JPH0645216B2 - 多孔性吸液シートとその製造方法 - Google Patents

多孔性吸液シートとその製造方法

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JPH0645216B2
JPH0645216B2 JP2235247A JP23524790A JPH0645216B2 JP H0645216 B2 JPH0645216 B2 JP H0645216B2 JP 2235247 A JP2235247 A JP 2235247A JP 23524790 A JP23524790 A JP 23524790A JP H0645216 B2 JPH0645216 B2 JP H0645216B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は多孔性吸液シートとその製造方法に関する。さ
らに詳しくは、生理用ナプキンや母乳パット、痔パッ
ト、パンティライナー、失禁パットなどの体液吸収具に
おいて肌当面シートに使用されたり、食品用トレーの下
敷など種々の用途に使用される多孔性吸液シートとその
製造方法に関する。
[従来の技術] 従来の体液吸収具における肌当面シートとしては、特公
昭57−17081号公報に示された多孔性吸液シート
がある。
この多孔性吸液シートは第8〜9図に示されるように、
吸液シート122 に円錐形のテーパ孔126 が形成され、該
テーパ孔126 の先細となった底端129 が吸収体123 に接
しており、開口面積の広い基端縁130 側が使用中に人肌
に接するようになっている。
この多孔性吸液シートは、テーパ孔126 を設けたことに
よって、体液の自由な流入を許すが、いったん流入した
体液の逆流を抑制し、それによって比較的乾燥した感じ
を使用者に与えることを企図したものである。
[発明が解決しようとする課題] ところが、前記従来の吸液シートは、テーパ孔126 の周
囲に吸液シート122 の平坦な部分120 が存在しているの
で、その部分に体液が付着することにより湿潤感を覚え
ることがあった。したがって、比較的乾燥した感じをあ
る程度は与えることができたものの、なお改善の余地が
あったものである。
本発明はかかる事情に鑑み、従来例以上にさらっとした
乾いた肌ざわりが得られ、しかもシートの型くずれを防
止して乾いた肌ざわりを長時間保つことができる吸液シ
ートを提供することを目的とする。
また、前記吸液シートを能率的に製造しうる製造方法を
提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の多孔性吸液シートは、表面側フィルムと裏面側
フィルムとからなる立体メッシュフィルムであって、 表面側フィルムには、多角錐形のテーパ状突出部がエン
ボス加工され、しかも各突出部の基端縁は隣接する突出
部の基端縁と共通の稜線を構成しており、 裏面側フィルムが、前記テーパ状突出部の底端縁に接着
され、かつテーパ状突出部の内部のテーパ孔と連通する
開口が形成されており、 前記テーパ孔の周囲における表面側フィルムと裏面側フ
ィルムは、密閉された空気室を形成していることを特徴
とする。
また、本発明にかかわる多孔性吸液シートの製造方法
は、加温状態の合成樹脂製表面側フィルムをエンボスロ
ールの表面に供給し、 前記表面側フィルムを上から加圧して、該フィルムに多
角錐状のテーパ状突出部を多数形成し、前記フィルムに
合成樹脂製裏面側フィルムを重ねてヒートシールし、 ついで、前記テーパ状突出部の底端部をカットすること
を特徴とする。
[作 用] 本発明における表面側フィルムは、多角錐形のテーパ状
突出部がエンボス加工され、しかも各突出部の基端縁は
隣接する突出部の基端縁と共通の稜線を構成している。
したがって、表面側フィルムの表面は多数本の稜線のみ
が隆起し、 各稜線で囲まれた面はすべて陥凹している。このよう
に、体液がとどまるような平坦面は存在しないので、使
用中に体液が人肌との間に残らない。このようにして、
湿潤感を感じさせる原因を排除したので従来例以上に乾
いた感じを与えることができる。
そして、本発明の吸液シートは、空気室が外力に対しシ
ート形状を元のままに保持しようと働くので、使用中に
体圧がかかっても形崩れがしにくい。よって、良好な肌
ざわりを長期間保つことができる。さらに、空気室自体
が乾燥部分であるので、肌に対し湿潤感を与えることが
ない。したがって、この点からもさらっとした良好な使
用感が得られるのである。
本発明の製造方法では、エンボスロースの表面に合成樹
脂フィルムを載せて回転させている間に、テーパ状突出
部がエンボス加工され、ついで2枚目のフィルムがヒー
トシールされ、テーパ孔が形成される。その工程は、エ
ンボスロールの回転にともなって実行され、工程替えの
必要がないので、連続生産に適している。したがって、
多孔性吸液シートを低コストで供給することができる。
[実施例] つぎに、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
第1〜2図には、本発明の実施例1である多孔性吸液シ
