JPH0642814B2 - チーズ類の製造方法 - Google Patents
チーズ類の製造方法Info
- Publication number
- JPH0642814B2 JPH0642814B2 JP2204465A JP20446590A JPH0642814B2 JP H0642814 B2 JPH0642814 B2 JP H0642814B2 JP 2204465 A JP2204465 A JP 2204465A JP 20446590 A JP20446590 A JP 20446590A JP H0642814 B2 JPH0642814 B2 JP H0642814B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aging
- lactic acid
- cheese
- pressure
- conditions
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23C—DAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
- A23C20/00—Cheese substitutes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23C—DAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
- A23C19/00—Cheese; Cheese preparations; Making thereof
- A23C19/02—Making cheese curd
- A23C19/032—Making cheese curd characterised by the use of specific microorganisms, or enzymes of microbial origin
- A23C19/0323—Making cheese curd characterised by the use of specific microorganisms, or enzymes of microbial origin using only lactic acid bacteria, e.g. Pediococcus and Leuconostoc species; Bifidobacteria; Microbial starters in general
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23C—DAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
- A23C19/00—Cheese; Cheese preparations; Making thereof
- A23C19/06—Treating cheese curd after whey separation; Products obtained thereby
- A23C19/063—Addition of, or treatment with, enzymes or cell-free extracts of microorganisms
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23C—DAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
- A23C19/00—Cheese; Cheese preparations; Making thereof
- A23C19/14—Treating cheese after having reached its definite form, e.g. ripening, smoking
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23C—DAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
- A23C2210/00—Physical treatment of dairy products
- A23C2210/15—High pressure treatment
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Dairy Products (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕 この発明は、チーズ類の製造に関し、特に長期間を要す
る熟成工程を短縮する方法に関する。 〔従来の技術〕 (1) 発明の背景 近年、食生活の洋風化に伴い、チーズ類は様々な形で食
品に利用され、その使用量は増加の一途を辿っている。
又、チーズ類には様々は種類があり、その製造方法も多
種多様である。それら多種多様なチーズ類の製造方法に
共通する欠点として、熟成期間が非常に長いことが挙げ
られる。熟成は、チーズ類の風味、組織等を醸成するの
に要するもので、乳酸菌、酵素等の存在下で行い、通常
