JPH0641808A - 人工イ草 - Google Patents
人工イ草Info
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- JPH0641808A JPH0641808A JP18007992A JP18007992A JPH0641808A JP H0641808 A JPH0641808 A JP H0641808A JP 18007992 A JP18007992 A JP 18007992A JP 18007992 A JP18007992 A JP 18007992A JP H0641808 A JPH0641808 A JP H0641808A
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- JP
- Japan
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- artificial
- rush
- linear
- artificial grass
- thermoplastic resin
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- Pending
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、従来の人工イ草の”テカリ”、”
ヌメリ”など人工的感触を払拭し、しかも高品質の天然
のイ草に酷似した人工イ草を提供せんとするものであ
る。 【構成】 本発明の人工イ草は、熱可塑性樹脂からなる
線状体で構成されており、かつ該熱可塑性樹脂が2〜4
0重量%の無機質充填剤を含有することを特徴とするも
のであり、また、本発明の人工イ草は、熱可塑性樹脂か
らなる線状体で構成されており、かつ該線状体が比較的
低密度の連続気泡構造からなる内部と、該内部に比して
比較的高密度の外皮で構成されていることを特徴とする
ものである。
ヌメリ”など人工的感触を払拭し、しかも高品質の天然
のイ草に酷似した人工イ草を提供せんとするものであ
る。 【構成】 本発明の人工イ草は、熱可塑性樹脂からなる
線状体で構成されており、かつ該熱可塑性樹脂が2〜4
0重量%の無機質充填剤を含有することを特徴とするも
のであり、また、本発明の人工イ草は、熱可塑性樹脂か
らなる線状体で構成されており、かつ該線状体が比較的
低密度の連続気泡構造からなる内部と、該内部に比して
比較的高密度の外皮で構成されていることを特徴とする
ものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然イ草に酷似した外
観、風合および物性を有する人工イ草に関するものであ
る。
観、風合および物性を有する人工イ草に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】日本の住居文化の根幹とも言える畳は従
来天然のイ草によって作られてきた。この天然イ草は、
夏に冷たく、冬に暖かい感触を与え、優れた風合を有す
るものの、セルロースを主体とする天然繊維であるた
め、耐摩耗性など耐久性が悪い点や、吸水、吸湿による
カビの発生、腐敗、更には直射日光による変色等の問題
もあった。また、近年の労働環境の変化から、その生産
が泥の中での作業が伴う重労働のため、後継者が育た
ず、生産量の維持が難しい状態にある。そのため韓国,
中国等からの輸入も盛んに行われるようになってきた。
しかし、このように供給基地が広がるとともに品質の維
持に問題が発生し、さらに、また、天候の影響による供
給の不安定さやそれによる価格の変動などがつきまと
い、工業材料としての大きな欠点を有するものであっ
た。
来天然のイ草によって作られてきた。この天然イ草は、
夏に冷たく、冬に暖かい感触を与え、優れた風合を有す
るものの、セルロースを主体とする天然繊維であるた
め、耐摩耗性など耐久性が悪い点や、吸水、吸湿による
カビの発生、腐敗、更には直射日光による変色等の問題
もあった。また、近年の労働環境の変化から、その生産
が泥の中での作業が伴う重労働のため、後継者が育た
ず、生産量の維持が難しい状態にある。そのため韓国,
中国等からの輸入も盛んに行われるようになってきた。
しかし、このように供給基地が広がるとともに品質の維
持に問題が発生し、さらに、また、天候の影響による供
給の不安定さやそれによる価格の変動などがつきまと
い、工業材料としての大きな欠点を有するものであっ
た。
【0003】こうのような背景にあって、近年イ草の代
用品が数多く商品化されている。たとえば、ポリプロピ
レン樹脂の独立線状発泡体からなる人工イ草は、すでに
20〜30年前から商品化されている。しかし長い歴史
を持ちながらゴザや柔道用の畳などのみに用いられ、真
に畳材として普及するには至っていない。
用品が数多く商品化されている。たとえば、ポリプロピ
レン樹脂の独立線状発泡体からなる人工イ草は、すでに
20〜30年前から商品化されている。しかし長い歴史
を持ちながらゴザや柔道用の畳などのみに用いられ、真
に畳材として普及するには至っていない。
【0004】一方、特開平1−92443号公報では、
長手方向に延伸された熱可塑性樹脂よりなるテープ状体
を加熱部材中に通過させ、表面に融着被膜を形成してな
る人工イ草が提案されている。
長手方向に延伸された熱可塑性樹脂よりなるテープ状体
を加熱部材中に通過させ、表面に融着被膜を形成してな
る人工イ草が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者の人工イ草は、外
