JPH0643182A - 加速度計 - Google Patents

加速度計

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JPH0643182A
JPH0643182A JP19551492A JP19551492A JPH0643182A JP H0643182 A JPH0643182 A JP H0643182A JP 19551492 A JP19551492 A JP 19551492A JP 19551492 A JP19551492 A JP 19551492A JP H0643182 A JPH0643182 A JP H0643182A
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JP
Japan
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plate
pendulum
hinge
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pendulum portion
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Withdrawn
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JP19551492A
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Inventor
Akihiro Tomioka
昭浩 富岡
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Japan Aviation Electronics Industry Ltd
Original Assignee
Japan Aviation Electronics Industry Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度特性及び零点不平衡を改善する。 【構成】 板状振子部41の両側中央部を支持する、板
状振子部41の側縁に沿った長さをもつ二つのヒンジ部
47,48において、ヒンジ部47を板状振子部41の
回動中心Cに対し、板状振子部41の一半部側に連結
し、ヒンジ部48をその他半部側に連結する。温度変化
によって両ヒンジ部47,48に発生する曲げモーメン
トは回動中心C回りに互いに逆方向となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は加速度の入力により回
動する振子部に形成された可動電極と、その可動電極と
対向する固定電極とを有し、それら電極間の静電容量の
変化を検出することによって入力加速度を測定する加速
度計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の加速度計を図4に示す。
振子部11は図4(A)に示すように、矩形の対向する
二辺の中央部に、その二辺と平行な矩形の中心線に対し
対称にそれぞれ矩形状に切欠13,14が形成されたH
字状の板状体とされ、この板状振子部11の板面方向の
周囲を囲むように矩形状の枠体12が配設される。枠体
12の、板状振子部11の切欠13,14と対向する部
分には、それぞれ切欠13,14内に突出した固定部1
5,16が一体に形成されている。
【0003】板状振子部11の両切欠13,14の同一
平面上に位置する同一側の一側部13a,14aが、両
切欠13,14の底部13b,14b、即ち板状振子部
11の両側中央部の側縁に沿った同一長さをもつヒンジ
部17,18でそれぞれ固定部15,16に連結され
る。板状振子部11及びヒンジ部17,18の形状寸法
は、ヒンジ部17,18の長さを2分する、ヒンジ部1
7,18の板面と垂直な平面S内に板状振子部11の重
心G1 が位置するように選定されている。
【0004】なお、この加速度計では小型、高性能化を
図るべく、これら板状振子部11、ヒンジ部17,18
及び固定部15,16が突設された枠体12はシリコン
基板のエッチングにより同一材料で一体形成されたもの
となっている。従って、板状振子部11、枠体12及び
固定部15,16は同一厚さとされ、それらに対しヒン
ジ部17,18は図5に示すように厚さが薄くされて弾
性変形可能とされている。
【0005】板状振子部11の一面11aに一対の可動
電極19a,19bが形成される。可動電極19a,1
9bはH字状の板状振子部11のH字の対向二辺をなす
矩形部20a,20bにそれぞれその矩形に近い大きさ
とされて形成され、これら可動電極19a,19bは板
状振子部11上に形成された導線21により短絡され
る。さらに、ヒンジ部17,18が連結されている側の
矩形部20aに形成された可動電極19aからヒンジ部
17、固定部15を通って枠体12に至る導線22がこ
れらの板面上に形成され、その導線22の枠体12上の