は短いもので数週間から半年、特に長いものでは1年或
はそれ以上の期間を必要としていた。この長い熟成期間
中に、添加した乳酸菌或は酵素等の働きによって徐々に
熟成が進行し、調和のとれた風味及び組織が形成されて
いる。この風味及び組織の形成は、前記の熟成時間、菌
及び酵素の種類及び添加量、更には、温湿度条件等に影
響され、各種チーズに種々独特のものが造り出されてい
る。そして、各品種間或は産地間に独特な伝統が造られ
ている。 (2) 従来技術の問題点 しかし、各種チーズの製造に於いて、前記した様に熟成
した長期間を必要とすることが、その製造コストを上昇
させ或は需要の変化への対応が遅れること等の問題があ
った。 即ち、数週間も甚だしい場合は1年を越えて熟成するこ
とによって、原料の金利、熟成に要する場所の確保、及
び熟成条件のコントロール等に多額の費用及び人手を必
要とし、その結果チーズ類の製造コストを上昇させてい
た。従って、チーズ類の製造、特に大量生産を行おうと
する時、この熟成時間を短縮することが熱望されるので
ある。 その為、この熟成期間を短縮する試みが幾つか成されて
いる。例えば、特公昭56-29973号では、スターターの改
良によって数ケ月要していた熟成期間を3〜4週間に短
縮している。又、特公昭56-38169号では水分を上昇させ
ることによって醗酵期間を10日間に短縮している。更
に、公表特許昭63-502877号では、熟成の一部期間を電
界中に置くことで熟成期間を約4週間に短縮できること
を示唆している。 しかし、何れの方法でも、依然として10日以上の熟成期
間が必要であること、特公昭56-38169号の場合は液状チ
ーズの場合にしか適用されないこと等画期的な時間短縮
の熟成方法と言えるものではなかった。 更に、この様な液状チーズは微生物的に不安定で、屡々
オフフレーバー等の好ましくないフレーバーを発生した
り、苦味等の発生で味のバランスを悪くなりやすいもの
であった。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、上記の熟成時間を大幅に短縮し、しかも、チ
ーズ類の風味、組織等が充分に満足できる熟成状態のも
のを製造する方法を提供することを目的とする。
る熟成工程を短縮する方法に関する。 〔従来の技術〕 (1) 発明の背景 近年、食生活の洋風化に伴い、チーズ類は様々な形で食
品に利用され、その使用量は増加の一途を辿っている。
又、チーズ類には様々は種類があり、その製造方法も多
種多様である。それら多種多様なチーズ類の製造方法に
共通する欠点として、熟成期間が非常に長いことが挙げ
られる。熟成は、チーズ類の風味、組織等を醸成するの
に要するもので、乳酸菌、酵素等の存在下で行い、通常
は短いもので数週間から半年、特に長いものでは1年或
はそれ以上の期間を必要としていた。この長い熟成期間
中に、添加した乳酸菌或は酵素等の働きによって徐々に
熟成が進行し、調和のとれた風味及び組織が形成されて
いる。この風味及び組織の形成は、前記の熟成時間、菌
及び酵素の種類及び添加量、更には、温湿度条件等に影
響され、各種チーズに種々独特のものが造り出されてい
る。そして、各品種間或は産地間に独特な伝統が造られ
ている。 (2) 従来技術の問題点 しかし、各種チーズの製造に於いて、前記した様に熟成
した長期間を必要とすることが、その製造コストを上昇
させ或は需要の変化への対応が遅れること等の問題があ
った。 即ち、数週間も甚だしい場合は1年を越えて熟成するこ
とによって、原料の金利、熟成に要する場所の確保、及
び熟成条件のコントロール等に多額の費用及び人手を必
要とし、その結果チーズ類の製造コストを上昇させてい
た。従って、チーズ類の製造、特に大量生産を行おうと
する時、この熟成時間を短縮することが熱望されるので
ある。 その為、この熟成期間を短縮する試みが幾つか成されて
いる。例えば、特公昭56-29973号では、スターターの改
良によって数ケ月要していた熟成期間を3〜4週間に短
縮している。又、特公昭56-38169号では水分を上昇させ
ることによって醗酵期間を10日間に短縮している。更
に、公表特許昭63-502877号では、熟成の一部期間を電
界中に置くことで熟成期間を約4週間に短縮できること
を示唆している。 しかし、何れの方法でも、依然として10日以上の熟成期
間が必要であること、特公昭56-38169号の場合は液状チ
ーズの場合にしか適用されないこと等画期的な時間短縮
の熟成方法と言えるものではなかった。 更に、この様な液状チーズは微生物的に不安定で、屡々
オフフレーバー等の好ましくないフレーバーを発生した
り、苦味等の発生で味のバランスを悪くなりやすいもの
であった。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、上記の熟成時間を大幅に短縮し、しかも、チ
ーズ類の風味、組織等が充分に満足できる熟成状態のも
のを製造する方法を提供することを目的とする。
(1) 概念 そこで本発明者は、菌の増殖が圧力の上昇と共に減少
し、超高圧下では菌が死滅してしまうことに着目し、圧
力のコントロールで、特定の菌の作用効果をコントロー
ルできる知見を得、この知見の応用のために更に検討を