観、風合ならびに物性のいずれの点においても満足でき
るものではなく、たとえば、光の反射がきつく”テカ
リ”感が強く、また表面があまりに均一なためヌメリ
感、ベタツキ感がつよいなど、人工的感触のつよいもの
でしかなかった。
観、風合ならびに物性のいずれの点においても満足でき
るものではなく、たとえば、光の反射がきつく”テカ
リ”感が強く、また表面があまりに均一なためヌメリ
感、ベタツキ感がつよいなど、人工的感触のつよいもの
でしかなかった。
【0006】また、後者の特開平1−92443号公報
の方法による人工イ草は、製造工程が長いこと、また高
密度のテープ状物を加熱した狭い空隙を通過させるため
加工性に問題がある上に、外観、風合ならびに物性面で
も、前者と変らず、満足できるものではなかった。
の方法による人工イ草は、製造工程が長いこと、また高
密度のテープ状物を加熱した狭い空隙を通過させるため
加工性に問題がある上に、外観、風合ならびに物性面で
も、前者と変らず、満足できるものではなかった。
【0007】本発明は、上記したような従来の人工イ草
のテカリやヌメリなど人工的感触を払拭し、しかも高品
質の天然のイ草に酷似した外観、風合ならびに物性を有
する人工イ草を提供せんとするものである。
のテカリやヌメリなど人工的感触を払拭し、しかも高品
質の天然のイ草に酷似した外観、風合ならびに物性を有
する人工イ草を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するために次の構成を有するものである。
成するために次の構成を有するものである。
【0009】すなわち、本発明の人工イ草は、熱可塑性
樹脂からなる線状発泡構造体であって、該構造体は比較
的低密度の連続気泡構造からなる内部と、該内部に比し
て比較的高密度の外皮で構成されており、かつ該外皮
は、その外周に400μ以下の間隔で繊維軸方向に走る
溝を有することを特徴とするものであり、さらに、ま
た、本発明の人工イ草は、比較的低密度の連続気泡構造
からなる内部と、該内部に比して比較的高密度の外皮で
構成されている熱可塑性樹脂からなる線状発泡構造体
が、複数本集合され、かつ互いに外皮が融着されてセル
を形成していることを特徴とするものである。
樹脂からなる線状発泡構造体であって、該構造体は比較
的低密度の連続気泡構造からなる内部と、該内部に比し
て比較的高密度の外皮で構成されており、かつ該外皮
は、その外周に400μ以下の間隔で繊維軸方向に走る
溝を有することを特徴とするものであり、さらに、ま
た、本発明の人工イ草は、比較的低密度の連続気泡構造
からなる内部と、該内部に比して比較的高密度の外皮で
構成されている熱可塑性樹脂からなる線状発泡構造体
が、複数本集合され、かつ互いに外皮が融着されてセル
を形成していることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明は、熱可塑性樹脂を特定な形態の発泡体
として溶融紡糸すると、以外にも天然イ草に酷似した外
観、性質を有するものが得られることを究明して完成さ
れたものである。
として溶融紡糸すると、以外にも天然イ草に酷似した外
観、性質を有するものが得られることを究明して完成さ
れたものである。
【0011】すなわち、本発明の人工イ草は、線状発泡
構造であるにも拘らず、その外周に外皮を有するもので
あり、かつ内部が低密度発泡構造体であるという2重構
造を有する。特に本発明においては、内部の発泡構造が
ジャングルジム状または立体網状の構造体であるものが
好ましい。また、本発明の線状発泡構造体として、内部
の発泡構造が、外皮に向かうにつれて発泡粒径が小さく
なるという発泡勾配を有する構造のもの、その典型的な
例では、中央部に巨大ボイドからなる中空部を有するも
のなども好ましく使用される。
構造であるにも拘らず、その外周に外皮を有するもので
あり、かつ内部が低密度発泡構造体であるという2重構
造を有する。特に本発明においては、内部の発泡構造が
ジャングルジム状または立体網状の構造体であるものが
好ましい。また、本発明の線状発泡構造体として、内部
の発泡構造が、外皮に向かうにつれて発泡粒径が小さく
なるという発泡勾配を有する構造のもの、その典型的な
例では、中央部に巨大ボイドからなる中空部を有するも
のなども好ましく使用される。
【0012】本発明の線状発泡構造体の該外皮は、一重
の皮膜に限らず、好ましくはダンボールのようなハニカ
ム構造を有するものが断熱効果に優れていてよい。かか
る外皮において、多数の溝が繊維軸方向に走っていると
いう特徴的な構造が、天然イ草に酷似した張りこしと適
度な弾力性を付与する上に、テカリやヌメリを排除する
機能を発揮するものである。
の皮膜に限らず、好ましくはダンボールのようなハニカ
ム構造を有するものが断熱効果に優れていてよい。かか
る外皮において、多数の溝が繊維軸方向に走っていると
いう特徴的な構造が、天然イ草に酷似した張りこしと適
度な弾力性を付与する上に、テカリやヌメリを排除する
機能を発揮するものである。
【0013】かかる溝とは、外皮の外周の400μ以
下、好ましくは300μ以下、さらに好ましくは80〜
150μの範囲の間隔で設けられた繊維軸方向に走るス
ジ状凹部をいうものである。該スジ状凹部の深さは、好
ましくは少なくとも1μ、さらに好ましくは5〜30μ
であるが、後述の異形断面の凹凸の大きさに比しては、
勿論、小さい値である。かかる溝は、少なくとも太さ5
00μ、好ましくは700〜2000μの太さの人工イ