端部に端子23が形成される。
【0006】上述のように固定部15,16及びヒンジ
部17,18を介して板状振子部11を支持する枠体1
2は、図4(B)に示すようにケース24とカバー25
との間に挟持される。カバー25の内面には、可動電極
19a,19bとそれぞれ所定の間隙を有して平行対向
する固定電極26a,26bが設けられている。板状振
子部11の、可動電極19a,19bが形成された面1
1aと反対側の面11bに直方体状のスペーサ27が、
その重心G2 が平面S内に位置されて取付けられる。さ
らに、このスペーサ27の、板状振子部11との取付面
と対向する端面にコイル28が巻回されたボビン29
が、その重心G3 が平面S内に位置されて取付けられ
る。ボビン29は軸心方向の一端が閉塞板30により閉
塞された略矩形の筒とされ、その閉塞板30の中心上に
おいてスペーサ27に取付けられている。なお、これら
スペーサ27と板状振子部11及びボビン29の閉塞板
30との組立ては例えば接着により行われる。
【0007】ボビン29の閉塞板30の中央部には一対
の穴30a,30bが形成されており、これら穴30
a,30bとそれぞれ対向し、板状振子部11及び閉塞
板30間でスペーサ27を貫通する一対の穴27a,2
7bがスペーサ27に形成されている。ボビン29の周
面に巻回されているコイル28の両端は、ボビン29の
開口端においてほぼ平面S内を通って周面から内面側に
導かれ、それぞれ閉塞板30の穴30a,30b、スペ
ーサ27の穴27a,27bを順次通り、さらに板状振
子部11にスペーサ27の穴27a,27bとそれぞれ
対向して形成された一対の穴31a,31bをそれぞれ
通って板状振子部11の一面11a上に導出される。
【0008】板状振子部11の一面11a上には、穴3
1a,31bの近傍にそれぞれ一端を有し、矩形部20
a、ヒンジ部18、固定部16を順次通って枠体12に
いたる一対の導線32a,32bが形成されており、こ
れら導線32a,32bの一端部にそれぞれコイル28
の両端が接続される。なお、枠体12上に位置する導線
32a,32bの他端部にはそれぞれ端子33a,33
bが形成されている。
【0009】板状振子部11と一体とされたスペーサ2
7及びコイル28が巻回されたボビン29はケース24
内に収容される。ケース24内の底面24a上に、一対
の直方体状の永久磁石34,35が平面Sと直交する方
向に配列されて配置される。永久磁石34は平面Sに対
し、板状振子部11の矩形部20a側に位置するボビン
29の一半部内にそのほぼ上半部が収容され、一方永久
磁石35はボビン29の他半部内に同様にそのほぼ上半
部が収容される。ボビン29の内面と永久磁石34,3
5とはそれぞれ所定量離間されている。なお、永久磁石
34はその閉塞板30との対向面34a側がS極、ケー
ス24設置面34b側がN極とされ、これと逆に永久磁
石35はその閉塞板30との対向面35a側がN極、ケ
ース24設置面35b側がS極とされる。
【0010】図6は上述のように構成された加速度計の
板状振子部11の動作を模式的に示すものであり、加速
度入力のない状態を図6(A)に示し、平面Sと直交す
る方向、即ちX軸方向に加速度aが入力された状態を図
6(B)に示す。図において、固定部15,16にヒン
ジ部17,18を介して支持される板状振子部11、ス
ペーサ27及びコイル28が巻回されたボビン29から
なる組立体の重心をGで表わす。
【0011】図6(A)に示すように、ヒンジ部17,
18の固定部15,16への固定端Fに対し、重心Gは
板状振子部11の厚さ方向(Y軸方向)においてずれて
いるため、この重心Gに例えばX軸方向(可動電極19
a,19bの配列方向)の加速度aが作用すると、ヒン
ジ部17,18がたわみ、板状振子部11が回動して図
6(B)に示す状態となる。
【0012】板状振子部11の回動により、板状振子部
11に形成されている可動電極19a,19bとカバー
25に設けられている固定電極26a,26bとの各間
隙が変化し、加速度入力のない時に比し、電極19a,
26a間の間隙は広くなり、電極19b,26b間の間
隙は狭くなる。可動電極19a,19bの端子23及び
固定電極26a,26bをそれぞれ測定回路(図示せ
ず)に接続することにより、これら各電極間の間隙の変
化は静電容量の変化として検出される。
【0013】一方、端子33a,33bを測定回路に接
続し、ボビン29のコイル28に電流を流せばその発生
磁界と、互いに逆極性とされた永久磁石34,35の両
磁界との反発・吸引作用によってボビン29は回動し、
閉塞板30と永久磁石34,35とのそれぞれの間隙は
一方が広くなり、他方が狭くなる。そして、閉塞板30
が回動することにより、これと一体結合されている板状
振子部11も回動し、各電極間の間隙は一方が広くな
り、他方が狭くなる。従って、コイル28に所要の方向
に所要量の電流を流すことによって、加速度aの入力に
より回動した板状振子部11を、加速度入力のない時の
状態に復帰させることができる。