続けて本発明を完成するに至った。 (2) 概要 本発明に係るチーズ類の熟成方法は、乳酸菌及び必要に
応じて酵素の存在下でチーズ類を熟成する際に、100〜2
500kg/cm2の加圧下で行うことを特徴とする。 以下、発明の構成に関する主要事項につき項分けして説
明する。 (3) チーズ類の種類と製造方法 ここで、本発明が適用できるチーズ類は、特に限定され
るものではなく、嫌気的条件下で熟成されチーズ風味を
醸成するものであれば何れにも適用され、特に熟成時間
が長いことを問題視されるものに有利である。 例えば、原料的には乳を原料としてホエーを分離後熟成
する伝統的なチーズ類であっても良いし、油脂分として
乳脂肪や植物性油脂、蛋白分として脱脂乳や植物性蛋白
質を主原料としたチーズ様乳化物を熟成する所謂イミテ
ーションチーズであっても良い。 一般に、チーズ類の製造は、原料乳を加熱殺菌する調製
工程、乳酸菌等のスターターを添加する工程、凝固剤の
レンネット等を添加する凝固工程、ホエーの排除を含め
た凝乳の切断、攪拌、加温及び加塩等のカード処理工
程、加圧成型工程、パラフィン塗布等の被覆工程、及
び、熟成工程等から成っている。 これらの工程中、ホエーの排除は、圧搾による伝統的な
方法、限外濾過法を用いる近代的方法、更には、一般に
イミテーションチーズと言われるホエーの排除を行なわ
ずにチーズ類食品を得る方法等がある。これら何れの方
法を用いたものであっても、本発明の熟成方法は適用さ
れ、熟成時間の短縮に大きな効果を発揮するのである。 (4) 加圧条件 本発明に於ける熟成中の加圧は、100〜2500kg/cm2の範
囲が好ましい。圧力が100kg/cm2未満の場合は、熟成コ
ントロールの効果が少なく、又2500kg/cm2を越えると添
加した乳酸菌の活性が極端に低下し、熟成促進に繋がら
ないので望ましくない。 加圧方法としては、水を張った耐圧容器にチーズ原料を
合成樹脂フィルム等から成る耐水性容器に真空パック状
に封入したものを入れ、該耐圧容器の一部にシリンダー
状加圧部を付設し、このシリンダー内のピストンで耐圧
容器内を加圧することによってなし得る。ピストンの加
圧は、通常油圧によるが、圧力が比較的低い場合は荷重
を掛ける方法も用いることができる。 (5) 乳酸菌条件 チーズ原料に添加する乳酸菌は、通常の製造方法で用い
る菌数より多くするのが好ましい。例えば、通常はチー
ズ原料固形分1gに対して約106個程度添加されるが、
本発明では、その10倍以上の1g当たり107個以上存在
することが好ましい。これは、高圧下では添加された乳
酸菌の増殖が抑えられるためで、高圧下での熟成を促進
するのにこの程度の乳酸菌の添加が必要である。 上述したように、乳酸菌は加圧熟成する段階で原料固形
分1g当たり107個以上存在することが望ましいが、そ
の添加方法としては通常の乳酸菌を遠心分離機等で10倍
以上に濃縮し、熟成直前に添加しても良いし、通常に添
加した乳酸菌をカード分離までに増殖させて、原料固形
分1g当たり107個以上とする方法を用いても良い。 添加する乳酸菌の種類としては、通常のチーズ類の製造
に用いられるものであれば何れでも良い。例えば、Stre
ptococcus lactis,Str.thermophilus,Str.durans,Str.f
aecalis,Lactobacillus bulgaricus,Lact.casei等が用
いられる。これらの乳酸菌の耐熱性は様々であるが、本
発明の高圧下の熟成では、乳酸菌の活性は温度条件より
も圧力条件の影響を著しく受けるので、乳酸菌が失活し
ない温度であれば熟成温度としては特に限定されない。
熟成に用いる菌の至適温度付近に温度が制御されれば目
的は達せられる。 (6) 酵素条件 上記の乳酸菌の添加に加えて、必要に応じてプロテアー
ゼ、リパーゼ等の酵素が併用される。酵素も通常のリー
ズ類に用いられるものであれば、特にその起源が限定さ
れるものではない。酵素としては、これらの酵素の外に
乳酸菌が持っている酵素が加わり、乳酸菌そのものの作
用と相俟って独特のチーズ風味と組織が形成される。 (7) 熟成条件 前記する各種チーズは、圧力条件、乳酸菌条件、及び酵
素条件等が決められて熟成されるのであるが、これら以
外の熟成条件として、温度条件、pH条件、水分条件、及
び添加塩濃度条件等がある。これらの条件に付いても本
発明では特に限定は必要なく、通常のチーズ類の製造に
用いられる条件ではもちろん、乳酸菌の活動が停止しな
い範囲であれば適用できる。 本発明の熟成条件としては、上記の各条件を満たすこと
により、熟成時間を極端に短縮することができる。例え
ば、チェダータイプのチーズは6ケ月の熟成期間を必要
としていたが、本発明の方法によると3日間の熟成で同
等のものを得ることができる。 〔作用〕 チーズ類の熟成に対する阻害因子として最も大きいの
は、雑菌の繁殖である。この雑菌の繁殖を制御するの
に、原料を殺菌するのは勿論のこと、水分、pH、塩分、
温度等をコントロールしている。これらのコントロール
で、雑菌の繁殖を抑えながら有用菌である乳酸菌が作用
する条件を作り出し、その結果、極めて長時間を掛けて
ゆっくりと熟成が行われる。本発明では、この雑菌の繁
殖の制御を上記諸条件に換えて主として圧力によって行