ートSが示されている。同図において、1は表面側フィ
ルム、2は裏面側フィルムであり、いずれもポリエチレ
ンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂フィルムであ
る。表面側フィルム1には後述するエンボス加工により
テーパ状突出部3が網目状に多数形成されている。この
テーパ状突出部3は多角錐形であり、本実施例では4角
形である。そして、各テーパ状突出部3の基端縁は前後
左右に隣接する各突出部3の基端縁と共通の稜線7を構
成している。したがって、表面側フィルム1の上面形状
は線状に突起した部分が延び、その余の部分は陥凹して
おり平坦となっていない。
前記各テーパ状突出部3の底端には前記裏面側フィルム
2がヒートシールなどにより接着されている。そして、
裏面側フィルム2のテーパ状突出部3の底端に面する部
分は開口されており、その開口部を符号8で示す。
開口8が形成されていることにより、テーパ状突出部3
の内面は、それを貫くテーパ孔4となっており、テーパ
孔4の表面側の径は大きく、裏面側の径は小さくなって
いる。
そして、テーパ孔4の周囲の部分は、表面側フィルム1
と裏面側フィルム2で囲まれかつ密閉された空間となっ
ており、空気室5を形成している。したがって空気室5
はテーパ孔4の周囲に存在し、しかも、各テーパ孔4の
周囲ですべて連通している。
つぎに上記実施例の吸液シートSを、生理用ナプキンや
母乳パットなどの体液吸収具における肌当面シートに適
用した場合の作用を説明する。
第2図において、吸液シートSの上面は人体側であり、
下面には綿状パルプや吸収紙などの吸収層6が位置して
いる。
体液を吸収するばあいは、テーパ孔4の開口面積の広い
方から体液が流れ込む(矢印a)ので吸収速度が早くな
る。そして、いったん吸収層6に体液を吸収したあと
は、テーパ孔4の開口面積が小さくなっているので、矢
印bで示すように逆流することなく内部に溜まるように
なる。このようにして、早い吸液速度と逆流防止を達成
するというのが本実施例の基本的作用である。
そして、本実施例は、次のような顕著な効果を併せ奏す
る。
すなわち、本実施例の表面側フィルム1の上面、つまり
人体側は稜線7が位置しており、平坦な部分が存在しな
いので、体液が表面にとどまることがない。そのため、
必ず内部に流れ込む。したがって使用中に体液が人肌と
の間に残らないので湿潤感を感じさせる原因を排除する
ことができる。これにより従来例以上に乾いた感じを与
えることができる。しかも本実施例の吸液シートSのば
あい、人体の肌と吸収層6とは嵩高い空気室5により隔
てられており、しかも、空気室5は外力が加わっても容
易に崩れないので、吸液シートSの形状、またテーパ孔
4の形状が変形しない。そのため、テーパ孔4や空気室
5の奏する機能を長時間保つことができ、良好な肌ざわ
りを長く保証することができる。しかも、空気層5は湿
気を帯びること無く常に乾いているので、この点からも
人体には乾いてさらっとした良好な使用感を与えること
ができる。
本発明の吸液シートは以上のごとき特性があるため、生
理用ナプキンや母乳パット、痔パット、パンティライナ
ー、失禁パットなどの体液吸収具に用いるのに好適であ
る。また、スーパー等で販売されている魚などのさしみ
用トレーの内に下敷として使用することもできる。その
場合本発明の多孔性吸液シートの裏面に不織布または吸
水紙(ティッシュー)を接合すればよい。
つぎに、他の実施例にかかわる吸液シートSを説明す
る。
第3図に示された実施例2は、テーパ状突出部3の基端
縁の形状が三角形のものである。したがって、テーパ孔
4も三角錐状であり、また各稜線7も三角形を形作って
いる。この実施例においても、表面側フイルム1の上面
には稜線7のみが線状に突起しており、平坦な面が存在
しないので、前記実施例と同様に非常に乾いた感じを与
えることができる。
本明細書にいう「多角錐形」とは、前記した四角形や三
角形に限られることなく、それ以上の辺を有する多角形
も包含する。たとえば、第4図に示される実施例3のよ
うに五角形の稜線7を有するものや、第5図に示される
実施例4のように六角形の稜線7を有するものなどもそ
の一例である。すなわち、表面側フィルム1の上面が何
本かの稜線7で形成された多角形を呈しており、平坦な
面が現われないように組み合わされたものであれば、本
明細書にいう「多角錐形」の概念に含まれる。したがっ
て、角数が異なる多角錐を組み合わせたものでもよい。
さらに、表面側フィルム1の上面において隣接するテー
パ状突出部3の間にわずかな平坦部が現われても実質的
に見てそれが体液をとどまらせない狭い面積のものであ
り、事実上稜線7のみが上面に現われているものであれ
ば、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれるも
のである。
つぎに、本発明の吸液シートの製造方法を説明する。
第6〜7図には本発明の製法に用いられる装置の一例が
示されている。11はエンボスロールであって、そのロー
ル外周面には多数のテーパ状突起10が形成されている。
また、エンボスロール11の内部は空洞22となっており、
