JPH0646808U - 石材用ドリルのアダプター構造 - Google Patents

石材用ドリルのアダプター構造

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JPH0646808U
JPH0646808U JP8978492U JP8978492U JPH0646808U JP H0646808 U JPH0646808 U JP H0646808U JP 8978492 U JP8978492 U JP 8978492U JP 8978492 U JP8978492 U JP 8978492U JP H0646808 U JPH0646808 U JP H0646808U
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drill
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孝一 岡田
Original Assignee
株式会社オカダ工具
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドリルをワンタッチで着脱でき、かつ、石材
用ドリルの長寿命化を図ったアダプターを実現するこ
と。 【構成】 アダプター本体1Aにアダプターシャンク2
とシリンダー部3と鍔部4とを形成し、シャンク孔12
を有するシリンダー部3には、180度対向したボール
孔16,16を設け、ボール8,8を収納しておく。シ
リンダー部3に、スプリング9と、大径部5Aと小径部
5Bを備えたアダプターカバー7と、リング状のストッ
パーディスク17が取り付けられる。アダプターカバー
7をスプリング9に抗してストッパー17から離隔させ
た状態で、ドリル10のドリルシャンク11をシャンク
孔12に挿入したり抜きとった後にアダプターカバー7
を復元させれば、ドリルの着脱が簡単になされる。ドリ
ルに作用する力の適度な強弱の繰り返しが可能となり、
消耗の激しい石材用ドリルの寿命が長く保たれる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は石材用ドリルのアダプター構造に係り、詳しくは、みかげ石などの硬 質の石材を穿孔対象物とするドリルを電気ドリル機に着脱するときに用いられる ドリル用アダプターの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石材加工には、電気ドリル機などに装着したドリルの回転により、種々の異な る硬度の石材を対象物として大小様々な径の孔を穿つ作業がある。穿孔対象とな る石材は、インド産の高硬質黒みかげ石や中間硬質の赤みかげ石、さらには、普 通硬質のみかげ石などが代表的である。これらの石材にドリルで孔を穿つとき、 石材が硬いほどまた穿孔径が小さいほど、ドリルの消耗や折損が激しくなる。 図9ないし図11は従来からある石材用ドリルの三面図であり、ドリル30の 本体にはランド33と溝34が形成され、その切刃部先端35では、超硬質のド リルチップ36がランド33に蝋づけされている。このドリルチップ36は、チ ゼルエッジと言われるのみ刃部31や切れ刃部32が形成されているが、石材と の摩擦によって温度が上昇しやすい。 例えば3.4mm径のドリルを電気ドリル機のチャックにより直接掴んで高硬 質の石材を対象として穿孔すると、10個ないし20個の孔を穿つ間に、その穿 孔機能は極端に低下する。すなわち、高温脆性により折損するなどして飛び散っ てしまうことがしばしばである。 石材を穿孔するドリルは金属用などの一般のドリルに比べて高価であるが、硬 質物を対象とするので、上記のように十分な穿孔回数を果たすことなく消耗する 問題がある。これは、電気ドリル機を握った作業員から穿孔中のドリルに加えら れる押付力が大きいほど著しくなる傾向にある。