うものであり、特に圧力による制御が加わることによっ
て他の制御条件を著しく緩和にすることができるのであ
る。 一般に、高圧下での各種菌の増殖は圧力の上昇と共に弱
まり、圧力を制御することによって菌の作用をコントロ
ールすことができる。本発明はこの制御作用を応用する
もので、過剰の乳酸菌の存在下で、高圧且つ短時間に熟
成することによって雑菌の増殖を抑えて乳酸菌のみ作用
させて目的とする熟成を行うことができるのである。そ
の結果、任意の水分、pH、塩分、温度で熟成が可能にな
り、低塩チーズを作ったり、熟成促進の為に系の温度を
上昇させることができ、有利に熟成することができるの
である。 この高圧且つ短時間の熟成によって、添加した酵素と乳
酸菌が持っている酵素の作用が乳酸菌の作用と相俟って
好便にチーズ類の原料に作用し、熟成が促進される。ま
た、本発明は高圧下で行うことにより、その作用速度が
数段に迅速化され、極めて短時間で熟成を完了すること
ができ、目的とする風味、組織を醸成することができ
る。 〔実施例〕 以下実施例で本発明を説明する。 実施例1、比較例1 原料乳(脂肪率3.1%)100部を75℃で15秒間殺菌し、30
℃に冷却後乳酸菌スターター(ハンセン社製BDスタータ
ー:菌濃度15×108個/g)を1.5部、塩化カルシウム0.
1部、及びレンネット(液状:デイリーランドフードラ
ボラトリー製)を0.003部添加して凝乳カードを得た。
このカードを大豆大にカッテングし、攪拌後約3分の1
量のホエーを排除し、対いで40℃に加温し90分間醗酵さ
せて後残存ホエーのほぼ全量を排除してカードを得る。
得られたカードをチェダーリングし、ミリングして後精
製塩3部を添加し均一に攪拌混和し、型詰め、予備圧搾
後5kg/cm2で1昼夜本圧搾する。圧搾カードを一辺10cm
の立方体に切断してポリエチレン製の袋に入れ真空に密
封する。このものを水温25℃の水を張った耐圧容器に入
れて第1表に記載する加圧状態(kg/cm2)で3日間熟成
する。 得られたチェダータイプチーズの品質を総アミノ酸含量
(mg/g)、及び風味で比較した。 尚、比較の為、市販のチェダーチーズ(6ケ月熟成品)
と実施例1と同様にして熟成を常圧で行ったもの(比較
例1)の各々の値を併記した。 実施例2、比較例2 実施例1と同様に調製して得られたカードに精製塩3部
を添加する時、同時にリパーーゼとしてイタラーゼ(デ
ーリランドフードラボラトリー社製)を0.1部及びプロ
テアーゼとしてプロチンFN(大和化成社製)を0.2部を
添加する以外は実施例1で500kg/cm2の圧力をかけて熟
成したものと全く同様にパルメザン風味のチーズを得、
実施例1と同様に品質等を比較し、第2表に記載する。 尚、比較の為、市販のパルメザンチーズ(熟成12ケ月)
及び実施例2と同様にして熟成を常圧で行ったもの(比
較例2)の各々の値を併記した。 実施例3、比較例3 乳脂肪16部、ナトリウムカゼイン15部、脱脂粉乳1部、
水68部、食塩3部、酵母エキス0.2部、第2リン酸Na(12
H2O)0.5部、レシチン0.1部を加え、攪拌−乳化後80℃で
10分間加熱殺菌し、35℃まで冷却してペースト状の乳化
物を得た。 この乳化物に対して乳酸菌スターター(ハンセン社製BD
スターター:菌濃度20×108個/g)を1.5部、プロチン
FN(大和化成社製)0.05部、イタラーゼ0.05部を添加
し、ポリエチレン製の袋に充填した後、700kg/cm2で3
日間熟成した。 比較の為に、実施例3と同様にしてポリエチレン製袋に
充填後、大気圧下で3日間熟成したもの(比較例3)の
特性とを第3表に記載する。
し、超高圧下では菌が死滅してしまうことに着目し、圧
力のコントロールで、特定の菌の作用効果をコントロー
ルできる知見を得、この知見の応用のために更に検討を
続けて本発明を完成するに至った。 (2) 概要 本発明に係るチーズ類の熟成方法は、乳酸菌及び必要に
応じて酵素の存在下でチーズ類を熟成する際に、100〜2
500kg/cm2の加圧下で行うことを特徴とする。 以下、発明の構成に関する主要事項につき項分けして説
明する。 (3) チーズ類の種類と製造方法 ここで、本発明が適用できるチーズ類は、特に限定され
るものではなく、嫌気的条件下で熟成されチーズ風味を
醸成するものであれば何れにも適用され、特に熟成時間
が長いことを問題視されるものに有利である。 例えば、原料的には乳を原料としてホエーを分離後熟成
する伝統的なチーズ類であっても良いし、油脂分として
乳脂肪や植物性油脂、蛋白分として脱脂乳や植物性蛋白
質を主原料としたチーズ様乳化物を熟成する所謂イミテ
ーションチーズであっても良い。 一般に、チーズ類の製造は、原料乳を加熱殺菌する調製
工程、乳酸菌等のスターターを添加する工程、凝固剤の
レンネット等を添加する凝固工程、ホエーの排除を含め
た凝乳の切断、攪拌、加温及び加塩等のカード処理工
程、加圧成型工程、パラフィン塗布等の被覆工程、及
び、熟成工程等から成っている。 これらの工程中、ホエーの排除は、圧搾による伝統的な
方法、限外濾過法を用いる近代的方法、更には、一般に
イミテーションチーズと言われるホエーの排除を行なわ
ずにチーズ類食品を得る方法等がある。これら何れの方