草の外皮に設けられる。上記の間隔からすると、溝の数
は人工イ草の太さによって変動するが、通常のイ草とし
ての範疇、つまり1000〜1500μの太さのもので
は、7〜8本でも効果はあるが、好ましくは少なくとも
10本、さらに好ましくは30〜40本の範囲が上記効
果の上から優れている。したがって、この本数/太さの
関係に合せて比例的に増減させれば、効果的に優れた人
工イ草を安定して提供することができる。
下、好ましくは300μ以下、さらに好ましくは80〜
150μの範囲の間隔で設けられた繊維軸方向に走るス
ジ状凹部をいうものである。該スジ状凹部の深さは、好
ましくは少なくとも1μ、さらに好ましくは5〜30μ
であるが、後述の異形断面の凹凸の大きさに比しては、
勿論、小さい値である。かかる溝は、少なくとも太さ5
00μ、好ましくは700〜2000μの太さの人工イ
草の外皮に設けられる。上記の間隔からすると、溝の数
は人工イ草の太さによって変動するが、通常のイ草とし
ての範疇、つまり1000〜1500μの太さのもので
は、7〜8本でも効果はあるが、好ましくは少なくとも
10本、さらに好ましくは30〜40本の範囲が上記効
果の上から優れている。したがって、この本数/太さの
関係に合せて比例的に増減させれば、効果的に優れた人
工イ草を安定して提供することができる。
【0014】本発明の人工イ草は、該線状発泡構造体の
異形断面糸も、かなりの張りこしと弾力性を付与し、か
つ、テカリやヌメリを排除する機能を発揮する。ここで
いう異形断面とは、上記溝とは異なり、間隔も高さも大
きく、一般に繊維業界でいう異形断面糸と同意であり、
三角、多角、多葉形、楕円形など各種の異形断面形状の
ものを使用することができる。中でも多葉形の異形断面
が効果上好ましい。もちろん、本発明の人工イ草におい
ては、溝がこの異形断面糸の中に存在するのが好まし
い。
異形断面糸も、かなりの張りこしと弾力性を付与し、か
つ、テカリやヌメリを排除する機能を発揮する。ここで
いう異形断面とは、上記溝とは異なり、間隔も高さも大
きく、一般に繊維業界でいう異形断面糸と同意であり、
三角、多角、多葉形、楕円形など各種の異形断面形状の
ものを使用することができる。中でも多葉形の異形断面
が効果上好ましい。もちろん、本発明の人工イ草におい
ては、溝がこの異形断面糸の中に存在するのが好まし
い。
【0015】以上、線状発泡構造体の単糸1本の人工イ
草について説明したが、本発明においては、これらの単
糸を複数本集合し、互いに外皮を融着して複合したもの
も含まれる。この複合線状発泡体構造体の人工イ草は、
張りこしと弾力性の極めて高いものを提供することがで
きる。また、それだけに上記の単糸1本の人工イ草の場
合より、太さの細い線状発泡体構造体を用いて構成する
こともできるし、さらに細い異形断面糸を溶融紡糸する
際に、複数本集合して、融着させると、溝を同時に付与
することができる利点もある。
草について説明したが、本発明においては、これらの単
糸を複数本集合し、互いに外皮を融着して複合したもの
も含まれる。この複合線状発泡体構造体の人工イ草は、
張りこしと弾力性の極めて高いものを提供することがで
きる。また、それだけに上記の単糸1本の人工イ草の場
合より、太さの細い線状発泡体構造体を用いて構成する
こともできるし、さらに細い異形断面糸を溶融紡糸する
際に、複数本集合して、融着させると、溝を同時に付与
することができる利点もある。
【0016】本発明で用いる熱可塑性樹脂は、たとえ
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンとエチ
レンの共重合体等のオレフィン系樹脂、およびポリアミ
ド系樹脂、アクリル系樹脂、およびそれらの混合体から
選ばれた少なくとも1種を使用する。これらの熱可塑性
樹脂は、線状発泡体構造の形成性ならびに機械的物性を
満足させる上で好ましい素材である。
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンとエチ
レンの共重合体等のオレフィン系樹脂、およびポリアミ
ド系樹脂、アクリル系樹脂、およびそれらの混合体から
選ばれた少なくとも1種を使用する。これらの熱可塑性
樹脂は、線状発泡体構造の形成性ならびに機械的物性を
満足させる上で好ましい素材である。
【0017】発泡体を形成するための発泡剤には、たと
えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソビチロニトリ
ル、トリヒドラジノトリアジンなどの有機系の発泡剤な
らびに炭酸カルシウム、重炭酸アンモニア、過酸化物な
どの無機系発泡剤が使用され、これらの発泡剤は、主材
料である上記熱可塑性樹脂の融点に合わせて適宜用いら
れる。かかる発泡剤の混入量は、発泡剤のガス発生量、
製品の発泡倍率等により決められるが、本発明の人工イ
草においては、発泡倍率は好ましくは2〜3倍程度がよ
く、発泡剤量は樹脂に対して好ましくは0.3〜1.0
重量%程度の範囲で使用される。
えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソビチロニトリ
ル、トリヒドラジノトリアジンなどの有機系の発泡剤な
らびに炭酸カルシウム、重炭酸アンモニア、過酸化物な
どの無機系発泡剤が使用され、これらの発泡剤は、主材
料である上記熱可塑性樹脂の融点に合わせて適宜用いら
れる。かかる発泡剤の混入量は、発泡剤のガス発生量、
製品の発泡倍率等により決められるが、本発明の人工イ
草においては、発泡倍率は好ましくは2〜3倍程度がよ
く、発泡剤量は樹脂に対して好ましくは0.3〜1.0
重量%程度の範囲で使用される。
【0018】また、かかる熱可塑性樹脂に無機質の充填
剤を配合すると、人工イ草の風合い改善する上で有効で
ある。かかる無機質充填剤としては、炭酸カルシウム、
酸化チタン、塩化カリウム、水酸化マグネシウム、ステ
アリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シ
リカ系充填剤等を使用することができるが、これらの中
でも、本発明の人工イ草には、炭酸カルシウムが特に好
ましい。かかる無機質充填剤の混入量は、要求される感
触により異なるが、好ましくは2〜40重量%、好まし
くは7〜30重量%が良い。2重量%よりも少ないとこ
ろではテカリやイラツキがきつく、また40重量%以上
では線状の形成が難しく、また発色性が著しく悪くなる
傾向がある。特に、7〜30重量%混入することにより
副次的効果として、発泡分散性が向上し、かつ線状の中
心部に発泡干渉による巨大な発泡(巨大ボイド)が得ら
れる。すなわち、内部が、外皮に向かうにつれて発泡粒
径が小さい発泡勾配のある構造で、より天然イ草に近い
構造のものを形成することができる。
剤を配合すると、人工イ草の風合い改善する上で有効で
ある。かかる無機質充填剤としては、炭酸カルシウム、
酸化チタン、塩化カリウム、水酸化マグネシウム、ステ
アリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シ
リカ系充填剤等を使用することができるが、これらの中
でも、本発明の人工イ草には、炭酸カルシウムが特に好
ましい。かかる無機質充填剤の混入量は、要求される感
触により異なるが、好ましくは2〜40重量%、好まし
くは7〜30重量%が良い。2重量%よりも少ないとこ
ろではテカリやイラツキがきつく、また40重量%以上
では線状の形成が難しく、また発色性が著しく悪くなる
傾向がある。特に、7〜30重量%混入することにより
副次的効果として、発泡分散性が向上し、かつ線状の中
心部に発泡干渉による巨大な発泡(巨大ボイド)が得ら
れる。すなわち、内部が、外皮に向かうにつれて発泡粒
径が小さい発泡勾配のある構造で、より天然イ草に近い
構造のものを形成することができる。
【0019】本発明の人工イ草は、外皮に多数の溝を有
する断面のもの、さらには、これらの単糸が複数本集
合、融着したものであるが、かかる線状発泡構造体は、
溶融紡糸口金の形状によって変更することができる。
する断面のもの、さらには、これらの単糸が複数本集
合、融着したものであるが、かかる線状発泡構造体は、
溶融紡糸口金の形状によって変更することができる。
【0020】たとえば、(1) 口金が、中央に1つの穴を
有し、かつ該穴周辺に凹部(溝:田形、星形、多突起
形)を有するものを使用すると、前者の口金では表面に
スジ状凹部を有する人工イ草を、また、後者の口金で
は、形状が異形断面のもの、たとえば多葉形の人工イ草
を、それぞれ形成することができる。また、他の方法と
して、(2) 紡糸口金として複数の紡出口を有する口金を
用い、紡出後引揃えて1本(融着)の線状発泡体を形成
すると、多葉形の各凹部部分が、その内部においてセル
を形成している人工イ草を形成することができる。た
だ、この場合に1本(融着)に引揃える時期によって
は、セルが形成されない場合がある。また、この方法の
場合は中央部が中空である構造の線状発泡体、すなわ
ち、口金中央部に紡出口を有さない口金を用いて紡糸す
るのが、紡糸性、製糸性の上から安定性に優れていて好
ましい。また、別の方法としては、発泡線状体を数本寄
せ集め、加熱炉を通して、その後加熱した小さな空隙を
通して集束し、融着させることもできる。
有し、かつ該穴周辺に凹部(溝:田形、星形、多突起
形)を有するものを使用すると、前者の口金では表面に
スジ状凹部を有する人工イ草を、また、後者の口金で
は、形状が異形断面のもの、たとえば多葉形の人工イ草
を、それぞれ形成することができる。また、他の方法と
して、(2) 紡糸口金として複数の紡出口を有する口金を
用い、紡出後引揃えて1本(融着)の線状発泡体を形成
すると、多葉形の各凹部部分が、その内部においてセル
を形成している人工イ草を形成することができる。た
だ、この場合に1本(融着)に引揃える時期によって
は、セルが形成されない場合がある。また、この方法の
場合は中央部が中空である構造の線状発泡体、すなわ
ち、口金中央部に紡出口を有さない口金を用いて紡糸す
るのが、紡糸性、製糸性の上から安定性に優れていて好
ましい。また、別の方法としては、発泡線状体を数本寄
せ集め、加熱炉を通して、その後加熱した小さな空隙を
通して集束し、融着させることもできる。
【0021】また、上述のセルとは、発泡が全く無い
か、比較的少ない領域で囲まれた細胞のことで、望まし
くは発泡が全く無い細胞膜で取り囲まれた細胞が好まし
い。しかし、わずかの発泡があっても大局的に見て細胞
膜が観察できれば本発明の効果が期待できる。細胞即ち
セルの数は2以上であれば良く、あまり多いとセルの望
まれる効果が期待できなくなる。従ってセルの数は、好
ましくは4〜10個程度である。またセルの個々の大き
さは、本発明の効果を最大限に利用するためには断面の
中心部に位置するセルが大きく、外周部に配置されるセ
ルが小さく、従って数多くなると、線状体表面に形成さ
れる凹状部を増加させやくすなり、そのため、より天然
のイ草の外観を有し、しかもその凹状部の作用により感
触も改善される。セルの形状は円形でもよく、また四
角、三角、星形などの異形でもよい。また形の定まらな
い不規則な輪郭を有するセルであってもよい。これら輪
郭は線状体断面において発泡が無いか、少ないため他部
分と比較して比較的充実した形態となり、従って線状体
断面方向の圧縮に対して抗力となる梁の役目を果たし、
線状体に張り腰のある風合いを与える。
か、比較的少ない領域で囲まれた細胞のことで、望まし
くは発泡が全く無い細胞膜で取り囲まれた細胞が好まし
い。しかし、わずかの発泡があっても大局的に見て細胞
膜が観察できれば本発明の効果が期待できる。細胞即ち
セルの数は2以上であれば良く、あまり多いとセルの望
まれる効果が期待できなくなる。従ってセルの数は、好
ましくは4〜10個程度である。またセルの個々の大き
さは、本発明の効果を最大限に利用するためには断面の
中心部に位置するセルが大きく、外周部に配置されるセ
ルが小さく、従って数多くなると、線状体表面に形成さ
れる凹状部を増加させやくすなり、そのため、より天然
のイ草の外観を有し、しかもその凹状部の作用により感
触も改善される。セルの形状は円形でもよく、また四
角、三角、星形などの異形でもよい。また形の定まらな
い不規則な輪郭を有するセルであってもよい。これら輪
郭は線状体断面において発泡が無いか、少ないため他部
分と比較して比較的充実した形態となり、従って線状体
断面方向の圧縮に対して抗力となる梁の役目を果たし、
線状体に張り腰のある風合いを与える。
【0022】以下、図面により、本発明を説明する。図
1は、本発明の人工イ草の別の一例を示すものである。
この図の例は、多数の溝5を有する丸断面単糸を示して
いる。かかる溝5を設けたことにより、外観はもとよ
り、張りこし、弾力性、風合、感触的に極めて優れた天
然イ草調のものを提供することができる。
1は、本発明の人工イ草の別の一例を示すものである。
この図の例は、多数の溝5を有する丸断面単糸を示して
いる。かかる溝5を設けたことにより、外観はもとよ
り、張りこし、弾力性、風合、感触的に極めて優れた天
然イ草調のものを提供することができる。
【0023】さらに、本発明の特徴は、図に示されてい
るように内部2と外皮1との密度に差があり、また、発
泡体が立体網状またはジャングルジム状の構造を有する
ところにもある。この内部2と外皮1の密度は、好まし
くは内部2は外皮1の少なくとも10倍、さらには20
〜100倍の差があるのが好ましい。ただし、内部2の
密度は、中央部に中空部(巨大ボイド)が存在する線状
発泡構造体の場合は、この中空部を除いて算出するもの
とする。また、場合によっては、外皮1にもボイドを有
する場合があり、これが軸方向に亀裂を形成し、これが
上述の溝5を構成する場合がある。かかるボイドや亀裂
を部分的に存在させることにより、吸湿性、吸水性を著
しく改善することができる。すなわち、かかるボイドや
亀裂は、内部2の連続気泡構造に貫通しているので、本
発明の人工イ草において、極めて好ましい構造である。
るように内部2と外皮1との密度に差があり、また、発
泡体が立体網状またはジャングルジム状の構造を有する
ところにもある。この内部2と外皮1の密度は、好まし
くは内部2は外皮1の少なくとも10倍、さらには20
〜100倍の差があるのが好ましい。ただし、内部2の
密度は、中央部に中空部(巨大ボイド)が存在する線状
発泡構造体の場合は、この中空部を除いて算出するもの
とする。また、場合によっては、外皮1にもボイドを有
する場合があり、これが軸方向に亀裂を形成し、これが
上述の溝5を構成する場合がある。かかるボイドや亀裂
を部分的に存在させることにより、吸湿性、吸水性を著
しく改善することができる。すなわち、かかるボイドや
亀裂は、内部2の連続気泡構造に貫通しているので、本
発明の人工イ草において、極めて好ましい構造である。
【0024】図2は、本発明の他の人工イ草の一例を示
す断面図であり、図1の線状発泡体を複数本融着し、そ
れらの外皮を互いに融着した構造のものである。この例
は、6本の線状発泡体を引揃えて融着させたもので、6
つのセル3が融着壁4によって形成されており、スジ状
凹部、すなわち溝5は、1本1本の線状発泡体以外に、
該融着部分の表面も、大きなスジ状凹部5を形成してい
るものである。線状発泡体の融着個数は何本でもよい
が、風合や外観から好ましくは2〜8本、さらに好まし
くは3〜6本がよい。
す断面図であり、図1の線状発泡体を複数本融着し、そ
れらの外皮を互いに融着した構造のものである。この例
は、6本の線状発泡体を引揃えて融着させたもので、6
つのセル3が融着壁4によって形成されており、スジ状
凹部、すなわち溝5は、1本1本の線状発泡体以外に、
該融着部分の表面も、大きなスジ状凹部5を形成してい
るものである。線状発泡体の融着個数は何本でもよい
が、風合や外観から好ましくは2〜8本、さらに好まし
くは3〜6本がよい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。
る。
【0026】実施例1 ポリプロピレンのチップにアゾジカルボンアミド0.2
%、炭酸マグネシウム1%、炭酸カルシウム10%等を
混入し、エクストルダーで240℃の条件で溶融し、口
金から吐出した。口金の形状は10個の突起部を有する
形状とし、中心に2.0mmの直径の円から0.3mm
幅で深さが0.3mmの長方形の突起を10分割で突出
させる形とした。この口金を用いて、紡糸、水冷、延伸
加工を行ない、最終製品として、直径1.2mmの発泡線
状体を得た。この発泡線状体は、図1のように10本の
溝を有する形態のものであった。溝間の距離は、約0.
45mmであり、テカリのほとんどない外観、感触とも天
然のイ草に近いものであった。
%、炭酸マグネシウム1%、炭酸カルシウム10%等を
混入し、エクストルダーで240℃の条件で溶融し、口
金から吐出した。口金の形状は10個の突起部を有する
形状とし、中心に2.0mmの直径の円から0.3mm
幅で深さが0.3mmの長方形の突起を10分割で突出
させる形とした。この口金を用いて、紡糸、水冷、延伸
加工を行ない、最終製品として、直径1.2mmの発泡線
状体を得た。この発泡線状体は、図1のように10本の
溝を有する形態のものであった。溝間の距離は、約0.
45mmであり、テカリのほとんどない外観、感触とも天
然のイ草に近いものであった。
【0027】実施例2 ポリプロピレンのチップにアゾジカルボンアミド0.2
%、炭酸マグネシウム1%、炭酸カルシウム10%等を
混入し、エクストルダーで240℃で溶融し、口金から
吐出した。口金には円形の0.5mの直径の孔を中心か
ら2mm離れた円周上に6個設けた。この口金から紡出
された発泡線状体を口金下で集束し、1本の糸とした
後、水中を通過させて冷却した。この糸を延伸炉を通
し、5倍に延伸した。得られた発泡線状体は、図2に示
す断面形状を有し、天然のイ草に近い手触りと風合いを
有するものであった。
%、炭酸マグネシウム1%、炭酸カルシウム10%等を
混入し、エクストルダーで240℃で溶融し、口金から
吐出した。口金には円形の0.5mの直径の孔を中心か
ら2mm離れた円周上に6個設けた。この口金から紡出
された発泡線状体を口金下で集束し、1本の糸とした
後、水中を通過させて冷却した。この糸を延伸炉を通
し、5倍に延伸した。得られた発泡線状体は、図2に示
す断面形状を有し、天然のイ草に近い手触りと風合いを
有するものであった。
【0028】
【発明の効果】本発明の人工イ草は従来の発泡線状体か
らなる人工イ草に比較し、外観、および手触りなどの感
触が天然イ草に近い非常によいものであった。また天然
イ草に比較し、耐候性、耐久性が良い利点がある。
らなる人工イ草に比較し、外観、および手触りなどの感
触が天然イ草に近い非常によいものであった。また天然
イ草に比較し、耐候性、耐久性が良い利点がある。
【0029】
【0030】
【図1】 この図は、本発明の人工イ草の一例を示す断
面図である。
面図である。
【0031】
【図2】 この図は本発明の他の人工イ草の一例を示す
断面図である。
断面図である。
【0032】
1:外皮 2:内部 3:セル 4:融着壁 5:溝
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】すなわち、本発明の人工イ草は、熱可塑性
樹脂からなる線状体で構成されており、かつ該熱可塑性
樹脂が2〜40重量%の無機質充填剤を含有することを
特徴とするものである。
樹脂からなる線状体で構成されており、かつ該熱可塑性
樹脂が2〜40重量%の無機質充填剤を含有することを
特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明は、特定な熱可塑性樹脂組成物を溶
融紡糸すると、外観、光沢ならびに感触が天然イ草に酷
似すること、さらに、熱可塑性樹脂を発泡体形態で溶融
紡糸すると、ますます天然イ草に酷似した外観、性質を
有するものが得られることを究明して完成されたもので
ある。
融紡糸すると、外観、光沢ならびに感触が天然イ草に酷
似すること、さらに、熱可塑性樹脂を発泡体形態で溶融
紡糸すると、ますます天然イ草に酷似した外観、性質を
有するものが得られることを究明して完成されたもので
ある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】すなわち、本発明の人工イ草は、無機質の
充填剤を配合した熱可塑性樹脂組成物を採用したことに
より、従来問題になっていた外観、光沢ならびに感触な
どの人工的感触が一挙に解消することを究明し、完成さ
れたものである。
充填剤を配合した熱可塑性樹脂組成物を採用したことに
より、従来問題になっていた外観、光沢ならびに感触な
どの人工的感触が一挙に解消することを究明し、完成さ
れたものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明の線状体(発泡構造体を含む)の該
外皮は、一重の皮膜に限らず、好ましくはダンボールの
ようなハニカム構造を有するものが断熱効果に優れてい
てよい。かかる外皮において、多数の溝が繊維軸方向に
走っているという特徴的な構造が、天然イ草に酷似した
張りこしと適度な弾力性を付与する上に、テカリやヌメ
リを排除する機能を発揮するものである。
外皮は、一重の皮膜に限らず、好ましくはダンボールの
ようなハニカム構造を有するものが断熱効果に優れてい
てよい。かかる外皮において、多数の溝が繊維軸方向に
走っているという特徴的な構造が、天然イ草に酷似した
張りこしと適度な弾力性を付与する上に、テカリやヌメ
リを排除する機能を発揮するものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明の人工イ草は、該線状体(発泡構造
体)の異形断面糸も、かなりの張りこしと弾力性を付与
し、かつ、テカリやヌメリを排除する機能を発揮する。
ここでいう異形断面とは、上記溝とは異なり、間隔も高
さも大きく、一般に繊維業界でいう異形断面糸と同意で
あり、三角、多角、多葉形、楕円形など各種の異形断面
形状のものを使用することができる。中でも多葉形の異
形断面が効果上好ましい。もちろん、本発明の人工イ草
においては、溝がこの異形断面糸の中に存在するのが好
ましい。
体)の異形断面糸も、かなりの張りこしと弾力性を付与
し、かつ、テカリやヌメリを排除する機能を発揮する。
ここでいう異形断面とは、上記溝とは異なり、間隔も高
さも大きく、一般に繊維業界でいう異形断面糸と同意で
あり、三角、多角、多葉形、楕円形など各種の異形断面
形状のものを使用することができる。中でも多葉形の異
形断面が効果上好ましい。もちろん、本発明の人工イ草