その原因は、蝋づけされたドリ ルチップ36の表面が、図11に示すように、左右端以外ではほとんど露出しな いように蝋づけされており、押付力が大きいと摩擦熱の発生が甚だしく、露出部 が少なく放熱効果が悪くて、温度上昇が加速されやすいからであると言われてい る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記の問題を改善したものとして、図12ないし図14に三面図で示すような ドリル40が採用されるようになってきている。これは、ランド43と溝44を 有するドリル40の切れ刃部先端45に蝋づけされたドリルチップ46には、上 述のドリルチップ36と同様に、のみ刃部41や切れ刃部42が形成されている が、そのドリルチップ46の前後面47,47が、放熱をよくするために溝44 に沿って半分近くもまたはそれ以上に露出されている。さらに、ドリルチップ4 6に穿孔時の無駄な当たりが生じるのを避けるためのシニング48も施されてい る。 したがって、ドリルチップ46の穿孔時の摩擦熱による昇温は抑制される利点 がある。しかし、切れ刃部先端45における溝44の存在によって、図13の二 点鎖線で示すランド43が切れ刃部先端45では少なくなっていることから、ド リル40の切れ刃部先端45の近傍の蝋づけ面積が少なくなり、ドリルチップ4 6の保持強度の不足に基づく折損が発生する。
【0004】 本考案は上述の問題に鑑みなされたもので、その目的は、硬質の石材を穿孔対 象とする石材用ドリルの穿孔機能の向上および長寿命化を図ることができると共 に、ドリル交換の迅速化や簡便化を可能にした石材用ドリルのアダプター構造を 提供することである。 なお、ドリルの消耗が激しくなるのは、ドリルチップの温度上昇の問題だけで なく、電気ドリル機のチャックがドリルを直接掴んでいるからであり、本考案者 は、電気ドリル機からドリルに伝わる押付力や、穿孔対象物からドリルに作用す る反力を軽減したり、一時的もしくは断続的にその力を吸収して、押付力の強弱 の繰り返しを可能にすれば、のみ刃部や切れ刃などの折損を解消もしくは可及的 に少なくすることができるのでないかと着眼した。そして、種々の研究を重ねた 結果、本考案は完成されたものである。 そのために、アダプターを採用することに着目し、アダプターにドリルを把持 させ、そのアダプターを電気ドリル機のチャックに掴ませてみた。しかし、アダ プターにおいて上記した力の伝達の軽減や強弱の繰り返しを与えることは容易で なかった。 それは、3.4mmないし6.4mmのドリルの径の異なるシャンクを、同等 の把持力で一つのアダプターに掴ませることが容易でないこと、例えば3.4m mといった細いドリルのシャンクはそれに応じて細いことから、十分な押付力を 与えながら、穿孔反力を軽減するのは技術的に困難であること、ドリルが太い場 合でも、作用する力の緩衝機能を与えると共にそのドリルをアダプターに簡単に 着脱することができる適切な構造が提案されていないことに基づいていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、電動ドリル機などのチャックにドリルを装着するとき使用されるド リル用アダプターに適用される。 その特徴とするところは、図3に示すドリルチップ14が先端10aに一体化 されているドリル10の径に関係なく一定の直径とされたシャンク11を挿入す ることができる図1に示すシャンク孔12を備えたシリンダー部3が、電動ドリ ル機などのチャックに装着されるアダプター本体1Aに形成される。シャンク孔 12に挿入されたドリルシャンク11のほぼ中央側面11aに180度対向して 形成された長溝15,15に係合するボール8,8を抜け落ちることなく嵌着さ せることができるボール孔16,16が、シリンダー部3の側面3aの180度 対向する位置に設けられる。 アダプター本体1Aを構成するアダプターシャンク2とシリンダー部3との境 部分には、シリンダー部3の外径よりも大きい鍔部4が形成される一方、シリン ダー部3の先端部位3bに形成したリング状凹溝18にリング状のストッパーデ ィスク17が嵌着固定される。鍔部4でもって後端2aの方向へは抜けないアダ プターカバー7が、シリンダー部3に外嵌される。