JPH0643282B2 - 9.10―エポキシ―6―ヘンエイコセンを有効成分とする昆虫誘引剤 - Google Patents

9.10―エポキシ―6―ヘンエイコセンを有効成分とする昆虫誘引剤

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JPH0643282B2
JPH0643282B2 JP2059615A JP5961590A JPH0643282B2 JP H0643282 B2 JPH0643282 B2 JP H0643282B2 JP 2059615 A JP2059615 A JP 2059615A JP 5961590 A JP5961590 A JP 5961590A JP H0643282 B2 JPH0643282 B2 JP H0643282B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアカエグリバ及びその近縁種の誘引物質として
有用な新規化合物及びその製造法、並びにその化合物単
独で、またはその化合物と他の混合物との混合物を有効
成分とすることを特徴とする昆虫誘引剤に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
アカエグリバ(Oraesia excavata Butler)は、モモ、
ナシ、ブドウ、早生温州ミカンなど果樹の重要害虫であ
る。この害虫は、果実が熟し始めると夜間、果樹園に飛
来し、果実に口吻をさし込んで果汁を吸収し、果実を腐
敗、落果させるので、経済的な被害が大きい。本種の幼
虫は果樹園外の山林原野に広く生息し、成虫は、夜間に
限り活動するために殺虫剤による防除が極めて困難であ
る。また、成虫の加害期が果実の収穫期直前に集中する
ため、この時期の殺虫剤の使用は、農薬の残留毒性上好
ましくない。
一方、最近多くの害虫についていわゆる性フェロモンの
化学構造が明らかにされており、この性フェロモンを用
いて害虫の発生消長調査や防除が行われるようになって
きている。性フェロモンとは、一般に雌成虫が分泌する
化学物質で、同種の雄成虫に対して種特異的な誘引作用
を示す。このような誘引性の性フェロモンの化学構造を
明らかにし、その物質を化学合成して、いわゆる性誘引
物質として用いることにより、効率的に発生消長を調査
することが可能になる。さらに、この物質を用いて大量
の雄を誘殺したり、雌雄の交尾行動を攪乱したりするこ
とにより、成虫期を対象とした害虫の防除を行うことも
できる。本種は成虫加害性であるため、性フェロモンの
利用は極めて有効である。
〔発明の技術的課題・目的〕 本発明者らはこれらの事情に鑑み、アカエグリバの性フ
ェロモンの研究を行い、アカエグリバの未交尾雌から、
雄に対する誘引活性を有する成分を抽出し、その化学構
造を決定した。さらに、これらの化学合成化合物が、ア
カエグリバに対して有効な誘引作用を示すことを知っ
た。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたもので
ある。
〔発明の構成〕
本発明における新規化合物は下記の示性式(I)で示さ
れる。
式(I)の化合物は、例えば以下のフロー・チャートに
示される方法で合成することができる。
後述するように、式(I)の化合物は、アカエグリバの
雌成虫から単離され、このものはエポキシ基、及び二重
結合に関して、共にZ配位を示す。それ故、式(I)の
化合物は、好適には、天然物と同じ立体配位を示す。か
ような化合物は、下記のフロー・チャートにおいて、式
(VI)の化合物及び式(X)の化合物が共にZ配位であ
るものを使用して、立体特異的に合成することができ
る。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)(VIII)+(XII) グリニヤールカップリング反応 → (I) 本発明の有効成分である式(I)の化合物、ことに
(Z)−9,10−エポキシ−(Z)−6−ヘンエイコ
