JPH0641096Y2 - ２回路器具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ファンをもって、バーナに強制的に給排気す
る強制給排気式を採用し、かつ缶体を２つ有する２回路
器具に関するものである。

そして、特に、本考案は、簡単な構成でバーナケース接
続部や排気集合部接続部の漏れ防止に対する信頼性を高
めるようにした２回路器具に関するものである。

（従来技術） 近年、風呂等の器具は、給湯用や追焚用等の用途に応じ
て使い分けられるように２つの缶体を併有するものが多
い。

またその一方で、より小型化、高出力化の要請から、旧
来のバランス式給気から、ファンを用いて強制的に給排
気する強制給排気方式を採用する器具が多い。

このように、２つの缶体を持つ、強制給排気式の器具
は、例えば第３図に示すように、バーナケース４や集合
筒１は一体であるのに対して、缶体は回路用途に応じ
て、給湯缶体２と風呂缶体３とに分割して形成される。

ところで、旧来のバランス式給気を採用する器具では、
缶の内外の圧力は等しいが、強制給排気式の器具は、フ
ァンによって、缶内に強制的に通風するので、缶の内側
と外側では、圧力が著しく相違する。

そのため、強制給排気式の器具を効率良く燃焼させる為
には、缶とその周辺の集合筒やバーナケースの内部を外
気から完全に遮断する必要がある。もし、集合筒やバー
ナケース等に隙間が有った場合は、ファンによって送ら
れる大量の空気が当該隙間から出入りし、熱が逃げた
り、燃焼状態が悪化する事態になる。

しかしながら、近年採用が盛んな、２つの缶体を持つ器
具の場合は、缶とその周辺器具の内部を外界と完全に遮
断する事は困難である。

すなわち、２回路器具は前記したように、バーナケース
４や集合筒１が一体であり、缶体が２つであるから、両
者の接合部の長さが１回路器具に比べて非常に長く、全
ての接合部を完全にシールする事が困難である。

特に、缶と缶とに挟まれた中間部分は、スペースが狭
く、加工が困難であり充分に力を加えて、缶とバーナケ
ース等を密着させることができない。

そこで従来では、バーナケース４から缶体２及び３に通
過した排気が両缶体２及び３の間に洩れることを防止す
るため、両缶体２及び３の側面に形成したフランジ2a及
び3aあるいは2b及び3bの間に形成される隙間を覆うパッ
キン10aあるいは10bを、フランジ2a及び3aあるいは2b及
び3bに密着させるため、当金11aあるいは11bが設けられ
ている。そして、必要に応じて、気流の安定化を兼ねた
仕切板７が当金11aに当接され、当金11aの変形の防止が
図られる。

（考案が解決しようとする問題点） このように、従来の２回路器具では、加熱気流や排気の
漏洩を防止するために複雑な構成が必要となるうえ、例
えば使用中に当金11aあるいは11bが加熱されて膨張し、
パッキン10aあるいは10bのシール性が低下するおそれが
ある。

当金11aあるいは11bをねじ等で、フランジ2a,3aあるい
は2b,3bに完全に締結して固定してしまえば、当該部分
からの漏洩は防止できるが、缶体の壁体同志の隙間は、
非常に狭く、ねじ等を締めつける為の作業スペースが無
いため、実際上これらをねじで固定する事は不可能であ
る。

したがって、特に当金11Bは、ねじ等によっては、その
両端が固定できるにすぎず、また仕切り板様のもので押
さえる事もできないのでシール性に対する信頼性が低い
ものとならざるをえない。

本考案は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、簡
単な構成でバーナケース接続部や排気集合接続部の漏れ
防止に対する信頼性を高められるようにした２回路器具
を提供することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） そして上記した目的を達成するための、本考案の特徴
は、回路用途に応じて設けられる２つの缶体が並列に配
置されているとともに、両缶体に送風するファンが設け
られ、１つの集合筒及びバーナケースを有し、バーナケ
ース、缶体、集合筒の順に順次連結される２回路器具に
おいて、集合筒あるいはバーナケースの接続面を全体に
わたって覆うとともに、２つの缶体の開口間の隙間を閉
塞する一枚板状の接続フランジが各缶体の両端に固定さ
れ、接続フランジの周囲部にはパッキンが介在されてい
る２回路器具にある。

（作用） 本考案の２回路器具では、２つの缶体の開口間の隙間
が、接続フランジによって閉塞されている。そのため、
排気等の缶体の間への漏れは、この接続フランジによっ
て完全に防止され、従来技術で問題であったような、排
気等が２つの缶体の間に漏れ出ることは無い。