アダプターカバー7の先端内 側5aには、ボール8,8の退避を許容する大径部5Aと、ドリル10のシャン ク11の径にほぼ等しく該ボール8,8を長溝15内へ押し込んだ状態に維持さ せる小径部5Bとが先端側から順に形成される。 小径部5Bの後端面5bと鍔部4との間には、シリンダー部3を外囲するスプ リング9が嵌着され、アダプターカバー7をスプリング9に抗してストッパーデ ィスク17から離隔させた状態でシリンダー部3にドリルシャンク11を挿入す ると、ボール8,8が長溝15,15と係合した後にアダプターカバー7がスト ッパーディスク17に当接するように復元されて、ドリル10がアダプター本体 1Aに相対回転不能に保持される一方、アダプターカバー7をスプリング9に抗 してストッパーディスク17から離隔させた状態でドリル10をシリンダー部3 から引き抜くと(図2の破線表示参照)、ボール8,8が大径部5Aにおいて退 避し、ドリル10のアダプター本体1Aにおける保持が解除されるようになって いることである。
【0006】
【作用】
穿孔対象となる石材やその穿孔数や穿孔径などの穿孔仕様が決定され、例えば 穿孔径が5mmであれば5mmのドリルが採用される。しかし、そのドリル10 のドリルシャンク11は、ドリル径に関係なく一定の直径とされており、したが って、アダプター1のシャンク孔12も、ドリル径に関係なく、ドリルシャンク 11の直径に見合う大きさとなっている。 まず、例えば左手でアダプター1のアダプターカバー7を掴む一方、右手でア ダプター本体1Aのアダプターシャンク2を握る。アダプターカバー7をアダプ ターシャンク2の後端2aに向けて、スプリング9の弾発力に抗して5mm程度 移動させる。スプリング9がほぼ密着しアダプターカバー7の移動は止まるが、 そのとき、先端内側5aから順に形成された大径部5Aが、アダプター本体1A のシリンダー部3に180度対向して形成したボール孔16,16に装着された ボール8,8の位置へ移動する。 次に、右手のアダプターシャンク2を放すと同時に左手の指をずらし、アダプ ターシャンク2およびアダプターカバー7を左手で掴み直し、アダプターカバー 7がスプリング9の弾発力で復元されないように保持する。 ドリル10を右手で持ち、ドリルシャンク11をシリンダー部3に形成したシ ャンク孔12に挿入すれば、その間に図2の破線で示すドリルシャンク11の外 周面がボール8,8に当接して外方へ押しやり、ボール8,8を大径部5Aに退 避させる。 ドリルシャンク11の後端面がシャンク孔12の底面に当接すると、ドリル1 0の移動は止まり、ドリルシャンク11のほぼ中央側面11aに180度対向し て形成された長溝15,15はボール8,8の位置で止められる。このとき、必 ずしも長溝15,15とボール8,8とが周方向で一致した位置にないが、ドリ ル10を回動させれば、長溝15,15がボール8,8の位置に合わされる。 左手で掴んでいたアダプターカバー7を放すと、スプリング9の弾発力でアダ プターカバー7が復元され、ストッパーディスク17の後面に当接して止まる。 アダプターカバー7の復元後、ドリルシャンク径にほぼ等しい内径を有する小径 部5Bは、ボール8,8をドリルシャンク11へ押しやって長溝15,15に係 合させると共に、その状態を維持させる。このようにして、ドリル10がアダプ ター本体1Aに相対回転不能に保持され、アダプター1を介して電気ドリル機の チャックと共に回転することができるようになる。
【0007】 電気ドリル機に装着したドリル10を石材の穿孔位置にあてがい、電気ドリル 機を回転させて押付力を加えると、ドリル10の先端10aに蝋づけされたドリ ルチップ14が石材を切削する。このとき、押付力が一定であってもまた石材か ら反力が作用しても、アダプターがそれらの力を断続的に緩和し、ドリルの延命 が図られる。 一方、ドリル10を交換するときは、両手を使ってアダプターカバー7をアダ プターシャンク2の後端2aの方へ移動させると、上述したように、アダプター カバー7の大径部5Aがボール8,8の位置へ移動する。そこでドリル10をシ ャンク孔12から抜き取ると、長溝15,15との係合が解消されたボール8, 8が、ドリル10の抜き取りに伴って通過するドリルシャンク11の外周面によ って大径部5Aへ退避される。その結果、ドリル10を極めて簡単なワンタッチ 動作で抜き去ることができ、作業員の手から放されたアダプターカバー7はスプ リング9の弾発力で復元される。
