JPH0646898A - フィブリノーゲンの分析方法およびそのための試薬 - Google Patents

フィブリノーゲンの分析方法およびそのための試薬

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JPH0646898A
JPH0646898A JP5112801A JP11280193A JPH0646898A JP H0646898 A JPH0646898 A JP H0646898A JP 5112801 A JP5112801 A JP 5112801A JP 11280193 A JP11280193 A JP 11280193A JP H0646898 A JPH0646898 A JP H0646898A
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fibrinogen
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reagent
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JP5112801A
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Hartmut Lang
ハルトムート・ラング
Berta Dr Moritz
ベルタ・モーリッツ
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Immuno AG
Immuno AG fuer Chemisch Medizinische Produkte
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血漿試料中のフィブリノーゲンの分析法 【構成】 トロンビン、トロンビン様活性を有するプロ
トロンビンフラグメント、またはその混合物を用いて酵
素的に変換し、次いで形成されたフィブリンまたはフィ
ブリノーゲン開裂産物を検出することにより、トロンビ
ン阻害物質とはほぼ無関係にフィブリノーゲンを分析す
る方法において、該フィブリノーゲンの酵素変換をpH
4から7.3の範囲で行い、凝固時間またはフィブリノ
ーゲン開裂産物のいずれか一方を測定することにより形
成されたフィブリンを検出することを特徴とする方法お
よびそのための試薬。 【効果】 効率良く血漿試料のフィブリノーゲンを分析
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トロンビン、トロンビ
ン様活性を有するプロトロンビンフラグメント、または
その混合物を用いてフィブリノーゲンを酵素的に変換
し、次いで形成されたフィブリンまたはフィブリノーゲ
ン開裂産物を検出することにより、フィブリノーゲンを
分析する方法に関する。さらに、本発明は、所望により
希釈されていない血漿試料、そしてまた、所望により、
ヘパリンを含有する血漿試料のフィブリノーゲン含有量
を測定するための試薬に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決すべき課題】血漿中のフィブリ
ノーゲンの分析は凝固欠損の検査の分野において非常に
重要である。フィブリノーゲンの分析のためには、免疫
学的方法および機能的方法、例えば凝固試験、の両方が
知られている。凝固試験では、フィブリノーゲン含有量
は血餅の形成時間の測定により決定される。一般的な分
析法がクラウス[Clauss, Acta Haemat. 17, 237-246,
1957]により記載された。シュウ酸化血漿をpH7.4
の緩衝液で希釈し、濃厚なトロンビン溶液を混合する。
次いで、凝固終了までの時間を測定する。しかし、血漿
性の阻害因子を除くために血漿に対して十分に過剰量の
トロンビンを選択すると、トロンビンと反応した血漿試
料の凝固時間は、フィブリノーゲン含有量に比例するも
のでしかない。トロンビン作用を有効に阻害する抗トロ
ンビンIII(ATIII)、基本的にはヘパリンと一
緒になって、が阻害因子と考えられている。ヘパリンは
一般に用いられる抗凝固剤であり、血液を治療剤として
採取する場合、添加剤として用いられる。血漿試料中の
