JPH0641004A - 新規化合物 - Google Patents
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- JPH0641004A JPH0641004A JP3131265A JP13126591A JPH0641004A JP H0641004 A JPH0641004 A JP H0641004A JP 3131265 A JP3131265 A JP 3131265A JP 13126591 A JP13126591 A JP 13126591A JP H0641004 A JPH0641004 A JP H0641004A
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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- C07C37/50—Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring by reactions decreasing the number of carbon atoms
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 4-メチルシクロヘキサ-3,5- ジエン-1,2- ジ
オール-1- カルボン酸。p-キシレンからの微生物による
代謝産物として得ることができる。 【効果】 p-クレゾール製造の際の出発物質として有用
である。
オール-1- カルボン酸。p-キシレンからの微生物による
代謝産物として得ることができる。 【効果】 p-クレゾール製造の際の出発物質として有用
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規化合物に関し、特に
p−クレゾールの製造に有用な化合物に関する。
p−クレゾールの製造に有用な化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】p−クレゾールは年間7700万ポンドの市
場をもつ化学薬品である。この化合物は、ブチル化ヒド
ロキシトルエンのような酸化防止剤の合成ならびにレゾ
ール類やノボラック類のような熱硬化性樹脂の製造に主
に使用されている。クレゾール類は石炭および石油のナ
フサ留分から直接得ることができるが、そのメタおよび
パラ異性体の分離は、それらの沸点が非常に近似してい
るために困難である。純粋なp−クレゾールを得るため
には、トルエンを硫酸でスルホン化した後、水酸化ナト
リウムと共に溶融すると、パラ異性体に富むスラリーが
得られる。p−クレゾールの純度を高めるために、最終
工程として極低温晶析を採用する。あるいは、トルエン
をプロピレンおよびルイス酸を用いてシメン類の混合物
にアルキル化し、次いで脱アルキル化によりクレゾール
にし、最終的に極低温で分離を行う方法もある。
場をもつ化学薬品である。この化合物は、ブチル化ヒド
ロキシトルエンのような酸化防止剤の合成ならびにレゾ
ール類やノボラック類のような熱硬化性樹脂の製造に主
に使用されている。クレゾール類は石炭および石油のナ
フサ留分から直接得ることができるが、そのメタおよび
パラ異性体の分離は、それらの沸点が非常に近似してい
るために困難である。純粋なp−クレゾールを得るため
には、トルエンを硫酸でスルホン化した後、水酸化ナト
リウムと共に溶融すると、パラ異性体に富むスラリーが
得られる。p−クレゾールの純度を高めるために、最終
工程として極低温晶析を採用する。あるいは、トルエン
をプロピレンおよびルイス酸を用いてシメン類の混合物
にアルキル化し、次いで脱アルキル化によりクレゾール
にし、最終的に極低温で分離を行う方法もある。
【0003】米国特許第2,437,648 は、四酸化オスミウ
ムのような触媒活性の金属酸化物の存在下でトルエンを
過酸化水素により酸化することからなるp−クレゾール
の製造方法について記載している。
ムのような触媒活性の金属酸化物の存在下でトルエンを
過酸化水素により酸化することからなるp−クレゾール
の製造方法について記載している。
【0004】米国特許第2,727,926 ( 再発行特許第24,8
48) は、安息香酸銅のような可溶性銅触媒の存在下でト
ルイル酸をp-クレゾールに転化する方法を記載してい
る。
48) は、安息香酸銅のような可溶性銅触媒の存在下でト
ルイル酸をp-クレゾールに転化する方法を記載してい
る。
【0005】米国特許第3,046,305 は、モノアルキルベ
ンゼンにホスゲンを作用させて、p,p'−ジアルキルベン
ゾフェノンを生成させ、その後このp,p'−ジアルキルベ
ンゾフェノンに過酸化水素、無水酢酸および硫酸を作用
させてp−アルキル安息香酸のp−アルキルフェニルエ
ステルを生成させ、この中間体を次いで加水分解して、
相当するp−アルキルフェノールおよびp−アルキル安
息香酸生成物を得ることからなる、モノアルキルベンゼ
ン化合物をp−アルキルフェノールおよびp−アルキル
安息香酸に転化する方法を記載している。
ンゼンにホスゲンを作用させて、p,p'−ジアルキルベン
ゾフェノンを生成させ、その後このp,p'−ジアルキルベ
ンゾフェノンに過酸化水素、無水酢酸および硫酸を作用
させてp−アルキル安息香酸のp−アルキルフェニルエ
ステルを生成させ、この中間体を次いで加水分解して、
相当するp−アルキルフェノールおよびp−アルキル安
息香酸生成物を得ることからなる、モノアルキルベンゼ
ン化合物をp−アルキルフェノールおよびp−アルキル
安息香酸に転化する方法を記載している。
【0006】本発明に一般に関係するその他の特許とし