【0008】
【考案の効果】
本考案によれば、シリンダー部にドリルシャンクを挿入すると、ボールが長溝 に係合した後、アダプターカバーがストッパーディスクに当接するように復元さ れて、ドリルがアダプター本体に相対回転不能に保持される。したがって、ワン タッチ動作でドリルをアダプターに装着することができる。それのみならず、ア ダプターの緩衝作用によって穿孔作業中の力が断続的に軽減され、硬質の石材を 対象とした穿孔においても、ドリル刃が欠けたり損傷することが抑制され、円滑 な穿孔作業が実現される。 一方、ドリルを取り外すときには、アダプターカバーをスプリングに抗してス トッパーディスクから離隔させた状態で、ドリルをシリンダー部から引き抜けば よい。このときも、ワンタッチ動作で行うことができる。
【0009】
【実施例】
以下に、本考案をその実施例の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、 本考案に係る石材用ドリルのアダプターの縦断面図でボールが長溝に嵌め込まれ た状態図である。図2はアダプターの縦断面図で、ボールが長溝から離反した状 態図、図3はアダプターに装着されるドリルの側面図、図4は図3のIV−IV線矢 視図である。 本考案のアダプター1は、図1および図2に示すように、アダプターシャンク 2とシリンダー部3と鍔部4とを備えたアダプター本体1Aと、カバー内筒5と カバー外筒6とよりなると共にシリンダー部3に外嵌されるアダプターカバー7 と、リング状のストッパーディスク17とよりなる。さらに、シリンダー部3の ほぼ中央の側面3aに装着されるボール8,8と、カバー内筒5と鍔部4との間 に配設される蔓巻きばねなどのスプリング9とにより構成される。 アダプター本体1Aの先端側には、図3および図4に示すドリル10のドリル シャンク11を挿入することができるシャンク孔12(図1参照)を備えたシリ ンダー部3が形成される一方、後端側には、電動ドリル機などのチャック(図示 せず)にドリルを装着するためのアダプターシャンク2が形成されている。さら に、アダプターシャンク2とシリンダー部3との境部分には、シリンダー部3の 外径より大きい径を有する鍔部4が形成される。 また、アダプター本体1Aのアダプターシャンク2の後端2aから先端に向け て平面をなす回転力伝達溝13,13が設けられ(図5参照)、通常のキー溝の ように両側壁を備えることなく回転方向の一方壁のみが形成されている。電気ド リル機などのチャック爪に押圧されるこれらの二つの回転力伝達溝13,13に は、アダプター本体1Aを回転させる回転力が伝達される。なお、各回転力伝達 溝13と90度ずれた位置に溝部13a,13aも形成されている。
【0010】 図3および図4に示すように、ドリル本体10Aとドリルシャンク11とより なるドリル10の先端10aには、後述するようにドリル10の穿孔機能の向上 と延命を図るために成形された超硬質のドリルチップ14が蝋づけされている。 本例では、穿孔に必要なドリル径を有するドリル本体10Aの径は、3.4mm ないし6.4mmとされる一方、ドリル10の径に関係なく一定の直径例えば7 mmに選定されたシャンク11が形成されている。 そして、ドリルシャンク11のほぼ中央側面11aに180度対向して長溝1 5,15が形成され、後述のように、この長溝15,15にボール8,8(図1 参照)が押し込まれた状態で係合されるとき、ドリルシャンク11がアダプター 本体1Aに相対回転不能に保持される。なお、ドリルシャンク11をシャンク孔 12から引き抜くとき(図2の破線参照)、ボール8,8は長溝15,15から シリンダー部3の径方向へ離反するようになっている。 アダプター本体のシリンダー部3の側面3aにおけるほぼ中央には、上述の1 80度対向して形成された長溝15,15に係合するボール8,8を収納するた めに、ボール孔16,16が180度対向して形成されている。