法を用いたものであっても、本発明の熟成方法は適用さ
れ、熟成時間の短縮に大きな効果を発揮するのである。 (4) 加圧条件 本発明に於ける熟成中の加圧は、100〜2500kg/cm2の範
囲が好ましい。圧力が100kg/cm2未満の場合は、熟成コ
ントロールの効果が少なく、又2500kg/cm2を越えると添
加した乳酸菌の活性が極端に低下し、熟成促進に繋がら
ないので望ましくない。 加圧方法としては、水を張った耐圧容器にチーズ原料を
合成樹脂フィルム等から成る耐水性容器に真空パック状
に封入したものを入れ、該耐圧容器の一部にシリンダー
状加圧部を付設し、このシリンダー内のピストンで耐圧
容器内を加圧することによってなし得る。ピストンの加
圧は、通常油圧によるが、圧力が比較的低い場合は荷重
を掛ける方法も用いることができる。 (5) 乳酸菌条件 チーズ原料に添加する乳酸菌は、通常の製造方法で用い
る菌数より多くするのが好ましい。例えば、通常はチー
ズ原料固形分1gに対して約106個程度添加されるが、
本発明では、その10倍以上の1g当たり107個以上存在
することが好ましい。これは、高圧下では添加された乳
酸菌の増殖が抑えられるためで、高圧下での熟成を促進
するのにこの程度の乳酸菌の添加が必要である。 上述したように、乳酸菌は加圧熟成する段階で原料固形
分1g当たり107個以上存在することが望ましいが、そ
の添加方法としては通常の乳酸菌を遠心分離機等で10倍
以上に濃縮し、熟成直前に添加しても良いし、通常に添
加した乳酸菌をカード分離までに増殖させて、原料固形
分1g当たり107個以上とする方法を用いても良い。 添加する乳酸菌の種類としては、通常のチーズ類の製造
に用いられるものであれば何れでも良い。例えば、Stre
ptococcus lactis,Str.thermophilus,Str.durans,Str.f
aecalis,Lactobacillus bulgaricus,Lact.casei等が用
いられる。これらの乳酸菌の耐熱性は様々であるが、本
発明の高圧下の熟成では、乳酸菌の活性は温度条件より
も圧力条件の影響を著しく受けるので、乳酸菌が失活し
ない温度であれば熟成温度としては特に限定されない。
熟成に用いる菌の至適温度付近に温度が制御されれば目
的は達せられる。 (6) 酵素条件 上記の乳酸菌の添加に加えて、必要に応じてプロテアー
ゼ、リパーゼ等の酵素が併用される。酵素も通常のリー
ズ類に用いられるものであれば、特にその起源が限定さ
れるものではない。酵素としては、これらの酵素の外に
乳酸菌が持っている酵素が加わり、乳酸菌そのものの作
用と相俟って独特のチーズ風味と組織が形成される。 (7) 熟成条件 前記する各種チーズは、圧力条件、乳酸菌条件、及び酵
素条件等が決められて熟成されるのであるが、これら以
外の熟成条件として、温度条件、pH条件、水分条件、及
び添加塩濃度条件等がある。これらの条件に付いても本
発明では特に限定は必要なく、通常のチーズ類の製造に
用いられる条件ではもちろん、乳酸菌の活動が停止しな
い範囲であれば適用できる。 本発明の熟成条件としては、上記の各条件を満たすこと
により、熟成時間を極端に短縮することができる。例え
ば、チェダータイプのチーズは6ケ月の熟成期間を必要
としていたが、本発明の方法によると3日間の熟成で同
等のものを得ることができる。 〔作用〕 チーズ類の熟成に対する阻害因子として最も大きいの
は、雑菌の繁殖である。この雑菌の繁殖を制御するの
に、原料を殺菌するのは勿論のこと、水分、pH、塩分、
温度等をコントロールしている。これらのコントロール
で、雑菌の繁殖を抑えながら有用菌である乳酸菌が作用
する条件を作り出し、その結果、極めて長時間を掛けて
ゆっくりと熟成が行われる。本発明では、この雑菌の繁
殖の制御を上記諸条件に換えて主として圧力によって行
うものであり、特に圧力による制御が加わることによっ
て他の制御条件を著しく緩和にすることができるのであ
る。 一般に、高圧下での各種菌の増殖は圧力の上昇と共に弱
まり、圧力を制御することによって菌の作用をコントロ
ールすことができる。本発明はこの制御作用を応用する
もので、過剰の乳酸菌の存在下で、高圧且つ短時間に熟
成することによって雑菌の増殖を抑えて乳酸菌のみ作用
させて目的とする熟成を行うことができるのである。そ
の結果、任意の水分、pH、塩分、温度で熟成が可能にな
り、低塩チーズを作ったり、熟成促進の為に系の温度を
上昇させることができ、有利に熟成することができるの
である。 この高圧且つ短時間の熟成によって、添加した酵素と乳
酸菌が持っている酵素の作用が乳酸菌の作用と相俟って
好便にチーズ類の原料に作用し、熟成が促進される。ま
た、本発明は高圧下で行うことにより、その作用速度が
数段に迅速化され、極めて短時間で熟成を完了すること
ができ、目的とする風味、組織を醸成することができ
る。 〔実施例〕 以下実施例で本発明を説明する。 実施例1、比較例1 原料乳(脂肪率3.1%)100部を75℃で15秒間殺菌し、30
℃に冷却後乳酸菌スターター(ハンセン社製BDスタータ
ー:菌濃度15×108個/g)を1.5部、塩化カルシウム0.
1部、及びレンネット(液状:デイリーランドフードラ
