JPH0645632U - ガス吸収用充填材 - Google Patents
ガス吸収用充填材Info
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- JPH0645632U JPH0645632U JP2956091U JP2956091U JPH0645632U JP H0645632 U JPH0645632 U JP H0645632U JP 2956091 U JP2956091 U JP 2956091U JP 2956091 U JP2956091 U JP 2956091U JP H0645632 U JPH0645632 U JP H0645632U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ガス吸収装置に適用されるガス吸収用充填材
に関する。 【構成】 疎水性の多孔質中空糸膜の中に吸収剤を水溶
液として封じこめてなるガス吸収用充填材及び上記の多
孔質中空糸膜の外側にシリコンゴムを塗布してなるガス
吸収用充填材。
に関する。 【構成】 疎水性の多孔質中空糸膜の中に吸収剤を水溶
液として封じこめてなるガス吸収用充填材及び上記の多
孔質中空糸膜の外側にシリコンゴムを塗布してなるガス
吸収用充填材。
Description
【0001】
本考案はガス吸収装置に適用されるガス吸収用充填材に関する。
【0002】
ガス中に含まれる特定成分を除去するための従来のガス吸収装置は大別して湿 式法と乾式法の二つがある。
【0003】 湿式法は図9に代表例を示すが、被処理ガスをガス導入管12からガス吸収塔 11内へ導き、その中で吸収液噴霧ノズル15から分散された液滴(または液膜 )と接触させガスを液側に取り込ませる。処理されたガスはガス排出管13を通 り、またミストキャッチャ14で飛散する吸収液のミストを捕獲したのち外部へ 放出する。一方ガスを取り込んだ吸収液は吸収液排出管16から系外に排出され る。この方法では通常ガスと吸収液の接触効率を高くするために充填材21をガ ス吸収塔11内に配置するが、これらプラスチック製、ステンレス製あるいは磁 性材料がつくられた表面積の形状をもつもので多孔性支持板17の上に積み込ん で反応塔1内に保持してある。
【0004】 湿式法の問題点はガス吸収した液の後始末(排液処理)が必要なこと、吸 収液が飛散するのでミストキャッチャが必要であること、気液接触効率を高め るための充填材が多量に必要であること等があげられる。しかしながら高濃度の ガスを大量に処理する場合にはこの方法が適している。
【0005】 一方乾式法は図10、図11の代表例に示すとおり、吸収剤としての液は使用 しない方法である。図10は上部より被処理ガスをガス吸収塔11へ導入し、処 理されたガスは下部から排出する方式を示し、図11は横型のガス吸収塔11で あり、吸収塔11の側面(横側)からガスを導入、排出する構造となっているも のを示している。ここでは吸収剤である触媒30を吸収塔11内に充填してこれ によって被処理ガスの特定成分を吸着除去するがこの触媒はガスを吸着して飽和 状態(平衡状態)になれば吸着能力がなくなるので、ガス吸収塔11から取出し 、新しい触媒30と入れ替える必要がある。飽和になって取出された触媒30は 水蒸気加熱などの方法によって再生することも可能であるが、再生時の損失ある いはコストの問題から通常は廃棄物として処分される。
【0006】 この乾式法は触媒30の吸着能力(吸着容量)に限りがあり、しかもその値は 大きくないので高濃度のガス処理には不向きであり、例えば臭気成分などの微量 ガスを処理するのに適している。触媒30は具体的には粒状(または柱状)の活 性炭が代表物質であり、活性炭は細孔を有するため、この細孔の中にガスの特定 成分が吸着される機能を利用するものである。この物理的吸着に加えて更に効率 よく吸着させるために酸またはアルカリを添着した活性炭もよく使用され、酸性 ガス(SO2 ,H2 S,CH3 SHなど)に対してはアルカリ添着炭(NaOH ,KOHなどを添着したもの)、アルカリ性ガス{NH3 ,(CH3 )3 Nなど }に対しては酸添着炭(H2 SO4 などを添着したもの)が用いられる。
【0007】 この方法の問題点は活性炭は高価である(とくに添着活性炭)、活性炭は やわらかく、かつ機械的強度が弱く、微粉末飛散するなど取扱いが容易でない、 吸着容量が大きくないので多量の活性炭を充填する必要があり、また取替える 頻度が高い等があげられる。
