JPH0640899U - 原子燃料集合体輸送用保護治具 - Google Patents

原子燃料集合体輸送用保護治具

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JPH0640899U
JPH0640899U JP077111U JP7711192U JPH0640899U JP H0640899 U JPH0640899 U JP H0640899U JP 077111 U JP077111 U JP 077111U JP 7711192 U JP7711192 U JP 7711192U JP H0640899 U JPH0640899 U JP H0640899U
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高 信 宇
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保護治具を燃料集合体に装着する場合、拘束
板が異常な変形をしないようにし、所定の弾性特性を維
持したまま用いることができるようにした。 【構成】 複数本の燃料棒10を格子状に配列し複数個
のスペーサ等で支持した燃料集合体の輸送時に、各燃料
棒間に挿入して燃料棒を支持、拘束する原子燃料集合体
輸送用保護治具において、弾性を有する金属薄板に燃料
棒間隔より若干大きい高さを有するリブ25又は凹凸条
14aを形成した複数の拘束板を、コ字状の枠板15に
対してリブ等の軸線に対して直交する方向に摺動自在に
装着した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、原子燃料集合体輸送時に各燃料棒間に拘束板を挿入して燃料棒を支 持、拘束する原子燃料集合体輸送用保護治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は燃料集合体の縦断側面図であり、多数本の燃料棒10が縦・横等間隔に 格子状に配列されており、その上下複数個所に図9に示すようなスペーサ11が 装着され、そのスペーサ11によって各燃料棒10の間隔が保持されている。上 記スペーサ11には燃料棒10が挿通されるセル12内に少なくとも1個のスプ リング要素13が設けられており、このスプリング要素13によって燃料棒10 がセル12の内壁面に押圧固定されるようになっている。
【0003】 ところが、このような燃料集合体においては、その輸送時においてトラック等 の運搬装置の振動が燃料集合体に達し、重力加速度G値の変動によっては燃料棒 の振動により燃料棒表面とスプリング等セル内部材との間に微少な摺動が発生し 、燃料棒の表面にわずかながらも傷を付ける可能性がある。特に、最近では燃料 棒に高耐蝕被覆管が採用されており、このような傷が性能低下の要因にもなる可 能性がある。
【0004】 そこで、従来燃料集合体の輸送に際しては、図10に示すように、高さが各燃 料棒の間隔よりわずかに大きい波形の弾性を有するポリエチレン等のプラスチッ ク板又は金属薄板からなる拘束板14を各燃料棒10間に挿入し、拘束板14の 弾性力によって燃料棒10を押圧し、高いG値発生時においても燃料棒10をセ ル12内に固定し、燃料棒が振動しても、燃料棒表面とセル部材との間の摺動が 起こりにくいようにし、傷の発生を防止するようにしている。
【0005】 ところが、このように各単板状の拘束板14を各燃料棒10間に順次挿入する には、拘束板14の数が多数になることから、その作業が面倒であり、かつ長時 間を要する等の問題がある。そのため、複数の拘束板をワンタッチで一度に燃料 集合体に着脱できるようにした保護治具も提案されている。
【0006】 すなわち、図11に示すように、燃料集合体の外周部に一側方から装着できる ようにした断面コ字状の枠板15の内部に、その枠板15の両側板と平行に且つ 各燃料棒間に挿入可能に所定間隔をもって複数の拘束板14を立設し、この枠板 15を燃料集合体にその一側から嵌合させるとき、各拘束板14が燃料棒10間 に挿入されるようにしてある。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、燃料棒間隔より若干大きい高さを有するリブ等を設けた薄板を燃料 棒間に挿入した場合には、そのリブ等が燃料棒によって押されるため、上記薄板 はリブ等の軸線に対して直交する方向に伸縮する。
【0008】 しかるに、上述のように枠板15内に複数の拘束板14を立設した従来の保護 治具においては、図12に示すように、各拘束板14における枠板15と対面す る端縁14aの両端部がアングル部材16を介してスポット溶接により枠板15 に固着してある。
【0009】 したがって、上記拘束板14を燃料棒集合体の各燃料棒10間に挿入した場合 、枠板15が剛性を有するため、この拘束板14の伸縮が制限されてしまう。こ のため、上記拘束板14が異常な変形をしないと挿入できないことになり、本来 期待される条件、すなわち金属薄板の曲りによる弾性で燃料棒を押圧することと 異なる弾性を有するようになってしまい、特性が異なり振動の抑制が困難となっ たり、押圧が高く挿入が困難で燃料棒表面に傷がつくことがある等の問題があっ た。