ては、米国特許第2,722,546 ; 2,903,480 ; 3,819,725
; 3,929,911 ; 4,061,685 ; 4,189,602 ; 4,277,012
等; ならびに英国特許第964,980 が挙げられる。
ては、米国特許第2,722,546 ; 2,903,480 ; 3,819,725
; 3,929,911 ; 4,061,685 ; 4,189,602 ; 4,277,012
等; ならびに英国特許第964,980 が挙げられる。
【0007】大量生産される化学薬品の新規且つ改良さ
れた製造方法の開発に対しては、研究努力が今なお続け
られている。
れた製造方法の開発に対しては、研究努力が今なお続け
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、エネルギー集約的ではないp−クレゾール製造に有
用な新規化合物を提供することである。
は、エネルギー集約的ではないp−クレゾール製造に有
用な新規化合物を提供することである。
【0009】本発明の別の目的は、p−キシレンからp
−クレゾール前駆体への転化のための微生物代謝経路を
提供することである。
−クレゾール前駆体への転化のための微生物代謝経路を
提供することである。
【0010】本発明のその他の目的および利点は、以下
の説明から明らかとなろう。
の説明から明らかとなろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、4
−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール
−1−カルボン酸の提供により達成される。このカルボ
ン酸化合物の水溶液からなる反応媒質を調製し、この水
溶液の酸性度を、前記カルボン酸化合物をp-クレゾール
に転化させるのに十分なpHレベルまで高めることによ
り、p-クレゾールを製造できる。
−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール
−1−カルボン酸の提供により達成される。このカルボ
ン酸化合物の水溶液からなる反応媒質を調製し、この水
溶液の酸性度を、前記カルボン酸化合物をp-クレゾール
に転化させるのに十分なpHレベルまで高めることによ
り、p-クレゾールを製造できる。
【0012】4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−
1,2 −ジオール−1−カルボン酸からp−クレゾールへ
の転化は下記の反応式により示される。
1,2 −ジオール−1−カルボン酸からp−クレゾールへ
の転化は下記の反応式により示される。
【0013】
【化1】
【0014】水性媒質は、場合により、エタノール、テ
トラヒドロフラン、アセトン等の水混和性有機溶媒を含
有していてもよい。
トラヒドロフラン、アセトン等の水混和性有機溶媒を含
有していてもよい。
【0015】反応媒質の酸性pHは、好ましくは約6.5
未満、特に好ましくは約3未満である。反応温度は約0
〜100 ℃の範囲内であり、普通には反応は室温で容易に
進行する。
未満、特に好ましくは約3未満である。反応温度は約0
〜100 ℃の範囲内であり、普通には反応は室温で容易に
進行する。
【0016】水性反応媒質中の4−メチルシクロヘキサ
−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸は、
水性反応媒質の酸性度を約3未満に調整すると、室温で
急速かつ本質的に定量的に、p−クレゾールに転化す
る。水性反応媒質の酸性化に好都合な試薬は、塩酸のよ
うな鉱酸である。
−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸は、
水性反応媒質の酸性度を約3未満に調整すると、室温で
急速かつ本質的に定量的に、p−クレゾールに転化す
る。水性反応媒質の酸性化に好都合な試薬は、塩酸のよ
うな鉱酸である。
【0017】後出の参考例に示すように、約7の中性p
Hでは4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −
ジオール−1−カルボン酸化合物は安定であり、自発的
にp−クレゾールに転化することはない。この同じ水性
媒質を約60℃より高温に加熱すると、このカルボン酸化
合物のp−クレゾールへの分解が起こる。
Hでは4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −
ジオール−1−カルボン酸化合物は安定であり、自発的
にp−クレゾールに転化することはない。この同じ水性
媒質を約60℃より高温に加熱すると、このカルボン酸化
合物のp−クレゾールへの分解が起こる。
【0018】水性媒質からのp−クレゾールの回収は、
常法により、たとえばベンゼンまたは酢酸エチルのよう
な水不混和性溶媒による抽出によって行うことができ
る。
常法により、たとえばベンゼンまたは酢酸エチルのよう
な水不混和性溶媒による抽出によって行うことができ
る。
【0019】p−クレゾールが低濃度で存在している場
合に採用しうるp−クレゾールの別の回収方法は、水性
媒質を活性炭のような吸着剤と接触させることである。
その後、吸着されたp−クレゾールは、アルカノール
(例、メタノール) またはアルカリ性溶液などの脱着剤
による洗浄などの手段で吸着剤基体から離脱させること
ができる。米国特許第4,071,398 に記載の生成物吸着と
吸着剤再生処理法を、本発明のこの態様によるp−クレ
ゾールの回収に適用することができる。
合に採用しうるp−クレゾールの別の回収方法は、水性
媒質を活性炭のような吸着剤と接触させることである。
