JPH0643471U - パイプ継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単にかつ強固にパイプを連結できるパイプ
継手を提供する。 【構成】 パイプ１、２の一側及び他側を外嵌する半割
り円筒状の第１及び第２のカップリング本体３、４を設
ける。カップリング本体３、４に装着され第１及び第２
のパイプ１、２との間に介在する半割り円筒状の第１及
び第２のゴムリング17、18を設ける。これらゴムリング
17、18を挟んでカップリング本体３、４に爪リング23、
24を固定する。カップリング本体３、４の一端部側にヒ
ンジピン36を設ける。カップリング本体３、４の他端部
側にボルト40、ナット39を設ける。 【効果】 カップリング本体３、４を開いてから閉じ、
さらに締め付けるという簡単な作業でパイプ１、２を連
結できる。十分に締め付けると、爪リング23、24の爪部
32、33がパイプ１、２に喰着き、連結状態が強固にな
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば散水ノズルなどに利用される一対のパイプを連結するパイプ 継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、道路、駐車場などに散水ノズルを設けて、前記散水ノズルから地下水、 用水などを散水するものとして実開昭６３ー２７５２８号公報等が公知である。 このようなものにおいては、複数の散水ノズルを接続した供給パイプとポンプと の間を送水パイプによって接続している。このような送水パイプは一般的に、一 方のパイプの端部にフランジを設け、他方のパイプの端部にフランジを設け、そ して両者のフランジをボルト・ナットで連結してパイプを連結している。またパ イプの端部に螺子を形成してソケットなどにより連結している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術においては、パイプの端部にフランジを固着し、そしてボルト・ナッ トで連結したり、螺子によって連結するというものであったために、例えば施工 現場で所定長さにパイプを切断した場合には、フランジ、螺子を施工現場でパイ プに設けなければならない。このためフランジの固定、螺子加工などによって施 工現場での作業が繁雑であるという問題があった。

【０００４】 本考案は、前記問題を解決して簡単にかつ強固にパイプを連結できるパイプ継 手を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記目的を達成するために、第１及び第２のパイプを連結するパイ プ継手において、前記第１及び第２のパイプの一側を外嵌する半割り円筒状の第 １のカップリング本体と、前記第１のカップリング本体に装着され該第１のカッ プリング本体と前記第１及び第２のパイプとの間に介在する半割り円筒状の第１ の弾性体と、前記第１の弾性体を挟んで前記第１のカップリング本体に固定され 前記第１及び第２のパイプにそれぞれ接触する鋭利な爪部を有する一対の半割り 円筒状の第１の爪リングと、前記第１及び第２のパイプの他側を外嵌する半割り 円筒状の第２のカップリング本体と、前記第２のカップリング本体に装着され該 第２のカップリング本体と前記第１及び第２のパイプとの間に介在する半割り円 筒状の第２の弾性体と、前記第２の弾性体を挟んで前記第２のカップリング本体 に固定され前記第１及び第２のパイプにそれぞれ接触する鋭利な爪部を有する一 対の半割り円筒状の第２の爪リングと、前記第１及び第２のカップリング本体の 一端部側に設けられ前記第１及び第２のパイプの軸心方向に設けられるヒンジ軸 と、前記第１及び第２のカップリング本体の他端部側に設けられ前記第１及び第 ２のパイプの軸心方向と直交方向に設けられる締付具とを具備したものである。

【０００６】

【作用】

前記構成によって、ヒンジ軸を中心として第１及び第２のカップリング本体を 開き、そして第１及び第２のパイプを挿入する。次にヒンジ軸を中心として第１ 及び第２のカップリング本体を閉じ、そして締付具を締付けると、第１及び第２ の弾性体が第１及び第２のパイプに圧接して、シール性を保ちながら第１及び第 ２のパイプを接続できる。これとともに第１及び第２の弾性体を挟んで第１及び 第２のカップリング本体に固定された第１及び第２の爪リングの鋭利な爪部が第 １及び第２のパイプに接触して喰着く。これにより第１及び第２のパイプは強固 に連結されることになる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案のパイプ継手の第１実施例について図１から図３を参照して説明 する。１、２は左右に配設される送水管などの第１及び第２のパイプであり、こ の第１及び第２のパイプ１、２の一側には該第１及び第２のパイプ１、２の一側 を外嵌する鋳鉄製の第１のカップリング本体３が設けられ、また他側には該第１ 及び第２のパイプ１、２の他側を外嵌する鋳鉄製の第２のカップリング本体４が 設けられている。前記第１及び第２のカップリング本体３、４は、それぞれ円筒 を第１及び第２のパイプ１、２の軸線Ｘに沿って半割りした形状であって、その 両端には第１及び第２のパイプ１、２が挿入する半円状の挿入孔５、６がそれぞ れ形成されている。これら挿入孔５、６を形成する内向き鍔部９、10は前記第１ 及び第２のパイプ１、２の外径Ｒよりも径大に形成されている。また前記第１及 び第２のカップリング本体３、４において各鍔部９、10の内側には、半円状の凹 溝13、14がそれぞれ形成されている。そして左右の凹溝13、14間に位置して、第 １及び第２のカップリング本体３、４の内面には、それぞれ半割り円筒状の弾性 体たる第１のゴムリング17及び第２のゴムリング18が４本のピン19、20を介して 装着されている。第１及び第２のゴムリング17、18の自然状態での内径は前記第 １及び第２のパイプ１、２の外径Ｒと等しくなっている。また第１及び第２のゴ ムリング17、18全体の周長は第１及び第２のパイプ１、２のと等しくなっている 。尚、第１及び第２のゴムリング17、18の内周面において軸方向の左右両端には 面取り部21が形成されている。さらに前記第１及び第２のカップリング本体３、 ４には、それぞれ焼入鋼などの硬質材料からなる半割り円筒状の第１の爪リング 23及び第２の爪リング24が両凹溝13、14に嵌合されてビス26、27により固定され ている。これら第１及び第２の爪リング23、24の内径は第１及び第２のパイプ１ 、２の外径Ｒよりも若干大きくなっている。また第１及び第２の爪リング23、24 の内周面には捩子が切られているとともに、軸方向の切欠き28、29が放射状に多 数形成されており、これにより、第１及び第２のパイプ１、２の外周面にそれぞ れ接触する鋭利な爪部32、33が多数条形成されている。すなわちこれら爪部32、 33は円周に沿っているとともに、軸方向に並んでいる。

【０００８】 さらに、前記第１のカップリング本体３の一端部側には、前記軸線Ｘと平行に 設けられるヒンジ軸たるヒンジピン36が挿入する取付孔37が左右一対設けられ、 一方前記第２のカップリング本体４の一端部側には、前記取付孔37と同一軸上に 前記ヒンジピン36が挿入する取付孔38が設けられている。

【０００９】 また前記第１のカップリング本体３の他端部側には、前記軸線Ｘと直交方向に 設けられる締付具たるナット39を備えたボルト40が挿入する取付孔41が設けられ 、一方前記第２のカップリング本体４の他端部側には、前記取付孔41と同一軸で 前記ボルト40が挿入する取付孔42が設けられている。尚、43はブッシュ、44は座 金、45はヒンジピン36の抜け止め用の割ピン、46は座金、47はバネ座金である。

【００１０】 次に、前記構成の作用を説明する。まず、図１に鎖線で示すように、ヒンジピ ン36を中心として第１のカップリング本体３及び第２のカップリング本体４を互 いに開く。次に第１及び第２のパイプ１、２を挿入孔５を通して第１のカップリ ング本体３の左右に配設する。そしてヒンジピン36を中心として第２のカップリ ング本体４を閉じ方向へ廻動して、実線で示すように、第１及び第２のパイプ１ 、２に外嵌する。次に取付孔41、取付孔42にボルト40を通して、ナット39を締め ると、まず前記第１及び第２のゴムリング17、18の円周接線方向の端面が互いに 接するとともに、第１及び第２のゴムリング17、18の内周面が第１及び第２のパ イプ１、２の外周面にそれぞれ接する。さらにナット39及びボルト40を締めてい くと、これらゴムリング17、18がその径方向において弾性的に圧縮して両パイプ １、２の外周面に対しそれぞれ圧着状態になるとともに、両ゴムリング17、18が その円周接線方向において弾性的に圧縮して両ゴムリング17、18の円周接線方向 の端面が互いに圧着状態になる。これとともに両ゴムリング17、18を軸方向から 挟んで位置している第１及び第２の爪リング23、24の爪部32、33が第１及び第２ のパイプ１、２の外周面にそれぞれ喰着く。こうして両ゴムリング17、18相互の 密着及びこれらゴムリング17、18の両パイプ１、２への密着により、これらパイ プ１、２は確実に外部とのシール性を保持した状態で接続される。また前記両ゴ ムリング17、18の密着に加えて、第１及び第２のカップリング本体３、４にそれ ぞれ固定された第１及び第２の爪リング23、24が第１及び第２のパイプ１、２に 喰着くことにより、これら第１及び第２のパイプ１、２、第１及び第２のカップ リング本体３、４が強固に一体化し、第１のパイプ１と第２のパイプ２とが強固 に連結される。

【００１１】 以上のように、前記実施例の構成によれば、第１及び第２のカップリング本体 ３、４を開いてから閉じて、これらカップリング本体３、４を連結すべき第１及 び第２のパイプ１、２に外嵌し、次いでボルト40及びナット39を締めることのみ により両パイプ１、２を施工現場で簡単に連結できる。しかもゴムリング17、18 により第１及び第２のパイプ１、２とカップリング本体３、４を液密に一体化す ることができる。さらに爪リング23、24により第１及び第２のパイプ１、２の連 結状態をより強固で確実なものとでき、これらパイプ１、２が互いに外れる等の 虞を一掃できる。

【００１２】 図４から図７は本考案の第２実施例を示すものであるが、前記第１実施例と対 応する部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる点を主に説明する。 すなわち本第２実施例においては、ピン19、20をなくし、カップリング本体３、 ４の内周面中央部に形成された半円状の凸条52に、ゴムリング17、18の外周面中 央部に形成された半円状の凹溝53、54を嵌め込んで、カップリング本体３、４に ゴムリング17、18をそれぞれ取付けるようにしている。また第１及び第２のゴム リング17、18の円周接線方向の端面には、互いに噛み合う凸部55及び凹部56がそ れぞれ形成されている。さらに爪リング23、24においては、切欠き28、29をなく し、単なる捩子として爪部32、33を形成している。

【００１３】 第２実施例のパイプ継手は、前記第１実施例のものよりも構造が簡単であり、 製作上加工、組立が簡単になる。またゴムリング17、18の端面に形成した凸部55 及び凹部56によりシール性をより高められる。さらに爪リング23、24においては 、単なる捩子からなる爪部32、33であっても、パイプ１、２への喰着きについて 十分な効果が得られる。

【００１４】 尚、本考案は前記実施例に限定されるものではない。例えば前記実施例では第 １及び第２のパイプを同径のものとしたが、爪リング及びゴムリングの内径を軸 方向一端側と他端側とで変えることにより異径のパイプ相互の接続にも対応でき 、さらに前記実施例では第１及び第２のパイプを一直線状に配設したが、ベント 状に直交して第１及び第２のパイプを配設する場合にも対応できる等種々の変形 が可能である。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、第１及び第２のパイプを連結するパイプ継手において、前記第１及 び第２のパイプの一側を外嵌する半割り円筒状の第１のカップリング本体と、前 記第１のカップリング本体に装着され該第１のカップリング本体と前記第１及び 第２のパイプとの間に介在する半割り円筒状の第１の弾性体と、前記第１の弾性 体を挟んで前記第１のカップリング本体に固定され前記第１及び第２のパイプに それぞれ接触する鋭利な爪部を有する一対の半割り円筒状の第１の爪リングと、 前記第１及び第２のパイプの他側を外嵌する半割り円筒状の第２のカップリング 本体と、前記第２のカップリング本体に装着され該第２のカップリング本体と前 記第１及び第２のパイプとの間に介在する半割り円筒状の第２の弾性体と、前記 第２の弾性体を挟んで前記第２のカップリング本体に固定され前記第１及び第２ のパイプにそれぞれ接触する鋭利な爪部を有する一対の半割り円筒状の第２の爪 リングと、前記第１及び第２のカップリング本体の一端部側に設けられ前記第１ 及び第２のパイプの軸心方向に設けられるヒンジ軸と、前記第１及び第２のカッ プリング本体の他端部側に設けられ前記第１及び第２のパイプの軸心方向と直交 方向に設けられる締付具とを具備したものであり、第１のカップリング本体と第 ２のカップリング本体を開いてパイプをセットし、この後に両カップリング本体 を閉じて、締付具を締め付けるという簡単な作業でパイプを連結でき、また、第 １及び第２の弾性体により両パイプの連結部のシール性を確実に保持でき、さら に、第１及び第２の爪リングの爪部を両パイプの喰着かせることにより両パイプ を強固に確実に連結できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す側面図である。

【図２】本考案の第１実施例を示す断面図である。

【図３】本考案の第１実施例を示す正面図である。

【図４】本考案の第２実施例を示す側面図である。

【図５】本考案の第２実施例を示す断面図である。

【図６】本考案の第２実施例を示す正面図である。

【図７】本考案の第２実施例を示すゴムリングの平面図
である。

【符号の説明】

１ 第１のパイプ ２ 第２のパイプ ３ 第１のカップリング本体 ４ 第２のカップリング本体 17 第１のゴムリング（第１の弾性体） 18 第２のゴムリング（第２の弾性体） 23 第１の爪リング 24 第２の爪リング 32 爪部 33 爪部 36 ヒンジピン（ヒンジ軸） 39 ナット（締付具） 40 ボルト（締付具）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１及び第２のパイプを連結するパイプ
   継手において、前記第１及び第２のパイプの一側を外嵌
   する半割り円筒状の第１のカップリング本体と、前記第
   １のカップリング本体に装着され該第１のカップリング
   本体と前記第１及び第２のパイプとの間に介在する半割
   り円筒状の第１の弾性体と、前記第１の弾性体を挟んで
   前記第１のカップリング本体に固定され前記第１及び第
   ２のパイプにそれぞれ接触する鋭利な爪部を有する一対
   の半割り円筒状の第１の爪リングと、前記第１及び第２
   のパイプの他側を外嵌する半割り円筒状の第２のカップ
   リング本体と、前記第２のカップリング本体に装着され
   該第２のカップリング本体と前記第１及び第２のパイプ
   との間に介在する半割り円筒状の第２の弾性体と、前記
   第２の弾性体を挟んで前記第２のカップリング本体に固
   定され前記第１及び第２のパイプにそれぞれ接触する鋭
   利な爪部を有する一対の半割り円筒状の第２の爪リング
   と、前記第１及び第２のカップリング本体の一端部側に
   設けられ前記第１及び第２のパイプの軸心方向に設けら
   れるヒンジ軸と、前記第１及び第２のカップリング本体
   の他端部側に設けられ前記第１及び第２のパイプの軸心
   方向と直交方向に設けられる締付具とを具備したことを
   特徴とするパイプ継手。