ボラトリー製)を0.003部添加して凝乳カードを得た。
このカードを大豆大にカッテングし、攪拌後約3分の1
量のホエーを排除し、対いで40℃に加温し90分間醗酵さ
せて後残存ホエーのほぼ全量を排除してカードを得る。
得られたカードをチェダーリングし、ミリングして後精
製塩3部を添加し均一に攪拌混和し、型詰め、予備圧搾
後5kg/cm2で1昼夜本圧搾する。圧搾カードを一辺10cm
の立方体に切断してポリエチレン製の袋に入れ真空に密
封する。このものを水温25℃の水を張った耐圧容器に入
れて第1表に記載する加圧状態(kg/cm2)で3日間熟成
する。 得られたチェダータイプチーズの品質を総アミノ酸含量
(mg/g)、及び風味で比較した。 尚、比較の為、市販のチェダーチーズ(6ケ月熟成品)
と実施例1と同様にして熟成を常圧で行ったもの(比較
例1)の各々の値を併記した。 実施例2、比較例2 実施例1と同様に調製して得られたカードに精製塩3部
を添加する時、同時にリパーーゼとしてイタラーゼ(デ
ーリランドフードラボラトリー社製)を0.1部及びプロ
テアーゼとしてプロチンFN(大和化成社製)を0.2部を
添加する以外は実施例1で500kg/cm2の圧力をかけて熟
成したものと全く同様にパルメザン風味のチーズを得、
実施例1と同様に品質等を比較し、第2表に記載する。 尚、比較の為、市販のパルメザンチーズ(熟成12ケ月)
及び実施例2と同様にして熟成を常圧で行ったもの(比
較例2)の各々の値を併記した。 実施例3、比較例3 乳脂肪16部、ナトリウムカゼイン15部、脱脂粉乳1部、
水68部、食塩3部、酵母エキス0.2部、第2リン酸Na(12
H2O)0.5部、レシチン0.1部を加え、攪拌−乳化後80℃で
10分間加熱殺菌し、35℃まで冷却してペースト状の乳化
物を得た。 この乳化物に対して乳酸菌スターター(ハンセン社製BD
スターター:菌濃度20×108個/g)を1.5部、プロチン
FN(大和化成社製)0.05部、イタラーゼ0.05部を添加
し、ポリエチレン製の袋に充填した後、700kg/cm2で3
日間熟成した。 比較の為に、実施例3と同様にしてポリエチレン製袋に
充填後、大気圧下で3日間熟成したもの(比較例3)の
特性とを第3表に記載する。
本発明は、以上述べた通り、高圧下でチーズ類を熟成す
ることにより、極めて短時間に目的とする風味及び組織
の醸成を可能とした。その結果、従来法では長期間の熟
成によって製造コストが上昇しこと、並びに需給のバラ
ンスを調整困難であったことを一挙に解決することがで
きた。
ることにより、極めて短時間に目的とする風味及び組織
の醸成を可能とした。その結果、従来法では長期間の熟
成によって製造コストが上昇しこと、並びに需給のバラ
ンスを調整困難であったことを一挙に解決することがで
きた。
Claims (3)
- 【請求項1】乳酸菌及び必要に応じて酵素の存在下でチ
ーズ類を熟成する際に、100〜2500kg/cm2の加圧下で行
うことを特徴とするチーズ類の製造方法。 - 【請求項2】乳酸菌が熟成開始時にチーズ類原料固形分
1g当たり107個以上含ませる請求項1記載の方法。 - 【請求項3】酵素がリパーゼ及び/又はプロテアーゼで
ある請求項1記載の方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2204465A JPH0642814B2 (ja) | 1990-07-31 | 1990-07-31 | チーズ類の製造方法 |
US07/737,232 US5180596A (en) | 1990-07-31 | 1991-07-29 | Method for ripening cheese under high pressure |
EP91306976A EP0469857B1 (en) | 1990-07-31 | 1991-07-30 | Method for accelerating cheese ripening |
DK91306976.1T DK0469857T3 (da) | 1990-07-31 | 1991-07-30 | Fremgangsmåde til accelerering af modningen af ost |
DE91306976T DE69101093T2 (de) | 1990-07-31 | 1991-07-30 | Verfahren zur Beschleunigung des Reifens von Käse. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2204465A JPH0642814B2 (ja) | 1990-07-31 | 1990-07-31 | チーズ類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0488946A JPH0488946A (ja) | 1992-03-23 |
JPH0642814B2 true JPH0642814B2 (ja) | 1994-06-08 |
Family