その後、吸着されたp−クレゾールは、アルカノール
(例、メタノール) またはアルカリ性溶液などの脱着剤
による洗浄などの手段で吸着剤基体から離脱させること
ができる。米国特許第4,071,398 に記載の生成物吸着と
吸着剤再生処理法を、本発明のこの態様によるp−クレ
ゾールの回収に適用することができる。
【0020】本発明の4−メチルシクロヘキサ−3,5 −
ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸は、ジヒドロ
ジオールの分子構造と合致したスペクトル特性を有する
微生物細胞培養液の代謝中間体として文献に提示された
ことのある、或る新規な種類の化合物と化学構造におい
て関連性がある。
ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸は、ジヒドロ
ジオールの分子構造と合致したスペクトル特性を有する
微生物細胞培養液の代謝中間体として文献に提示された
ことのある、或る新規な種類の化合物と化学構造におい
て関連性がある。
【0021】芳香族カルボン酸のジヒドロジオール型化
合物はBiochemistry, 10, (13), 2530 (1971) に最初に
報告された。安息香酸異化作用が遮断されたアルカリゲ
ネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus) のある
突然変異菌株は、次式に示すように安息香酸を3,5 −シ
クロヘキサジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸と
いう構造が与えられた化合物に転化した。
合物はBiochemistry, 10, (13), 2530 (1971) に最初に
報告された。安息香酸異化作用が遮断されたアルカリゲ
ネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus) のある
突然変異菌株は、次式に示すように安息香酸を3,5 −シ
クロヘキサジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸と
いう構造が与えられた化合物に転化した。
【0022】
【化2】
【0023】上記の論文はさらに、提示された上記のジ
ヒドロジオール型化合物は、この化合物の酸性水溶液を
45℃に加温したときに、次式のように分解することも報
告している。
ヒドロジオール型化合物は、この化合物の酸性水溶液を
45℃に加温したときに、次式のように分解することも報
告している。
【0024】
【化3】
【0025】また、同じ論文によるとアルカリゲネス・
ユートロファスのある突然変異菌株は、安息香酸により
誘導したときに、m−トルイル酸を3−メチルシクロヘ
キサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸
の構造と合致したスペクトルを示す生成物に酸化した。
さらに、野性型の菌から調整した酵素は、上に提示した
3−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオー
ル−1−カルボン酸から3−メチルカテコールへの転化
に対して触媒作用をした。
ユートロファスのある突然変異菌株は、安息香酸により
誘導したときに、m−トルイル酸を3−メチルシクロヘ
キサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸
の構造と合致したスペクトルを示す生成物に酸化した。
さらに、野性型の菌から調整した酵素は、上に提示した
3−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオー
ル−1−カルボン酸から3−メチルカテコールへの転化
に対して触媒作用をした。
【0026】p−キシレンおよびm−キシレンの細菌代
謝の研究が、Journal of Bacteriology, 119 (3), 923
(1974)に報告されている。シュードモナス(Pseudomona
s)Pxy-40 は、p−キシレンの存在下でサクシネート上
で培養すると、培地中にp−トルイル酸を蓄積した。同
じ条件下でシュードモナスPxy-82はp−トルイル酸の他
に4−メチルカテコールも蓄積した。上に述べたBioche
mistry, 10 (13) 2530 (1971) の実験結果との類推によ
い、シュードモナスPxy が利用した最初の反応はp−キ
シレンの酸化であるという代謝経路が提案された。この
経路は、、p−キシレンから、p−メチルベンジルアル
コール、p−トルアルデヒド、p−トルイル酸、および
4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオー
ル−1−カルボン酸を経て4−メチルカテコールに至る
進行経路として示された。最後の4−メチルカテコール
代謝産物は単離され、同定された。推定された代謝中間
体である4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2
−ジオール−1−カルボン酸の蓄積または同定はなかっ
た。
謝の研究が、Journal of Bacteriology, 119 (3), 923
(1974)に報告されている。シュードモナス(Pseudomona
s)Pxy-40 は、p−キシレンの存在下でサクシネート上
で培養すると、培地中にp−トルイル酸を蓄積した。同
じ条件下でシュードモナスPxy-82はp−トルイル酸の他
に4−メチルカテコールも蓄積した。上に述べたBioche
mistry, 10 (13) 2530 (1971) の実験結果との類推によ