第7図に示されるように適宜の冷水クーラー21に連通さ
れ、冷却錐を循環させることによって、ロール外表面を
冷却するようにしている。
エンボスロース11の左右には、表面側フィルム1となる
べきフィルムロール1aと裏面側フィルム2となるべきフ
ィルムロール2aとがそれぞれ配置されている。そして、
エンボスロール11の回転方向に沿って左側から、予熱ロ
ール12、熱風装置13、加圧ロール14、冷却器15、予熱ロ
ール16、熱風装置17、熱シールロール18、穴あけロール
19が、その順に配置されている。
予熱ロール12、16は、それぞれフィルムロール1a、2aか
ら繰出される表面側フィルム1と裏面側フィルム2を案
内するとともに加温し軟化するために設けられている。
加圧ロール14はシリコンゴム等をロール胴として巻回し
たもので、表面側フィルム1をエンボスロール11の表面
に押圧するためのものである。冷風装置15は冷風を吹き
つけて表面側フィルム1を冷却するためのものである。
熱シールロール18は裏面側フィルム2を表面側フィルム
1にヒートシールするため加熱するロールである。孔あ
けロール19には離型剤であるシリコンイルを塗布するた
めのフェルトロール20が取付けられている。
フィルムロール1aから繰出された表面側フィルム1が予
熱ロール12でエンボスロール11の表面に案内されながら
加温され、さらに熱風装置13で加温されるとエンボス加
工に必要な程度まで軟化する。ついで、加圧ロール14で
押圧すると表面側フィルム1には多数の角錐状のテーパ
状突起3が形成される。そして、冷却器15からの冷風を
受けて冷却されると、エンボス加工されたテーパ状突起
3の形状が固定される。
つぎに裏面側フィルム2がフィルムロール2aから繰出さ
れ、予熱ロール16で案内されるとともに加温され、さら
に熱風装置17で加熱されると適度に軟化する。その後、
熱シールロール18で加熱押圧すると、表面側フィルム1
にヒートシールされる。これにより、表面側フィルム1
のテーパ状突出部3の底端と裏面側フィルム2とが接着
される。そして、穴あけロール19によりテーパ状突出部
3の各底端を溶融し、あるいはこすり取ることによりカ
ットすれば、開口8が形成され、テーパ状突出部3を貫
通するテーパ孔4が穿孔された多孔性吸液シートSが形
成される。なお、穴あけロール19にはシリコンオイルが
塗布されているので、カットされた部分のフィルムがこ
びりつくことがない。
本実施例の上記製法は、エンボスロールの回転を基本と
して実行され、途中で工程替えの必要がないので、能率
的に本発明の多孔性吸液シートを製造することができ
る。
[発明の効果] 本発明の多孔性吸液シートは、従来例以上に乾いた感じ
を与え、しかも型くずれしないので、長時間良好な使用
感を保つことができる。また、本発明の製造方法によれ
ば前記多孔性吸液シートを能率よく高速で製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1にかかわる多孔性吸液シート
の斜視図、第2図は前記吸液シートの吸液作用を示す説
明図、第3図は本発明の実施例2にかかわる多孔性吸液
シートの斜視図、第4〜5図はそれぞれ実施例3、4の
多孔性吸液シートの平面図、第6図は本発明の製法に用
いられる製造装置の概略図、第7図は前記製造装置にお
けるエンボスロールの冷却構造を示す説明図、第8〜9
図は従来の吸液シートの斜視図と断面図である。 (図面の主要符号) S:多孔性吸液シート 1:表面側フィルム 2:裏面側フィルム 3:テーパ状突出部 4:テーパ孔 5:空気室 7:稜線 11:エンボスロール 14:加圧ロール 15:冷却器 18:熱シールロール 19:穴あけロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61F 13/14 G 7108−4C 13/15 13/54

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面側フィルムと裏面側フィルムとからな
    る立体メッシュフィルムであって、 表面側フィルムには、多角錐形のテーパ状突出部がエン
    ボス加工され、しかも各突出部の基端縁は隣接する突出
    部の基端縁と共通の稜線を構成しており、 裏面側フィルムが、前記テーパ状突出部の底端縁に接着
    され、かつテーパ状突出部の内部のテーパ孔と連通する
    開口が形成されており、前記テーパ孔の周囲における表
    面側フィルムと裏面側フィルムは、密閉された空気室を
    形成している ことを特徴とする多孔性吸液シート。
  2. 【請求項2】加温状態の合成樹脂製表面側フィルムをエ
    ンボスロールの表面に供給し、 前記表面側フィルムを上から加圧して、該フィルムに、
    多角錐状のテーパ状突出部を多数形成し、 前記フィルムに合成樹脂製裏面側フィルムを重ねてヒー
    トシールし、 ついで、前記テーパ状突出部の底端部をカットする ことを特徴とする多孔性吸液シートの製造方法。
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