JPH0645865B2 - 傾斜溶射方法 - Google Patents

傾斜溶射方法

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JPH0645865B2
JPH0645865B2 JP1223687A JP22368789A JPH0645865B2 JP H0645865 B2 JPH0645865 B2 JP H0645865B2 JP 1223687 A JP1223687 A JP 1223687A JP 22368789 A JP22368789 A JP 22368789A JP H0645865 B2 JPH0645865 B2 JP H0645865B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐熱性及び耐摩耗性が必要とされる金属材に傾
斜皮膜を形成する溶射方法に関する。
〔従来の技術〕
耐熱性及び耐摩耗性が必要とされる金属材においては、
該金属材の表面に耐熱性及び耐摩耗性が優れたセラミッ
クス粉末を溶射して皮膜層を設けることにより、表面改
質が行われている。しかし、このように金属材表面に直
接的にセラミックス粉末を溶射した場合、前記金属材と
セラミックスとの線膨張率の差によって溶射後のセラミ
ックスに亀裂が入り、必要である耐熱性及び耐摩耗性が
金属材に付与されないという問題がある。
この問題を解消する方法としては、第5図に示す如き傾
斜組成皮膜を生成させる方法がある(溶接学会論文集第
6巻第4号 514頁〜)。第5図は傾斜組成皮膜の模式的
断面図である。図中4は金属製の基板である。傾斜組成
皮膜は、基板4上にまず、基板4に金属の第1層Aを溶
射形成させ、次に微量のセラミックスを含む第2層Bを
前記第1層Aの上に溶射形成させる。そして、引き続き
第2層Bの上に、複数の層を重ね、最上層Eのセラミッ
クスの含有率が 100%となるように上層になるに従って
セラミックス含有率を増加させる。
このように形成された傾斜組成皮膜の線膨張率は基板4
に対して徐々に変化するので、溶射皮膜の亀裂の発生が
抑制される。
前述した如き傾斜組成皮膜の作成にあたっては、基板材
料である金属とセラミックスとの2種類の粉末を用いな
ければならない。この2種類の粉末を用いた傾斜組成皮
膜の作成方法として例えばプラズマ溶射では、単一の溶
射装置のノズルから金属材に吹付けられるプラズマジェ
ットに対して前記2種類の粉末を各々供給し、該粉末を
金属材に溶射する方法が用いられる。この方法の場合、
粉末のセラミックスは粉末の金属よりも融点が高く溶融
し難いため、前記溶射装置における溶射条件は前記粉末
のセラミックスの適正溶射条件を用いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前述の如き溶射方法においては溶射条件
をセラミックス粉末が十分に溶融すべき条件としている
ため、この条件では金属は過熱状態となり、金属粒子の
粘性が過度に低下しており、金属材への衝突時に飛散し
易く、該金属材に対する付着力が低いという問題があっ
た。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、溶射
する金属粉末の平均粒径をセラミックス粉末の平均粒径
よりも所定量大きくして溶融し難くすることにより、単
一の溶射装置における同一溶射条件にて金属とセラミッ
クスとを安定に溶射すること及び金属材に対する皮膜の
付着力を強固なものとすることを可能とする傾斜溶射方
法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明にかかる傾斜溶射方法は、金属材に対して金属の
粉末及びセラミックスの粉末を同時に溶射し、前記金属
材から離れるに従いセラミックスの金属に対する割合が
大である皮膜を前記金属材に付着させる傾斜溶射方法に
おいて、前記金属粉末の平均粒径とセラミックス粉末の
平均粒径との比を、金属粉末の熱拡散率とセラミックス
粉末の熱拡散率との比の平方根に関連づけて定めること
を特徴とする。
〔作用〕
金属粉末の平均粒径とセラミックス粉末の平均粒径との
比を、金属粉末の熱拡散率とセラミックス粉末の熱拡散
率との比の平方根に関連づけて定めると金属粉末の粒径
はセラミックスの粉末の粒径よりも大きくなり、夫々の
