JPH0644905B2 - 超音波診断装置の探触子 - Google Patents

超音波診断装置の探触子

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JPH0644905B2
JPH0644905B2 JP60232170A JP23217085A JPH0644905B2 JP H0644905 B2 JPH0644905 B2 JP H0644905B2 JP 60232170 A JP60232170 A JP 60232170A JP 23217085 A JP23217085 A JP 23217085A JP H0644905 B2 JPH0644905 B2 JP H0644905B2
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実 鈴木
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旭光学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は、人体組織を診断する超音波診断装置に関し、
特にその探触子に関する。
「従来技術およびその問題点」 超音波診断装置は周知のように、超音波トランスデュー
サから発振された超音波を人体の被検部に当て、体内で
反射して帰る超音波を上記トランスデューサで受けるも
ので、このトランスデューサの出力信号を処理して、例
えばCRT画面に断層像を写し出す。
第2図は従来の探触子の構造例を示すものである。探触
子本体11の先端部に形成した媒体室12の先端には、
外部に露出する透音膜13が張られ、この媒体室12内
には、超音波トランスデューサ14が配設されている。
媒体室12には、注水口15が開口していて、この注水
口15を介して媒体室12内に流体である超音波伝達媒
体(一般的に蒸留水が使用されている。以下蒸留水とい
う)16が満たされる。17は注水口15の注水蓋であ
る。
この探触子は、例えば眼科用に使用する場合、探触子本
体11のグリップ18を持って、その透音膜13を閉じ
たまぶたの上に当てて使用される。超音波トランスデュ
ーサ14からの超音波は実際には一定の角度範囲をスキ
ャンされるが、そのための機構の図示は省略している。
このように使用される超音波診断装置の探触子は、蒸留
水16中に気泡19が存在していると、超音波トランス
デューサ14から発振された超音波が、この気泡19に
よっても反射してしまう。するとCRT画面上に正しい断
層像が表示されず、誤診等の原因となる。このため従来
媒体室12中に満たす蒸留水は、真空中に放置して十分
脱泡したり、注水口15から注水するとき気泡が生じな
いように特に静かに注いだりしており、さらに注水後発
生した気泡は、一旦注水口15部分に集め、注水蓋17
を開いて逃がした後、再び注水する等、非常に多くの手
間をかけている。またこのような手段を講じても使用中
に蒸留水16内に気泡が生じるのは避けられず、この使
用中に発生した気泡の排出を効果的に行なうことはでき
なかった。
「発明の目的」 本発明は、このような従来の探触子の問題点を解決し、
媒体室内に封入した超音波伝達媒体中に生じる気泡を簡
単に除去できる探触子を得ることを目的とする。
「発明の概要」 本発明は、媒体室とは別に気泡捕捉室を設け、この媒体
室のコーナ部に集まる気泡を、透音膜を押すことにより
気泡捕捉室に逃がすとともに、その気泡の逆流を防ぐと
いう発想に基づいてなされたもので、流体である超音波
伝達媒体を封入した媒体室内に、超音波トランスデュー
サを配設し、かつこの媒体室の壁面一部を、外部に露出
した可撓性の透音膜で形成した超音波診断装置の探触子
において、上記媒体室に隣接させて形成した気泡捕捉室
と;上記媒体室と気泡捕捉室とを区画する内壁に形成し
たピンホールと;上記気泡捕捉室の壁面一部を構成する
可撓性の圧力調整膜とを備え、上記内壁は、その略中央
部が上記気泡捕捉室側に突出した中高形状をなし、上記
ピンホールは、この中高形状の略中央部に形成され、か
つこのピンホールは、上記媒体室と気泡捕捉室内に封入
した超音波伝達媒体に圧力を加えない状態では該超音波
伝達媒体と気泡の通過を許容せず一定の圧力を加えたと
きに気泡を該超音波伝達媒体とともに通過させ得る大き