そして、各ボー ル孔16がシャンク孔12に連通する部位には、ボール8を嵌着させるための内 側が球状面とされたボール移動阻止部16aが形成される。これは、ドリル10 を抜き去った後、ボール孔16,16内のボール8,8がボール移動阻止部16 a,16aの球状面に当接して、抜け落ちないようにするためである。 上記のシリンダー部3の先端部位3bにはリング状凹溝18が形成され、それ に、ストッパーディスク17が嵌着固定されるようになっている。なお、本例で は、ストッパーディスク17は耐摩耗性のある耐熱性ウレタンゴムで製作され、 リング状凹溝18に装着されるときは、指先の動作でストッパーディスク17を 変形させながら嵌め込むと、容易に取り付けることができる。
【0011】 ところで、アダプター本体1Aのシリンダー部3に外嵌される一方、鍔部4で もってアダプターシャンク2の後端2aの方向へ抜けないようにされているアダ プターカバー7が、ストッパーディスク17の後面17aから鍔部4にわたって 取り付けられている。 本例では、アダプターカバー7は、鋼製のカバー内筒5と、耐熱性ウレタンゴ ム製のカバー外筒6とより、カバー内筒5はカバー外筒6に内嵌される一方、図 1に示すカバー外筒6を図2のように後方側へ移動させれば、先端部がカバー外 筒6の内壁面6aに当接されたカバー内筒5と共に後端2aに向かって移動され るようになっている。 そして、アダプターカバー7を構成するカバー内筒5には、その先端内側5a から順に、ボール8の退避を許容する大径部5Aと、ドリル10のドリルシャン ク11の径にほぼ等しくボール8,8を長溝15,15内へ押し込んだ状態を維 持させる小径部5Bとが形成されている。 さらに、このカバー内筒5の小径部5Bの後端面5bと鍔部4との間には、シ リンダー部3を外囲するスプリング9が嵌着され、図2の仮想線で示すように、 アダプターカバー7をスプリング9の弾発力に抗してストッパーディスク17か ら離隔させた状態で、シリンダー部3のシャンク孔12にドリルシャンク11が 挿入されると、ボール8,8が長溝15,15と係合した後に、アダプターカバ ー7がストッパーディスク17に当接するように復元され、ドリル10がアダプ ター本体1Aに相対回転不能に保持されるようになっている。すなわち、ドリル シャンク11が長溝15,15とボール8,8との係合を介してアダプター本体 1Aに一体化され、ドリル10はアダプター1と共に電気ドリル機によって回転 することができる。
【0012】 一方、アダプターカバー7をスプリング9の弾発力に抗してストッパーディス ク17から離隔させた状態で、図2の破線で示すように、ドリル10をシリンダ ー部3から引き抜くと、ボール8,8がドリルシャンク11の外周面で外方へ押 しやられて大径部5Aへ退避し、ドリル10のアダプター本体1Aにおける保持 が解除されるようになっている。 なお、カバー外筒6の外周には、手でカバー外筒6を握ったときに滑りを防止 する複数の切り込み溝6bが形成され、ドリル10の着脱時、アダプターカバー 7を手で確実に握ってアダプターシャンク2の後端2aの側へ移行させやすいよ うに配慮されている。 ちなみに、アダプター本体1Aにアダプターカバー7などを装着する場合、最 初に、スプリング9をシリンダー部3の先端側から外嵌させて鍔部4に当接させ た後に、カバー外筒6とカバー内筒5とを一体にしたアダプターカバー7をシリ ンダー部3の先端側から外嵌する。続いて、シリンダー部3のリング状凹溝18 にストッパーディスク17を嵌め込んで、その後面17aをカバー外筒6に当接 させればよい。 このように、アダプターカバー7を装着したアダプター本体1Aにおいては、 カバー外筒6の内壁面6aにカバー内筒5の先端部が当接され、かつ、スプリン グ9に後端面5bが当接され、両者に挟まれた恰好となったカバー内筒5は、ア ダプターシャンク2の後端2aへカバー外筒6を移行させるとき、カバー外筒6 と一体に移動することができ、復元時も一体的に戻される。なお、本例では、カ バー内筒5とカバー外筒6とは別体に構成されているが、アダプターカバーとし ては一体的に成形した製作したものであってもよい。
