JPH0644511U - 創離開防止用当て具 - Google Patents

創離開防止用当て具

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JPH0644511U
JPH0644511U JP8176092U JP8176092U JPH0644511U JP H0644511 U JPH0644511 U JP H0644511U JP 8176092 U JP8176092 U JP 8176092U JP 8176092 U JP8176092 U JP 8176092U JP H0644511 U JPH0644511 U JP H0644511U
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pad
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slit
wound
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直己 中山
詔雄 石川
友彬 杉山
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株式会社三菱油化ビーシーエル
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切開手術後の縫合に際して、創口が開くのを
防止すると共に、縫合糸による縫合部皮膚の圧迫、壊死
等を防止して、患者の苦痛を和らげるための当て具を提
供すること。 【構成】 細い縫合糸によって、患部組織に応力が集中
的に働かないようにするため、患部への接触面積の大き
い当て具を用意し、糸に張力を掛けるための弾性付与形
状とし、糸の巻きつけを容易化するためのガイドスリッ
ト及び糸固定スリットを設けた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】 本考案は切開手術後の縫合時に使用するための、創離開防止用当て具に関する ものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来の閉腹時の縫合方法は、殆どが図3に示す様に先ず腱膜16、腹 膜18を糸で縫合してしばり、次に皮膚17を糸で縫合する二層縫合が一般的で あった。
【0003】 しかし創口の感染例、低栄養例、糖尿病例、ステロイド長期使用例及び乳児例 においては、創離開(きず口が開いてしまうこと)をきたし、例えば腸管の脱出 による腸穿孔を生じること等があり、治療に難渋することが多かった。従来、創 離開防止のための適切な器具はなく、創離開例に対しては大きく結節縫合する事 が行われて来たが、縫合部の皮膚の壊死をきたし患者の苦痛も大きく、問題があ った。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
縫合時に細い糸に力が集中せず組織の壊死を起こさない様にするため、患部へ の接触面積の大きい当て具を用意して、患部及び組織への応力集中を緩和させた い。縫合糸を容易に、しかも緩みにくく縛り付けたい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
患部に接触する面に通気性の良い不織布等の布を貼りつけた当て具を用意し、 この当て具に、患部を縫合した糸をかけやすい構造とし、且つ張力をかけて巻き つけて切開部が開かない様にする。
【0006】 縫合操作を容易にし且つ手術後糸がほどけない様にするために、当て具には糸 の巻きつけに際し、糸を当て具に喰込ませるためのスリットを設け、且つ、糸を 例えば「8の字」に巻きつけて、糸同志の摩擦抵抗を増すことにより、糸が緩む ことのない様にする。このために、必要に応じてスリットを2ケ所以上設ける。
【0007】
【実施例】
本考案による当て具は、図1に示す様に、例えばプラスチック等で成形した当 て具本体1の底面に、例えば不織布等の通気性に富む材料で形成したパッド2を 貼りつけて成る。
【0008】 当て具1は、図4、5、6に示す実施例では「くの字」をしており、曲り部1 1を支点にしてその弾性により、糸が一定の張力で患部をしめつけることが出来 る様になっている。当て具に上記弾性を与えるには、この実施例に限らず、例え ばゴムのような弾性体材料で当て具本体を作る方法等でも実現可能である。
【0009】 患部に接触する面には、下部ガイドスリット7が設けられており、患部を縫合 した糸をこの下部ガイドスリット7を通して、当て具を患部にガイドする。
【0010】 当て具上部には、上部ガイドスリット10が設けられており糸をガイドする。
【0011】 当て具上部には、他に細い固定スリット3、3´及び糸の端部を留める糸留め ノッチ4、4´が設けられている。
【0012】 固定スリット3は糸を固定する必要上、図5に示す様に上部片5の先端からス リット3の部分に向ってスリット片12を裏側から徐々に削り込み、薄くする構 造となっており、本体部13との間に、糸の直径より少し狭いわずかな隙間を形 成してスリット3を形づくっている。固定スリット3´も同様である。
【0013】 また糸留めノッチ4、4´は、当て具の固定スリットに糸を巻きつけた後、最 後に糸を留めるノッチであり、ノッチの根本巾は糸の直径より少し狭くなってい る。