【0010】 本考案はこのような点に鑑み、拘束板を本来期待されるその弾性特性を維持し たまま用いることができる保護治具を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案は、複数本の燃料棒を格子状に配列し複数個のスペーサ等で支持した燃 料集合体の輸送時に、各燃料間に挿入して燃料棒を支持、拘束する原子燃料集合 体輸送用保護治具において、弾性を有する金属薄板に燃料棒間隔より若干大きい 高さを有するリブを取付け、或は弾性を有する金属薄板に燃料棒間隔より若干大 きい高さの波形もしくは凹凸条を形成した複数の拘束板を、コ字条の枠板に対し てその拘束板を含む平面内において上記リブ又は波形等の軸線に対して直交する 方向に摺動自在に装着したことを特徴とする。
【0012】 また本考案の第2の考案は、拘束板をリブ等の軸線に平行な端縁部のみによっ て片持ち状態で枠板に装着したことを特徴とする。 また本考案の第3の考案は、拘束板をその端縁部の中央にて枠体に中持ち状態 にて固着し、上記枠体端部に設けた長孔に上記拘束板端部の両下端に取付けたピ ンを拘束板のリブ等の軸線に直交する方向に摺動自由に挿入したことを特徴とす る。 また本考案の第4の考案は、上記第1、第2及び第3の考案において、枠板並 びに弾性を有する金属薄板にリブ等を取付け又は形成した拘束板がプラスチック 等で被覆されていることを特徴とする。
【0013】
【作用】
保護治具を燃料集合体に装着し、各拘束板を各燃料棒間に挿入する場合、各拘 束板の伸縮によってその拘束板が枠板に対して摺動するので、拘束板の圧縮がス ムースに行われ、治具の燃料集合体への装着を傷の発生もなく容易に行うことが できる。
【0014】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本考案の実施例について説明する。
【0015】 図1は、本考案に係る原子燃料集合体輸送用保護治具の一例を示す一部切欠図 であり、燃料集合体の外周にその一側から嵌挿可能とした断面コ字状の枠板15 には、その基板部15aに、複数の拘束板14が互いに上記枠板15の両側壁部 15bと平行に配列装着されている。
【0016】 上記各拘束板14は、枠板15を燃料集合体に装着したとき各燃料棒間に挿入 されるように所定間隔をもって配設されている。
【0017】 また、各拘束板14は弾性を有する金属薄板によって構成されており、この金 属薄板には、燃料集合体の各燃料棒間より若干大きい高さを有し、前記枠板15 の基板部15aに対して垂直方向に延びる多数の凹凸条14aが形成されている 。しかして、この拘束板14が各燃料棒間に挿入された場合、上記凹凸条が押さ れて幅方向(凹凸条に直交する方向)に若干伸びるとともに、その反力で燃料棒 を押圧固定するようになっている。
【0018】 ところで、上記枠板15の基板部15aの一端縁部には、各拘束板14と対応 する位置に、図2に示すように2個の切込み20によって拘束板14を含む平面 内で外側方に突出する突起21が形成されている。一方、拘束板14には、上記 基板部15aと対向する底縁の一端部にリング状の係合片22が固着されており 、その係合片22が上記枠板15の突起21に摺動自在に嵌合されている。他方 上記拘束板14の他端部は適宜アングル部材23等を介して枠板15の基板部1 5aに固定されている。しかして、拘束板14が各燃料棒間に挿入されたとき、 係合片22と突起21との摺動によって拘束板14の伸びが自由に許容される。
【0019】 図3は、本考案の他の実施例を示す図であり、各拘束板14の底縁の少なくと も一端部には断面L字状に屈曲されたサポート板23が固着されており、そのサ ポート板23の垂直片部23aが枠板15の基板部15aに形成されたスリット 24に挿通係合され、拘束板14が上記スリット24に沿って摺動可能としてあ り、またサポート板23の水平片部23bが基板部15aの裏面に係合され拘束 板14の脱落が防止されるようにしてある。
【0020】 なお、図3においては部品点数を減らすため隣り合った拘束板14を結合して いる例を示したが、挿入時各拘束板にはほぼ同程度の伸びが発生するので、これ でも機能上の問題はない。勿論個々の拘束板毎に独立したサポート板を用いても よい。
【0021】 図4は、金属薄板の両面に複数のリブ25をその表裏で互い違いになるように 取付けた拘束板14を示す図であって、この場合燃料棒間に挿入時には拘束板1 4は縮むようになる。したがって、この縮みを吸収できるようなスライドストロ ークを設けるだけで、図2、図3等に示したスライド機構を適用することができ る。 図5は本考案の他の実施例を示す図であり、拘束板14を枠板15に伸縮自在に 固定するため、伸縮方向の一側部のみを枠板に固定されるようになっている。
【0022】 すなわち、拘束板14の凹凸条14aと平行な一側縁部が、それぞれ枠板15 に立設されたポスト26に固着されており、他側縁部等は枠板15に対してフリ ーな状態にしてある。しかして、拘束板14が各燃料棒間に挿入されたとき、拘 束板14は凹凸条14aの軸線に直交する方向に自由に伸びることができる。
【0023】 図6は、凹凸条14aを形成したものではなく、金属薄板にリブを取付け加工 したものについて、図5と同様なスライド機構を採用したものである。しかして 、この場合は燃料棒間に拘束板が挿入されたとき、拘束板14は縮まるようにな るだけでその作用は同一である。
【0024】 また、上記図5及び図6においては拘束板14の一側縁部のみをポスト26に 固着したものを示したが、図7に示すように、拘束板14の先端側縁部に沿うガ イド27をポスト26の先端に固着してもよい。 さらに、拘束板の側縁部中央を枠板に固着し、側縁部両下端に取付けたピンを 上記枠体端部に設けた長孔に挿入し、拘束板を各燃料棒間に挿入時に拘束板がリ ブ等の軸線に直交する方向に自由に伸び得るようにしてもよい。 なお、上記の各実施例では拘束板を金属薄板と記述したが、弾性を得る主体が 金属薄板であればよい。即ち、拘束板は金属薄板にプラスチック等で被覆しても よく、また、リブはプラスチック等で形成してもよい。
【0025】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案は拘束板を枠板に対して摺動自在に或は片持ち式 又は中持ち式に装着したので、燃料棒間に拘束板を挿入したとき拘束板の伸縮が 阻害されることがなく、拘束板の圧縮がスムースに行われ、治具の燃料集合体へ の装着時に傷の発生が生ずることが防止され、燃料集合体輸送中は拘束板の期待 された弾性でもって燃料棒を押圧、拘束し、振動によるフレッティング等の影響 を設計通り最大限に押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の保護治具の一部切欠いた状態を示す斜
視図。
【図2】図1の一部を拡大して示す斜視図。
【図3】本考案の他の実施例を示す部分図。
【図4】本考案のさらに他の実施例を示す部分図。
【図5】本考案の別の実施例に係る保護治具の斜視図。
【図6】本考案の他の実施例を示す部分図。
【図7】本考案のさらに他の実施例を示す部分図。
【図8】燃料集合体の概略構成を示す側面図。
【図9】スペーサの平面図。
【図10】燃料棒間にそれぞれ拘束板を挿入した燃料集
合体の部分図。
【図11】従来の保護治具を燃料集合体に装着した状態
を示す断面図。
【図12】従来の保護治具の部分図。
【符号の説明】
10 燃料棒 11 スペーサ 14 拘束板 14a 凹凸条 15 枠板 21 突起 22 係合片 23 サポート板 24 スリット 26 ポスト 27 ガイド

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数本の燃料棒を格子状に配列し複数個の
    スペーサ等で支持した燃料集合体の輸送時に、各燃料棒
    間に挿入して燃料棒を支持、拘束する原子燃料集合体輸
    送用保護治具において、弾性を有する金属薄板に燃料棒
    間隔より若干大きい高さを有するリブを取付け、或は弾
    性を有する金属薄板に燃料棒間隔より若干大きい高さの
    波形もしくは凹凸条を形成した複数の拘束板を、コ字状
    の枠体に対してその拘束板を含む平面内において上記リ
    ブ又は波形等の軸線に直交する方向に摺動自在に装着し
    たことを特徴とする、原子燃料集合体輸送用保護治具。
  2. 【請求項2】複数本の燃料棒を格子状に配列し複数個の
    スペーサ等で支持した燃料集合体の輸送時に、各燃料棒
    間に挿入して燃料棒を支持、拘束する原子燃料集合体輸
    送用保護治具において、弾性を有する金属薄板に燃料棒
    間隔より若干大きい高さを有するリブを取付け、或は弾
    性を有する金属薄板に燃料棒間隔より若干大きい高さの
    波形もしくは凹凸条を形成した複数の拘束板を、枠板に
    対して上記リブ等の軸線に平行な端縁部のみによって片
    持ち状態に装着したことを特徴とする、原子燃料集合体
    輸送用保護治具。
  3. 【請求項3】複数本の燃料棒を格子状に配列し複数個の
    スペーサ等で支持した燃料集合体の輸送時に、各燃料棒
    間に挿入して燃料棒を支持、拘束する原子燃料集合体輸
    送用保護治具において、弾性を有する金属薄板に燃料棒
    間隔より若干大きい高さを有するリブを取付け、或は弾
    性を有する金属薄板に燃料棒間隔より若干大きい高さの
    波形もしくは凹凸条を形成した複数の拘束板を、コ字状
    の枠体に対接する端縁部の中央にて枠板に中持ち状態に
    固着し、上記枠体端部に設けた長孔に上記拘束端縁部の
    両端に取付けたピンを拘束板のリブ等の軸線に直交する
    方向に摺動自在に挿入したことを特徴とする、原子燃料
    集合体輸送用保護治具。
  4. 【請求項4】複数本の燃料棒を格子状に配列し複数個の
    スペーサ等で支持した燃料集合体の輸送時に、各燃料棒
    間に挿入して燃料棒を支持、拘束する原子燃料集合体輸
    送用保護治具において、弾性を有する金属薄板はプラス
    チック等で被覆されていることを特徴とする、請求項
    1、請求項2又は請求項3記載の原子燃料集合体輸送用
    保護治具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010169447A (ja) * 2009-01-20 2010-08-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料棒集合体変形抑制器具及び輸送容器
JP2011089960A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Nuclear Fuel Ind Ltd 核燃料棒梱包体、核燃料棒梱包体用骨格体、核燃料棒梱包体用保持板及び核燃料棒を輸送容器へ梱包する方法

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