JPH0645778Y2 - 空気調和機の室外ユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は冷房を冷媒回路による冷凍サイクルにより、暖
房を温水回路による温水循環により行う空気調和機の室
外ユニットに関するものである。

〔従来技術〕

従来、室内ユニットと室外ユニットに分かれた分離型空
気調和機の一例として、室内ユニットには冷媒を流す放
熱器と温水を流す放熱器とを有し、室外ユニットには圧
縮機，凝縮器等を搭載した冷房専用ユニットと暖房用の
温水回路ユニットとを別個に設置し、夏期と冬期とで別
個のユニットを用いて「冷房」「暖房」を行うものが、
一般に知られている。

この様な空気調和機は、室外ユニットに冷房用、暖房用
の二つが必要な為、広い設置スペースが必要であった。
そこでこの問題を解決する為、単一のケーシング内の下
部に冷媒回路と送風機を配し、その上に水平仕切板１を
介して温水回路を配し、設置スペースの低減を図った室
外ユニットが商品化されている。

第３図は従来のこの種の空気調和機の室外ユニットの内
部構造図であり、単一のケーシングの内部に水平仕切板
１を介して下部に圧縮機2,凝縮器３等からなる冷媒回
路，及び凝縮器３に送風を行う送風用ファン4,送風用フ
ァン４を駆動する為のファンモーター５からなる送風機
が配置されており、水平仕切板１の上部にはバーナ6,温
水熱交換器7,貯湯タンク8,温水循環ポンプ９等からなる
温水回路が配されている。

図において10は水平仕切板１の下部に垂直に立設され、
圧縮機室と送風機室とを仕切る送風仕切板,11,12はそれ
ぞれ冷媒配管，温水配管の結合口,13は信号線，電源線
連結用の端子板であり、14は温水のリザーブタンク,15
はガス管結合口及びガスの開閉を行う電磁弁組品,16は
冷暖房の切り換え及びバーナ燃焼量の調整，制御等を行
う制御回路基板である。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のような一体型室外ユニットでは、常識的に冷房ユ
ニットと暖房ユニットとを分けるために、冷房回路と送
風機を上記水平仕切板の下部に、水平仕切板の上部に温
水回路を形成するバーナ、バーナにて加熱される温水熱
交換器，貯湯タンク，温水循環ポンプ等の部品を全て搭
載していた為、ユニット高さＨが高くなり、特に「壁掛
け」「吊下げ」等の設置形態時には設置に制約を受ける
事があった。

そこで本考案は冷媒回路と送風機，温水回路を単一のケ
ーシングに収納しながらも、ユニット高さを低く押さえ
たコンパクトな室外ユニットの提供を目的としたもので
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案は、圧縮機及び凝縮器
を有する冷媒回路と凝縮器に送風を行う送風機と、バー
ナ及びバーナにて加熱される熱交換器，貯湯タンク，温
水循環ポンプを有する温水回路とを単一のケーシング内
に収納すると共に、ケーシング内に設けた水平仕切板の
下部に冷媒回路，送風機及び温水循環ポンプを、上部に
温水回路中のバーナ，温水熱交換器，貯湯タンクを配設
した構成を特徴とするものである。

〔作用〕

温水回路中の温水循環ポンプが水平仕切板の下部に配設
されている為、温水循環ポンプを仕切板の上部に配設し
た場合に比べ、水平仕切板上部のスペースを縮小する事
が可能であり、結果的に室外ユニットの高さを低く押さ
える事ができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を、図面に基づいて説明する。

ここに、第１図は本考案による空気調和機の内部構造図
であり、第２図は同じく配管システム図である。

これらの図から分かる様に、この実施例に係る空気調和
機は、室内ユニットに冷媒用放熱器と温水用放熱器とを
有し、室外ユニットに圧縮機（コンプレッサー），凝縮
器（コンデンサー），キャピラリーチューブ等からなる
冷媒回路と、凝縮器に送風を行う送風用ファン，及びバ
ーナ，バーナにて加熱される温水熱交換器，貯湯タンク
（プレッシャータンク）等からなる温水回路を、単一の
ケーシング内に収納し、室内ユニットと室外ユニットと
を、冷媒配管と温水配管，及び信号線，電源線で結び、
冷媒による冷凍サイクルにより「冷房」を、温水による
温水循環により「暖房」を行うものである。