ヘパリン含有は凝固時間を延長させ偽の結果を与え得
る。
【0003】高トロンビン濃度のせいで、また血漿を希
釈することにより、ATIIIおよびヘパリン濃度の各
々が低下するので、抗トロンビンIIIの作用は大きく
減少される。血漿を希釈しない場合は、抗トロンビン効
果は数倍強く、凝固時間は延長される。血漿の希釈およ
びそれに関連する余分な手法工程は、実質的には日常検
査の仕事である。操作経費の増大および感染のおそれの
ある血漿をさらに扱うということの上、基本的に各希釈
は誤差の原因を構成する。しかも、基本的には、しばし
ばフィブリノーゲンの含有量に従って行わなければなら
ず、自動化分析による作業を困難にする。
【0004】通常、ベローナル緩衝液は測定可能なフィ
ブリン血餅の形成を容易にし、とりわけフィブリノーゲ
ン含有量の低い血漿の分析を改善するので、血漿の希釈
にはベローナル緩衝液を用いる。しかし、ベローナルは
また耽溺性薬物としての性質をもつ麻酔薬でもあるの
で、この物質の使用は、可能なら避けるべきである。抗
トロンビンIII因子またはヘパリン阻害因子のそれぞ
れを消去する試みとして、ヘパリンの中和または除去が
ある。Clinical Chemistry 29, 614-617 (1983)には、
ポリブレンを加えることで、血漿中でヘパリンを中和す
る方法が記載されている。血漿をpH7.4の緩衝液で
希釈し、トロンビンを加えた後、光度計に移す。次い
で、反応速度を比濁分析で測定する。トロンビン様活性
を有するヘビ毒酵素(バトロキソビン)をトロンビンの
代わりに用いることで、上記の阻害因子と無関係に血漿
中のフィブリノーゲンを測定することができるかもしれ
ない。その理由は、これらヘビ毒酵素はATIIIまた
はヘパリンによって阻害されないからである。例えば、
ヒトタンパク質の分析の方法に、ヘビ毒酵素のような、
天然の凝固酵素でないと考えられるタンパク質を用いる
ことには問題がある。非哺乳類酵素とヒトタンパク質と
の反応はしばしば非特異的である。生化学分析の原理に
従えば、類似するものだけを比較し、かつ分析するため
に、哺乳類のみを用いる、とりわけ、ヒトタンパク質の
分析のために、反応のパートナーとしてヒト酵素を用い
ることが目的とされる。
【0005】トロンビンはプロトロンビンの活性化によ
って生産され得る。活性化に際して、前駆体としてメイ
ゾトロンビン(Meizothrombin, MT)およびメイゾト
ンビン(Meizothombin,desF1)が形成される。し
かし、プロトロンビンと対照的に、2本鎖トロンビン中
間体はトロンビン類似のプロテアーゼ活性を有する(ト
ロンビン様活性)。従って、それらもトロンビンが反応
し得る物質を開裂する。即ち、「トロンビン様活性」
は、トロンビン基質を開裂することができるプロテアー
ゼ活性であり、至適pHやイオン強度、阻害物質、促進
物質、アロステリック相互作用などの反応速度論、反応
パラメーターは必ずしもトロンビンのそれと同一でなな
い。ウシ酵素メイゾトロンビン、メイゾトロンビン(d
esF1)およびトロンビンのpH7.4での活性が比
較されている(J.of Biol. Chemistry 265, 10693-1070
1 (1990))。メイゾトロンビンは、トロンビンの「フィ
ブリノーゲン凝固活性」の2%の活性しか示さない。こ
の僅かな活性は、しかしながら、MT組成物中にMT
(desF1)が10〜15%含有されていることによ
るかもしれない。MT(desF1)については、トロ
ンビンの14%の活性が見いだされた。フィブリノーゲ
ンのフィブリンへの酵素変換の試験は一般にpH7.4
−8.0の間で行われる。このpH範囲は生理学的pH
範囲に相当するので、トロンビンの酵素反応に用いられ
る。トロンビン活性の至適pHは8に近接する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の従来法
の欠点を回避した、特に、ATIIIまたはヘパリンの
含有とは無関係に、希釈されていない血漿試料を用いて
も行える、凝固試験によりフィブリノーゲンを分析する
方法を提供することを目的とする。本発明によれば、こ
の目的は、トロンビン、トロンビン様活性を有するプロ
トロンビンフラグメント、またはその混合物を用いて酵
