JPH0643546A - 投影用スクリーン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶プロジェクタのスクリーンにおいて、明
るさの向上と視野角の拡大を図る。 【構成】 スクリーン１１は、多数の半透明薄板１２を
重ね合わせた構造となっている。各半透明薄板１２の入
射面１２ａは鏡面状の平面とされ、出射面１２ｂは円弧
状の凸面とされている。スクリーン１１は、半透明薄板
１２の厚さ方向を左右方向とされ、長手方向を上下方向
とされて配置されている。そして、各半透明薄板１２の
重ね合わせ面が反射面となって光ファイバの如き機能を
果たすことにより、各半透明薄板１２の入射面１２ａに
斜めから入射した光が、例えば実線の矢印で示すよう
に、半透明薄板１２の出射面１２ｂから出射され、この
ため半透明薄板１２の出射面１２ｂから出射される画像
光の明るさを格段に向上することができ、また視野角の
拡大を図ることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は液晶プロジェクタ等に
おける投影用スクリーン装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば液晶プロジェクタでは、一般に、
液晶表示パネルに表示された画像を投影レンズでスクリ
ーンに拡大投影するようになっている。図２は従来のこ
のような液晶プロジェクタの一例の概略構成を示したも
のである。この液晶プロジェクタは、奥行き（図２にお
いて左右方向の厚さ）を小さくした構造であって、縦長
のケース１を備えている。ケース１の前面上部には半透
明なスクリーン２が設けられている。スクリーン２の下
方にはアクティブマトリクス型の液晶表示パネル３が設
けられている。液晶表示パネル３の下方には光源４が設
けられている。光源４の図２における右斜め上方で液晶
表示パネル３の図２における右斜め下方には第１の反射
鏡５が設けられている。液晶表示パネル３の図２におけ
る左斜め上方でスクリーン２の図２における左斜め下方
には第２の反射鏡６が設けられている。液晶表示パネル
３と第２の反射鏡６との間には補助レンズ７および投影
レンズ８がこの順で設けられている。

【０００３】そして、光源４が点灯すると、光源４から
出た光は、第１の反射鏡５で反射され、液晶表示パネル
３の入射面に照射される。すると、液晶表示パネル３に
表示された画像に対応する光が液晶表示パネル３の出射
面から出射される。この出射光は、補助レンズ７および
投影レンズ８を順次透過し、第２の反射鏡６で反射さ
れ、スクリーン２に照射される。これにより、液晶表示
パネル３に表示された画像がスクリーン２に拡大投影さ
れる。スクリーン２に投影された画像は、液晶プロジェ
クタの外部において視認される。この場合、補助レンズ
７は、光路長を補正することにより、投影レンズ８によ
る拡大率を補正するためのものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
液晶プロジェクタでは、薄型化を図るために、投影レン
ズ８とスクリーン２とを高さ方向にズラして配置してい
る。このため、第２の反射鏡６を介してスクリーン２に
投影される光は、スクリーン２に対して極めて急な傾斜
角で投影されることになり、これによって明るさが大幅
に減じられることになる。加えて、従来はスクリーン２
は成形等により、一枚の平坦な板状部材として形成され
ていたため、成形後に変形が生じたり、視野角が小さい
等の欠点を有するものであった。この発明の目的は、明
るさの向上を図ることができると共に視野角の拡大や形
成後の変形をなくすことができる投影用スクリーン装置
を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、入射面を平
面とされ出射面を丸みのある凸面とされた多数の半透明
薄板をその厚さ方向に重ね合わせて板状となしたもので
ある。

【０００６】

【作用】この発明によれば、スクリーンを構成する各半
透明薄板の重ね合わせ面が反射面となって光ファイバの
如き機能を果たし、かつ各半透明薄板の出射面が丸みの
ある凸面とされていることにより、半透明薄板の出射面
から出射される投影画像光の明るさを向上しかつ視野角
の拡大を図ることができる。また、スクリーンは半透明
薄板を重ね合わせて形成されているので、形成後の応力
等による変形は生じない。