センは、それ単独でも誘引活性を有する。しかしなが
ら、このものを、公知化合物である9,10−エポキシ
−3,6−ヘンエイコサジエン、ことに(Z)−9,1
0−エポキシ−(Z,Z)−3,6−ヘンエイコサジエ
ンと混合することによって、より強力な顕著な誘引活性
を示す。
これらの化合物をアカエグリバ用誘引剤の有効成分とし
て使用する場合、種々の形態が可能である。これらの化
合物は極めて微量で著効を奏すること、及び揮発性の油
状液であることから、そのまま、或いはヘキサン等の適
当な溶媒に溶解したものを適当な担体(各種合成高分子
体、天然ゴム、合成ゴム)に吸着させたり、これらの担
体素材の成型物に封入、または一端を封じたガラス製毛
細管に充填する等の形態で使用することが好ましい。
有効成分の含有量は適宜に定めることができるが、担体
に吸着させたり担体素材成型物に封入する場合は、担体
1g中に単独で、または混合して0.1〜100mg程度が好ま
しい。
このような有効成分を含有する担体或いは担体素材成型
物を適当な支持体によって、例えば、石鹸水やその他の
液体を入れた容器上、適当な粘着物質を塗布した物体
上、或いは適当な入口を設けた箱様成型物内、またはそ
の付近に設置することによりアカエグリバか誘引され、
容器中に落下或いは捕獲、または粘着物質に捕捉されて
死亡する。
(活性物質の単離及び構造決定) 次に本発明に係わる化合物の単離とその構造決定につい
て説明する。
活性物質の追跡は、室内での雄成虫の把握器の進展を指
標とした製刺激活性あるいは発蛾期に野外雄の誘引活性
を調べる生物検定法を用いた。
25±2℃、15時間明−9時間暗の室内条件下、人工
飼料飼育によって得た雌成虫を、リンゴを餌として同条
件下で4〜6日間飼育した後、暗期の1〜2時間に腹部
末端を切り取り、ヘキサンに24時間浸漬して抽出物を
得た。
未交尾雌約700匹からの抽出物を無水硫酸ナトリウム
で脱水し、ロータリーエバポレーターで濃縮後、フロリ
シルを用いたカラムクロマトグラフィーにより分画し
た。ヘキサン、5%エーテル/ヘキサン、15%エーテ
ル/ヘキサン、25%エーテル/ヘキサン、50%エー
テル/ヘキサン、エーテルによって順次溶出し、性刺激
活性を調べたところ、5%エーテル/ヘキサン溶出画分
に活性が認められた。この活性画分の1雌相当量をシラ
ール10Cガラスキャピラリーカラムを用いたガラスク
ロマトグラフ直結触角電図測定装置(EAD:エレクト
ロアンテノグラフィックディテクター)に注入し、40
℃〜180℃まで毎分7.5℃の昇温条件下で触角電図
(EAG:エレクトロアンテノグラム)反応を調べたと
ころ、20.8分、21.1分に流出する部分にそれぞれEAG
反応が認められ、2成分(成分1及び成分2)であるこ
とが示唆された。この画分を5%サーモン3000カラ
ムを用い、150℃〜200℃まで毎分5℃の昇温条件
下、ガスクロマトグラフ直結質量分析計(GC−MC)
で分析したところ、成分2は下記表1にみられるとおり
特徴的なフラグメントピークを示し、公知の合成化合物
である(Z)−9,10−エポキシ−(Z,Z)−3,
6−ヘンエイコサジエンのマススペクトルに一致した。
また、成分2はシラール10Cガラスキャピラリーカラ
ムを用いた(Z)−9,10−エポキシ−(Z,Z)−
3,6−ヘンエイコサジエンとの同時クロマトグラフィ
ーでも(Z)−9,10−エポキシ−(Z,Z)−3,
6−ヘンエイコサジエンであることが示された。さら
に、活性画分をヤナパックSA−1カラムを用いた高速
液体クラマトグラフィーにより精製した。予備試験の結
果、合成化合物の(Z)−9,10−エポキシ−ヘンエ
イコサンは17〜18分、(Z)−9,10−エポキシ
−(Z,Z)−3,6−ヘンエイコサジエンは21〜2
2分に流出したので、活性画分は14分から26分まで
1分ごとに分画した。得られた画分をGC−MS分析し
たところ、成分1は18〜21分流出画分に、成分2は
22〜23分流出画分に、また、21〜22分には成分
1と成分2がそれぞれ確認された。こうして単離した成
