JPH0644695U - 自転車用ペダル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 踏面に滑り止めシートを貼着した合成樹脂製
ペダルにおいて、ペダルボディのシート貼着部が成形時
に窪むことを防止する。 【構成】 合成樹脂製ペダルの滑り止めシート貼着部４
に縦壁６ｂを有する凹部６を形成する。 【効果】 凹部６によってペダルボディの滑り止めシー
ト貼着部４は実質的に複数の区画に分けられるので、成
形時に窪まず、平滑な貼着部が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は踏面に滑り止めシートが貼着された自転車用ペダルに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

近年、合成樹脂製ペダルの踏面に滑り止めシートを貼着して滑り止め効果を向 上させたペダルが実用化されている。これは、ペダルの踏面に滑り止めシートの 厚さと同等の高さの仕切凸条を形成し、この仕切凸条内に滑り止めシートを貼着 する構造となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

踏面に滑り止めシートを貼着するためには、踏面は貼着部において平滑である ことが望ましい。ところが、図４に示すような貼着部１１を有する踏面をペダル 用に通常使用されている比較的安価な合成樹脂（例えばポリプロピレン）で成形 すると、表面の断面形状が緩く窪んだ形状（「ヒケ」という）となってしまう。 このような形状となると、貼付された滑り止めシートの表面も緩く窪むので滑り 止め効果が減殺される。しかも、比較的剛性のある滑り止めシート１２を密着さ せにくくなり、また寸法にバラツキが生じるので貼着時に滑り止めシート１２の 周縁と仕切凸条１３との間に間隙が生じてしまう等の問題点がある。 そこで、従来は比較的窪みが生じにくい材質であるＡＢＳ樹脂を使用している が、ＡＢＳ樹脂は高価である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、踏面の滑り止めシート貼着部に縦壁を有する凹部を形成すること により、ヒケの発生を未然に防止し、ＡＢＳ樹脂以外の素材を使用した自転車用 ペダルにおいても平滑な滑り止めシート貼着部を得ることにより、上記従来の課 題を解決したものである。

【０００５】

【作用】

この考案においては、踏面の滑り止めシート貼着部に縦壁を有する凹部を形成 したので、凹部によってシート貼着部は実質的に複数の区画に分けられる。その ため、広い平滑面を成形する必要がなく、成形時にヒケが生じることがないので 、凹部以外は平滑面となる。したがって、貼着された滑り止めシートの表面が窪 むことはなく所望の滑り止め効果が得られると共に、接着面においてシートと踏 面とは無理なく密着し強固な接着が得られる。

【０００６】

【実施例】

図１において、ペダルボディ１はポリプロピレン樹脂をモールド成形して形成 されている。このペダルボディ１の表裏に踏面２が形成してあり、踏面２の一側 に仕切凸条３で囲われた滑り止めシート貼着部４が設けてあり、この滑り止めシ ート貼着部４に表面を粗面とした滑り止めシート５が接着してある。なお、前記 仕切凸条３は滑り止めシート５の剥がれを防止するもので、その高さは滑り止め シート５のベース材の厚さと同等としてある。

【０００７】 前記滑り止めシート貼着部４には凹部として直線状の溝６が複数平行に設けて ある。この溝６は底６ａ及び垂直の縦壁６ｂを有している。そして、溝６は仕切 凸状３の直近には配置せず、滑り止めシート５の周縁部とシート貼着部４との接 着を確保している。 前記溝６の配置態様は、仕切凸条３の直近には配置しないという点の他、溝６ の存在により溝以外のシート貼着部（以下「接着面」という）７にヒケが生じる ことがないように接着面を実質的に区画分けするように配置する。そして、所定 の接着力を得るために溝６の表面積の合計がシート貼着部４の面積の１／２を越 えないようにすることが好ましい。 また、溝６は直線状に限らず曲線状、円状など適宜選択することができる。

【０００８】 図２は凹部として平面円形の穴８を複数形成したもので、符号８ａは底、８ｂ は縦壁である。この実施例においても穴８によりシート貼着部４を実質的に分割 し、ヒケを未然に防止し、接着面７を平滑にすることができる。穴８の平面形状 は円形のほか多角形、楕円形など適宜選択することができる。また、シート貼着 部４の大きさ形状によっては、シート貼着部４の中央部に穴を一つ形成すること によりヒケを防止することも可能である。

【０００９】 上記実施例においては、ペダルボディの素材としてポリプロピレンを使用した が、ポリプロピレン以外の合成樹脂を使用することもできる。また、ペダルの踏 面は片面にのみ形成してもよい。また、縦壁は必ずしも垂直に形成される必要は ない。

【００１０】

【考案の効果】

この考案によれば、ペダルボディの踏面における滑り止めシート貼着部に縦壁 を有する凹部を形成したので、該凹部により滑り止めシートとの接着面は実質的 に小面積の区画に分割される。そのため、ポリプロピレン樹脂等比較的安価な合 成樹脂で成形した場合においても接着面にヒケが生じることがなく平滑面が得ら れる。 したがって、凹部を設けない従来の構造と比較して接着面の面積は減少するが 、滑り止めシートは平滑面に接着されるので、滑り止めシートの表面が窪むこと がなく、所望の滑り止め効果が得られる。また、滑り止めシートを無理に撓ませ る必要がなく、強固に接着することができる。更に、接着面の形状が設計通りで あるから、所定の大きさ形状にカットされた滑り止めシートと寸法誤差が生じる こともなく、滑り止めシートの周縁と仕切条との間に間隙が生じることもない。 更に、この考案における凹部は有低であるから、凹部から砂や雨水等が接着面 に入り込み滑り止めシートが剥がれることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案実施例の分解斜視図である。

【図２】 同じく断面図である。

【図３】 同じく凹部を穴とした実施例の分解斜視図で
ある。

【図４】 従来例の断面図である。

【符号の説明】

１ ペダルボディ ２ 踏面 ３ 仕切凸条 ４ 滑り止めシート貼着部 ５ 滑り止めシート ６ 溝 ６ａ 底 ６ｂ 縦壁 ７ 接着面 ８ 穴 ８ａ 底 ８ｂ 縦壁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 踏面が合成樹脂で構成され、踏面に滑り
   止めシートが貼着されたペダルにおいて、前記踏面の滑
   り止めシート貼着部に縦壁を有する凹部が形成された、
   自転車用ペダル
2. 【請求項２】 凹部は、直線又は曲線の溝、若しくは円
   形又は多角形の穴とした、請求項１記載の自転車用ペダ
   ル