【0008】
本考案は従来技術における課題(欠点)、特に乾式法における下記の技術課題 、すなわち、触媒(活性炭)の吸着容量が小さい、単位重量(単位容積)当り に吸着されるガスの量が少なく限度がある。酸またはアルカリ添着炭は無添着 炭に比べると吸着速度は速いが、極微細な細孔部へのガス拡散速度は小さいので 総括的な吸着速度は遅い。上記項の結果により触媒(活性炭)が多量に必要 であり、また新品との取替え頻度が多くなる。触媒(活性炭)は細孔構造であ るため軟かく崩れやすい。従って磨耗による損失、表面からの微粉末の飛散など がある。などの技術課題を解決しようとするものである。
【0009】
本考案は (1)疎水性の多孔質中空糸膜の中に吸収剤を水溶液として封じ込めてなること を特徴とするガス吸収用充填材。 (2)疎水性の多孔質中空糸膜の外側にシリコンゴム膜を塗布してなることを特 徴とする上記(1)記載のガス吸収用充填材。 である。
【0010】 本考案のガス吸収用充填材の一例を説明すると、疎水性の合成高分子材料を素 材とする多孔質中空糸膜(例えば内径100μ〜2000μ、膜厚さ10〜50 μ程度のもの)を適当な長さ(2,3cm〜数10cm)に切断し中空糸空洞の 中に酸あるいはアルカリ等の吸収剤を水溶液として注入し、液の入った中空糸膜 の両端を密封して吸収液をその中に閉じ込めることによって得られる。
【0011】 中空糸の内外径および長さは必要に応じて任意のものを製作し、また封入液の 類および濃度についても対象とするガスおよび処理目的に応じて自由自在に選定 すればよい。
【0012】 なお、上述したガス吸収用充填材の多孔質中空糸膜の外側に、シリコンゴム膜 を薄く塗布し、封入液が中空糸膜を透過して外部にもれ出すのを防止するように することもできる。シリコンゴム膜を塗布しない方がガスの透過性はよいが、シ リコンゴム膜自体はガスの透過性が元々良好であるのでそれほどガスの透過性を 阻止することなく、封入液のもれ出しを防止する作用の効果の方が大きい。
【0013】
疎水性多孔質膜(例えばポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等)は ガスの分子は透過するが水分子はこれを透過することができない機能をもってい る。図7にガス吸収の原理を示すがガスの吸収速度N(kg−mol/H)は次 式で与えられる。 N=KA(P−P* ) (K:ガス成分の膜透過係数、A:膜表面積、P:被処理ガスの分圧、P* :吸 収液と平衡にあるガス分圧)
【0014】 すなわち、Nは(P−P* ) に比例するが、封入液として酸アルカリなどを使 用すればP* ≒0となるのでP−P* ≒Pとなり推進力が大きくなる。また内径 の細い中空糸膜を使うとその表面積が大になりこれによっても吸収速度は増大す る。
【0015】 上記の原理に基づき、この溶液封入疎水性多孔質中空糸膜を使用すると、膜を 通してガスが中空糸膜内部に透過し、さらに封入した溶液と速かに反応するので 、ガスは連続的に内部に透過して行く。溶液が中和されると吸収能力を失うが、 酸、アルカリ添着炭に比べて中空糸膜内に封入する酸・アルカリの化学当量を大 きくすることができるので吸着(吸収)容量が増加する。
【0016】
以下、図面により本考案による溶液封入型中空糸膜の実施例を示す。図1は疎 水性多孔質中空糸膜1(材質はポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等 )に溶液5(酸・・・H2 SO4 ,HNO3 等またはアルカリ・・・NaOH, Na2 CO3 ,KOH等または酸素吸収剤・・・Na2 SO3 等)を注入後、両 端を加熱または圧着により密封したもの、図2は両端面を接着剤3を使って密封 したもの、図3は中空糸膜1の外側にシリコンゴム膜4を塗布して注入溶液のも れ出しを防止した複合膜構造としたもの、図4は図1の長尺物を示す。寸法形状 については前述のとおり、内径100〜2000μ、膜厚さ10〜50μ程度の もので、長さは基本的には任意であるが2〜数十cmが適当である。
【0017】 図5は反応のメカニズムを具体的物質で示すものであり、図5はアルカリ性ガ スの代表のNH3 を封液H2 SO4 によって吸収する反応であり、NH3 は(N H4 )2 SO4 として吸収固定される。図6は酸性ガスの代表のH2 Sを封液N aOHによって吸収する反応でH2 SはNa2 Sとして吸収される。そのほか、 O2 (酸素)を吸収する場合は封液としてNa2 SO3 を使用すればO2 +Na 2 SO3 →Na2 SO4 として吸収固定される。
