JPH0646A - 蚊の誘引捕集器具 - Google Patents

蚊の誘引捕集器具

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JPH0646A
JPH0646A JP4159552A JP15955292A JPH0646A JP H0646 A JPH0646 A JP H0646A JP 4159552 A JP4159552 A JP 4159552A JP 15955292 A JP15955292 A JP 15955292A JP H0646 A JPH0646 A JP H0646A
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mosquitoes
mosquito
collection container
attracting
installation surface
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JP4159552A
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Isato Tejima
勇人 手嶋
Takaaki Ito
高明 伊藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 蚊の飛翔し得る中空部を備える捕集容器1を
設置面2を上方から覆うように設ける。捕集容器1にお
ける設置面2側に蚊の侵入し得る侵入口3を、その設置
面2側端が設置面2から高さ10cm以内となるように設け
る。捕集容器1の内面上に粘着剤層1aを設ける。蚊の
誘引物質を有する担体6を捕集容器1内に設置する。担
体6内に発熱体7を内蔵する。炭酸ガス発生源7を捕集
容器1内に設置する。 【効果】 蚊の捕集効率、特に、マラリア媒介蚊で難捕
集性であったアノフェレス・ファラウティの捕集効率も
高めることできて、蚊の防除の際に必要な、所定地域に
おける蚊の個体数の検定に好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マラリア媒介蚊である
ハマダラカ等の蚊の誘引捕集器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱帯地方等において、蚊を殺虫剤等によ
り広範囲に防除する場合、防除を効率的に行うために、
蚊の個体密度を把握すること、すなわち蚊の単位面積当
たりの個体数調査を行うことが必要である。そのような
個体数調査を行うための蚊の捕集方法としては、従来よ
り、ライトトラップ、動物おとりトラップ、人おとりト
ラップ等が知られている〔佐々学編著「蚊の科学」(北
隆館出版)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の各方法は、いずれも種々の問題点を有している。す
なわち、ライトトラップでは、蚊以外の昆虫も多く捕集
されるため、正確な個体数調査が困難であるという問題
点、動物おとりトラップでは、数多くのトラップを設置
できないだけでなく、動物を固定しておくのが難しいと
いう問題点、また、人おとりトラップでは、マラリア、
デング熱といった熱帯病の媒介蚊を捕集する場合には病
気に感染する危険性があるといった人道的な問題点を有
している。
【0004】そこで、本発明は、以上の問題を鑑みて種
々研究を重ねた結果、特に、熱帯、亜熱帯等で病気を媒
介する蚊の個体数調査を行う際に、人や動物を用いず、
その上、熱帯等の僻地では安定に確保することの困難な
電力や資材を用いず低コストでかつ広範囲にわたる調査
が容易にできる蚊の誘引捕集器具を提供することを技術
的な課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記課
題について鋭意検討を重ねた結果、蚊の侵入口を設ける
位置を種々代えると蚊の捕集効率が大幅に異なることを
発見し、本願発明を完成した。
【0006】すなわち、請求項1記載の蚊の誘引捕集器
具は、蚊の飛翔し得る中空部を備える捕集容器が設置面
を上方から覆うように設けられ、上記捕集容器における
設置面側に蚊の侵入し得る侵入口が設けられていること
を特徴としている。
【0007】また、請求項2記載の蚊の誘引捕集器具
は、請求項1記載の蚊の誘引捕集器具において、上記侵
入口の上記設置面側端が上記設置面から高さ10cm以内に
設けられていることを特徴としている。
【0008】また、請求項3記載の蚊の誘引捕集器具
は、請求項1または請求項2記載の蚊の誘引捕集器具に
おいて、上記捕集容器の内面上に粘着剤層が設けられて
いることを特徴としている。
【0009】また、請求項4記載の蚊の誘引捕集器具
は、請求項1、請求項2または請求項3記載の蚊の誘引
捕集器具において、蚊の誘引物質を有する担体が発熱体
を内蔵して上記の捕集容器内に設置されていることを特
徴としている。
【0010】また、請求項5記載の蚊の誘引捕集器具
は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載
の蚊の誘引捕集器具において、炭酸ガス発生源が上記捕
集容器内に設置されていることを特徴としている。
【0011】上記の捕集容器の形状としては、運搬や加
工に支障がなく、また、蚊の飛翔し得る中空部を備え、
かつ、設置面を上方から覆うような形状であれば、特に
限定されないが、通常、加工のし易さから、厚さ1〜5
mmで直方体、立方体、略半球状、略球冠状、略球帯状、
略円錐状、略角錐状または略円柱状が使用される。な
お、上記各形状において、設置面と面する面に開口部を
備えていてもよい。
【0012】このような捕集容器が直方体または立方体
の場合、縦、横の長さ30〜100cm 、高さ10〜30cmに成形
するのが好ましい。また、捕集容器の形状が円柱状の場
合、直径30〜100cm 、高さ10〜30cmに成形するのが好ま
しい。
【0013】蚊の侵入口である上記の侵入口のサイズ
は、通常の蚊の体長が5〜6mmまでのものが多いから、
幅が10〜50cm、高さが3〜20cmで、捕集容器の形状が直
方体、立方体または角錐状の場合、設置面側の各辺に1
個以上設けることが望ましい。
【0014】また、捕集容器の形状が円柱状の場合、そ
の侵入口のサイズは、通常、幅が10〜50cm、高さ
が3〜20cmで外周の設置面側に1個以上設けることが望
ましい。なお、上記の侵入口の形状やサイズは、形成加
工に支障がなく、かつ、蚊が侵入し得る大きさであれば
特に限定されない。
【0015】また、上記捕集容器において、蚊の侵入口
は、種々の実験結果から、捕集容器の設置面上に設置し
た際、上記の侵入口の設置面側端を設置面から高さ10cm
以内となるように設けることが、蚊の捕集効率の点から
好ましい。さらに好ましくは、上記の侵入口を設置面に
開口するように設ける。
【0016】上記捕集容器の材質は、その形状を維持で
きるものであれば、特に限定されないが、経済性や加工
性等から木やプラスチックが望ましく、特にプラスチッ
クが好ましい。用いられるプラスチックとしては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、アクリル
樹脂等が挙げられる。
【0017】上記捕集容器の内面上に粘着剤層を設ける
のは、捕集容器内に侵入した蚊を捕獲するためであり、
この目的に合致するものであれば、粘着剤の種類は特に
限定されないが、例えばポリブテン、ポリイソブテンが
挙げられ、さらに、それらの粘着剤にアクリル樹脂、フ
ェノール樹脂を添加したものを用いてもよい。
【0018】上記の誘引物質としては、2−ケト酪酸、
n−オクチルアルコール、1−ノナノール、または人間
の汗や体臭等が挙げられる。
【0019】上記の発熱体としては、35〜60℃の温
度になるものであれば、特に限定されないが、通常、扱
いが安全で容易な使い捨てカイロを用いる。
【0020】上記担体としては、上記の発熱体を内蔵で
き、かつ、上記の誘引物質を保持して揮散できるもので
あれば特に限定されないが、布、不織布、紙等が挙げら
れる。また、上の誘引物質を含浸させた担体としての布
で包んだ発熱体の好ましい例として、使用済の靴下で包
んだ市販のカイロが挙げられる。
【0021】上記の炭酸ガス発生源としては、炭酸ガス
ボンベ、ドライアイス、水中に投下すると炭酸ガスを発
生する発泡性錠剤等を挙げることができる。特に、上記
の発泡性錠剤を用いるのが簡便で有効である。上記発泡
性錠剤は、常温で固体である固体酸と炭酸塩を主成分と
し、これに必要に応じて滑沢剤、崩壊剤、賦形剤として
の水溶性担体、水溶性高分子、鉱物質担体を配合し打錠
成型したもので、錠剤1個当たりの重量は通常1〜100g
に成型される。
【0022】上記の固体酸としては、例えばクエン酸、
コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、
マロン酸、リンゴ酸、アジピン酸、ホウ酸、安息香酸、
グルタミン酸、ソルビン酸等を挙げることができるが、
特にクエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸が好ま
しい。これらの固体酸は一種または二種以上を混合して
用いられる。
【0023】上記の炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチ
ウム等が挙げられるが、特に炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウムが好ましい。これらの炭酸塩は一種または二
種以上を混合して用いられる。
【0024】用いられる炭酸塩および固体酸の量は、そ
の合計量が全重量に対して、通常、5〜90重量%であ
る。また、上記のように配合される炭酸塩と固体酸との
重量比は、1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1
の範囲内である。
【0025】上記の水溶性担体としては、尿素、乳糖、
硫安、ショ糖、食塩、芒硝等が挙げられる。また、上記
の水溶性高分子としては、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、平均分子量6000〜20000 のポリエチレン
グリコール等が挙げらる。
【0026】上記の鉱物質担体としては、カオリンクレ
ー、珪藻土、酸性白土、タルク、アッタパルジャイトク
レー等が挙げられる。さらに滑沢剤としてはステアリン
酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げられ、崩壊剤とし
ては、微結晶セルロース等が挙げられる。
【0027】これらの水溶性担体、水溶性高分子、鉱物
質担体、滑沢剤、崩壊剤を添加する場合、その添加量は
前記の錠剤の全重量に対して、通常、 0.1〜50重量%、
好ましくは 0.5〜20重量%である。
【0028】蚊の誘引捕集器具を用いて夜間吸血性の蚊
を捕集する場合には、夕刻から翌朝にかけ家屋内および
家屋外周辺、畜舎内およびその周辺に設置するとよい。
また、昼間吸血性の蚊を捕集する場合にも、昼間に上記
のような地点に設置すると良い。
【0029】
【作用】上記請求項1記載の構成は、夜間吸血性のハマ
ダラカ類(Anopheles 属)やイエカ類(Cultex属)に
は、捕集容器の内部が物陰となって昼間の休息場所とな
り得、一方、昼間吸血性のヤブカ類(Aedes 属)には、
夜間、上記の内部が休息場所となり得る。
【0030】その上、蚊の侵入口を捕集容器の設置面側
に設けると、種々の実験結果から、蚊類が捕集容器内に
侵入し易くなる。したがって、上記構成は、種々な蚊類
を効率良く捕集することが可能となる。
【0031】また、上記請求項2記載の構成では、上記
請求項1記載の発明の作用に加えて、種々の実験結果か
ら、侵入口の設置面側端を設置面から高さ10cm以内に設
けると、特に、従来の捕集器具では難捕集性のマラリア
媒介蚊であるハマダラカ類の一種であるアノフェレス・
ファラウティ(Anopheles farauti )に対しても高い捕
集効果を発揮できる。
【0032】さらに、上記請求項3記載の構成では、上
記請求項1または請求項2記載の発明の作用に加えて、
捕集容器内に侵入した蚊は、その内面にとまる習性を有
しており、上記の内面上に粘着剤層が設けられているか
ら、粘着剤層と接触してその粘着剤層に捕捉されて、捕
集容器内に捕獲される。このため、粘着剤層に捕捉され
た蚊が侵入口を通して、再度、外部に飛翔することがな
く、蚊の捕集効率を向上させることができる。
【0033】さらに、上記請求項4記載の構成では、上
記請求項1、請求項2、または請求項3記載の発明の作
用に加えて、蚊の誘引物質を有する担体が発熱体を内蔵
して上記の捕集容器内に設置されているから、蚊を誘引
する臭いを効率よく発生でき、さらに、発熱体による周
囲の環境温度より高い温度は蚊を誘引することにより、
蚊を捕集容器内に誘引できる。よって、蚊の捕集効率を
向上させることができる。
【0034】さらに、上記請求項5記載の構成では、上
記請求項1、請求項2、請求項3、または請求項4記載
の発明の作用に加えて、炭酸ガスを捕集容器から侵入口
を通して外部に拡散するので、炭酸ガスにより蚊、特に
吸血性の蚊が捕集容器内に誘引される。よって、蚊の捕
集効率を高めることが可能となる。
【0035】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図5に
基づいて説明すれば、以下の通りである。 〔実施例1〕蚊の誘引捕集器具では、図1に示すよう
に、一方に開口を有する略直方体箱状の捕集容器1が使
用され、捕集容器1は、縦30cm×横30cm×高さ10cmに成
形され、高さ方向の一端面が上記開口となるように成型
されている。
【0036】このような捕集容器1は、その内部に蚊の
飛翔し得る中空部を備えるように上記の開口を下にして
設置面2を上方から覆うように設置され、さらに、その
捕集容器1の内面上に、粘着剤層1aが塗布されてい
る。
【0037】そして、上記捕集容器1の設置面2に面す
る各4辺には、蚊の侵入し得る侵入口(幅10cm×高さ3
cm)3が一対ずつほぼ等間隔でそれぞれ設けられてい
る。このような捕集容器1は、加工性や耐久性に優れ、
軽量で運搬に至便なことから、透明で厚さ約2mmの合成
樹脂板、例えばポリエチレン製板からなっている。
【0038】また、捕集容器1内の設置面2上には、蚊
を誘引する誘引機構4が設置されている。その誘引機構
4は、図2に示すように、人肌程度の温度の発熱体とし
てのカイロ(大日本除虫菊株式会社製、商品名:どん
と)5と、そのカイロ5を2個内蔵した、蚊の誘引物質
を含む人の汗等の体液の含浸した靴下(綿100 %)等の
担体6とからなっている。
【0039】さらに、図1に示すように、捕集容器1内
の設置面2上には、炭酸ガスを発生する炭酸ガス発生源
7が設置されている。その炭酸ガス発生源7は、図3に
示すように、水に浸すと炭酸ガスを発生する発泡性錠剤
(花王株式会社製、商品名:バブ)8を2錠、約50mlの
水を入れたカップ(容積200ml)9に入れ、小さな穴を多
数あけた蓋10で上記カップ9に蓋をして用いる。
【0040】次に、このような上記構成を用いて蚊の捕
集効率の試験について説明する。まず、図示しないが、
密閉された試験室としてのピートグラディチャンバー
(大きさ1.8m×1.8m×1.8m、容積5.8m3 )の床面を、図
1に示す設置面2として、図1に示す蚊の誘引捕集器具
を設置し、捕集の対象となる蚊としてハマダラカ類の1
種(Anopheles farauti )の雌成虫を所定数放ち、15時
間後、上記の誘引捕集器具内に捕集された蚊の数を数え
た。これにより、捕集された蚊と捕集されなかった蚊と
の数から蚊の捕集効率を算出した。
【0041】また、ハマダラカ類の他の種である(Anop
heles albimanus)の雌成虫を用い、上記と同様にして蚊
の捕集効率を調べた。上記の各蚊の捕集率の試験は2回
ずつ繰り返して行い、それらの結果を表1に合わせて示
した。
【0042】
【表1】
【0043】上記の表中のカッコ内は試験に用いた蚊の
全頭数に対する割合(%)を示し、上記表中におけるA
n. は、ハマダラカ類を示すAnopheles の略である。
【0044】この結果から、上記構成は、捕集容器1の
形状、蚊の誘引物質と熱を発する誘引機構4、および吸
血性の蚊を誘引する炭酸ガス発生源7を備えているか
ら、ハマダラカ類であるAnopheles albimanus において
も高い捕集効率を示し、また、従来より、難捕集性とし
て知られているAnopheles farauti においても高い捕集
効率を示した。なお、上記実施例1の構成では、捕集容
器1の形状としては、略直方体形状の例を挙げたが、図
4に示すように、略円柱状、略円錐状,もしくは略半球
状に形成してもよい。
【0045】次に、蚊の誘引捕集器具における侵入口3
の設置面2からの位置が蚊の捕集効率に大きく影響する
と考えられたから、侵入口の位置をそれぞれ変えて、蚊
の捕集効率の変化を調べた。
【0046】〔実施例2〕上記実施例1における捕集容
器1での、設置面2に開口する侵入口3に代えて、図5
に示すように、設置面2側端の設置面2からの高さ(図
中hで示した)が、1cm、3cm、7cmとなるように侵入
口3’がそれぞれ作成されている。各侵入口3’の大き
さはそれぞれ幅10cm×高さ3cmである。他は上記実施例
1の構成と同様にして作成した。
【0047】次に、上記の各捕集容器1を用いて、上記
実施例1と同様に蚊の捕集効率をそれぞれ調べた。それ
らの結果を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】上記の表中のカッコ内は試験に用いた蚊の
全頭数に対する割合(%)を示し、試験に用いた蚊は、
ハマダラカ類の一種Anopheles farauti である。
【0050】上記の表2に示した結果から、捕集容器1
における侵入口3’の位置としては、0〜3cm程度では
ほとんど差がなく、7cmとなると若干捕集効率の低下が
見られた。これにより、侵入口3’の位置が蚊の捕集効
率、特に、ハマダラカ類の1種(Anopheles farauti )
に対する捕集効率に対して重要であることが示された。
このことから、ハマダラカ類の1種(Anopheles faraut
i )に対しては、侵入口3’の位置としては、その設置
面2側端の高さを10cm以内とすることが好ましいと考え
られた。
【0051】このように上記各実施例の構成は、通常の
蚊、例えばハマダラカ、イエカ、ヤブカを効率よく捕集
できるだけではなく、従来より、ソロモン諸島やパプア
ニューギニア等においてマラリア媒介蚊として防除の対
象となり、かつ、防除効果を調べる際、従来の捕集方法
では捕集効率の劣るハマダラカ類の1種(Anophelesfar
auti )においても効率よく捕集できる。
【0052】これにより、上記構成は、蚊を例えば殺虫
剤を用いて防除する際の蚊の分布密度を測定する際、あ
るいは、殺虫剤による防除が行われた際の殺虫剤の有効
性を検定するために蚊の分布密度を測定する際、蚊の捕
集効率が従来より向上したから、蚊の分布密度をより正
確に測定することができ、上記の蚊の防除効果の検定に
好適に使用される。
【0053】このように上記構成は、侵入口3の取付位
置を、その設置面2側端を設置面2から高さ10cm以内に
設定するという比較的簡素な構成で、通常の蚊や、特
に、従来難捕集性であった蚊を効率よく捕集できる。な
お、通常の使用では、形成加工が容易なことから設置面
2に隣接するように開口する侵入口3を用いるのが好ま
しい。
【0054】したがって、上記構成は、比較的手に入り
易く耐久性に優れた合成樹脂板で作製できるから、軽量
で運搬も容易で、さらに、電力等も用いずとも誘引機構
4や炭酸ガス発生源7を作成できて維持も簡単であるか
ら、比較的広い範囲にも容易に設置できる。このことに
より、野外においても広い範囲にわたって多数設置する
ことが容易に可能となる。
【0055】この結果、上記構成は、熱帯や亜熱帯等の
物資の供給や、電力の供給が比較的不安定な地域におい
ても、種々の病原菌を媒介する蚊の密度分布を広範囲に
わたって測定することに好適に使用できる。
【0056】このことから、殺虫剤等による上記の蚊類
の防除の最適化をより容易なものとすることが可能とな
るので、殺虫剤等の防除の薬剤の散布が少なすぎること
による無駄や、過剰な散布による無駄や環境汚染なども
低減できる。
【0057】なお、上記各実施例の構成では、蚊を捕捉
する粘着剤層1aを捕集容器1の内面に塗布した例を挙
げたが、捕集容器1の内面に他の薬剤、例えば、ピリプ
ロキシフェン等の昆虫成長阻害剤を粘性溶媒に溶かして
捕集容器1の内面に塗布してもよい。
【0058】これにより、蚊が捕集容器1内に誘引され
て上記の内面にとまると、蚊の足に接触して付着した昆
虫成長阻害剤は、上記の蚊の産卵を阻害したり、または
産卵する場合でも、上記の蚊の産卵する卵から孵化した
幼虫の成長を攪乱して死に至らしめたりできるので、蚊
を防除できる。その上、昆虫成長阻害剤を、それと接触
した蚊を媒介してその蚊の産卵する水溜に運ぶことも可
能となる。
【0059】したがって、上記の蚊を不妊化したり、ま
たは不妊化できない場合でも、上記の蚊の産卵する卵か
ら孵化した幼虫だけではなく、その蚊が産卵した水溜の
幼虫に対しても成長阻害効果を発揮して、幼虫の成長を
攪乱し幼虫を死に至らしめたりして蚊をさらに効果的に
防除できる。
【0060】したがって、上記のように昆虫成長阻害剤
を備える捕集容器1は、蚊の進入し易い形状、誘引機構
4、および炭酸ガス発生源7を備えていることにより、
蚊の誘引効率が高く、さらに、蚊の防除も選択的にでき
るから、従来の殺虫剤の散布等に比べると環境汚染など
も大幅に低減できる。
【0061】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の蚊の誘引捕集器
具は、以上のように、蚊の飛翔し得る中空部を備える捕
集容器が設置面を上方から覆うように設けられ、上記捕
集容器における設置面側に蚊の侵入し得る侵入口が設け
られている構成である。
【0062】それゆえ、上記構成は、蚊類を効率よく捕
集できるから、設置位置における蚊の個体数をより正確
に算出することができる。
【0063】その上、上記構成は、特に、熱帯、亜熱帯
等で病気を媒介する蚊の防除効果を調べる場合の蚊の密
度分布を調べるための個体数調査を行う際に、人や動物
を用いる必要がなく、さらに、熱帯等の僻地では安定に
確保することの困難な電力や資材を用いず低コストで作
製でき、かつ、簡素な構成により軽量で運搬なども簡便
にできて広範囲にわたって設置することが可能となる。
【0064】この結果、上記構成は、蚊の個体数の広範
囲な調査がより正確に可能となり、種々な蚊類の防除効
果の検定に使用できて、蚊類の防除に極めて有効に用い
ることができるという効果を奏する。
【0065】本発明の請求項2記載の蚊の誘引捕集器具
は、以上のように、請求項1記載の蚊の誘引捕集器具に
おいて、上記侵入口の上記設置面側端が上記設置面から
高さ10cm以内に設けられている構成である。
【0066】それゆえ、上記構成は、請求項1記載の発
明の効果に加えて、通常の蚊類のみならず、従来では難
捕集性の蚊も効率よく捕集できて、そのような蚊の防除
に対しても極めて有効に用いることができるという効果
を奏する。
【0067】本発明の請求項3記載の蚊の誘引捕集器具
は、以上のように、請求項1または請求項2記載の蚊の
誘引捕集器具において、上記捕集容器の内面上に粘着剤
層が設けられている構成である。
【0068】それゆえ、上記構成は、上記請求項1また
は請求項2記載の発明の効果に加えて、捕集容器内に侵
入して粘着剤層に捕捉された蚊は、再度、侵入口を通し
て外部に飛翔することがなく、蚊の捕集効率の向上を図
ることができて、捕集容器の設置地域における蚊の個体
数をより正確に算出することができるという効果を奏す
る。
【0069】本発明の請求項4記載の蚊の誘引捕集器具
は、以上のように、請求項1、請求項2または請求項3
記載の蚊の誘引捕集器具において、蚊の誘引物質を有す
る担体が発熱体を内蔵して上記の捕集容器内に設置され
ている構成である。
【0070】それゆえ、上記構成は、上記請求項1、請
求項2または請求項3記載の発明の効果に加えて、さら
に、臭いと温度とにより蚊を捕集容器内に誘引できるか
ら、捕集容器の設置地域における蚊の個体数をより正確
に算出することができるという効果を奏する。
【0071】本発明の請求項5記載の蚊の誘引捕集器具
は、以上のように、請求項1、請求項2、請求項3また
は請求項4記載の蚊の誘引捕集器具において、炭酸ガス
発生源が上記捕集容器内に設置されている構成である。
【0072】それゆえ、上記構成は、請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4記載の発明の効果に加え
て、さらに、炭酸ガスにより蚊を捕集容器内に誘引でき
て、捕集容器の設置地域における蚊の個体数をより正確
に算出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蚊の誘引捕集器具における一実施例の
斜視図である。
【図2】上記の蚊の誘引捕集器具における誘引機構の要
部断面図である。
【図3】上記の蚊の誘引捕集器具における炭酸ガス発生
源の分解斜視図である。
【図4】上記の蚊の誘引捕集器具における捕集容器の各
変形例をそれぞれ示す概略斜視図である。
【図5】本発明の蚊の誘引捕集器具における他の実施例
の斜視図である。
【符号の説明】
1 捕集容器 1a 粘着剤層 2 設置面 3 侵入口 5 カイロ(発熱体) 6 担体 7 炭酸ガス発生源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蚊の飛翔し得る中空部を備える捕集容器が
    設置面を上方から覆うように設けられ、上記捕集容器に
    おける設置面側に蚊の侵入し得る侵入口が設けられてい
    ることを特徴とする蚊の誘引捕集器具。
  2. 【請求項2】上記侵入口の上記設置面側端が上記設置面
    から高さ10cm以内に設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の蚊の誘引捕集器具。
  3. 【請求項3】上記捕集容器の内面上に粘着剤層が設けら
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の蚊の誘引捕集器具。
  4. 【請求項4】蚊の誘引物質を有する担体が発熱体を内蔵
    して上記の捕集容器内に設置されていることを特徴とす
    る請求項1、請求項2または請求項3記載の蚊の誘引捕
    集器具。
  5. 【請求項5】炭酸ガス発生源が上記捕集容器内に設置さ
    れていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    3または請求項4記載の蚊の誘引捕集器具。
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