ID=16490988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2204465A Expired - Fee Related JPH0642814B2 (ja) | 1990-07-31 | 1990-07-31 | チーズ類の製造方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5180596A (ja) |
EP (1) | EP0469857B1 (ja) |
JP (1) | JPH0642814B2 (ja) |
DE (1) | DE69101093T2 (ja) |
DK (1) | DK0469857T3 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20060134298A1 (en) * | 2002-11-20 | 2006-06-22 | Keith Johnston | Dairy product and process |
JPWO2004047543A1 (ja) * | 2002-11-28 | 2006-03-23 | 明治乳業株式会社 | 機能性食品及び機能性食品の製造方法 |
US8703217B2 (en) * | 2006-03-31 | 2014-04-22 | Kraft Foods Group Brands Llc | Methods for rapid production and usage of biogenerated flavors |
US20110151054A1 (en) * | 2009-12-23 | 2011-06-23 | John Kieran Brody | Reduced Sodium Natural Cheese And Method Of Manufacturing |
IN2012DN06608A (ja) * | 2010-02-16 | 2015-10-23 | Meiji Co Ltd | |
CN201712857U (zh) | 2010-05-10 | 2011-01-19 | S.C.约翰逊父子公司 | 用于挥发性材料的散发装置及其壳体和散发片 |
NL2005932C2 (en) * | 2010-12-29 | 2012-07-02 | Friesland Brands Bv | Method of making cheese. |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59210873A (ja) * | 1983-05-12 | 1984-11-29 | Reiji Futaki | 高圧滅菌法 |
JPS6266862A (ja) * | 1985-09-19 | 1987-03-26 | 株式会社神戸製鋼所 | 高圧液体殺菌装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1984001268A1 (en) * | 1982-10-06 | 1984-04-12 | Commw Scient Ind Res Org | Hard cheese from milk concentrate |
FR2592279B1 (fr) * | 1985-12-30 | 1991-06-14 | Nestle Sa | Procede de fabrication de fromages |
-
1990
- 1990-07-31 JP JP2204465A patent/JPH0642814B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1991
- 1991-07-29 US US07/737,232 patent/US5180596A/en not_active Expired - Lifetime
- 1991-07-30 DE DE91306976T patent/DE69101093T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1991-07-30 EP EP91306976A patent/EP0469857B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1991-07-30 DK DK91306976.1T patent/DK0469857T3/da active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59210873A (ja) * | 1983-05-12 | 1984-11-29 | Reiji Futaki | 高圧滅菌法 |
JPS6266862A (ja) * | 1985-09-19 | 1987-03-26 | 株式会社神戸製鋼所 | 高圧液体殺菌装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5180596A (en) | 1993-01-19 |
EP0469857A1 (en) | 1992-02-05 |
DK0469857T3 (da) | 1994-03-14 |
DE69101093D1 (de) | 1994-03-10 |
DE69101093T2 (de) | 1994-05-05 |