分1及び成分2の生物検定の結果は下記表2及び表3に
示すとおりである。即ち、成分1は単独でもかなりの生
物活性を示すが、成分2は単独では性刺激活性及び誘引
活性が弱く、両者を混合すると未交尾雌抽出物と同等の
生物活性が得られた。また、成分1と合成化合物である
(Z)−9,10−エポキシ−(Z,Z)−3,6−ヘ
ンエイコサジエンを混合しても未交尾雌抽出物と同等の
生物活性が認められた。したがって、成分2は(Z)−
9,10−エポキシ−(Z,Z)−3,6−ヘンエイコ
サジエンであることが証明された。
もう1つの成分1のマススペクトルはm/z、308
〔M〕,290,197,183,153,124,
110,55,のフラグメントピークを示し、炭素数2
1、二重結合を1個もつエポキシドであると考えられ
た。
成分1の化学構造は下記のようにして決定した。
エポキシ基の位置決定は過ヨウ素酸酸化によるエポキシ
ドの開裂反応により行った。即ち、単離した成分1の約
3μgを10μヘキサン溶液として小型のガラス製バ
イアル瓶にとり、0.1%過ヨウ素酸溶液10μを加
え、直ちに反応生成物のGC−MS分析を行ったとこ
ろ、下記表4に示すとおり、ドデカナールを検出した。
したがって、エポキシ基は9,10位にあると推定し
た。さらに、エポキシドの幾何異性の決定は、成分1の
ジイミド還元反応により生成する飽和エポキシド及び合
成した(Z)−及び(E)−9,10−エポキシ−ヘン
エイコサンのキャピラリーカラムによる相当炭素数(E
CL)値を求め、それぞれの値を比較することによって
行った。即ち、単離した成分1の約2μgを小型のガラ
ス製バイアル瓶にとり、ヒドラジンのエタノール溶液2
0μ、過酸化水素のエタノール溶液20μを順次加
え、GC−MSで反応の進行状況を確認しながら50℃
の湯浴中に約4時間置いた後、−20℃に保存し、次の
分析に供した。反応生成物及び合成化合物はエイコサ
ン、ドコサン、テトラコサンを内部標準物質として、シ
ラール−10Cガラスキャピラリーカラムを用い、10
0℃〜190℃まで毎分4℃の昇温条件でマスフラグメ
ントグラフィー法で分析した。その結果、成分1のEC
L値は25.19、(Z)体のそれは25.19、(E)体のそれ
は25.10であった。したがって、エポキシドの幾何異性
は(Z)体であると推定された。また、同条件でのそれ
ぞれの合成化合物との同時クロマトグラフィーでも
(Z)体が示された。
二重結合の位置決定は、オゾン分解により生成するアル
デヒドを検出する方法で行った。即ち、成分1の1μg
を10μのヘキサン溶液として小型のガラス製バイア
ル瓶にとり、−50℃に冷却してオゾンを1分間吹き込
み、これにトリフェニルホスフィンの結晶小片を入れて
直ちにGC−MS分析した。その結果、ヘキサナール
〔m/z(相対強度)82(M−18〕(11.8),7
2(17.0),56(78.8),44(100)〕を検出し
た。したがって、二重結合は6位にあると推定した。
二重結合の幾何異性はプロトン核磁気共鳴スペクトルの
測定結果から(Z)体が推定されたので、成分1の推定
化合物である(Z)−9,10−エポキシ−(Z)−6
−ヘンエイコセンを合成し、そのマススペクトルを成分
1のそれと比較したところ、下記表5に示すとおり、両
者はよく一致した。
さらに、生物検定の結果、合成化合物の(Z)−9,1
0−エポキシ−(Z)−6−ヘンエイコセンと(Z)−
9,10−エポキシ−(Z,Z)−3,6−ヘンエイコ
サジエンの混合物は未交尾雌の抽出物と同等の生物活性
を示した。したがって、成分1は(Z)−9,10−エ
ポキシ−(Z)−6−ヘンエイコセンであるものと判明
した。
〔実施例−1〕 (Z)−9,10−エポキシ−(Z)−6−ヘンエイコ
センの合成 (1) 1−ウンデカノール(II)51.6gと48%臭化水素酸1
58gを36時間加熱還流した。反応液をエーテルで抽
出し、エーテル層を飽和重曹水、水で順次洗い、無水硫
酸ナトリウムで脱水後エーテルを留去した。減圧蒸留に
より1−プロモウンデカン(III)67.1gが得られ、収