い、シュードモナスPxy が利用した最初の反応はp−キ
シレンの酸化であるという代謝経路が提案された。この
経路は、、p−キシレンから、p−メチルベンジルアル
コール、p−トルアルデヒド、p−トルイル酸、および
4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオー
ル−1−カルボン酸を経て4−メチルカテコールに至る
進行経路として示された。最後の4−メチルカテコール
代謝産物は単離され、同定された。推定された代謝中間
体である4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2
−ジオール−1−カルボン酸の蓄積または同定はなかっ
た。
【0027】すなわち、以上に述べた微生物学的文献に
関して要約すると、最初の文献では、3,5 −シクロヘキ
サジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸の代謝産物
がサリチル酸およびフェノールに転化した。第2の文献
では、推定された4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエ
ン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸化合物は、一時的
な代謝産物中間体であって、生体内で4−メチルカテコ
ールに転化した。したがって、本発明の4−メチルシク
ロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボ
ン酸をp−クレゾールに急速かつ定量的に転化しうるこ
とは予期されなかった。
関して要約すると、最初の文献では、3,5 −シクロヘキ
サジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸の代謝産物
がサリチル酸およびフェノールに転化した。第2の文献
では、推定された4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエ
ン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸化合物は、一時的
な代謝産物中間体であって、生体内で4−メチルカテコ
ールに転化した。したがって、本発明の4−メチルシク
ロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボ
ン酸をp−クレゾールに急速かつ定量的に転化しうるこ
とは予期されなかった。
【0028】本明細書の実施例1でより詳しく述べるよ
うに、或る種の微生物を使用してp−キシレンを代謝産
物中間体である4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン
−1,2 −ジオール−1−カルボン酸に転化すると、この
中間体は培地中に蓄積した。
うに、或る種の微生物を使用してp−キシレンを代謝産
物中間体である4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン
−1,2 −ジオール−1−カルボン酸に転化すると、この
中間体は培地中に蓄積した。
【0029】使用した微生物は、トルエン上での増殖能
力をもつように土壌から分離した菌株であった。この菌
株はp−キシレン上でも代謝産物中間体としてp−トル
エートおよび4−メチルカテコールを経て増殖する。土
壌から分離されたシュードモナス属の菌種は、しばし
ば、トルエンの中心代謝物 (central metabolites)への
酸化をコードする遺伝子を保有しているプラスミドを有
していることが認められる。プラスミドは染色体DNA
より小さい環状DNAの独立した部分である。本発明に
関係する具体的なプラスミドは、TOLプラスミドと呼
ばれるものであり、これはトルエン、p−キシレン、m
−キシレン、ベンゾエート、p−トルエートおよびm−
トルエートの分解をコードする。
力をもつように土壌から分離した菌株であった。この菌
株はp−キシレン上でも代謝産物中間体としてp−トル
エートおよび4−メチルカテコールを経て増殖する。土
壌から分離されたシュードモナス属の菌種は、しばし
ば、トルエンの中心代謝物 (central metabolites)への
酸化をコードする遺伝子を保有しているプラスミドを有
していることが認められる。プラスミドは染色体DNA
より小さい環状DNAの独立した部分である。本発明に
関係する具体的なプラスミドは、TOLプラスミドと呼
ばれるものであり、これはトルエン、p−キシレン、m
−キシレン、ベンゾエート、p−トルエートおよびm−
トルエートの分解をコードする。
【0030】本発明の4−メチルシクロヘキサ−3,5 −
ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸を蓄積・供給
するのに使用される基本培地は、Biochem. Biophys. Re
s. Comm., 36, 179 (1969)に記載されているものと大体
同様である。培地へのp−キシレンの導入は滅菌プロピ
レンバイアルを使用して行った。
ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸を蓄積・供給
するのに使用される基本培地は、Biochem. Biophys. Re
s. Comm., 36, 179 (1969)に記載されているものと大体
同様である。培地へのp−キシレンの導入は滅菌プロピ
レンバイアルを使用して行った。
【0031】一般的操作について説明すると、p−キシ
レン上で増殖不能ということにより決定される突然変異
