JPH0644858B2 - 菌類の培養用通気性材料 - Google Patents

菌類の培養用通気性材料

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JPH0644858B2
JPH0644858B2 JP29710886A JP29710886A JPH0644858B2 JP H0644858 B2 JPH0644858 B2 JP H0644858B2 JP 29710886 A JP29710886 A JP 29710886A JP 29710886 A JP29710886 A JP 29710886A JP H0644858 B2 JPH0644858 B2 JP H0644858B2
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一郎 三浦
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日昌電材株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は各種菌類特に糸状菌やバクテリアの培養に用い
る好適な通気性材料に関するものである。
〈従来の技術〉 最近、プラスチック製のビンあるいは袋内で菌類を培養
する方法が広く行なわれるようになってきた。
これらは、プラスチック製のビンあるいは袋内に大鋸屑
などの培地を入れ、これをオートクレーブ等で蒸気殺菌
した後、培地内に菌を植え付け、それを培養することに
よって行なわれる。
この場合、菌の培養に必要な空気を供給するためにビン
や袋に開口部を設けたり、あるいは容器本体の一部に種
々の方法で小孔を穿孔した多孔性プラスチックフィルム
を設けたりしている。
この開口部には通常綿栓を施すが、密封しすぎると空気
供給量が不足し、弱すぎるとアオカビ等の雑菌が侵入し
やすくなる等、非常に熟練を要し、また手間もかかるも
のであった。一方、多孔性フィルムを用いる場合には、
綿栓を用いる場合に比べてかなり良いが、通気性を保持
するため多数の小透孔を必要とするため、雑菌の侵入を
防止するには問題があるばかりでなく、コスト面でも高
価である欠点があった。
〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明は、このような従来技術が有している通気性の保
持と雑菌の侵入防止というジレンマを克服し、充分な通
気性を保ちながら雑菌の侵入を防ぎ、しかも培地の水分
蒸発を適度に押え、糸状菌やバクテリアの生長の早い安
価な菌類の培養用通気性材料を提供することを目的とす
る。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者は蒸気のような問題点を解決するため、pHが7
〜11、秤量が 300g/m2以上で、かつ透気度がJISP81
17に規定する空気透過度試験機で5〜50秒を有する膜体
で構成した構造としたものである。
一般に、菌類、例えばキノコ類のような糸状菌を培養す
る通気材料には、次の特性が要求される。
オートクレーブ等による蒸気殺菌時に、破損しない
こと。
培養時に水との接触があっても破損したり、水を通
したりしないこと。
培養時に雑菌の侵入を防ぐと共に、培養に必要な空
気を充分供給できること。
培地の水分蒸発を適度におさえることができるこ
と。
本発明に係る通気性材料は、これらの特性をすべてかね
そなえている。
即ち、本発明に係る材料は、JISP−8117に規定され
ている方法により、透気度が5〜50秒の範囲を有し、雑
菌が侵入することなく培養に必要な空気を充分供給で
き、しかも培地の水分蒸発を適度でおさえることができ
る。透気度がこの範囲より小さくなると、雑菌が侵入し
やすくなり、培地の水分蒸発が過度となる。一方この範
囲より大きな透気度の場合は、培養に必要な空気の供給
ができず菌類の生育が抑制される。
更に本発明の通気性材料2は、そのpHが7〜11、望まし
くは7〜9である。このpHの範囲内では糸状菌の育成を
防止できるため、植菌時あるいは培養時に何かの原因に
より通気性材料部分に糸状菌が付着しても、糸状菌が成
長して通気性材料の目を塞いだり、このように通気性材
料に付着して成長した糸状菌を伝わって雑菌が内部に侵
入するようなことも起らない。
本発明の材料は、雑菌の侵入を防ぎ、必要な湿潤強度を
維持するために、30g/m2以上、最も好まくは30〜 120g/
m2秤量が必要である。又、オートクレーブ等による蒸気
雑菌時あるいは培養中におこる恐れのある水との接触時
に破損したり、水が内部に侵入することを防ぐためにJ
ISP−8122で規定する方法で少なくとも30秒以上の耐
水性を有することが望ましい。
本発明の上記通気性材料2を構成する膜体の材料として
は、撥水性滅菌紙、ポリオレフィン繊維 100%紙をあげ
ることができ、撥水性滅菌紙は培養容器1に対して接着
剤による貼付けによって取付け、またポリエチレン繊維
100g紙はヒートシールによって培養容器1に取付けら
れる。
次に通気性材料2の製造方法として、撥水性滅菌紙の場
合を例に具体的に説明する。
本発明の撥水性滅菌紙は、パルプ、サイズ剤、紙力、増
強剤、填料、定着剤等公知の製紙用原料を適宜組み合わ
せて抄紙し、抄紙時あるいは抄紙後含浸、塗上を施すこ
とにより製造することができる。
この場合、必要な透気度は、使用するバルブのN材/L
材比、叩解度、填料、デンプン等製紙資材の内添量、抄
紙時のプレス圧、秤量、樹脂等の含浸量、塗布量を適宜
選択することにより得られる。
又、必要なpH値は適当な塩基性物質を紙料中又は、含浸
剤や塗工液中に添加し、耐水性を付与するためには、紙
料中に、サイズ剤、撥水剤、湿潤紙力増強剤、合成樹脂
エマルジョン等の耐水性付与剤を添加するか、あるい
は、これらを含浸、塗布する。
pH調整に使用する塩基性物質としては、例えばリン酸ナ
トリウム、リン酸カリウム、炭酸カルシウム、ホウ砂等
のアルカリ金属塩類、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム等のアルカリ金属の酸化物、水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウム等のアルカリ金属の水酸化物、酢酸アン
モニウム、ほう酸アンモニウム等のアンモニウム塩、エ
タノールアミン、トリエタノールアミ等のアミン類ある
いは、これらの混合物が適している。
次に実施例により本発明に係る材料の製造態様を例示す
る。
〈実施例〉 NBKP30%、LBKP70%からなるパルプ 100部をカ
ナダ標準濾水度(CSF) 350mlまで叩解し、次いでこ
のパルプスラリーに、ポリアミドポリアミンエピクロル
ヒドリン樹脂を対パルプ 1.0部(固形分)、アルキルケ
テンダイマー 0.7部、(固形分)を添加した。次いでこ
の紙料を長網抄紙機により抄紙し、サイズプレスにてポ
リアクリルアミド樹脂 9.0部(濃度10%)、スチレンマ
レイン酸系表面サイズ剤 3.4部、(濃度30%)、ホウ砂
0.6部、パラフィンワックスエマルジョン 1.0部(濃度
30%)、水86部から成る液で、表面サイズを施した。得
られた通気性材料は秤量70g/m2、JISP8117法による
透気度が35秒、JISP8133法によるpH値が8、JIS
P8122法によるサイズ度が45秒でピンホールがなく、糸
状菌やバリテリアの培養用通気性材料として好適なもの
であった。
本発明に係る材料2は、図中Aで示す通り、従来のプラ
スチック製ビンや、袋等の培養容器1の通気部分とし
て、容器本体の一部を取り除き、その部分にヒートシー
ルあるいは接着剤等により貼着し糸状菌やバクテリアの
培養に使用される。
ちなみに、培養する糸状菌の分類を表1に示す。
〈効果〉 ところで、本発明に係る材料の最も特徴のある使用方法
は、図中Bで示されるように培養容器1の培地3接触部
分に使用することができることである。これは従来の通
気性材料には到底考えられないことであるが、前述した
ように、本発明に係る材料には、糸状菌が付着しても糸
状菌が成長して、その目を塞ぐことがないという他の通
気性材料にはない特性を持っているためである。これに
より、従来方法では培地3の下部等の通気が不充分なた
め培地3全体を有効に利用できなかったが、本発明に係
る通気性材料2を容器1の培地3接触部分に使用するこ
とにより培地全体の通気性が良くなり、培地3全体を糸
状菌の成長に使用できるため、目的とする糸状類の収量
を飛躍的に増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明に係る通気性材料の使用状況を示す概要図で
ある。 1……培養容器、2……通気性材料、3……培地

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】pHが7〜11、秤量が3g/m2以上でか
    つJIS P 8117に規定される透気度試験方法により測定し
    た透気度が5〜50秒を有する膜体から成ることを特徴
    とする菌類の培養用通気性材料。
  2. 【請求項2】膜体が撥水性滅菌紙である特許請求の範囲
    第1項に記載の菌類の培養用通気性材料。
JP29710886A 1986-12-12 1986-12-12 菌類の培養用通気性材料 Expired - Fee Related JPH0644858B2 (ja)

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