第１図は第３図の従来例に対応する本考案の実施例装置
の内部構造図であり、第３図と共通の要素には、同一の
符号を使用する。

ケーシングの内部に配設された水平仕切板１の下部に圧
縮機2,凝縮器３等からなる冷媒回路と、送風用ファン4,
ファンモータ５からなる送風機の他に、温水回路の中の
温水循環ポンプ９が配置されており、水平仕切板１の上
部には、循環ポンプ９以外の温水回路を構成するバーナ
6,温水熱交換器7,貯湯タンク８等が配置されている。

その結果、室外ユニット全体の高さｈは従来の高さＨよ
りもはるかに低くすることができる。

上記温水循環ポンプ９を、仕切板１の下部に配設すると
次のような利点が更に期待される。即ち温水循環ポンプ
９は、温水回路中最も重い物であり、また、運転時には
冷媒回路中の圧縮機２と同様、振動と騒音を発生する。

従って、前記の如く従来は、水平仕切板の上部に温水循
環ポンプ９を配していたので、温水循環ポンプ９の重量
及び振動に耐える為、水平仕切板１は板厚を厚くするな
ど強度を十分確保する必要があった。

また、振動が周囲のケーシングに伝達しにくい様、シー
ル材を貼り付けたり、ビス締結箇所を増やす等の配慮が
必要であった。

しかし、上記実施例の如く温水循環ポンプ９を、水平仕
切板１下部の圧縮機２を配しているのと同じケーシング
ベース17（底板）に取り付ければ、ケーシングベース17
（底板）には通常、冷媒サイクルの圧縮機２が取り付け
られる為、強度、防振対策が十分配慮されており、温水
循環ポンプ９の重量，振動に対しても有効である為、結
果的には、ユニットの防振低減等にも役立ち、また、水
平仕切板１の板厚低減、ケーシングとの締結箇所の減少
等によるコストダウン、作業性改善にもなり、非常に有
益である。

上記温水循環ポンプ９を設置するには、相当広い設置ス
ペースを要する。そのため、上記温水循環ポンプ９は、
従来の水平仕切板１下部の圧縮機室だけには収まらず、
送風機室と圧縮機室の両方に跨がって配設されることに
なる。

従って、本実施例の送風仕切板10aは送風機室の送風用
ファン４のデッドスペースとなる四隅の内の正面右下部
コーナーを利用して、送風仕切板10aの下部を送風機室
側へ湾曲（突出）させてある。

この湾曲部は送風仕切板10aから一体に成形してもよい
し、または、湾曲部分だけを別部品で成形し、送風仕切
板りとして組み立ててもよい。

尚、水平仕切板１はケーシング内に略水平に設置される
もので、仕切板と一体もしくは、別部品で凹部又は凸部
が設けられていてもよいことは言うまでもない。

〔考案の効果〕

本考案の効果は、第１図と第３図の装置高さｈとＨとの
比較でも分かるように、従来例に比べ温水回路の中の温
水循環ポンプが、水平仕切板の下部の圧縮機室と送風機
との間の空隙スペースに配置され、水平仕切板上部のス
ペースが少なくてすむので、結果的に室外ユニットの高
さを低く押さえる事ができ、コンパクトな室外ユニット
を提供する事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る室外ユニットの内部構
造図，第２図は同室外ユニットを用いた空調機の回路ブ
ロック図，第３図は従来装置の第１図相当図である。 〔符号の説明〕 １……水平仕切板、２……圧縮機 ３……凝縮器、４……送風用ファン ６……バーナ、７……温水熱交換器 ８……貯湯タンク、９……温水循環ポンプ 10……送風仕切板、17……ケーシングベース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−223440（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−70650（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−98813（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮機及び凝縮器を有する冷媒回路と、凝
   縮器に送風を行う送風機と、バーナ及びバーナにて加熱
   される温水熱交換器，貯湯タンク，温水循環ポンプを有
   する温水回路とを単一のケーシング内に収納した温水暖
   房空気調和機の室外ユニットにおいて、 ケーシング内を水平仕切板により上下に仕切り、上記水
   平仕切板の下部に冷媒回路、送風機及び温水循環ポンプ
   を配し、水平仕切板の上部には温水回路の内のバーナ及
   び温水熱交換器，貯湯タンクを配設した事を特徴とする
   空気調和機の室外ユニット。