【0018】 図8は本考案の溶液封入型疎水性中空糸膜を使用したガスの臭気成分除去装置 の実施例を示す。被処理ガスはガス導入管12をへて反応塔11aへ流入し、処 理ガスはガス排出管13を通って排出される。図8は2塔式のものを示しており 、反応塔11aを使用する時は開閉等18a、開閉弁19aを開け、開閉弁18 bと開閉弁19bを閉じて反応塔11bへガスが流入しないようにして運転する 。反応塔内には酸性ガス吸収用充填材31a、アルカリ性ガス吸収用充填材32 aを配置し、それぞれ被処理ガス中の酸性ガス、アルカリ性ガスを吸着除去する 吸収用充填材31a、32aあるいは双方とも吸着飽和となれば、反応塔11b で吸着するように各弁を切替えて運転する。吸着飽和となった吸収用充填材は反 応塔内から取出して新しい吸収用充填材を入替えて使用する。
【0019】
本考案によるガス吸収用充填材を使用した微量ガスの除去装置の工業化におい ては次の利点および効果が期待できる。 (1)酸およびアルカリを疎水性高分子材料の中に完全に封じ込めており、酸、 アルカリ、水の飛散、漏洩がなく乾式法として取扱いが容易である。 (2)合成高分子膜は強固であり、吸収充填材の破損損失、磨耗損失、微粉飛散 など機械的な損失が殆んどなくハンドリングが簡単である。 (3)酸アルカリ等の吸収剤を封液として大量に保持できるため、吸収(吸着) 容量が大きくなり、したがってコンパクトな吸収(吸着)装置の設計が可能とな る。
【図1】本考案の一実施例の説明図。
【図2】本考案の一実施例の説明図。
【図3】本考案の一実施例の説明図。
【図4】本考案の一実施例の説明図。
【図5】本考案のガス吸収用充填材の作用の説明図。
【図6】本考案のガス吸収用充填材の作用の説明図。
【図7】本考案のガス吸収用充填材の原理の説明図。
【図8】本考案のガス吸収用充填材の一使用態様の説明
図。
図。
【図9】従来の湿式ガス吸収装置の一態様の説明図。
【図10】従来の乾式ガス吸収装置の一態様の説明図。
【図11】従来の乾式ガス吸収装置の一態様の説明図。
1 疎水性多孔質中空膜 2 端面封鎖部 3 接着剤 4 シリコンゴム膜 5 封入液
Claims (2)
- 【請求項1】 疎水性の多孔質中空糸膜の中に吸収剤を
水溶液として封じ込めてなることを特徴とするガス吸収
用充填材。 - 【請求項2】 疎水性の多孔質中空糸膜の外側にシリコ
ンゴム膜を塗布してなることを特徴とする請求項1記載
のガス吸収用充填材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2956091U JPH0645632U (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | ガス吸収用充填材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2956091U JPH0645632U (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | ガス吸収用充填材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0645632U true JPH0645632U (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=12279527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2956091U Withdrawn JPH0645632U (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | ガス吸収用充填材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0645632U (ja) |
-
1991
- 1991-04-26 JP JP2956091U patent/JPH0645632U/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19950713 |