粉末の融点に対する粉末中の平均温度の比が金属の粉末
とセラミックスの粉末において等しくなり、これらの粉
末が同一の溶融状態となる。
〔実施例〕
以下本発明をその実施例を示す図面に基づき具体的に説
明する。
第1図は本発明に係る傾斜溶射方法を実施するために使
用するプラズマ溶射装置のプラズマ溶射用ノズル近傍の
模式的断面図である。
図中1は直流電源2の正極と接続した筒形のプラズマ溶
射用のノズルである。該ノズル1の先端側の側壁には、
図示しないセラミックス粉末供給部と連結し、ノズル1
内にセラミックス粉末を供給するセラミックス粉末供給
口1aと、図示しない金属粉末供給部と連結し、ノズル1
内に金属粉末を供給する金属粉末供給口1bとが夫々設け
られる。また、ノズル1の内部には先端が尖った形状の
電極3がその先端をノズル1の先端側へ向けて配設され
る。この電極3は直流電源2の負極と接続している。そ
してノズル1の先端と対向する位置には金属製の基板4
が配される。
而して前述したプラズマ溶射装置においては、直流電源
2によって正極であるノズル1及び負極である電極3に
通電し、ノズル1を陽極、電極3を陰極としノズル1内
に直流放電を形成する。そしてノズル1内に、図示しな
いガス導入口からプラズマガスを導入してノズル1内に
プラズマを生ぜしめ、破線にて示されるプラズマジェッ
トを基板4に向けて吹付ける。またセラミックス粉末供
給口1a及び金属粉末供給口1bからセラミックス粉末及び
基板4と同じ材質の金属粉末をノズル1内に供給し、プ
ラズマジェットにより溶融させて基板4に溶着させ、基
板4上に傾斜組成皮膜5を形成する。この傾斜組成皮膜
5を形成する場合、基板4上に金属の皮膜を形成し、皮
膜を重ね上げ基板4から離れるに従いセラミックスを含
有量を増加させ、最終的にセラミックス 100%の層を形
成する。
次に前記セラミックス粉末及び金属粉末の平均粒径を決
定する方法について説明する。前記粉末が平均半径aの
球であり、該粉末が0℃の温度で前記プラズマジェット
に吹込まれ、この吹込まれた瞬間に粉末の表面が融点に
達し、その後加熱されつつノズル1から基板4まで飛行
し、基板4に衝突すると仮定した場合、粉末への熱伝導
は下記(1)式に示される熱伝導方程式と、下記(2)式に示
される初期条件及び下記(3)式に示される境界条件とに
よって表現される。
但し、K:熱拡散率 θm :粉末の融点 θ:粉末温度 t:粉末の飛行時間 r:粉末中心からのある一定の距離 前記(1),(2),(3)式を満足する解は下記(4)式に示す如
くなる。
また、粉末の半径をrとした時の平均温度θave は前記
(4)式を基にして下記(5)式にて示される。
前記(5)式において融点θm に対する粉末の平均温度θ
ave の比をθu とすると(即ちθu =θave /θm )、
前記(5)式は下記(6)式に示す如く変換される。
この(6)式は粉末の溶融度合いを示すものであり、セラ
ミックス粉末と金属粉末と溶融度合いを等しくするため
には、下記(7)式に示す如くセラミックス粉末及び金属
粉末にて夫々求められる(6)式における指数演算部分を
等しくする必要があり、この(7)式を整理して求められ
る下記(8)式を満足させれば良い。
但し、ac :セラミックス粉末の平均粒径 am :金属粉末の平均粒径 Kc :セラミックス粉末の熱拡散率 Km :金属粉末の熱拡散率 即ち夫々の粉末の平均粒径を夫々の熱拡散率に応じて調
整すればセラミックス粉末と金属粉末とが同一溶射条件
において、同一の溶融状態となる。
また、前記(8)式で得られた平均粒径を有する粉末を得
る方法としては、公知の技術である例えばふるい分球法
によって得ることができる。
前述した如き同一溶射条件において同一の溶融状態を得
るべく粉末の平均粒径を決定する方法としては、例えば
溶射条件を金属粉末に対して適正化しておき、該金属粉
末に対して前記(8)式よりセラミックス粉末の平均粒径
を算出することによってセラミックス粉末の平均粒径を
調整する。
また、実際の溶射においては前記(3)式の境界条件がθr
a=θm ではなく、θr aは粉末の飛行と共に増加
し、融点θm より大となるため前記(8)式は下記(9)式の
如くなる。
但し、α:定数 そして、前記(9)式における定数αの値を得るべく種々
のセラミックス粉末と金属粉末との組合せにて実験を繰
返し、検討を行った結果、定数αは1〜2の値が適正値
であることが知見された。
以下前述した定数αを1〜2に定めた理由について述べ
る。
まず、第1表に示す条件にてNi-50%Cr合金粉末とZrO2
末とを各溶射毎にZrO2の粒径を変化させて溶射した。こ
の結果を第2図に示す。なお、Ni-50%Cr粉末の熱拡散率
は0.05cm2/sec、ZrO2粉末の熱拡散率は 0.005cm2/secで
あり、この熱拡散率と第1表のNi-50%Crの平均粒径より
ZrO2の平均粒径は前記(8)式より26μmが適正であると
計算される。
第2図はZrO2皮膜の付着力と、その平均粒径との関係を
示すグラフであって縦軸に付着力、横軸に平均粒径をと
ってあり、これらの関係を示してある。この結果として
ZrO2皮膜の付着力は26〜52μmの範囲の平均粒径、即ち
前記定数α=1〜2の範囲が優れているということが得
られた。
また、第1表の条件にて第3図に示す溶射皮膜の模式的
断面図の如く基板4に対してまずNi-50%Cr層53を50μm
付着させ、次に 100μmの厚みでZrO2量が上方になるに
従って大となるように傾斜組成層52を付着させ、その上
にZrO2層51を50μm付着させた。このような溶射皮膜を
作成を各溶射毎にZrO2の粉径を変化させて行った。この
結果を第4図に示す。
第4図はZrO2皮膜の付着力と、その平均粒径との関係を
示すグラフであって縦軸に付着力、横軸に平均粒径をと
ってあり、これらの関係を示してある。この結果として
付着力は前記定数α=1〜2の範囲が優れているという
ことが得られた。
また、前述の定数αはZrO2粉末だけでなくTiO2,3Al2O3
・2SiO2粉末時でも適用できることが確認された。
なお、前述した粉末の平均粒径は正規分布で標準偏差が
10μmの範囲をもつ粒径の平均値である。
次に前述した如き本発明法を用いて実際に傾斜溶射を実
施した結果について説明する。
まず、金属粉末として平均粒径81μmのNi-50%Crの粉末
を使用し、セラミックス粉末としてZrO2,TiO2,3Al2O
3・2SiO2の3種類の粉末を使用し、第1表の溶射条件に
て第3図に示す如き傾斜皮膜を作成し、セラミックスの
平均粒径と皮膜の付着力との関係を調査した。
なお、前述のZrO2,TiO2,3Al2O3・2SiO2のセラミック
ス粉末の平均粒径は前記(9)式によって得られる範囲内
の平均粒径を有する粉末と種々平均粒径を変化させたセ
ラミックス粉末とを使用した。その結果を第2表に示
す。
第2表に示すように、金属粉末の平均粒径とセラミック
ス粉末の平均粒径との比を本発明法で示す範囲内に規定
したNo.1〜3は高い付着力を示すのに対し、本発明法
で示す範囲内を外れたNo.4〜9は極めて付着力が低
い。
〔効果〕
以上詳述した如く本発明にかかる傾斜溶射方法は溶射す
る金属粉末の平均粒径をセラミックス粉末の平均粒径よ
りも所定量多しくして溶融し難くしたため、単一の溶射
装置における同一溶射条件にて金属とセラミックスとを
安定に溶射することが可能となり、また、皮膜の付着力
も強固なものとすることができる等本発明は優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る傾斜溶射方法を実施するために使
用するプラズマ溶射装置のプラズマ溶射ノズル近傍の模
式的断面図、第2図はZrO2皮膜の付着力と、その平均粒
径との関係を示すグラフ、第3図は溶射皮膜の模式的断
面図、第4図はZrO2皮膜の付着力と、その平均粒径との
関係を示すグラフ、第5図は傾斜組成皮膜の模式的断面
図である。 4……基板、5……皮膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属材に対して金属粉末及びセラミックス
    粉末を同時に溶射し、前記金属材から離れるに従いセラ
    ミックスの金属に対する割合が大である皮膜を前記金属
    材に付着させる傾斜溶射方法において、 前記金属粉末の平均粒径とセラミックス粉末の平均粒径
    との比を、金属粉末の熱拡散率とセラミックス粉末の熱
    拡散率との比の平方根に関連づけて定めることを特徴と
    する傾斜溶射方法。
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