さに形成されていることを特徴としている。
「発明の実施例」 以下図示実施例について本発明を説明する。第1図は本
発明による探触子を示すもので、第2図の従来装置と同
一部分には同一の符号を付している。本発明による探触
子は、透音膜13は可撓性を有する膜からなり、媒体室
12の図の上部に、円錐状隔壁20が設けられ、この円
錐状隔壁20の上に気泡捕捉室21が形成されている。
中高形状の該円錐状隔壁20は、媒体室12と気泡捕捉
室21それぞれの内壁の一部を構成する。該媒体室12
内の一つのコーナ部が即ち、気泡捕捉室21内方に突出
する、上記円錐状隔壁20の中高部の中央部(頂点)で
ある。気泡捕捉室21は、上記円錐状隔壁20と、探触
子本体11内に媒体室12に隣接させて形成した空間
と、後述する圧力調整膜25とにより区画されている。
そして上記コーナ部、つまり円錐状隔壁20の頂点であ
る中央部には、ピンホール22が穿けられており、この
ピンホール22を介して媒体室12と気泡捕捉室21と
が連通している。ピンホール22は、前述のように、媒
体室12および気泡捕捉室21内に封入した、流体の超
音波伝達媒体である蒸留水に圧力を加えない状態では、
該蒸留水および気泡の通過を許容せず、一定の圧力を加
えたとき気泡を蒸留水とともに通過させ得る大きさに形
成されている。
気泡捕捉室21には、これを開閉する注水蓋23が、探
触子本体11の第1図における上部に形成した着脱孔2
7に対し着脱可能に設けられており、この注水蓋23の
中心には貫通孔24が穿けられている。そしてこの貫通
孔24の内端部に、気泡捕捉室21の内壁を構成する可
撓性の圧力調整膜25が張られている。このように圧力
調整膜25を貫通孔24の内端部に張ると、これに診断
中に不用意に外力が加わるのを防止することができる。
上記構成の本探触子は、嵌入孔27から注水蓋23を外
し、円錐状隔壁20のピンホール22を通して媒体室1
2内に蒸留水16を注入する。この注入は、注射針をピ
ンホール22に通し、注射器を用いて行なうことができ
る。媒体室12内が蒸留水16で満たされたら、気泡捕
捉室21内にも蒸留水16を満たして、注水蓋23を閉
じる。
このように媒体室12および気泡捕捉室21内に蒸留水
16を満たした後、媒体室12内で気泡が発生した場合
には、この探触子本体11を図のように円錐状隔壁20
および気泡捕捉室21を上に向けて放置する。すると気
泡26は上昇して、最も高いところ、すなわち円錐状隔
壁20の頂点のピンホール22付近に集まる。このとき
透音膜13を内方に押すと、媒体室12内の圧力が上昇
するため、気泡捕捉室21付近に集まっていた気泡26
が蒸留水16と一緒にピンホール22を通過して気泡捕
捉室21内に排出される。気泡捕捉室21内の圧力はこ
のとき上昇するが、この捕捉室21の内壁を構成する圧
力調整膜25が外方に膨らんで圧力を逃がす。その後透
音膜13の圧力を除くと該透音膜13および圧力調整膜
25が自身の弾性により復元し、この際ピンホール22
を介して気泡捕捉室21中の蒸留水16が媒体室12側
に戻されるが、気泡26は、気泡捕捉室21内を上昇し
て逃げているので、これが媒体室12内に戻ることはな
い。すなわち透音膜13を1ないし数回押すことで、媒
体室12内の気泡を効果的に排出することができる。
透音膜13を押すという動作は、透音膜13をまぶたに
押し付ける超音波診断の際に自然に生じるから、気泡捕
捉室21を上にして使用すれば、通常の診断操作によ
り、自動的に媒体室12内の気泡を排出することができ
ることになる。
また透音膜13の弾性により圧力調整膜25の弾性を小
さく設定しておけば、蒸発、僅かな水もれ等により媒体
室12内の蒸留水16が減った際には、気泡捕捉室21
内の蒸留水16が媒体室12内に供給されて圧力調整膜
25がへこむから、透音膜13の平面性を保持すること
ができる。
気泡を排出した後、探触子本体11を図とは逆さまの状
態としても、表面張力の作用により媒体室12内の蒸留
水16は気泡捕捉室21内には落ちないし、また気泡捕
捉室21内の気泡は円錐状隔壁20の底辺部に集まる。
また圧力調整膜25は貫通孔24の底部にあって、容易
に手等が触れないので、気泡捕捉室21内の圧力が不用
意に高まることはなく、よって気泡捕捉室21から媒体
室12側に蒸留水16あるいは気泡26が逆流すること
はない。
