JP4475608B2 - 眼軸長測定アタッチメント - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、白内障手術の術前検査として行われる眼軸長測定において特にプローブ先端と角膜の間に液状やゲル状の超音波媒体を介在させて測定するイマージョン測定(以下イマージョン測定)を行う際に超音波媒体を簡便に保持し介在させることができ、また袋状の形状にすることにより感染防止の役割を持たせることのできる眼軸長測定アタッチメントに関するものである。
【0002】
【従来技術】
白内障の術前検査として超音波による眼軸長測定が一般的に行われる。角膜から網膜までの距離が眼軸長である。超音波による眼軸長測定においてプローブを角膜に接触させて測定する方法が一般的であるがプローブの接触による角膜への圧迫による眼軸長測定誤差やプローブ内振動子からの波形に角膜エコーの波形が隠れてしまい、角膜エコーを検知できないことによる眼軸長測定誤差をなくすことはできない。また、プローブ先端が角膜に接触することからプローブへの汚染の問題がある。
【0003】
それに対して、仰臥位の患者の眼球または眼球の周辺部に筒状のものを密着させ生理食塩水などを満たして水槽を作りイマージョン測定を行う水浸法は測定の度に新たに水槽を作らねばならず簡便性に欠けるうえ仰臥位での測定となるため患者への負担も大きい。またプローブ先端の位置がわかりにくく超音波ビームを的確な角度であてることが難しい。
【0004】
また、実公昭55−51442に記載される超音波眼軸長測定装置用キャップ装置による測定は座位によるイマージョン測定が可能であるがキャップ先端の蓋体が直接角膜に接触して角膜を圧迫するおそれがある。
【0005】
また、プローブ先端にゴム袋を取り付け、中に超音波媒体として水を入れたものもある。前述のイニシャルエコーや角膜圧迫による問題はないが、前記超音波媒体と角膜との間に介在するゴム袋からのエコーの波形が角膜エコーの波形と重なり角膜エコーを検知できず測定誤差が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、超音波眼軸長測定装置のイマージョン測定においてプローブ先端に装着した眼軸長測定アタッチメントと角膜の間に簡便に液状またはゲル状の超音波媒体を介在させることにより角膜への圧迫および角膜エコーの波形が検知できないことによる眼軸長測定誤差をなくすことを提供することにある。
【0007】
また、感染防止という問題に対して、従来、プローブ自体の滅菌処理は破損の恐れがあることから一般的には行われていない。感染症患者には専用のプローブを用意することが望ましいがコストがかかる。本発明は、プローブ先端と角膜との間に超音波媒体を介在させるのみならずプローブ先端を包む袋状とする眼軸長アタッチメントとして簡便に使い捨てまたは滅菌処理を可能とすることをも目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る眼軸長測定アタッチメントはプローブの先端に簡単にプローブの軸に取り付けられる形状として筒状あるいは取り付けるプローブの先端形状に合わせた取り付け部分を有することを要旨とする。
【0009】
また、プローブの先端から先の部分は筒状、受け皿状、凹面形状、あるいは複数の爪状の突出部分を持ち、この部分に液状またはゲル状の超音波媒体をその表面張力により保持させることを要旨とする。
【0010】
また眼軸長測定アタッチメントのプローブへの取り付け部分を袋状とすることで眼軸長プローブ先端を包み込むことが可能となる。ラテックスやシリコンゴムなどの素材で成形することによりプローブ先端との密着部分は0.2mm以下の薄い膜状に形成し超音波の減衰を最小限に押さえる。その先の突出部分も一体成形する。
【0011】
また、ラテックスなどの成形でよく使われるディピング法による成形を行い爪状の突出部分を中空にする。
【0012】
【作用】
上述の構成を有する眼軸長測定アタッチメントは超音波媒体の粘性にもよるが上記突出部分は約0.5mmから2mm程度、角膜から離した状態で超音波媒体がたれ落ちることなく保持することが可能でありプローブ先端と角膜との間に2mm以上の間隔で超音波媒体を介在させる事によりイマージョン測定を可能とする。
【0013】
また、角膜を圧迫することがないので測定誤差を小さく押さえることができる。
【0014】
また眼軸長測定アタッチメントのプローブへの取り付け部分を袋状とすることで眼軸長プローブへの汚染を防ぐ効果も得られ感染防止ができる。
【0015】
また爪状の突出部分を中空にしてラテックス等のディッピング法による成形を行うことによりコストを抑えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の眼軸長測定アタッチメントの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1においてプローブ1の先端のテーパーに合わせた筒状の眼軸長測定アタッチメントである筒状アタッチメント2が取り付けられている。プローブ1の先端から筒状アタッチメント2の先端までは約2mmでありその部分とさらに角膜4至るまで液状またはゲル状の超音波媒体3で満たされている。超音波媒体としてヒドロキシエチルセルロースを主成分とした特殊コンタクトレンズ角膜装着補助剤などを用いれば、その粘性及び表面張力によって筒状アタッチメント2と角膜4の間隔を1mm程度とることができる。
【0018】
図2においてプローブ1の先端に受け皿状の超音波媒体保持部を持った眼軸長測定アタッチメントである受け皿状アタッチメント5が取り付いている。受け皿状にした場合、後で超音波媒体3を付け足すことが容易に行える。
【0019】
図3においてプローブ1の先端に凹面形状を持った眼軸長測定アタッチメントである凹面形状アタッチメント6が取り付いている。凹面形状アタッチメント6とプローブ1の先端の間は音響的にしっかりと結合するようジェルなどを塗布しておく。この形状の場合プローブ先端は包まれており汚染の心配がない。
【0020】
図4においては4本の爪状の突出部を持った袋状の眼軸長測定アタッチメントであり突出部の内側も空洞になっている。この形状においてもプローブの先端は汚染されず、またラテックスなどの素材で製作可能な形状となっている。
【0021】
図5は爪状の突出部を持った眼軸長測定アタッチメントでありプローブに直接取り付けて使うこともできるし、プローブに感染防止のラテックスカバーをかぶせ、その上からこの眼軸長測定アタッチメントを取り付けることも可能である。
【0022】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた眼軸長測定アタッチメントは角膜とプローブとを離して測定するイマージョン測定において簡便に角膜とプローブ先端との間に超音波媒体を保持できる上、角膜を圧迫することもない。
【0023】
さらに構造も単純であり安価に製造することが可能であることから袋状の眼軸長測定アタッチメントにあってはプローブ先端への汚染の心配がなく使い捨てまたは滅菌処理ができるため感染防止に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として眼軸長測定アタッチメントの構造を示し、その使用形態を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態として眼軸長測定アタッチメントの構造を示し、その使用形態を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態として眼軸長測定アタッチメントの構造を示し、その使用形態を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態として眼軸長測定アタッチメントの構造を概略的に示す図である。
【図5】本発明の一実施形態として眼軸長測定アタッチメントの構造を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1プローブ
2筒状アタッチメント
3超音波媒体
4角膜
5受け皿状アタッチメント
6凹面形状アタッチメント
7、8爪状アタッチメント

Claims (1)

  1. 超音波Aスキャンを利用した眼軸長測定装置のプローブ先端に取り付ける眼軸長測定アタッチメントにおいて、前記プローブ先端を囲む凹面形状アタッチメント(6)または複数の爪状アタッチメント(7)の、角膜に正対する端面の中央部が開口している中空状の領域を形成する突出物と前記中空状の領域から前記プローブ先端を空間的に分離するように包み込む袋状のプローブ装着部を有する形状により液状やゲル状の超音波媒体を前記突出物が形成する前記中空状の領域に保持することを特徴とする眼軸長測定アタッチメント。
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