JPH0642533U - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動パワーステアリング装置の電気回路、特
に短絡検出回路部分の小型，軽量化。 【構成】 バッテリ１から電動機６へ連なる導体20の中
途の電位と、電動機以外へ連なる導体30の電位とを検出
し、両電位を比較器15で比較し、その出力に基づき短絡
の発生を検出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電動パワーステアリング装置に関し、特に電動機及び電動機駆動回路 の短絡検出回路を改善した電動パワーステアリング装置を提案するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図１は従来の電動パワーステアリング装置の電気回路構成を示す概略ブロック 図である。図示しない操舵軸に設けたトルクセンサ２及び車速センサ３の検出信 号は制御回路４へ入力され、ここでそのトルク、車速で必要とする助勢力に見合 うPWM 信号波が作成されパワートランジスタをブリッジ接続してなる駆動回路５ をこのPWM 波でスイッチングし、電動機６を所要の方向へ所要のデューティで回 転させる。バッテリ１から電動機６の駆動回路５への導体中途には駆動電流検出 用の抵抗７が設けられており、その両端電圧を駆動電流情報として制御回路４へ 入力するようになっている。駆動回路５，電動機６に短絡が生じた場合抵抗７を 流れる電流が増大するから、制御回路４はこれを検出して駆動回路５への給電回 路に設けたフェイルリレーを作動させ、給電を断つようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

電動機駆動電流は数十アンペアと制御回路４その他のバッテリ１負荷に比して 大きく、短絡時にはより一層大きくなるので抵抗７は熱容量が大きいものを用い る必要があり、高価につくと共に電気回路の小型，軽量化の妨げとなっていた。 本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、小さい熱容量の抵抗で短絡 を検出できるようにした電動パワーステアリング装置を提供することを目的とす る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る電動パワーステアリング装置は、操舵力助勢用の電動機をバッテ リで駆動するようにしてある電動パワーステアリング装置において、バッテリと 電動機とを接続する導体の中途の電位を検出する回路と、前記バッテリに接続さ れ、前記電動機に連ならない導体の電位を検出する回路と、両検出電位を比較す る比較器とを備え、比較器の出力に基づき電動機側回路の短絡を検出すべくなし てあることを特徴とする。

【０００５】

【作用】

電動機側で短絡が生じるとこれに給電する導体の中途の電位は大きく上昇（又 は下降）する。一方他導体の中途の電位はこの変化とは無関係である。従って比 較器出力に基づき短絡の発生を検出できる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案をその実施例を示す図面に基づいて詳述する。 図２は本考案の電動パワーステアリング装置の電気回路の概略ブロック図であ る。 バッテリ１の正極と駆動回路５とはフェイルリレー８を介して接続されており 、バッテリ１の正極からフェイルリレー８に至る導体20の中途に抵抗13,14 の直 列回路の一端が接続され他端が接地されている。バッテリ１から抵抗13までの導 体20の抵抗をＲ_pHで表してある。

【０００７】 一方バッテリ１の正極から制御回路４等、電動機６以外の負荷へ給電する導体 30の中途には抵抗11,12 の直列回路の一端が接続され他端が接地されている。導 体30のバッテリ１から抵抗11までの抵抗をＲ_sHで表している。抵抗11,12 の接続 点及び抵抗13,14 の接続点は比較器15の−, ＋入力端子に各接続されており、比 較器15の出力は制御回路４へ与えられている。その他２，３はトルクセンサ、車 速センサを夫々示している。

【０００８】 抵抗11,12,13,14 の値は抵抗12,14 を通して流れる電流が微小であるように大 きな値のものを用いる。また夫々の抵抗値をＲ₁ ，Ｒ₂ ，Ｒ₃ ，Ｒ₄ とすると例 えば

【０００９】

【数１】

【００１０】 のように設定しておく。導体30側の電流ｉ_s は比較的変動が少ない。これに対し て導体20側の電流ｉ_p は操舵助勢状況によって変化する。上述のような抵抗値設 定で、正常時のｉ_p の変化では比較器15の＋入力端子側電圧 (抵抗14の端子電圧 ) が比較器15の−入力端子電圧 (抵抗12の端子電圧) よりも高いようになってい るものとする。つまり比較器15出力は正常時は "Ｈ" レベルとなっている。而し て駆動回路５又は電動機６で短絡が発生するとｉ_p が増加し導体20の抵抗Ｒ_pHの 存在により抵抗13接続部の電位が低下するから比較器15の＋入力端子の電圧が低 下し、比較器15出力は "Ｌ" レベルに転じる。制御回路４はこれを受けてフェイ ルリレー８を開き駆動回路５への給電を断つ。 なお抵抗11〜14をバッテリ１の負極側に設けてもよく、この場合は駆動回路５ 、電動機６の短絡で駆動回路５側の電位は上昇する。

【００１１】 而して電動パワーステアリング装置においては所要の助勢力が得られないと危 険な事態を招くことがあるので制御系を２重にする。 図３はその一部を示しており、２つの車速センサ3a,3b の出力線はコネクタ41 で中継され、制御回路４に設けたコネクタ42に接続され、車速センサ3a,3b の検 出信号は増幅回路4a,4b で増幅され制御回路４中の後段の回路へ与えられる。車 速センサ3a,3b の出力に所定値以上の差が生じた場合には異常ありとしてフェイ ルリレーを作動させることとしている。

【００１２】 しかしながらコネクタ41,42 に緩みが発生したり、離脱が発生した場合には両 増幅回路4a,4b 出力に差は生ぜず、このためにフェイルリレーが作動しないとい う危険がある。そこで図４に示すように車速センサ3aはコネクタ41a,42a を介し て、また車速センサ3bはコネクタ41b,42b を介して夫々制御回路４に接続するこ ととすればよい。車速センサ3a,3b 夫々の異常は勿論、いずれかのコネクタに緩 み，離脱が生じた場合には確実に増幅回路4a,4b 出力に差が生じ異常が検出でき ることになる。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば抵抗11,12,13,14 は電動機６の駆動電流が流れな いので熱容量が小さいものを用い得、従って電動パワーステアリング装置の電気 回路を安価に、また小型，軽量にする上で実効がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の電動パワーステアリング装置の電気回路
の概略ブロック図である。

【図２】本考案の電動パワーステアリング装置の電気回
路の概略ブロック図である。

【図３】電動パワーステアリング装置のセンサのコネク
タ部の模式図である。

【図４】電動パワーステアリング装置のセンサのコネク
タ部の模式図である。

【符号の説明】

１ バッテリ ２ トルクセンサ ３ 車速センサ ４ 制御回路 ５ 駆動回路 ６ 電動機 11,12,13,14 抵抗 20,30 導体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 操舵力助勢用の電動機をバッテリで駆動
   するようにしてある電動パワーステアリング装置におい
   て、バッテリと電動機とを接続する導体の中途の電位を
   検出する回路と、前記バッテリに接続され、前記電動機
   に連ならない導体の電位を検出する回路と、両検出電位
   を比較する比較器とを備え、比較器の出力に基づき電動
   機側回路の短絡を検出すべくなしてあることを特徴とす
   る電動パワーステアリング装置。