JPH0644282B2 - 物体検索方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 入力未知物体の検索方式において、多面体状物体の２次
元投影像が有限の見え方しか持たないことに着目し、該
多面体物体に関する見え方辞書を備えて、予め上記入力
未知物体の２次元投影像と、この見え方辞書との照合を
行うことにより、３次元座標への参照回数を少なくする
ようにしたものである。

〔産業上の利用分野〕

本発明は物体検索方式に係り、特に多面体物体に関する
見え方辞書を備えることにより、未知の入力物体の検索
を高速に実行できる物体検索方式に関する。

最近のロボット技術の進歩により、高度の作業ができる
ロボットが出現するようになってきた。

一方、原子炉の炉内検査とか、海底探査等、人間が行う
には危険な極限作業が多くなっており、上記のような高
度の作業をこなすロボットに代行させることの必要性が
増大している。

この場合、当該ロボットには、作業対象の物体に対する
正確で，且つ高速なロボットビジョン、即ち、ロボット
の目が要求される。

〔従来の技術と発明が解決しようとする問題点〕

第４図は従来の物体検索方式を説明する図であって、
(a)は模式図で示したものであり、(b)はブロック図であ
る。

先ず、観測装置１において、未知の物体１ａをテレビカ
メラ２ａ等で撮影し２次元投影像３ａを作り、線画抽出
回路２に送出する。

線画抽出回路２においては、該２次元投影像から線画を
抽出し、画像メモリ３に格納する。

この画像メモリ３に格納されている線画情報と、３次元
座標で表現されている立体辞書６から読み出された物体
情報５ａの２次元投影像６ａとを直接照合回路４で照合
していた。

その為、従来方式においては、(b)図で示したよう
に、入力物体１ａの向き（視点位置）を予め何等かの方
法で予測して、投影変換回路５に別の手段で入力してお
き、それと同じ方向に、該辞書６に記述されている物体
を回転し、それを２次元に投影したもの(6a)と、上記入
力の２次元投影像３ａとを照合するか、或いは、該辞
書６に記述された物体を総ての立体角に回転しながら２
次元投影像６ａを作り、入力の２次元投影像３ａと照合
する必要があった。

従って、の方法では、予め未知物体１ａの視点位置を
知らなければならないと云う問題があり、の方法では
膨大な照合時間が必要になると云う問題があった。

本発明は上記従来の欠点に鑑み、見え方辞書を備えるこ
とにより、立体辞書との照合回数を減らし、入力物体の
向きが分からなくても、高速な検索ができる方法を提供
することを目的とするものである。

〔問題点を解決する為の手段〕

第１図は本発明の概念を説明する図である。入力物体１
ａはテレビカメラ２ａ等で撮影され、２次元投影像３ａ
となる。

見え方辞書４ａには、物体をどの視点から見たらどうい
う見え方（つまり、多角形の形状と，その接続関係）を
するかが記述されている。

上記見え方辞書については、本願出願者が先願している
特願昭60-105355「立体の見え方像作成装置」に開示さ
れているので、その詳細は省略するが、第２図の見え方
辞書の概念図によって要約すると、下記の通りとなる。

例えば、多面体として四角錐を考えた場合、ある方向か
ら見た時の見え方（面の形状と，その接続関係）は、本
図に示すように７種類に限られる。

従って、入力未知物体の２次元投影像と、この見え方を
照合した時、若し該入力未知物体が四角錐であると、こ
の７種類の何れかと一致することになる。

該見え方辞書４ａには、各多面体に対応して、その見え
方と，その見え方に対する視点情報とが対となって格納
されている。

このような見え方辞書４ａと上記入力未知物体の２次元
投影像３ａとを照合すると、第１図において、見え方辞
書４ａの２番目の見え方と一致することが検知される。

この見え方に対する領域を検索することにより、物体を
どの方向から見た見え方であるかを認識することができ
る。

そこで、立体辞書５ａの３次元座標を、この方向に投影
して立体辞書５ａの２次元投影像６ａを作成する。

こうして、入力の２次元投影像３ａと立体辞書５ａの２
次元投影像６ａとを照合し、一致すれば、この辞書のカ
テゴリが検索すべきカテゴリである。従って、このカテ
ゴリに付随した情報、例えば、‘三角錐’が検索結果７
ａとして出力されるように構成する。