【0014】つまり、この加速度計はX軸方向の加速度
aの入力による板状振子部11の回動を電極19a,2
6a間及び電極19b,26b間の各静電容量の相反す
る変化、即ち一方が増大し、他方が減少することによっ
て検出し、コイル28に電流を流すことによってそれら
静電容量が加速度入力のない時の値になるように板状振
子部11を回動復帰させ、その時コイル28に流してい
る電流を測定することによって、入力加速度aを検出す
る構造とされている。なお、板状振子部11、スペーサ
27及びコイル28が巻回されたボビン29の各重心G
1 ,G2 及びG 3 はいずれも平面S内に位置し、従って
これらの組立体の重心Gも平面S内に位置するため、Y
軸方向の入力加速度に対しては板状振子部11は回動せ
ず、即ち各静電容量は相反する変化をしないため、この
加速度計は動作しない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の加速度計は加速度の入力による板状振子部11の回
動を利用して加速度を検出するものであり、板状振子部
11が良好に回動するように、適当な弾性を有するヒン
ジ部17,18を介して板状振子部11を固定部15,
16に連結していた。
【0016】しかしながら、ヒンジ部17,18上には
前述したように可動電極19a,19b用の導線22や
コイル28用の導線32a,32bが形成されるため、
ヒンジ部17,18はその厚さ方向において異なる材料
が積層された構成となっている。図5はこの構成の一例
を示したものであり、板状振子部11、ヒンジ部17,
18、固定部15,16を形成するシリコン36の表面
に絶縁用のSiO2 膜37が形成され、さらにその上に
密着用のCr膜38を介して導線用のAu膜39が形成
される。
【0017】このようにヒンジ部17,18には絶縁や
配線などのためにヒンジ部17,18の材料と異なる材
料の膜が形成されているため、その膜の熱膨張係数とヒ
ンジ部17,18の熱膨張係数との差により、環境温度
が変化するとヒンジ部17,18にそれぞれ曲げモーメ
ントM1,M2が発生する。ヒンジ部17,18はそれ
ぞれ固定部15,16から同一方向に伸長され、かつ同
様の積層構成とされているため、これら曲げモーメント
M1,M2は例えば図5に矢印で示すように固定端回り
に同一方向となる。そして、ヒンジ部17,18は板状
振子部11の回動中心に対し、一半部側の矩形部20a
の同一平面上に連結されているため、何ら規制されるこ
となく曲げモーメントM1,M2によって同様に湾曲
し、この湾曲による板状振子部11との連結部における
ヒンジ部17,18の同様の傾きによって板状振子部1
1は加速度とは無関係に回動してしまう。つまり、従来
の加速度計は環境温度の変化により電極19a,26a
間及び19b,26b間の静電容量が変化し、加速度計
の出力が環境温度に依存して変化するため、温度特性が
悪いものとなっていた。
【0018】また、SiO2 膜37やAu膜39などの
成膜は例えばスパッタリングなどにより行われ、その成
膜温度は一般に室温より高いため、室温においては、ヒ
ンジ部17,18に曲げモーメントが発生し、それによ
り板状振子部11が回動して加速度計に零点不平衡が発
生するという問題もあった。この発明の目的は従来の問
題点を解消すべく、出力の温度依存性を小さくして温度
特性を改善し、かつ零点不平衡出力を減少させた加速度
計を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明は板状振子部の
両側中央部が、その側縁に沿った長さをもつヒンジ部で
それぞれ固定部に連結され、板状振子部の一面に可動電
極が形成され、その可動電極と対向して固定電極が設け
られた加速度計において、板状振子部の回動中心に対
し、二つのヒンジ部のうち、一方を板状振子部の一半部
側に、他方を板状振子部の他半部側に連結したものであ
る。
【0020】
【作用】上記のように構成されたこの発明では、温度変
化に起因して二つのヒンジ部にそれぞれ発生する曲げモ
ーメントは、互いに板状振子部を逆方向に回動させるよ
うに作用する。
【0021】
【実施例】この発明の一実施例を図1に示す。なお、図
4に示した従来の加速度計と対応する部分については同
一符号を付し、その説明を省略する。この実施例では、
板状振子部41は図1(A)に示すように矩形の対向す
る二辺にそれぞれその中央部を含み、その二辺に沿った
方向に互いにずらされた矩形状の切欠42,43を設け
た板状体とされ、これら切欠42,43は板状振子部4
1の板面の中心に対し、点対称形とされている。
【0022】板状振子部41の板面方向の周囲を囲む矩
形状の枠体44に、板状振子部41の切欠42,43内
における板状振子部41の中央部から互いに反対にずれ
た部分にそれぞれ突出する固定部45,46が一体に形
成される。板状振子部41の両側中央部の切欠42,4
3内に、それぞれその両側中央部の側縁、つまり両切欠
42,43の底部42a,43aに沿った同一長さを有
するヒンジ部47,48が配され、これらヒンジ部4