率は95.6%であった。
沸点104-104.4℃/8mmHg ▲n23 D▼1.4517 (2) 液体アンモニア300mに硝酸鉄九水和物0.2gを加
えて15分間攪拌した後、リチウム1.1gを少しずつ加
えた。反応液の青色が消えるのを待ってプロパギルアル
コール(IV)4.5gを−30℃で滴下した。2時間攪拌
後、1−ブロモウンデカン(III)11.7gをテトラヒド
ロフラン100mに溶かして、−30℃で滴下し、さ
らに同温度で5時間攪拌した。一夜室温に放置しアンモ
ニアを留去した後、飽和塩化アンモニウム水溶液100
mを加え、エーテル抽出をした。
エーテル層をよく水洗し、無水硫酸ナトリウムで脱水し
た後エーテルを留去した。減圧蒸留により2−テトラデ
シン−1−オール(V)9.1gが得られ、収率は86.6%
であった。
融点42〜44℃ 沸点103℃/0.4mmHg IR(液膜法)3250,3130,2870,2810,1445,1360,1120,1
010cm-1 (3) メタノール500mにリンドラー触媒0.2gを入れて
室温で10分間攪拌した後、2−テトラデシン−1−オ
ール(V)5gを加え水素気流下で48時間攪拌した。
触媒をろ別した後メタノールを留去し、エーテルに溶か
した。エーテル層を水洗し無水硫酸ナトリウムで脱水し
た後、エーテルを留去して、(Z)−2−テトラデセン
−1−オール(VI)を定量的に得た。
沸点120℃/0.8mmHg ▲n22 D▼1.4551 IR(液膜法)3300,2975,2875,2815,1450,1365,1010,7
10cm-1 (4) m−クロロ過安息香酸3.3gを塩化メチレン30mに
溶かした。これに(Z)−2−テトラデセン−1−オー
ル(VI)3.18gを塩化メチレン70mに溶かして、攪
拌しながら15℃以下で滴下し、次いで6℃で一夜攪拌
した。メチルスルフィド9mを加え残存するm−クロ
ロ過安息香酸を分解後、反応液を飽和重曹水、次いで水
で洗い無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を留去し、
エーテル/ヘキサン(2:98)混液より再結晶化し
(Z)−2,3−エポキシテトラデカン−1−オール
(VII)3.5gを定量的に得た。
融点64.5〜65.5℃ IR(液膜法)3300,2900,2840,1450,1370,1280,1025,8
85,840,710cm-1 EIMS m/z 41(100%),198(M2.
1%) (5) トリフェニルホスフィン1.44gとイミダゾール0.68gを
エーテル/アセトニトリル(3:1)混液30mに加
えて攪拌しながら、ヨウ素1.89gを5回に分けて20分
間で加え、さらに1時間攪拌した。溶媒を留去後ヘキサ
ンで抽出し、濃縮後ケイ酸カラムで精製し(Z)−1−
ヨード−2,3−エポキシテトラデカン(VIII)1.4g
を得た。収率は87.5%であった。
融点34.5〜35.5℃ IR(液膜法)2900,2850,1445,1365,1255, 1145,840,710,600cm-1 EIMS m/s 70(100%),210(M3.8%) (6) (7) ヨウ化銅7.9gを窒素気流下でエーテル75mに懸濁
させ−30℃に冷却後、アミルリチウム(IX)のヘキサ
ン溶液(0.075mol)を反応液が−20℃を越えないよう
に滴下した。滴下後10分間−30℃で攪拌を続け、ア
セチレンガス約1.8を−30℃で導入し、さらに30
分間攪拌した。反応液を−60℃に冷却し、これにヨウ
素20.25gをテトラヒドロフラン15mに溶かして−
55℃で滴下した。その後−10℃に上昇させて10分
間攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液70m及び飽
和亜硫酸ナトリウム水溶液7mを加えた。反応液をセ
ライトカラムで濾過した後、エーテルで抽出した。エー
テル層を飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液及び飽和塩化ア