素的に変換し、次いで形成されたフィブリンまたはフィ
ブリノーゲン開裂産物を検出することにより、トロンビ
ン阻害物質とはほぼ無関係にフィブリノーゲンを分析す
る方法であって、フィブリノーゲンの酵素変換をpH4
から7.3の範囲で行い、形成されたフィブリンの検出
を凝固時間またはフィブリノーゲン開裂産物によって行
うことを特徴とする方法により達成された。次いで、形
成されたフィブリン血餅を検出する。検出は分光分析ま
たは比濁分析による測定で行う。「トロンビン様活性」
を有するプロトロンビンフラグメントの内で、特にM
T、MT(desF1)またはその混合物がある。用い
られる酵素の濃度および混合比は出来るだけ広範囲の試
料中のフィブリノーゲン含量に直線的な関係が保障され
るように選択されることになる。
【0007】また、その構造の故にトロンビン様活性を
有し、トロンビンに比較して抗トロンビンIIIへの親
和性がより少ない遺伝子工学産物も本発明方法に適す
る。指示したpH範囲で分析を行うことにより、希釈さ
れていない血漿試料でも、また所望によりヘパリンを含
有する血漿試料であっても、単純な方法でフィブリノー
ゲン分析を行うことができる程、該分析は上記の阻害因
子ATIIIおよびヘパリンと無関係なものになる。血
漿の希釈の付加的な方法工程は本発明方法によれば事前
に除かれており、その結果、可能な誤差源が排除され分
析結果が向上することになる。本発明は、pH4−7.
3が、準至適条件ではあるがトロンビンによるフィブリ
ノーゲンの酵素変換には十分であり、フィブリノーゲン
の酵素変換におけるトロンビン活性へのATIII/ヘ
パリンの阻害が無視し得ることを見いだしたことによ
る。トロンビンの活性が幾分減少されることは、むしろ
凝固時間が短かすぎず、測定がより容易になるという利
点さえある。
【0008】驚くべきことには、トロンビン、「トロン
ビン様活性」を有するプロトロンビンフラグメントまた
はその混合物を用いる場合には、既述のpH域、好まし
くはpH5−7、最も好ましくは約pH6が、トロンビ
ン阻害物質と無関係にフィブリノーゲンを分析するのに
最適であることが分かった。フィブリノーゲンの酵素変
換はバッファー塩のモル濃度が0.02〜0.5Mが好
ましく、0.1から0.25Mの緩衝液内で行うことが最
も好ましい。所望により、塩化ナトリウムのような塩を
添加することでイオン強度を増加してもよい。特に、低
イオン強度では、トロンビンはATIII阻害に対して
鈍感であることが分かった。しかしながら、実際には、
本発明方法の実施には、血漿試料と比較して同等または
それ以上のバッファー能であることが、分析の間中、あ
るpHを維持することを可能にする。
【0009】好都合なことには、フィブリノーゲン分析
は、希釈されておらず、またヘパリンを含有するかもし
れない血漿試料、即ち、ヘパリンが存在し、しかも中和
されていない試料で行うことができる。本発明はまた、
pH4−7.3の範囲の緩衝液中でフィブリノーゲンを
酵素的に変換し、次いで形成されたフィブリンを凝固時
間の測定またはフィブリノーゲン開裂産物の検出により
検出することにより、希釈されていないかもしれず、ま
たヘパリンを含有するかもしれない血漿試料のフィブリ
ノーゲン含有量をトロンビン阻害物質と無関係に測定す
るための試薬であって、トロンビン、「トロンビン様活
性」を有するプロトロンビンフラグメントまたはその混
合物を含有する試薬を提供するものである。この試薬に
よれば、血漿試料の面倒な希釈またはヘパリンの中和ま
たは血漿試料からのヘパリンの除去を行う事なく試料の
フィブリノーゲン分析を行うことができる。以下に実施
例を挙げて本発明を詳しく説明する。
【0010】
【実施例】
フィブリノーゲンのpH6およびpH8での分析 比較のために、pH6およびpH8で、メイゾトロンビ
ンおよびトロンビンを用い、血漿試料のフィブリノーゲ
ン含有量に依存する凝固時間を測定した。メイゾトロン
ビンはストッカー(Stocker)およびミューラー(Mueller)
(Thromb. Haemostasisi 65 (6), Abstract 855 (199
1))のプロトコールに従い、ヒトプロトロンビンを固
定化エカリン(Pentapharm)で活性化することで製造さ
れた。フィブリノーゲン含有量が異なる血漿含有試料を