特性を示す菌株をサクシネート上で増殖させ、次いでp
−キシレンを与えた。利用した菌株は、4−メチルカテ
コールを蓄積せずに最大量の4−メチルシクロヘキサ−
3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−カルボン酸を蓄積する
ように思われたものであった。
レン上で増殖不能ということにより決定される突然変異
特性を示す菌株をサクシネート上で増殖させ、次いでp
−キシレンを与えた。利用した菌株は、4−メチルカテ
コールを蓄積せずに最大量の4−メチルシクロヘキサ−
3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−カルボン酸を蓄積する
ように思われたものであった。
【0032】ケモスタットを使用して、p−キシレンを
酸化するシュードモナス属の菌株で高い増殖速度を示す
ものを分離した。この高速増殖する菌株は、親菌株に比
べて1/7 の倍加時間で増殖した。
酸化するシュードモナス属の菌株で高い増殖速度を示す
ものを分離した。この高速増殖する菌株は、親菌株に比
べて1/7 の倍加時間で増殖した。
【0033】次に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお、実施例において反応物質およびその他の具体
的成分ならびに条件は代表例として挙げたものであっ
て、本発明の範囲内において以上の説明に基づいて各種
の変更をなすことができよう。
る。なお、実施例において反応物質およびその他の具体
的成分ならびに条件は代表例として挙げたものであっ
て、本発明の範囲内において以上の説明に基づいて各種
の変更をなすことができよう。
【0034】
【実施例1】本実施例は、p−キシレン代謝産物から4
−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール
−1−カルボン酸の微生物培養による蓄積を例示する。
−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール
−1−カルボン酸の微生物培養による蓄積を例示する。
【0035】使用した微生物は、トルエン上での増殖に
対する増菌によって土壌から分離されるシュードモナス
・ピュチダバイオタイプAである。この微生物はまたp
−キシレン、m−キシレン、p−トルエートおよびベン
ゾエート上で増殖することができる (ATCC No.39,1
19) 。
対する増菌によって土壌から分離されるシュードモナス
・ピュチダバイオタイプAである。この微生物はまたp
−キシレン、m−キシレン、p−トルエートおよびベン
ゾエート上で増殖することができる (ATCC No.39,1
19) 。
【0036】下記組成の中性pH培地を用意する。
【0037】 50mM リン酸Na-K緩衝液 2.0 g/liter NH4Cl 0.200 〃 MgSO4・7H2O 0.001 〃 FeSO4・7H2O 0.003 〃 MnSO4・H2O 0.003 〃 ZnSO4・7H2O 0.001 〃 CoSO4・7H2O 0.010 〃 EDTA 燐酸緩衝液 (pH 7.0) を含有する上記の最小塩滅菌液体
培地50mlを入れた250ml の三角フラスコに、上記の微生
物を栄養寒天培養液から接種する。滅菌したポリプロピ
レン製の液体窒素貯蔵バイアルにp−キシレンを加え、
これを次いで上の接種したフラスコに入れる。菌体濁度
の増加により示される増殖が認められた場合、培養中の
培養液から試料を採取し、遠心分離し、上澄み液を代謝
産物について分析する。
培地50mlを入れた250ml の三角フラスコに、上記の微生
物を栄養寒天培養液から接種する。滅菌したポリプロピ
レン製の液体窒素貯蔵バイアルにp−キシレンを加え、
これを次いで上の接種したフラスコに入れる。菌体濁度
の増加により示される増殖が認められた場合、培養中の
培養液から試料を採取し、遠心分離し、上澄み液を代謝
産物について分析する。
【0038】目的とする代謝産物の4−メチルシクロヘ
キサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸
は下記の特性を有していた。
キサ−3,5 −ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸
は下記の特性を有していた。
【0039】UVスペクトル λmax = 265 nm ε= 6,000cm-1M-1 高性能液体クロマトグラフィー(HPLC) 保持時間= 5.00 〜5.15分 HPLCの条件: カラム: C18ラジアルコンプレッションHPLCカラム (Wa
ters) 溶媒 : 5%イソプロパノールおよび10mMリン酸 流速 : 3ml/min 同定された代謝産物に対する隣接型ジヒドロジオール分
子構造の帰属は、関係する文献と合致した。シス配置の
ジヒドロジオール構造を生ずる二重ヒドロキシル化によ
り開始される細菌異化作用は、Crit. Rev. Microbiol.,
1, 199 (1971)および Tetrahedron, 34, 1707 (1978)
に記載されている。
ters) 溶媒 : 5%イソプロパノールおよび10mMリン酸 流速 : 3ml/min 同定された代謝産物に対する隣接型ジヒドロジオール分
子構造の帰属は、関係する文献と合致した。シス配置の
ジヒドロジオール構造を生ずる二重ヒドロキシル化によ
り開始される細菌異化作用は、Crit. Rev. Microbiol.,
1, 199 (1971)および Tetrahedron, 34, 1707 (1978)
に記載されている。
【0040】