したがって、単に、２つの缶体の周囲部と、バーナケー
スの周囲部との接合面からの排気等の漏れを防止するだ
けで、缶体やバーナケース等と外部との間の気密性は確
保される。

本考案は、接続フランジの周囲部にパッキンを設け、こ
のパッキンを介して、缶体と、バーナケース等を接続さ
れているので、接続フランジの周囲部からの排気等の漏
れは完全に防止される。

（実施例） 以下、本考案を図例に基づき具体的に説明する。

第１図は本考案の一実施例に係る２回路器具の縦断面図
であり、第２図はその缶体の斜視図である。図におい
て、１は集合筒、２は給湯缶体、３は風呂缶体、４はバ
ーナケースであり、下からバーナケース４、缶体２、
３、集合筒１と、順次積み重ねて組み立てられる。バー
ナケース４内にはノズルが取付けられた前管５及び燃焼
管（図示せず）が収納され、ファン６が接続されてい
る。８は集合筒用接続フランジで、各缶体２及び３の端
面開口に対応する開口を形成し、各缶体２及び３のフラ
ンジ2a及び3aが固定される。又、９はバーナケース用接
続フランジで、同様にフランジ2b及び3bが固定され、こ
れら両接続フランジ８、９で、給湯缶体２と風呂缶体３
とは１個の組立体とされる。10aは集合筒接続パッキ
ン、10bはバーナケース接続パッキンで、両接続フラン
ジ８、９の外周に配され、集合筒１と缶体２、３及びバ
ーナケース４と缶体２、３との間をシールするものであ
る。

上記構成においてその組立手順を示すと、まず缶体２、
３を１体のものとして組立てておく。次に、前管５等を
組み込んだバーナケース４上に接続パッキン10bをの
せ、缶体２、３の組立体を載置して接続フランジ９の全
周をバーナケース４にビス等で固定する。そして接続フ
ランジ８上に接続パッキン10aをのせ、集合筒１を載置
て集合筒１の全周を接続フランジ８にビス等で固定す
る。

この２回路器具によれば、各缶体２及び３の端面開口に
対応する開口を形成した部分を除いて、各接続フランジ
８あるいは９が集合筒１あるいはバーナケース４の接続
面を全体にわたって覆うので、これら接続面において各
缶体２及び３の間の隙間が接続フランジ８あるいは９に
よって塞がれる。したがって、各接続フランジ８あるい
は９と集合筒１あるいはバーナケース４の接続面の周囲
部を全周にわたって気密状に接続すれば、バーナケース
４から各缶体２及び３を経て集合筒１にわたって形成さ
れる燃焼気流ないし排気の通路が外部から遮断され、パ
ッキン10a及び10bの各缶体２及び３の間の隙間を覆う部
分は省略でき、また、従来パッキン10aあるいは10bのこ
の部分に当てがわれていた当金11a及び11bや仕切板７を
省略することができ、構成を簡単にできる。しかも、集
合筒１あるいはバーナケース４の周囲部で接続面を密封
するので、シール性に対する信頼性が高くなる。

尚、本実施例では、バーナケース接続パッキン10bを各
缶体２、３間も仕切るように形成しているが、これは両
缶体２、３の炉圧がバランスしていれば必要ないもので
ある。

（考案の効果） 以上のように、本考案によれば、パッキンの各缶体の間
の隙間を覆う部分、パッキンのその部分に当てがわれて
いた当金及び仕切り板７を省略することができ、構成を
簡単にできる効果がある。

また、集合筒１あるいはバーナケース４の周囲部で接続
面を密封するので、シール性に対する信頼性が高くなる
効果がある。

その上、組立工程において複数の缶体を１体のものとし
て集合筒やバーナケースと組立できるので組立作業性が
大幅に高められ、大幅なコストダウンを図ることができ
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図、第２図はその缶
体の斜視図、第３図は従来例の断面図である。 １……集合筒 ２……給湯缶体 ３……風呂缶体 ４……バーナケース ８・９……接続フランジ 10a・10b……接続パッキン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回路用途に応じて設けられる２つの缶体が
   並列に配置されているとともに、両缶体に送風するファ
   ンが設けられ、１つの集合筒及びバーナケースを有し、
   バーナケース、缶体、集合筒の順に順次連結される２回
   路器具において、集合筒あるいはバーナケースの接続面
   を全体にわたって覆うとともに、２つの缶体の開口間の
   隙間を閉塞する一枚板状の接続フランジが各缶体の両端
   に固定され、接続フランジの周囲部にはパッキンが介在
   されていることを特徴とする２回路器具。