においては、溝がこの異形断面糸の中に存在するのが好
ましい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】以上、線状体、線状発泡構造体の単糸1本
の人工イ草について説明したが、本発明においては、こ
れらの単糸を複数本集合し、互いに外皮を融着して複合
したものも含まれる。この複合線状(発泡体構造)体の
人工イ草は、張りこしと弾力性の極めて高いものを提供
することができる。また、それだけに上記の単糸1本の
人工イ草の場合より、太さの細い線状体を用いて構成す
ることもできるし、さらに細い異形断面糸を溶融紡糸す
る際に、複数本集合して、融着させると、溝を同時に付
与することができる利点もある。
の人工イ草について説明したが、本発明においては、こ
れらの単糸を複数本集合し、互いに外皮を融着して複合
したものも含まれる。この複合線状(発泡体構造)体の
人工イ草は、張りこしと弾力性の極めて高いものを提供
することができる。また、それだけに上記の単糸1本の
人工イ草の場合より、太さの細い線状体を用いて構成す
ることもできるし、さらに細い異形断面糸を溶融紡糸す
る際に、複数本集合して、融着させると、溝を同時に付
与することができる利点もある。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明で用いる熱可塑性樹脂は、たとえ
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンとエチ
レンの共重合体等のオレフィン系樹脂、およびポリアミ
ド系樹脂、アクリル系樹脂、およびそれらの混合体から
選ばれた少なくとも1種を使用する。これらの熱可塑性
樹脂は、線状体(発泡体構造)の形成性ならびに機械的
物性を満足させる上で好ましい素材である。
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンとエチ
レンの共重合体等のオレフィン系樹脂、およびポリアミ
ド系樹脂、アクリル系樹脂、およびそれらの混合体から
選ばれた少なくとも1種を使用する。これらの熱可塑性
樹脂は、線状体(発泡体構造)の形成性ならびに機械的
物性を満足させる上で好ましい素材である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】本発明の人工イ草は、無機質の充填剤を配
合した熱可塑性樹脂組成物を採用することが大きな特徴
であり、かかる組成物を使用したことにより、人工イ草
の従来欠点を一挙に解決し、優れた外観、光沢ならびに
感触を満足するものを提供し得たものである。かかる無
機質の充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、
塩化カリウム、水酸化マグネシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シリカ系充填剤
等を使用することができるが、これらの中でも、本発明
の人工イ草には、炭酸カルシウムが特に好ましい。かか
る無機質充填剤の配合量は、2〜40重量%、好ましく
は7〜30重量%が良い。充填剤の配合量は、要求され
る外観や感触により異なるものであるが、2重量%より
も少ないところではテカリやイラツキがきつく、また4
0重量%以上では線状の形成が難しく、また発色性が著
しく悪くなる傾向がある。特に、7〜30重量%配合す
ることにより副次的効果として、発泡分散性が向上し、
かつ線状の中心部に発泡干渉による巨大な発泡(巨大ボ
イド)が得られる。すなわち、内部が、外皮に向かうに
つれて発泡粒径が小さい発泡勾配のある構造で、より天
然イ草に近い構造のものを形成することができる。
合した熱可塑性樹脂組成物を採用することが大きな特徴
であり、かかる組成物を使用したことにより、人工イ草
の従来欠点を一挙に解決し、優れた外観、光沢ならびに
感触を満足するものを提供し得たものである。かかる無
機質の充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、
塩化カリウム、水酸化マグネシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シリカ系充填剤
等を使用することができるが、これらの中でも、本発明
の人工イ草には、炭酸カルシウムが特に好ましい。かか
る無機質充填剤の配合量は、2〜40重量%、好ましく
は7〜30重量%が良い。充填剤の配合量は、要求され
る外観や感触により異なるものであるが、2重量%より
も少ないところではテカリやイラツキがきつく、また4
0重量%以上では線状の形成が難しく、また発色性が著
しく悪くなる傾向がある。特に、7〜30重量%配合す
ることにより副次的効果として、発泡分散性が向上し、
かつ線状の中心部に発泡干渉による巨大な発泡(巨大ボ
イド)が得られる。すなわち、内部が、外皮に向かうに
つれて発泡粒径が小さい発泡勾配のある構造で、より天
然イ草に近い構造のものを形成することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明の人工イ草は、外皮に多数の溝を有
する断面のもの、さらには、これらの単糸が複数本集
合、融着したものであるが、かかる線状体は、溶融紡糸
口金の形状によって変更することができる。
する断面のもの、さらには、これらの単糸が複数本集
合、融着したものであるが、かかる線状体は、溶融紡糸
口金の形状によって変更することができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】たとえば、(1) 口金が、中央に1つの穴を
有し、かつ該穴周辺に凹部(溝:田形、星形、多突起
形)を有するものを使用すると、前者の口金では表面に
スジ状凹部を有する人工イ草を、また、後者の口金で
は、形状が異形断面のもの、たとえば多葉形の人工イ草
を、それぞれ形成することができる。また、他の方法と
して、(2) 紡糸口金として複数の紡出口を有する口金を
用い、紡出後引揃えて1本(融着)の線状(発泡)体を
形成すると、多葉形の各凹部部分が、その内部において
セルを形成している人工イ草を形成することができる。
ただ、この場合に1本(融着)に引揃える時期によって
は、セルが形成されない場合がある。また、この方法の
場合は中央部が中空である構造の線状(発泡)体、すな
わち、口金中央部に紡出口を有さない口金を用いて紡糸
するのが、紡糸性、製糸性の上から安定性に優れていて
好ましい。また、別の方法としては、線状体を数本寄せ
集め、加熱炉を通して、その後加熱した小さな空隙を通
して集束し、融着させることもできる。
有し、かつ該穴周辺に凹部(溝:田形、星形、多突起
形)を有するものを使用すると、前者の口金では表面に
スジ状凹部を有する人工イ草を、また、後者の口金で
は、形状が異形断面のもの、たとえば多葉形の人工イ草
を、それぞれ形成することができる。また、他の方法と
して、(2) 紡糸口金として複数の紡出口を有する口金を
用い、紡出後引揃えて1本(融着)の線状(発泡)体を
形成すると、多葉形の各凹部部分が、その内部において
セルを形成している人工イ草を形成することができる。
ただ、この場合に1本(融着)に引揃える時期によって
は、セルが形成されない場合がある。また、この方法の
場合は中央部が中空である構造の線状(発泡)体、すな
わち、口金中央部に紡出口を有さない口金を用いて紡糸
するのが、紡糸性、製糸性の上から安定性に優れていて
好ましい。また、別の方法としては、線状体を数本寄せ
集め、加熱炉を通して、その後加熱した小さな空隙を通
して集束し、融着させることもできる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】以下、図面により、本発明を説明する。図
1は、本発明の人工イ草の一例を示すものである。この
図の例は、無機質充填剤を配合したポリプロピレンから
なる多数の溝5を有する発泡体丸断面単糸の線状体を示
している。かかる溝5を設けたことにより、外観はもと
より、張りこし、弾力性、風合、感触的に極めて優れた
天然イ草調のものを提供することができる。
1は、本発明の人工イ草の一例を示すものである。この
図の例は、無機質充填剤を配合したポリプロピレンから
なる多数の溝5を有する発泡体丸断面単糸の線状体を示
している。かかる溝5を設けたことにより、外観はもと
より、張りこし、弾力性、風合、感触的に極めて優れた
天然イ草調のものを提供することができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【発明の効果】本発明の人工イ草は従来の人工イ草に比
較し、外観、および手触りなどの感触が天然イ草に酷似
しており、また天然イ草に比較し、耐候性、耐久性が良
い利点がある。
較し、外観、および手触りなどの感触が天然イ草に酷似
しており、また天然イ草に比較し、耐候性、耐久性が良
い利点がある。
Claims (10)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂からなる線状発泡構造体であ
って、該構造体は比較的低密度の連続気泡構造からなる
内部と、該内部に比して比較的高密度の外皮で構成され
ており、かつ該外皮は、その外周に400μ以下の間隔
で繊維軸方向に走る溝を有することを特徴とする人工イ
草。 - 【請求項2】比較的低密度の連続気泡構造からなる内部
と、該内部に比して比較的高密度の外皮で構成されてい
る熱可塑性樹脂からなる線状発泡構造体が、複数本集合
され、かつ互いに外皮が融着されてセルを形成している
ことを特徴とする人工イ草。 - 【請求項3】溝の深さが、5〜30μの範囲にある請求
項1記載の人工イ草。 - 【請求項4】溝が、少なくとも10本である請求項1記
載の人工イ草。 - 【請求項5】溝が、30〜40本の範囲にある請求項1
記載の人工イ草。 - 【請求項6】線状発泡構造体の太さが、少なくとも50
0μである請求項1または2記載の人工イ草。 - 【請求項7】線状発泡構造体の太さが、700〜200
0μの範囲にある請求項1または2記載の人工イ草。 - 【請求項8】線状発泡構造体の内部が、ジャングルジム
状または立体網状の低密度発泡体で構成されている請求
項1または2記載の人工イ草。 - 【請求項9】線状発泡構造体の内部が、外皮に向かうに
つれて発泡粒径が小さくなる発泡勾配を有する発泡体で
構成されている請求項1または2記載の人工イ草。 - 【請求項10】線状発泡構造体が、中央部に巨大ボイド
からなる中空部を有するものである請求項1または2記
載の人工イ草。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18007992A JPH0641808A (ja) | 1992-07-07 | 1992-07-07 | 人工イ草 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18007992A JPH0641808A (ja) | 1992-07-07 | 1992-07-07 | 人工イ草 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641808A true JPH0641808A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16077093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18007992A Pending JPH0641808A (ja) | 1992-07-07 | 1992-07-07 | 人工イ草 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0641808A (ja) |
-
1992
- 1992-07-07 JP JP18007992A patent/JPH0641808A/ja active Pending
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