【0013】 図6ないし図8に示すように、ランド23と溝24を有するドリル10の先端 10aである切れ刃部先端には、ドリルチップ14が蝋づけされると共に、その ドリルチップ14には、のみ刃部21や切れ刃部22のドリル刃が形成されてい る。そして、ランド23に蝋づけされたドリルチップ14が溝24に沿って全表 面の1/4ないし1/3程度にわたって露出するように、前後面25,25を広 げて一体化されている。そして、ドリルチップ14には、穿孔時に無駄な当たり を避けるためのシニング26も施されている。 したがって、ドリル10のドリルチップ14に形成されている溝24における 前後面25,25は、従来技術のところで述べたドリル30(図11参照)のド リルチップ36に比べて、その左右端以外の露出部の面積が増加している一方、 前述したドリル40(図14参照)のドリルチップ46における前後面47,4 7に比べて少なくされ、ドリルチップ36,46における放熱の中間をとること ができ、穿孔時の摩擦熱による温度上昇の抑制が図られている。 ところで、切れ刃部先端10aにおける溝24の存在によって、図7の二点鎖 線で示すランド23が切れ刃部先端10aで少なくなっていることから分かるよ うに、ドリル10の切れ刃部先端10aの近傍の露出面積が減少している。しか し、前述のドリル40の切れ刃部先端45の近傍における溝44の存在によって 生じる露出面積の増大に比べると少なく、したがって、蝋づけ部の保持強度の不 足に基づく切れ刃部先端10aの折損が生じにくく、ドリル10の延命が図られ る。
【0014】 このような構成のアダプター1に装着されたドリル10は、次のようにして、 ワンタッチで着脱されると共に、みかげ石などの硬質の石材に種々の径の孔を穿 つことができる。 図1ないし図4を参照しながら説明する。穿孔対象となる石材やその穿孔数や 穿孔径などの仕様が決定される。例えば穿孔径が5mmであれば、ドリル本体1 0Aの径が5mmで、ドリルシャンク11の径がシャンク孔12に挿入可能な7 5mmの石材用のドリル10が使用される。 作業員は、例えば左手でアダプター1のアダプターカバー7を構成するカバー 外筒6を掴み、右手でアダプター本体1Aのアダプターシャンク2を握る。カバ ー外筒6をアダプターシャンク2の後端2aの側へスプリング9の弾発力に抗し て5mmないし6mm移動させると、スプリング9がほぼ密着されてカバー外筒 6の移動が止められる。 そのとき、先端部がカバー外筒6の内壁面6aに当接される一方、その後端面 5bがスプリング9に当接され、カバー内筒5はカバー外筒6と共に移動する。 その先端内側5aに形成された大径部5Aは、アダプター本体1Aのシリンダー 部3に180度対向して形成されたボール孔16,16内にあるボール8,8の 位置へ移動する。
【0015】 次に、右手のアダプターシャンク2を放すと同時に左手の指をずらし、アダプ ターシャンク2およびカバー外筒6を左手で掴み直して、カバー外筒6がスプリ ング9の弾発力で復元されないように保持しておく。ドリル10を右手に持ち、 そのドリルシャンク11をシリンダー部3に形成したシャンク孔12に挿入する と、図2に破線で示すドリルシャンク11の外周面がボール8,8に当接し、ボ ール移動阻止部16a,16aから大径部5Aへ押しやられる。 ドリルシャンク11の後端面11bがシャンク孔12の底面に当接すると、ド リル10の移動は止められ、ドリルシャンク11のほぼ中央側面11aに180 度対向して形成された長溝15,15は、ボール8,8の位置で止まる。そのと き、必ずしも、長溝15,15とボール8,8とが周方向に一致した位置にない が、ドリル10をアダプター本体1Aに対して少なくとも90度回動させる間に 長溝15,15とボール8,8とが合わされ、ボール8,8が長溝15,15に 移動してボール移動阻止部16a,16aに当接する。 続いて、左手で掴んでいたカバー外筒6を放すと、スプリング9の弾発力でカ バー内筒5がストッパーディスク17の方へ復元され、カバー内筒5の先端部が 内壁面6aに当接されているカバー外筒6も戻り、カバー外筒6はストッパーデ ィスク17の後面17aに当たって止まる。カバー内筒5の復元後に、ドリルシ ャンク径にほぼ等しい内径を有する小径部5Bは、長溝15,15で形成される 隙間空間によって、ボール8,8をボール移動阻止部16a,16aに当接させ ると共に長溝15,15に係合させる。 このボール8,8と長溝15,15との係合によって、ドリル10がアダプタ ー本体1Aに相対回転不能に保持される。アダプター1のアダプターシャンク2 を電気ドリル機のチャックに取り付けると、ドリル10はアダプター1と共に電 気ドリル機によって回転される。
