JPH0640899Y2 - 自動車用エンジンの排出ガス後処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用エンジンの排出ガス後処理装置に係
り、特にトラップフィルターに捕集されたエンジンの排
出ガス中に含まれているパティキュレートを離脱させる
ためのエアを蓄えるタンクが設けられている自動車用エ
ンジンの排出ガス後処理装置に関する。

（従来技術） ディーゼルエンジンなどから排出されるガス中には炭化
水素、カーボンなどからなる不純物としてのパティキュ
レートが含まれている。この排出ガスを清浄化するため
の後処理装置として排出ガスの経路中にトラップフィル
ターを設けて、ガス中のパティキュレートを捕集する排
出ガスの後処理装置がある。最近このような排出ガス後
処理装置を自動車に搭載することが試みられている。

第２図において符号１は自動車用のディーゼルエンジン
を示す。このエンジン１から排出されるガスはガス管２
からトラップフィルターケース３ならびにマフラー４を
経て排出される。トラップフィルターケース３には、排
出ガス中のパティキュレートを捕集するトラップフィル
ター５が収納されている（第３図参照）。このトラップ
フィルター５はセラミック材などによって構成されてお
り、上下方向に多数の小穴5aが形成されている。またト
ラップフィルターケース３の下部にはヒータ６が備えら
れている。

符号７はブレーキ用コンプレッサーを示し、このブレー
キ用コンプレッサー７はブレーキ用エアタンク８に接続
されている。符号９はフィルター用コンプレッサーを示
し、このフィルター用コンプレッサー９はフィルター用
エアタンク10に接続されている。さらにフィルター用エ
アタンク10は電磁弁11を介してトラップフィルターケー
ス３に接続されている。

この自動車用エンジンの排出ガス後処理装置では、ブレ
ーキ用コンプレッサー７からブレーキ用エアタンク８に
エアが供給されて、例えば８kg/cm²の圧力で蓄えられ
て、ブレーキ機構に供給される。

またフィルター用コンプレッサー９からフィルター用エ
アタンクにエアが供給され、例えば４kg/cm²の圧力で蓄
えられる。そして、電磁弁11が一定の動作間隔で一定時
間開かれ、フィルター用エアタンク10内のエアがトラッ
プフィルターケース３に導かれ、トラップフィルター５
の小穴5a内に捕集されたパティキュレートを離脱させ、
いわゆる逆洗を行ない、ケース３の下部に落下させてヒ
ータ６によって燃焼させるようにしている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら上記の自動車用エンジンの排出ガス後処理
装置では、ブレーキ用とフィルター用の二台のコンプレ
ッサーを備えるようにしている。したがって部品点数が
多く、エンジンの組み立て作業が煩雑化して、コストア
ップの原因となる。またエンジンルーム内のスペースを
利用する上で不利であり、しかも車体重量が増加するこ
とにもなる。

本考案は上記従来の問題点を解決するためになされたも
のであり、部品点数の減少ならびに組み立て作業の単純
化が可能で、コストダウンが実現でき、しかもエンジン
ルーム内の部品配置スペースを小さくでき、さらに車体
の軽重量化が可能な自動車用エンジンの排出ガス後処理
装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案は、自動車のブレーキ
用のエアを所定の圧力で蓄えておくためのブレーキ用エ
アタンクと、エンジンの排出ガス中に含まれているパテ
イキュレートを捕集するようにトラップフィルターが備
えられ、さらに、このトラップフィルターに捕集された
パティキュレートを離脱させるために送られるエアを、
ブレーキ用のエアより低い圧力で蓄えておくようにフィ
ルター用エアタンクが設けられているエンジンの排出ガ
ス後処理装置において、一台のコンプレッサーがブレー
キ用エアタンクに接続され、さらにブレーキ用エアタン
クがフィルター用エアタンクにリリーフ弁を介して接続
されている構成を備えている。