ンモニウム水溶液で洗い、無水硫酸マグネシウムで脱水
後溶媒を留去した。減圧蒸留により(Z)−1−ヨード
−1−ヘプテン(XI)12.6gが得られ、収率は75%で
あった。
沸点75℃/15mmHg ▲n25 D▼1.4972 IR(液膜法)3010,2875,1592,1448,1360,1260,715,67
4,612cm-1 (8) 無水塩酸マグネシウム1.14g、カリウム0.7gをテトラ
ヒドロフラン30mに入れ3時間還流した後室温まで
冷やした。これに(Z)−1−ヨード−1−ヘプテン
(XI)1.34gをテトラヒドロフラン8mに溶かしたも
のを35℃で滴下し、さらに1時間攪拌してグリニヤー
ル試薬溶液(XII)を得た。
(9) (Z)−1−ヨード−2,3−エポキシテトラデカン
(VIII)0.5g、ヨウ化銅0.03g及びリン酸ヘキサメチ
ルアミド2.5mをテトラヒドロフラン12mに加え
て−23℃に冷却し、前記グリニヤール試薬溶液(XI
I)を−20℃以下でゆっくり滴下した。反応液を−2
3℃で30分間攪拌後、0℃に上昇させ、セライトカラ
ムで濾過し、濾液をエーテルで抽出した。溶媒を留去
後、エーテルを加え飽和塩化アンモニウム水溶液で洗い
無水硫酸マグネシウムで脱水した。エーテルを留去後、
シリカゲルカラムで精製し(Z)−9,10−エポキシ
−(Z)−6−ヘンエイコセン(I)0.43gを得た。収
率は95%であった。
沸点155−160℃/1mmHg ▲n20 D▼1.450 IR(液膜法)2970,2930,1470,1394,1280, 980,740cm-1 EIMS m/z 55(100%),308(M+,4.3%), 251(3.9%),237(7.3%), 223(5.4%),211(4.4%), 197(18.1%) 〔実施例−2〕 合成化合物の最適混合割合を知るために室内で雄成虫に
対する性刺激活性を検討した。
15時間明−9時間暗、25±2℃の条件下で羽化させ
た4〜6日令の雄を供試し、暗期の1〜2時間に試験し
た。2方向網張りの透明塩ビ容器(径13cm、高さ13
cm)に雄を5匹入れて排気装置内に置き、合成化合物は
単独或いは混合物として10−3μg、未交尾雌抽出物
は10−3雌当量をそれぞれヘキサン溶液として5m
コマゴメピペット内壁に付着させ、溶媒を蒸発させたの
ち、雄に向けて吹き付け、1分以内に把握器の伸展がみ
られたものを反応個体として、その反応数を調査した。
その結果は下記表6に示すとおり、(Z)−9,10−
エポキシ−(Z)−6−ヘンエイコセンは単独でも反応
がみられたが、(Z)−9,10−エポキシ−(Z,
Z)−3,6−ヘンエイコサジエン単独では反応がみら
れなかった。(Z)−9,10−エポキシ−(Z)−6
−ヘンエイコセンと(Z)−9,10−エポキシ−
(Z,Z)−3,6−ヘンエイコサジエンとの混合物は
両者の割合が95:5〜85:15の範囲で未交尾雌抽
出物と同等の性刺激活性が認められた。
〔実施例−3〕 合成化合物の野外での誘引性及びその最適混合割合を知
るため下記の試験を行った。
試験例−1 愛媛県立果樹試験場内のモモ園(品種:志賀白桃及び大
久保)周縁部に、側面下部4方向に5cm方形の入口を設
けた塩ビ製トラップ(18cm×18cm、高さ30cm)を
地上約1.5m、10m間隔に設置し、合成化合物単独或
いはその混合物の10μg、または未交尾雌抽出物の1
0雌当量を1mヘキサン溶液としてそれぞれ脱脂綿球
に浸みこませたものを誘引源とし、これをトラップ内に
吊るした。試験は1988年8月11日〜8月21の2
0時〜22時に実施し、15分間の誘引数を調査した。
1回の試験には2〜3種類の誘引源を用い、それぞれ試
験日、組み合わせを変えて各誘引源について3回繰り返
した。
誘引数は調査日、時刻、場所等によって変わることが予
想されたので、常に対照として未交尾雌抽出物を他の誘
引源と組み合わせて用いた。そのため、合成化合物の誘
引数は、未交尾雌抽出物の誘引数を100として相対的
な値として表した。未交尾雌抽出物の15分間の誘引数
は6〜14匹の範囲であった。
その結果、各誘引源の相対誘引数は下記表7のとおり
で、(Z)−9,10−エポキシ−(Z)−6−ヘンエ
イコセンと(Z)−9,10−エポキシ−(Z,Z)−
3,6−ヘンエイコサジエンの95:5〜90:10の
混合物は未交尾雌抽出物に優る顕著な誘引活性を示し
た。
試験例−2 愛媛県立果樹試験場内の野外網室(3.6m×5.4m、高さ
2.5m)内に室内飼育で得た雄を放飼し、その捕獲数を
調べた。網室の約1.8mの高さに試験例−1で用いたの
と同じ塩ビ製トラップを6個吊るした。トラップ内には
誘引源として合成化合物の混合物500μgを浸みこま
せたプラスチックカプセル(安元化成、YK−1)を吊
し、或いは未交尾雌5匹を入れた小網籠を置いた。そし
て、毎日約50匹の雄を網室内で自然に飛び立たせ、翌
朝、捕獲数を調査した。試験は1988年8月18日〜
8月26日に実施し、トラップは毎日場所を変えた。
その結果は下記表8に示すとおりで、(Z)−9,10
−エポキシ−(Z)−6−ヘンエイコセンと(Z)−
9,10−エポキシ−(Z,Z)−3,6−ヘンエイコ
サジエンの95:5〜85:15の混合物は未交尾雌に
優る顕著な誘引活性を示した。
〔実施例−4〕 合成化合物の野外での誘引性と担体あたりの使用量との
関係を知るために、プラスチックカプセル(安元化成、
YK−1)を用いて10μgから1000μgの範囲の
捕獲数を未交尾雌及び誘蛾灯の捕獲数と比較した。
愛媛県立果樹試験場内のモモ(品種:缶桃園)周縁部に
試験例−1で用いたのと同じ塩ビ製トラップを地上約1.
5m、10〜20m間隔に設置し、合成化合物の混合物
をプラスチックカプセルに浸みこませたもの及び未交尾
雌を誘引源として1988年8月12日〜9月10日ま
で毎日、捕獲数を調べた。同時に20w青色螢光灯を誘
引源とした誘蛾灯(モモ園から約200m離れる)の誘
殺数を調査した。
アカエグリバ発生期の後半にあたる時期であり、野外の
個体数は減少しつつあったが、下記表9に示すとおり、
捕獲数は500μg以上の使用量で未交尾雌或いは誘蛾
灯の捕獲数より優り、使用量が増すほど捕獲数は多くな
った。また、500μg以上の使用量では約1カ月にわ
たって誘引活性が認められた。
〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明の式(I)の化
合物、ことに(Z)−9,10−エポキシ−(Z)−6
−ヘンエイコセンは、それ単独でも誘引剤として有用で
あり、このものと(Z)−9,10−エポキシ−(Z,
Z)−3,6−ヘンエイコサジエンとの混合物は、アカ
エグリバに対する誘引効果が更に顕著であり、十分に実
用性のあるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Agricultaral&Biolo gical Chemistry.53巻3 号801−804頁(1989年) Tetrahedron.42巻13号, 3479−3490頁(1986年) Tetrahedron Letter s.29巻8号865−868頁(1988年)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(Z)−9,10−エポキシ−(Z)−6
    −ヘンエイコセンと、(Z)−9,10−エポキシ−
    (Z,Z)−3,6−ヘンエイコサジエンとの混合物を
    有効成分とすることを特徴とするアカエグリバ用性誘引
    剤。
  2. 【請求項2】混合割合が95:5〜85:15の範囲内
    である特許請求の範囲第1項に記載の性誘引剤。
JP2059615A 1990-03-09 1990-03-09 9.10―エポキシ―6―ヘンエイコセンを有効成分とする昆虫誘引剤 Expired - Lifetime JPH0643282B2 (ja)

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