【0016】 作業員が、石材の穿孔位置に電気ドリル機を向けてドリル10をあてがい、電 気ドリル機を回転させて押付力を加える。ドリル10の先端10aに蝋づけした ドリルチップ14に形成されるのみ刃部21および切れ刃部22が石材を切削す ると、切削屑は溝24から排出される。 穿孔に伴って発生した摩擦熱はドリルチップ14から直接放熱され、ドリル1 0の過剰な温度上昇が抑制される。そして、アダプター1内のボール18とドリ ルシャンク11の長溝15との間で生じる少しのがたなどが緩衝効果を発揮し、 作業員から加えられる押付力がみかげ石の穿孔に適するように調整され、穿孔機 能の向上とドリル10の長寿命化が図られる。 例えば、5mmのドリルで高硬質の黒みかげ石に深さ25mmの19個の孔を 穿つことができ、中間硬質の赤みかげ石を穿孔するときは40個が可能となり、 普通硬度のみかげ石では90個の孔をあけることができるようになった。
【0017】 穿孔中にドリル10の折損が生じて、ドリル10を交換するとき、作業員は両 手を使ってアダプターカバー7のカバー外筒6をアダプターシャンク2の後端2 aの側へ移動させる。上述したように、アダプターカバー7のカバー内筒5も共 に移動され、カバー内筒5に形成された大径部5Aがボール8,8の位置へ移動 する。 次に、ドリル本体10Aを掴んでドリルシャンク11をシャンク孔12から抜 き取ると、長溝15,15に拘束されないボール8,8が、ドリル10の抜き取 りに伴って通過するドリルシャンク11の外周面によって大径部5Aへ退避され る。その結果、ドリル10が極めて簡単なワンタッチ動作で抜きとられ、作業員 がカバー外筒6から手を放すと、アダプターカバー7はスプリング9の弾発力で 復元する。 新しいドリル10をアダプター本体1Aに取り付けるときは、上述したように カバー外筒6をアダプターシャンク2の後端2aへ移動させた後、シリンダー部 3のシャンク孔12にドリル10を挿入し、アダプターカバー7を復元させれば よい。
【0018】 以上の説明から分かるように、アダプターシャンクとシリンダー部と鍔部と1 80度対向した二つのボールとを備えるアダプター本体に、スプリングと、内面 に大径部と小径部の形成されたアダプターカバーと、ストッパーディスクとを取 り付けたアダプターを用いれば、作業員によるワンタッチ動作でもって、アダプ ター本体にドリルを簡便に着脱することが可能となり、石材穿孔作業におけるド リル交換の迅速化を図ることができる。 さらに、ドリルの先端のランドに蝋づけされたドリルチップは、そのドリルチ ップの表面に加えて、溝の面積の約半分近くに広がる前後面でもって露出し、広 がりのある放熱面が形成される。したがって、穿孔時、ドリルチップに発生する 摩擦熱はほどよく放散され、熱的な障害を克服してドリルの寿命を延ばすことが できる。 加えて、ドリルの切れ刃部先端の近傍の蝋づけ部分が適度に確保され、ドリル チップの保持強度の不足が解消される。穿孔のための押付力を軽減したり断続的 に強弱を発生させるクッション機能がアダプターによって発揮され、ドリルに加 えられる押付力が適度に作用すると共に緩和されるなどして、強度不足や過剰な 押付力に基づくドリルの折損が回避される。 上述の説明で、アダプターは高硬度から普通硬度の石材を穿孔するためのドリ ルに使用した例となっているが、本考案は、それらよりもやや硬度の低いコンク リートを穿つ場合のドリルにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 石材用ドリルに用いられる本考案に係るアダ