【0014】 実施例に示す当て具本体は「くの字」形になっている。使用材料はこの形状を 利用して一定の糸の張力で変形を示す弾性を有するものが望ましく、ブラスチッ クはその1例である。又、このような弾性効果が得られる限り「くの字」形に限 らず、例えば「N字」形、「W字」形等の任意の形状にしても良い。
【0015】 当て具本体の他の材料としては、例えばゴムのような弾性材料のブロックを利 用しても良い。この場合には、「8の字」形に糸を巻き付ける位置の付近まで、 底面と平行に、水平のスリットを形成すると良い。縫合糸を導くためのガイドス リット、及び縫合糸の一端を留めるための固定スリットを設けることは、図1に 示す実施例と同様である。
【0016】 図1に本考案の当て具の使用方法を示す。患部を縫合して空中に出て来た糸1 5は、 イ.下部ガイドスリット7を通り、上部ガイドスリット10を通って、当て具 上部片5を下に押して一定の張力をかけた後、 ロ.固定スリット3の間を通し、糸を強く引いて根本迄糸を入れる。 ハ.次に、当て具上部片5の裏側を巻いて、上部ガイドスリット10を下から 上に通し、 ニ.当て具上部片5の上を通して、固定スリット3´に通し、 ホ.更に当て具上部片5の下側を通して、上部ガイドスリット10の下から上 に通し、同様に「8の字」形に、当て具に複数回巻いた上で、 へ.最後に、糸留めノッチ4又は4´に糸を強く挟み込む。
【0017】 この様に巻くと、糸は「8の字」に巻かれているため、糸が緩もうとすると互 いに接触している糸が反対方向に動こうとするので、糸同志の摩擦で糸は緩みに くくなる。
【0018】 また、当て具本体に糸を巻くとき、7の部分がスリット状になっているために 、当て具への糸のガイドがスムーズに出来て、便利である。
【0019】 手術縫合時の使用状態断面を図2に示す。
【0020】 先ず一方の当て具1に、前述の方法により予め糸15を巻きつけておき、縫合 側の糸につけた針を縫合部に通し縫合する。
【0021】 縫合し終った糸15は、前述の当て具1に相対する位置に準備した当て具1´ に張力をかけて、前述の方法により巻きつけられる。
【0022】 なお、糸が1本では不充分と思われる場合には、糸を接近して2本以上縫合し 1個の当て具に巻きつける方法もある。
【0023】 図7は、糸を2本使う場合の当て具を示している。
【0024】 上部ガイドスリットは1個でよいが、下部ガイドスリットは2個とする。
【0025】 この場合は、縫合時の針の位置のずれを考慮し、下部ガイドスリットの内側部 に対して、図7に示す様な拡大部14、14´を設けてある。
【0026】 かける糸の本数を増加する場合には、下部ガイドスリットの本数も糸の本数に 見合った数となるように増設すると共に、糸留めノッチの数も、同様に増加させ る。
【0027】
【考案の効果】
本考案はこの様な構造となっている為、切開部を縫合するに際し切開部を一定 張力で締めつけることが出来、且つ従来の様な糸による患部組織への応力集中も なく、当て具の患部への接触部全体で糸の張力を受けるので、患部組織へ糸が喰 い込んで組織が壊死することもない。
【0028】 また、縫合時に当て具へ糸を巻きつける操作を、容易に行うことが出来る。
【0029】 また患部接触面には通気性の良いパッドが貼りつけられているため、患部がむ れる恐れもない。
【0030】 尚、長期に亘り当て具を使用しなければならない場合は、消毒や一時的に患部 を乾燥させる必要がある時に、当て具を容易に交換することが出来る。しかも、 上部及び下部のスリットが設けてあるので、糸を手で張った侭で当て具を交換す ることも出来る。
【0031】 また従来の縫合方法によれば、手術後の糸の跡はムカデの様な模様で患部に残 ったが、本考案では皮膚のみの縫合にも使用出来るので、糸の跡は糸が患部より 空中に出て来る部分のみが点として残るだけであり、美容上も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の当て具の構造、及び糸を巻きつける方
法を示す斜視図である。
【図2】本考案の当て具を使用した縫合方法を示す図で
ある。
【図3】従来の手術時の縫合方法を示す図である。
【図4】本考案の当て具の正面図である。
【図5】本考案の当て具の側面図である。
【図6】本考案の当て具の裏面図である。
【図7】本考案の他の実施例の、2本の糸を巻きつける
場合の当て具の裏面図である。
【符号の説明】
1 当て具 2 パッド 3、3´ 固定スリット 4、4´ 糸留めノッチ 5 上部片 7 下部ガイドスリット 10 上部ガイドスリット 11 曲り部 15 糸

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縫合糸を導くためのガイドスリット部及
    び縫合糸の一端を留めるための固定スリット部を有する
    本体部分と、上記本体部分の底面の患部に接する面に配
    設した通気性の良好なパッドと、を含むことを特徴とす
    る創離開防止用当て具。
  2. 【請求項2】 上記本体部分が、上記固定スリット部に
    縫合糸の一端をしめつけて留めた後、縫合糸に張力を与
    えうる弾性を有することを特徴とする請求項1記載の創
    離開防止用当て具。
JP1992081760U 1992-11-26 1992-11-26 創離開防止用当て具 Expired - Lifetime JP2597439Y2 (ja)

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