JPH0488946A (ja) | 1992-03-23 |
EP0469857B1 (en) | 1994-01-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6495187B1 (en) | Method for the use of isolated soy protein in the production of fresh, unripened cheese analogs and cheese analogs | |
US5080913A (en) | Process for preparing low fat cheese | |
CN107205414B (zh) | 用于制作奶酪类食品,特别是奶酪、奶酪特制品或奶酪替代品的方法 | |
US7041323B2 (en) | Method for providing a cheese by adding a lactic acid bacterial starter culture to the cheese curd | |
AU736275B2 (en) | Method for the manufacture of cheese, quark and yogurt products from soybeans | |
JPH0642814B2 (ja) | チーズ類の製造方法 | |
Stanley | Microbiology of fermented milk products | |
Chandan et al. | Principles of cheese technology | |
US4362749A (en) | Spreadable cheese having characteristics of crescenza cheese | |
US4851237A (en) | Process for manufacturing cheeses from milk powder by cold renneting | |
EP2324716A2 (en) | Method for preparing a semi-hard or hard cheese, and cheese thus obtained | |
EP0105566B1 (en) | A process for preparing food products having the character of cheese and products resembling cheese | |
EP0150743B1 (en) | Enzyme preparation for accelerating the aging process of cheese | |
US3365303A (en) | Preparation of blue cheese by adding to the cheese milk a blue cheese mold and ripening the curd in a divided condition | |
JP2001299211A (ja) | チーズ及びチーズフレーバー | |
EP0159303A2 (en) | Method for manufacturing cheese having a reduced ripening time | |
JP7254174B2 (ja) | ペニシリウム・カメンベルティの新規な菌株 | |
RU2269909C2 (ru) | Способ производства вкусоароматической добавки со вкусом и ароматом сыров с высокой температурой второго нагревания | |
KR101395656B1 (ko) | 유청분말과 두부순물분말을 첨가한 치즈 및 이의 제조방법 | |
EP1278426A2 (en) | Method for providing a cheese by adding a lactic acid bacterial starter culture to the cheese curd | |
AU2001252113A1 (en) | Method for providing a cheese by adding a lactic acid bacterial starter culture to the cheese curd | |
WO2001015541A1 (en) | Cheese composition of the quark type, and method for preparing fresh low-fat cheese | |
KR20240000825A (ko) | 유청분말을 첨가한 치즈 | |
MXPA00005300A (en) | Method for making a mozzarella type cheese | |
HU195083B (en) | Method for producing dietetic cheese poor in sodium |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |