特開 昭55−117558(JP,A) 特開 昭55−114456(JP,A) 特開 昭52−156731(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 29/00
Claims (1)
- 【請求項1】シリカを含有する鋳型枠を、アルカリ金属
水酸化物の水溶液中で、圧力差2kgf /cm2 以上及び7
分以内の間隔で圧力の上昇と低下を繰り返しつつ、温度
変化を10℃以内に維持して加熱することを特徴とす
る、鋳型枠を鋳造物より崩壊除去する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6024735A JP3020044B2 (ja) | 1994-01-27 | 1994-01-27 | 鋳型枠の崩壊除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6024735A JP3020044B2 (ja) | 1994-01-27 | 1994-01-27 | 鋳型枠の崩壊除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07214290A JPH07214290A (ja) | 1995-08-15 |
JP3020044B2 true JP3020044B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=12146413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6024735A Expired - Lifetime JP3020044B2 (ja) | 1994-01-27 | 1994-01-27 | 鋳型枠の崩壊除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3020044B2 (ja) |
-
1994
- 1994-01-27 JP JP6024735A patent/JP3020044B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07214290A (ja) | 1995-08-15 |
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