【参考例】本実施例は、4−メチルシクロヘキサ−3,5
−ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸からp−ク
レゾールへの転化方法およびこの分解反応に及ぼすpH
と温度の影響を例示する。
−ジエン−1,2 −ジオール−1−カルボン酸からp−ク
レゾールへの転化方法およびこの分解反応に及ぼすpH
と温度の影響を例示する。
【0041】4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−
1,2 −ジオール−1−カルボン酸の水溶液を分注して、
いくつかの試料液を得る。使用した試料の酸性化はリン
酸で行う。使用試料の加熱は約80℃の温度で5分間行
う。下記の表において、マイナス (−) 記号は最終生成
物の媒質中にその化合物が存在しないことを、またプラ
ス (+) 記号は最終生成物媒質中にその化合物が存在す
ることをそれぞれ意味する。また、表中、ジヒドロジオ
ールとは4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2
−ジオール−1−カルボン酸のことである。
1,2 −ジオール−1−カルボン酸の水溶液を分注して、
いくつかの試料液を得る。使用した試料の酸性化はリン
酸で行う。使用試料の加熱は約80℃の温度で5分間行
う。下記の表において、マイナス (−) 記号は最終生成
物の媒質中にその化合物が存在しないことを、またプラ
ス (+) 記号は最終生成物媒質中にその化合物が存在す
ることをそれぞれ意味する。また、表中、ジヒドロジオ
ールとは4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン−1,2
−ジオール−1−カルボン酸のことである。
【0042】 ジヒドロジオール p−クレゾール pH 2.0 − + pH 7.0 + − pH 10.0 + − pH 7.0 +加熱 − + pH 10.0 +加熱 + − pH10+加熱+pH 2.0 への再調整 − + なお、上表のジヒドロジオールの定量は、HPLC法に
よりC18カラムおよび溶媒として5%イソプロパノール
+10mMリン酸を使用して (流速3ml/minで保持時間5.00
〜5.15分) 行ったものである。
よりC18カラムおよび溶媒として5%イソプロパノール
+10mMリン酸を使用して (流速3ml/minで保持時間5.00
〜5.15分) 行ったものである。
【0043】活性炭は、10mM水溶液中でp−クレゾール
を99%以上吸着することが認められた。吸着されたp−
クレゾールの約35〜40%は、活性炭をメタノールと接触
させることにより脱着され、回収される。
を99%以上吸着することが認められた。吸着されたp−
クレゾールの約35〜40%は、活性炭をメタノールと接触
させることにより脱着され、回収される。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、新規な化合物、4-メチ
ルシクロヘキサ-3,5- ジエン-1,2- ジオール-1- カルボ
ン酸が提供される。本発明の化合物は、種々の用途にお
いて需要の大きいp-クレゾールを製造する際に、出発物
質として使用でき有用である。
ルシクロヘキサ-3,5- ジエン-1,2- ジオール-1- カルボ
ン酸が提供される。本発明の化合物は、種々の用途にお
いて需要の大きいp-クレゾールを製造する際に、出発物
質として使用でき有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 4−メチルシクロヘキサ−3,5 −ジエン
−1,2 −ジオール−1−カルボン酸。 - 【請求項2】 非増殖炭素源の微生物学的転化により製
造された請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】 水溶液状態の請求項1または2記載の化
合物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US415,129 | 1982-09-07 | ||
US06/415,129 US4532209A (en) | 1982-09-07 | 1982-09-07 | Production of para-cresol |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58162676A Division JPS5980621A (ja) | 1982-09-07 | 1983-09-06 | p−クレゾ−ルの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641004A true JPH0641004A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=23644486
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58162676A Granted JPS5980621A (ja) | 1982-09-07 | 1983-09-06 | p−クレゾ−ルの製造法 |
JP3131265A Pending JPH0641004A (ja) | 1982-09-07 | 1991-06-03 | 新規化合物 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58162676A Granted JPS5980621A (ja) | 1982-09-07 | 1983-09-06 | p−クレゾ−ルの製造法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4532209A (ja) |