【０００７】

【実施例】図１はこの発明の一実施例におけるスクリー
ンを示したものである。このスクリーン１１は、アクリ
ル樹脂やポリカーボネート等からなる多数の半透明薄板
１２を密着重合した構造となっている。各半透明薄板１
２の入射面１２ａは鏡面状の平面とされ、出射面１２ｂ
は円弧状の凸面とされ、長手方向に沿う一対の側面１２
ｃ、１２ｄは鏡面状の平面とされている。各半透明薄板
１２を密着してスクリーン１１を得るには、各半透明薄
板１２を入射面１２ａが一平面を形成するように密着し
て、接着剤等により接着すればよい。接着によらず、バ
ンドにより束ねるとか、枠体等に収納し、ゴム等の弾性
体で弾圧する等、圧接により重ね合わせるようにしても
よい。また、各半透明薄板１２の入射面１２ａは最初は
鏡面状としておかず、密着重合後に、全面を研磨して鏡
面状にすることも能率的な方法である。但し、側面１２
ｃ、１２ｄは、密着重合する前に鏡面状としておく必要
がある。半透明薄板１２の寸法は、一例として、高さＨ
が５ｍｍとなっている。半透明薄板１２の厚さＴは、拡
大投影画像のサイズにもよるが、それが４０インチの場
合１〜１．４ｍｍ、望ましくは拡大投影画素ドットのピ
ッチと同じとなっている。半透明薄板１２の出射面１２
ｂである円弧状の凸面は、厚さＴに対して、１／２Ｔ〜
２Ｔ程度の半径の真円の凸面となっている。

【０００８】このスクリーン１１は、半透明薄板１２の
重ね合わせ方向を左右方向とされ、長手方向を上下方向
とされて配置されている。そして、このスクリーン１１
では、各半透明薄板１２の重ね合わせ面が反射面となっ
て光ファイバの如き機能を果たし、かつ各半透明薄板１
２の出射面１２ｂが円弧状の凸面とされていることによ
り、半透明薄板１２の平面からなる入射面１２ａに斜め
から入射した光が、例えば図１において実線の矢印で示
すように、角半透明薄板１２の円弧状の凸面からなる出
射面１２ｂから出射される。このため、半透明薄板１２
の出射面１２ｂから出射される投影画像光の明るさを向
上することができ、また左右方向の視野角の拡大を図る
こともできる。また、スクリーン１１は半透明薄板１２
を重ね合わせて形成されているので、応力等による変形
は生じない。

【０００９】なお、上記実施例では、半透明薄板１２の
出射面１２ｂを真円の凸面としているが、これに限定さ
れるものではなく、例えば楕円の凸面や放物線状の凸面
等としてもよく、また真円の凸面、楕円の凸面、放物線
状の凸面等の各種の凸面を組合わせた複合的な凸面とし
てもよい。また、半透明薄板１２はすべて同一の高さに
しているが、左右端側のものを中央のものよりも背の低
い高さとなして、出射側において、中央部が盛り上がっ
た傾斜状としてもよい。また、スクリーン１１は半透明
薄板１２の重ね合わせ方向が液晶プロジェクタの上下方
向となるように配置してもよい。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、スクリーンを構成する各半透明薄板の重ね合わせ面
が反射面となって光ファイバの如き機能を果たし、かつ
各半透明薄板の出射面が丸みのある凸面とされているこ
とにより、半透明薄板の出射面から出射される投影画像
光の明るさを向上しかつ視野角の拡大を図ることができ
る。また、スクリーンは半透明薄板を重ね合わせて形成
されているので、形成後の応力等による変形は生じな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例におけるスクリーンの斜視
図。

【図２】従来の液晶プロジェクタの一例の概略構成図。

【符号の説明】

１１ スクリーン １２ 半透明薄板 １２ａ 入射面 １２ｂ 出射面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入射面を平面とされ出射面を丸みのある
   凸面とされた多数の半透明薄板をその厚さ方向に重ね合
   わせて板状となしたことを特徴とする投影用スクリーン
   装置。