7,48によって板状振子部41と固定部45,46と
がそれぞれ連結される。
【0023】板状振子部41及びヒンジ部47,48の
形状寸法は、ヒンジ部47,48の長さを2分する、ヒ
ンジ部47,48の板面と垂直な平面S内に、板状振子
部41の重心G1 が位置するように選定されている。従
って、ヒンジ部47は平面Sで2分された板状振子部4
1の一半部側に、ヒンジ部48はその他半部側にそれぞ
れ連結された状態となっている。
【0024】板状振子部41、ヒンジ部47,48及び
固定部45,46が突設された枠体44は、それらの間
隙部分を例えばエッチング除去することにより、矩形状
のシリコン基板から一体形成され、さらにヒンジ部4
7,48は図2に示すようにその厚さ方向にエッチング
されて厚さが薄くされ、弾性変形可能とされる。固定部
45,46及びヒンジ部47,48を介して板状振子部
41を支持する枠体44は図1(B)に示すようにケー
ス24とカバー25との間に挟持される。板状振子部4
1の一面41aにおける平面Sで2分される各半部の互
いの端縁側に矩形状の可動電極49a,49bが、カバ
ー25に設けられている固定電極26a,26bとそれ
ぞれ平行対向するように形成される。
【0025】可動電極49a,49bは板状振子部41
上に形成された導線51により短絡され、さらに板状振
子部41のヒンジ部47が連結されている側の一半部に
形成された可動電極49aからヒンジ部47、固定部4
5を通って枠体44にいたる導線52がこれらの板面上
に形成され、その導線52の枠体44上の端部に端子5
3が形成される。
【0026】板状振子部41の他面41bにコイル28
が巻回されたボビン29がスペーサ27を介して一体に
取付けられる。スペーサ27の重心G2 及びコイル28
が巻回されたボビン29の重心G3 はともに平面S内に
位置される。スペーサ27に形成されているコイル28
引出し用の一対の穴27a、27bとそれぞれ対向する
穴54a,54bが板状振子部41に形成され、これら
穴54a,54bをそれぞれ通ってコイル28の両端が
板状振子部41の一面41a上に導出される。
【0027】板状振子部41の一面41a上には、穴5
4a,54bの近傍にそれぞれ一端を有し、板状振子部
41の可動電極49bが形成されている側の半部、ヒン
ジ部48、固定部46を順次通って枠体44にいたる一
対の導線55a,55bが形成されており、これら導線
55a,55bの一端部にそれぞれコイル28の両端が
接続される。なお、枠体44上に位置する導線55a,
55bの他端部にはそれぞれ端子56a,56bが形成
されている。
【0028】図2はヒンジ部47,48の積層構成を示
したものであり、シリコン36の表面に絶縁用のSiO
2 膜37が形成され、その上に密着用のCr膜38を介
して導線52,55a,55b用のAu膜39が形成さ
れる。次に、上述したように、図4に示した従来の加速
度計とは異なる配置のヒンジ部47,48によって板状
振子部41を支持する構成としたこの発明による加速度
計の板状振子部41の動作を図3を参照して説明する。
なお、図3では板状振子部41、スペーサ27及びコイ
ル28が巻回されたボビン29からなる組立体の重心G
を模式的に示している。
【0029】図3(A)は加速度入力のない状態を示し
たものであり、ヒンジ部47,48の固定部45,46
への固定端F1 ,F2 に対し、Y軸方向にずれた位置に
位置する重心GにX軸方向の加速度aが作用することに
より、ヒンジ部47,48がたわみ、図3(A)におけ
る平面S上に位置するヒンジ部47,48の厚さ方向の
中心線を回動中心Cとして板状振子部41が図3(B)
に示すように回動する。この状態において、ヒンジ部4
7,48はその板状振子部41との連結部がY軸方向に
おいて互いに遠ざかる方向にたわむことによって板状振
子部41を回動させている。
【0030】端子53,56a,56b及び固定電極2
6a,26bをそれぞれ測定回路(図示せず)に接続し
て、板状振子部41の回動を電極49a,26a間及び
49b,26b間の各静電容量の変化として検出し、こ
れら静電容量が加速度入力のない時の値になるようにコ
イル28に電流を流して板状振子部41を回動復帰さ
せ、その時コイル28に流している電流を測定すること
によってX軸方向の入力加速度aが検出される。
【0031】一方、ヒンジ部47,48には前述したよ
うにヒンジ部47,48の材料と異なる材料の膜がそれ
ぞれ形成されているため、環境温度が変化すると各材料
の熱膨張係数の差により、ヒンジ部47,48にそれぞ
れ曲げモーメントM3,M4が発生する。同様の積層構
成とされたヒンジ部47,48において、今、曲げモー
メントM3,M4が例えばAu膜39側が凸になるよう
にヒンジ部47,48を湾曲させるように発生したとす
れば、これら曲げモーメントM3,M4は図2に矢印で
示したように表わすことができる。即ち、曲げモーメン
トM3はヒンジ部47の固定部45との固定端回りに反
時計回り方向となり、曲げモーメントM4はヒンジ部4
8の固定部46との固定端回りに時計回り方向となる。
【0032】つまり、これら曲げモーメントM3,M4
は図3に示した板状振子部41の回動中心C回りに互い
に逆方向となっており、板状振子部41を互いに逆方向
に回動させるように作用するため、それらは相殺され、
結果として環境温度が変化してもヒンジ部47,48は
その湾曲が抑制され、板状振子部41はほとんど回動し
ないことになる。
【0033】さらに、ヒンジ部47,48及びそれらに
形成されるSiO2 膜37を同一形状とし、かつ例えば
導線52の幅と導線55a,55bの幅の和とを等しく
して実質的にヒンジ部47,48のCr膜38、Au膜
39も同一形状とすれば、環境温度の変化により発生す
る曲げモーメントM3,M4は等しくなり、つまり板状
振子部41は環境温度の変化によっては全く回動しない
ものとすることができる。
【0034】このように環境温度が変化してもヒンジ部
47,48が湾曲せず、板状振子部41が回動しないた
めの一般的条件は例えば下式のように表わすことができ
る。ヒンジ部47,48のヤング率をそれぞれE3,E
4、断面二次モーメントをそれぞれI3,I4とし、ヒ
ンジ部47,48上にはそれぞれ一つの膜が形成されて
いるとして、それら膜のヤング率をそれぞれE5,E
6、断面二次モーメントをI5,I6とすると、ヒンジ
部47,48が曲率半径rで曲がる時の曲げモーメント
M3,M4はそれぞれ M3=E3I3/r+E5I5/r M4=E4I4/r+E6I6/r で表わされるため、M3=M4とするために E3I3/r+E5I5/r=E4I4/r+E6I6
/r を満足するように各値を選定すればよいことになる。
【0035】なお、この実施例による加速度計は、板状
振子部41に一体にボビン29を取付け、加速度入力に
より回動した板状振子部41を加速度入力のない状態に
回動復帰させるべく、ボビン29のコイル28に流す電
流を測定することにより、その入力加速度を検出するも
のであるが、このような構成に限らず、例えば可動電極
49a,49bと固定電極26a,26bとの各電極間
の静電容量の変化から直接加速度を検知する構成として
もよい。この場合には、ヒンジ部48へのコイル28用
の導線55a,55bの形成は不要となるが、例えばヒ
ンジ部47に形成される導線52と等しいダミー導線を
ヒンジ部48に形成しておけば、容易に両ヒンジ部4
7,48の曲げモーメントM3,M4を同様の値に合わ
せることができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は板状振
子部の両側中央部を支持する、板状振子部の側縁に沿っ
た長さをもつ二つのヒンジ部のうち一方を板状振子部の
回動中心に対し、板状振子部の一半部側に連結し、他方
をその他半部側に連結することにより、環境温度の変化
によって両ヒンジ部に発生する曲げモーメントを板状振
子部の回動中心に対し、互いに逆方向として相殺させ、
加速度と無関係な板状振子部の回動を防止するものであ
り、従って加速度計の出力の温度依存性を小さくして温
度特性を改善することができる。
【0037】さらに、例えばスパッタリングなどにより
高温下でヒンジ部に導線材料などを成膜した場合に、常
温において両ヒンジ部に発生する曲げモーメントも上記
と同様に相殺されるため、零点不平衡出力を減少させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による加速度計の一実施例を示す図、
(A)はカバーを外した平面図、(B)は(A)のAA
線における全体断面図。
【図2】この発明による加速度計の一実施例におけるヒ
ンジ部の詳細断面図。
【図3】この発明による加速度計の一実施例における板
状振子部の動作を説明するための模式図。
【図4】従来の加速度計を示す図、(A)はカバーを外
した平面図、(B)は(A)のAA線における全体断面
図。
【図5】従来の加速度計のヒンジ部の詳細断面図。
【図6】従来の加速度計における板状振子部の動作を説
明するための模式図。
【符号の説明】
26a,26b 固定電極 41 板状振子部 45,46 固定部 47,48 ヒンジ部 49a,49b 可動電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状振子部の両側中央部が、その側縁に
    沿った長さをもつヒンジ部でそれぞれ固定部に連結さ
    れ、 上記板状振子部の一面に可動電極が形成され、 その可動電極と対向して固定電極が設けられた加速度計
    において、 上記二つのヒンジ部は上記板状振子部の回動中心に対
    し、一方が板状振子部の一半部側に、他方が板状振子部
    の他半部側に連結されていることを特徴とする加速度
    計。
JP19551492A 1992-07-22 1992-07-22 加速度計 Withdrawn JPH0643182A (ja)

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