試験に用いた。血漿試料50μlをバッファー[0.2M
Tris−HClバッファー(pH8)または0.2Mリン
酸バッファー(pH6)]100μlおよびメイゾトロ
ンビン(15NIHアナローガスU/ml)150μl
またはトロンビン(10NIHU/ml,Thrombin Reag
ent, Immuno)と混合し、37℃での凝固時間をSchnitg
er-Gross coagulometer (Amelung)により測定した。測
定方法はヘパリンの非存在下、および存在下(1U/m
l)で行った。表から、pH6では、フィブリノーゲン
の検量線は試料のヘパリン含有量と無関係であることが
明らかである。しかし、pH8では、凝固酵素としての
メイゾトロンビンおよびトロンビンの両者に関し、試料
中にヘパリンを含有することによって、凝固時間が延長
している。
【表1】 メイゾトロンビン pH8 pH6 フィブリノーゲン 不在 存在 不在 存在 含有量(mg/ml) ヘパリン ヘパリン ヘパリン ヘパリン 310 8.0 10.6 30.4 30.1 238 11.1 15.1 50.7 49.1 94 26.0 35.5 166.4 157.5 62.5 35.6 >250 >250 >250
【表2】 トロンビン pH8 pH6 フィブリノーゲン 不在 存在 不在 存在 含有量(mg/ml) ヘパリン ヘパリン ヘパリン ヘパリン 373 11.6 >200 18.6 17.3 310 16.1 >200 24.1 24.1 238 25.6 >200 28.4 30.1 100 50.0 >200 85.9 89.8

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロンビン、トロンビン様活性を有する
    プロトロンビンフラグメント、およびその混合物の内の
    1つを用いてフィブリノーゲンを酵素的に変換し、次い
    で形成されたフィブリンまたはフィブリノーゲン開裂産
    物を検出することにより、トロンビン阻害物質とはほぼ
    無関係にフィブリノーゲンを分析する方法において、該
    フィブリノーゲンの酵素変換をpH4から7.3の範囲
    で行い、凝固時間またはフィブリノーゲン開裂産物のい
    ずれか一方を測定することにより形成された該フィブリ
    ンを検出することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 該フィブリノーゲンの酵素変換をバッフ
    ァー塩のモル濃度が0.02−0.5Mの範囲の緩衝液に
    塩を加えてイオン強度を増大した緩衝液内で行う請求項
    1の方法。
  3. 【請求項3】 該塩がNaClである請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 該バッファー塩のモル濃度が0.1−0.
    25Mの範囲である請求項2の方法。
  5. 【請求項5】 該フィブリノーゲンの分析を希釈されて
    いない試料で行う請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 該血漿試料がヘパリンを含有する請求項
    5の方法。
  7. 【請求項7】 pH4−7.3の範囲の緩衝液中で、フ
    ィブリノーゲンを酵素的に変換し、次いで形成されたフ
    ィブリンを凝固時間の測定またはフィブリノーゲン開裂
    産物の検出により検出することにより、血漿試料のフィ
    ブリノーゲン含有量をトロンビン阻害物質とほぼ無関係
    に測定するための試薬であって、トロンビン、トロンビ
    ン様活性を有するプロトロンビンフラグメントまたはそ
    の混合物の内の1つを含有する試薬。
  8. 【請求項8】 該血漿試料が希釈されていない請求項7
    の試薬。
  9. 【請求項9】 該血漿試料がさらにヘパリンを含有する
    請求項8の試薬。
JP5112801A 1992-05-15 1993-05-14 フィブリノーゲンの分析方法およびそのための試薬 Pending JPH0646898A (ja)

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