気泡捕捉室21内に排出された気泡(空気)が一定量に
達したら、注水蓋23を外し、気泡捕捉室21内に蒸留
水16を満たせばよい。
また特別に隔壁20を設ける場合、隔壁20は円錐状の
他、前述のように例えばドーム状のように中央部が高い
中高のものとして形成し、その頂点部分にピンホール2
2を穿けてもよい。
なお以上は、眼科検査を例にとって本発明を説明したも
のであるが、本発明は媒体室12および透音膜13を有
する超音波診断装置であれば、他の用途用の探触子にも
同様に適用できる。
「発明の効果」 以上のように本発明の超音波診断装置の探触子による
と、媒体室の他に、ピンホールを介してこの媒体室と連
通する気泡捕捉室を設けたので、媒体室の透音膜を押す
ことによって、媒体室内の気泡を気泡捕捉室側に逃がす
ことができる。しかも、探触子本体を、隔壁の中央部と
気泡捕捉室を鉛直方向上方に向けて放置すれば、媒体室
内で発生した気泡を上昇させて、最も高いところである
隔壁の中央部のピンホール付近に集めることができる。
従って、この状態で透音膜を内方に押せば、媒体室内の
圧力を上昇させて、気泡捕捉室付近に集めた気泡を超音
波伝達媒体と一緒にピンホールを通過させて気泡捕捉室
内に簡単に排出することができる。
これにより、注水前の特別な脱泡作業や、気泡を生じさ
せないようにする細心の作業が不要となり、使用中に生
じる気泡も簡単に除去することができる。よって、注水
作業性を向上させ、気泡による誤診の可能性を減少させ
ることができる。また透音膜を押すという状態は、超音
波診断検査中に必ず生じるため、検査中に気泡を除去す
ることが可能となる。
さらに、探触子本体を、隔壁の中央部と気泡捕捉室を鉛
直方向下方に向けた場合でも、表面張力の作用により媒
体室内の超音波伝達媒体を気泡捕捉室内に流入させるこ
とはなく、また気泡捕捉室内の気泡を、気泡捕捉室内の
隔壁の底辺部に集めることができるので、気泡捕捉室か
ら媒体室側に超音波伝達媒体や気泡が逆流する不都合を
防止することができる。
また、気泡捕捉室の内壁の一部が可撓性の圧力調整膜か
ら構成されているので、透音膜を押す際の圧力を気泡捕
捉室側に逃がすことができ、これにより、透音膜の可撓
性を損なう等の不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の超音波診断装置の探触子の実施例を示
す要部の縦断面図、第2図は同従来例を示す縦断面図で
ある。 11……探触子本体、12……媒体室、13……透音
膜、14……超音波トランスデューサ、16……蒸留
水、20……円錐状隔壁、21……気泡捕捉室、22…
…ピンホール、23……注水蓋、25……圧力調整膜、
26……気泡、27……着脱孔。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体である超音波伝達媒体を封入した媒体
    室内に、超音波トランスデューサを配設し、かつこの媒
    体室の壁面一部を、外部に露出した可撓性の透音膜で形
    成した超音波診断装置の探触子において、 上記媒体室に隣接させて形成した気泡捕捉室と; 上記媒体室と気泡捕捉室とを区画する内壁に形成したピ
    ンホールと: 上記気泡捕捉室の壁面一部を構成する可撓性の圧力調整
    膜と;を備え、 上記内壁は、その略中央部が上記気泡捕捉室側に突出し
    た中高形状をなし、上記ピンホールは、この中高形状の
    略中央部に形成され、 かつこのピンホールは、上記媒体室と気泡捕捉室内に封
    入した超音波伝達媒体に圧力を加えない状態では該超音
    波伝達媒体と気泡の通過を許容せず一定の圧力を加えた
    ときに気泡を該超音波伝達媒体とともに通過させ得る大
    きさに形成されていることを特徴とする超音波診断装置
    の探触子。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、圧力調整
    膜は、気泡捕捉室を開閉する蓋体に設けられている超音
    波診断装置の探触子。
JP60232170A 1985-10-17 1985-10-17 超音波診断装置の探触子 Expired - Fee Related JPH0644905B2 (ja)

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