〔作用〕

即ち、本発明によれば、入力未知物体の検索方式におい
て、多面体状物体の２次元投影像が有限の見え方しか持
たないことに着目し、該多面体物体に関する見え方辞書
を備えて、予め上記入力未知物体の２次元投影像と、こ
の見え方辞書との照合を行うことにより、３次元座標へ
の参照回数を少なくするようにしたものであるので、立
体辞書との照合回数を減らすことができ、物体検索の高
速化が図れる効果がある。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を第１図，第２図を参照しながら図
面によって詳述する。

第３図は本発明の一実施例をブロック図で示した図であ
り、見え方辞書８，及び照合回路Ｉ ７が本発明を実施
するのに必要な機能ブロックである。尚、全図を通して
同じ符号は同じ対象物を示している。

本図において、１は３次元の物体を２次元に投影する観
測装置，２は該２次元に投影された濃淡画像から線画を
抽出する線画抽出回路，３は該抽出された線画を記憶し
ておく画像メモリ，８は前述の見え方辞書，７は線画と
見え方辞書を照合する照合回路Ｉ，６は物体の３次元座
標を記述した立体辞書，５は該立体辞書６からの３次元
座標を２次元平面に投影する投影変換回路，４は入力の
２次元投影像と立体辞書６の２次元投影像とを照合する
照合回路IIである。

今、与えられた未知物体１ａは観測回路１により２次元
座標に投影される。この２次元画像は線画抽出回路２に
よって、物体の稜線に対応する線分が抽出され線画とな
って画像メモリ３に格納される。

照合回路Ｉ ７は、画像メモリ３から読み出した線画
と，見え方辞書８に格納されている多数の線画とを照合
し、多角形の形状，及びその接続関係が同じものを、見
え方の候補として選択する。

投影変換回路５は、上記見え方の候補に対応する領域
を、該見え方辞書８から読み出し、立体辞書に格納され
ている３次元データを、この領域に対応する２次元平面
に投影する。

上記画像メモリ３から読み出した入力物体の２次元投影
像と、投影変換回路５から出力される立体辞書６の２次
元投影像を照合回路II ４で照合し、一致すれば、この
立体辞書のカテゴリが、検索すべきカテゴリであるとし
て付随情報を出力させる。

若し、一致情報が得られなければ、上記見え方候補につ
いて、総ての照合が終了する迄、この処理を繰り返す。

このように、本発明は、多面体状物体の２次元投影像が
有限の見え方しかないことを利用し、この見え方で予め
照合を行うことにより、３次元座標の格納されている立
体辞書への参照回数を少なくするようにした所に特徴が
ある。

〔発明の効果〕

以上、詳細に説明したように、本発明の物体検索方式
は、入力未知物体の検索方式において、多面体状物体の
２次元投影像が有限の見え方しか持たないことに着目
し、該多面体物体に関する見え方辞書を備えて、予め上
記入力未知物体の２次元投影像と、この見え方辞書との
照合を行うことにより、３次元座標への参照回数を少な
くするようにしたものであるので、立体辞書との照合回
数を減らすことができ、物体検索の高速化が図れる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の概念を説明する図， 第２図は見え方辞書の概念図， 第３図は本発明の一実施例をブロック図で示した図， 第４図は従来の物体検索方式を説明する図， である。 図面において、 １は観測装置，２は線画抽出回路， ３は画像メモリ，４は照合回路，照合回路II ７は照合回路Ｉ，８は見え方辞書， ６は立体辞書，５は投影変換回路， 1aは入力物体，2aはテレビカメラ， 3aは入力物体の２次元投影像， 4aは見え方辞書の内容， 5aは立体辞書の内容， 6aは立体辞書に格納されている物体の２次元投影像， 7aは検索結果， をそれぞれ示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多面体状物体を、ある方向から見た時に、
   どのような多角形が、どういう接続関係で見えるかと云
   う見え方を格納した見え方辞書(8)と、 ３次元物体の３次元座標を格納する立体辞書(6)と、 入力された未知物体の２次元投影像と，上記見え方辞書
   (8)とを照合する手段(7)とを備え、 該照合手段(7)によって、上記入力物体の候補カテゴリ
   をまず絞った後、上記立体辞書(6)との詳細な照合を行
   い、入力未知物体の検索ができるようにしたことを特徴
   とする物体検索方式。