EP (1) | EP0105630B1 (ja) |
JP (2) | JPS5980621A (ja) |
KR (1) | KR880002304B1 (ja) |
DE (1) | DE3377794D1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6251041B1 (en) | 1998-06-11 | 2001-06-26 | Nsk Ltd. | Toroidal type continuously variable transmission |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4876200A (en) * | 1986-07-08 | 1989-10-24 | Shell Oil Company | New strains of pseudomonas putida |
GB8616614D0 (en) * | 1986-07-08 | 1986-08-13 | Shell Int Research | Organofluorine compounds |
US5420361A (en) * | 1992-02-05 | 1995-05-30 | Bio-Technical Resources | Formulation of and dehydration of hydroxylated diphenyl acetylenes |
US7902280B2 (en) * | 2007-02-26 | 2011-03-08 | Chemtura Corporation | Liquid styrenated phenolic compositions and processes for forming same |
US8193260B2 (en) * | 2007-02-26 | 2012-06-05 | Chemtura Corporation | Stabilization of polymers with styrenated-p-cresols |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2727926A (en) * | 1954-01-08 | 1955-12-20 | Dow Chemical Co | Catalytic oxidation of armoatic carboxylic acids to phenols |
CA1063522A (en) * | 1975-06-18 | 1979-10-02 | Kenneth W. Baierl | Chemical concentration by sequential activated carbon adsorption and fractionation |
-
1982
- 1982-09-07 US US06/415,129 patent/US4532209A/en not_active Expired - Fee Related
-
1983
- 1983-09-06 EP EP83305164A patent/EP0105630B1/en not_active Expired
- 1983-09-06 KR KR1019830004187A patent/KR880002304B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1983-09-06 JP JP58162676A patent/JPS5980621A/ja active Granted
- 1983-09-06 DE DE8383305164T patent/DE3377794D1/de not_active Expired
-
1991
- 1991-06-03 JP JP3131265A patent/JPH0641004A/ja active Pending
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
BIOCHIM BIOPHYS ACTA=1978 * |
TETRAHEDRON=1978 * |
ZENTRALBL BAKTERIOL,PARASITENKD,INFEKTIONSKR HYG,ABT 1:ORIG,REIHE B=1976 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6251041B1 (en) | 1998-06-11 | 2001-06-26 | Nsk Ltd. | Toroidal type continuously variable transmission |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR850000379A (ko) | 1985-02-27 |
EP0105630A3 (en) | 1985-12-18 |
EP0105630B1 (en) | 1988-08-24 |
EP0105630A2 (en) | 1984-04-18 |
KR880002304B1 (ko) | 1988-10-22 |
JPH0432813B2 (ja) | 1992-06-01 |
DE3377794D1 (en) | 1988-09-29 |
US4532209A (en) | 1985-07-30 |
JPS5980621A (ja) | 1984-05-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19950314 |