（作用） 上記構成を有する手段においては、一台のコンプレッサ
ーがブレーキ用エアタンクに接続され、さらにブレーキ
用エアタンクがフィルター用エアタンクにリリーフ弁を
介して接続されている構成を備えているので、ブレーキ
用エアタンク内のエアが所定圧力に達するとリリーフ弁
が開き、エアがコンプレッサーからブレーキ用エアタン
クを介してフィルター用エアタンクに供給されるように
なる。

（実施例） 以下、実施例を図面によって説明する。

第１図において、自動車用のディーゼルエンジン21には
排出ガスを導出するためのガス管22が設けられている。
このガス管22はトラップフィルターケース23に接続され
ている。トラップフィルターケース23には第２図に示し
た従来例と同様にトラップフィルターならびにパティキ
ュレートを燃焼させるためのヒータが収納されている。
さらにトラップフィルターケース23はマフラー24を介し
外気に連通されている。

符号27はコンプレッサーを示し、このコンプレッサー27
はブレーキ用エアタンク28に接続されている。さらにブ
レーキ用エアタンク28はリリーフ弁29を介してフィルタ
ー用エアタンク30に接続されている。さらのこのフィル
ター用エアタンク30は電磁弁31を介してトラップフィル
ターケース23に接続されている。

次に実施例に係る自動車用エンジンの排出ガス後処理装
置の動作について説明する。

エンジン21が作動されるとコンプレッサー27が連動して
駆動されて、エアがブレーキ用エアタンク28に供給され
る。そしてブレーキ用エアタンク28内のエア圧力が略８
kg/cm²になると、リリーフ弁が開放されてフィルター用
エアタンク30にエアが供給され、４kg/cm²の圧力で蓄え
られる。尚、コンプレッサーはブレーキ用エアタンクに
接続されているので、ブレーキ用のエアがフィルター用
のエアに優先して確保される。

また電磁弁31が一定の動作間隔で一定時間開放されて、
フィルター用エアタンク30からトラップフィルターケー
ス23内にエアが導入され、トラップフィルターの小穴内
に捕集されたパティキュレートを離脱させ、いわゆる逆
洗を行ない、フィルターケース23の下部に落下させて、
ヒータによって燃焼させる。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、一台のコンプレッサーが
ブレーキ用エアタンクに接続され、さらにブレーキ用エ
アタンクがフィルター用リリーフ弁を介して接続されて
いるので、一台のコンプレッサーをブレーキ用とフィル
ター用に兼用することができるようになる。したがって
部品点数の減少ならびに組み立て作業の単純化が可能と
なり、コストダウンが実現できるようになる。しかもエ
ンジンルーム内の部品の配置スペースを小さくでき、さ
らに車体の軽重量化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用エンジンの排出ガス後処
理装置の模式図、第２図は従来例に係る自動車用エンジ
ンの排出ガス後処理装置の模式図、第３図は自動車用エ
ンジンの排出ガス後処理装置に備えられているトラップ
フィルターケースの部分断面図である。 21……自動車用ディーゼルエンジン、23……トラップフ
ィルターケース、27……コンプレッサー、28……ブレー
キ用エアタンク、29……リリーフ弁、30……フィルター
用エアタンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車のブレーキ用のエアを所定の圧力で
   蓄えておくブレーキ用エアタンクと、エンジンの排出ガ
   ス中に含まれているパテイキュレートを捕集するトラッ
   プフィルターと、このトラップフィルターに捕集された
   パティキュレートを離脱させるために送るエアを、ブレ
   ーキ用のエアより低い圧力で蓄えておくフィルター用エ
   アタンクとが設けられているエンジンの排出ガス後処理
   装置において、一台のコンプレッサーがブレーキ用エア
   タンクに接続され、さらにブレーキ用エアタンクがフィ
   ルター用エアタンクにリリーフ弁を介して接続されてい
   ることを特徴とする自動車用エンジンの排出ガス後処理
   装置。