プターの縦断面構造図。
【図2】 ドリルをアダプターから抜きさるとき、ボー
ルが長溝から離反した状態を説明するアダプターの縦断
面図。
【図3】 アダプターに装着されるドリルの全体側面
図。
【図4】 図3のIV−IV線矢視図。
【図5】 図1のV−V線矢視図。
【図6】 アダプターに装着される新しい形状のドリル
の先端部の拡大側面図。
【図7】 図6の VII−VII 線矢視図。
【図8】 図6のVIII−VII1線矢視図。
【図9】 放熱効果の低い従来のドリルの先端部の拡大
側面図。
【図10】 図9のX−X線矢視図。
【図11】 図9のXI−XI線矢視図。
【図12】 放熱性を改善した従来のドリルの先端部の
拡大側面図。
【図13】 図12のXIII−XIII線矢視図。
【図14】 図12の XIV−XIV 線矢視図。
【符号の説明】
1A…アダプター本体、2…アダプターシャンク、2a
…後端、3…シリンダー部、3a…側面、3b…先端部
位、4…鍔部、5A…大径部、5B…小径部、5a…先
端内側、5b…後端面、7…アダプターカバー、8…ボ
ール、9…スプリング、10…ドリル、10a…先端、
11…シャンク、12…シャンク孔、14…ドリルチッ
プ、15…長溝、16…ボール孔、17…ストッパーデ
ィスク、18…リング状凹溝。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動ドリル機などのチャックにドリルを
    装着するとき使用されるドリル用アダプターにおいて、 ドリルチップが先端に一体化されているドリルの径に関
    係なく一定の直径とされたシャンクを挿入することがで
    きるシャンク孔を備えたシリンダー部が、前記電動ドリ
    ル機などのチャックに装着されるアダプター本体に形成
    され、 上記シャンク孔に挿入されたドリルシャンクのほぼ中央
    側面に180度対向して形成された長溝に係合するボー
    ルを抜け落ちることなく嵌着させることができるボール
    孔が、前記シリンダー部の側面の180度対向する位置
    に設けられ、 前記アダプター本体を構成するアダプターシャンクとシ
    リンダー部との境部分には、シリンダー部の外径よりも
    大きい鍔部が形成される一方、該シリンダー部の先端部
    位に形成したリング状凹溝にストッパーディスクが嵌着
    固定され、 上記鍔部でもって後端方向へは抜けないアダプターカバ
    ーが、前記シリンダー部に外嵌され、 該アダプターカバーの先端内側には、前記ボールの退避
    を許容する大径部と、前記ドリルのシャンク径にほぼ等
    しく該ボールを前記長溝内へ押し込んだ状態に維持させ
    る小径部とが、先端側から順に形成され、 該小径部の後端面と前記鍔部との間には、前記シリンダ
    ー部を外囲するスプリングが嵌着され、 前記アダプターカバーを前記スプリングに抗して前記ス
    トッパーディスクから離隔させた状態で前記シリンダー
    部にドリルシャンクを挿入すると、前記ボールが前記長
    溝と係合した後に該アダプターカバーがストッパーディ
    スクに当接するように復元され、ドリルがアダプター本
    体に相対回転不能に保持される一方、前記アダプターカ
    バーを前記スプリングに抗して前記ストッパーディスク
    から離隔させた状態でドリルを前記シリンダー部から引
    き抜くと、前記ボールが前記大径部において退避し、ド
    リルのアダプター本体における保持が解除されるように
    なっていることを特徴とする石材用ドリルのアダプター
    構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109940202A (zh) * 2019-04-15 2019-06-28 德州德隆(集团)机床有限责任公司 一种枪钻加工用过载保护装置及其装配方法

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