JPH0640464B2 - 線状表示面スリットマスク型カラ−映像管の表示面の製造法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 この発明は、映像管のスリツト型シヤドーマスクを写真
原板として用いかつ露光用光源として線光源を用いる写
真法によりカラー映像管の線状表示面を製造する方法に
関し、特にその露光中に映像管のフエースプレート上に
シヤドーマスクを通して投影される線光源の像の傾斜を
新規な補正レンズを用いて補正すると共に、その線光源
の有効長を新規な開口により変更する方法に関する。

現在製造されているカラー映像管の大部分は線状表示面
スリツトマスク型で、この映像管は陰極線発光材料の線
状表示面を表面に持つ球面輪郭の矩形フエースプレート
と、表示面に隣接する若干球面輪郭のスリツト開孔型シ
ヤドーマスクを有する。そのマスクのスリツトは垂直の
平行列に配列され、その各列がマスクの橋絡部または帯
状部により分離された複数個のスリツトを含んでいる。
またこの映像管の線状表示面は４辺が僅かに彎曲し、角
が円い外周を有する。

このような線状表示面スリツトマスク型映像管は米国特
許第4049451号に開示されているように、マスクのスリ
ットの長手軸すなわち上記スリットの平行列の延長方向
に長手軸を向けて配置されている線光源を用いた写真法
により製造されるが、この線光源を用いて連続する螢光
体の線を形成することには解決を要する固有の問題があ
る。すなわち、シヤドーマスクが実質的に球面状曲率を
有するため、マスクのスリツト開孔が長短両軸を離れる
ほどその線光源に対して傾斜し、これを補正しないとそ
の傾斜のために製造中に両側が比較的粗い螢光体の線が
できる。

この傾斜によつて生ずる問題を解決するためいくつかの
方法が提案されているが、その１つが米国特許第388867
3号および第3890151号に開示されている。この方法は傾
けたすなわち揺動する線光源と遮蔽板を組合せて用いる
もので、遮蔽板を移動してマスクと表示面の種々の部分
を露光しつつ、光源を傾けてこれがマスクの露光部のス
リツトに平行するようにする。この方法はいくつかの可
動機械部品を要するだけでなく、表示面の各露光部を感
光層が感光するに充分な時間光源に露出する必要がある
ため、極めて時間がかかる。

今１つの方法は、マスクの短軸を外れた開孔列を彎曲さ
せて、この開孔の線光源に対する傾斜を小さくするもの
である。この原理による特許は米国特許第3889145号、
第3925700号および第3947718号である。

さらに他の方法では、露光中線光源とシヤドーマスクの
間に負のメニスカスレンズを置き、上述のスリツト像の
傾斜を減じる方向に線光源の像を回転させる。この方法
は米国特許第4078239号に開示されている。これに述べ
られているように、開示のメニスカスレンズを用いた傾
斜の低減の理論的限界は、映像管の大きさによつて約62
〜70％の範囲にあるようである。

最近、球面状に彎曲したフエースプレートを持つ映像管
で従来得られていたより更に真の矩形表示面を持つ進歩
した線状表示面スリツトマスク型カラー映像管が提案さ
れている。このような改良管では表示面の両側上に滑ら
かな直線の螢光体線を形成することが特に重要であり、
そのため上述の彎曲開孔列の原理を用いて開孔像の傾き
を補正することができない。その上、上述のメニスカス
レンズの原理を用いると開孔像の傾きを若干補正するこ
とができても、傾斜補正量に対する理論的限界が表示面
の両側に滑らかな螢光体の線を得るに必要な何物かを残
す。

〔発明の概要〕

この発明は線状表示面スリツトマスク型カラー映像管の
表示面の製造法の改良に関し、その方法では、映像管の
フエースプレートパネルを感光材料で被覆し、そのパネ
ルにスリツト型シヤドーマスクを挿入し、このマスクの
スリットに、このスリットの長手軸方向すなわちスリッ
ト列の延長方向に長手軸を向けてかいちされている線光
源から発する光を通すことにより感光材料を露光する
が、その改良点は、その感光材料の露光中その線光源と
フエースプレートパネルとの間にほぼ円筒形のレンズ
（円柱レンズ）を置くことである。このレンズの長手軸
を線光源の長手軸に垂直に配向する。このレンズのた
め、マスクのスリツトを通つて感光材料に投射した線光
源の像が、パネルの長軸および短軸から外れた位置で、
短軸に平行になる方向に回転され、これによつて感光材
料上に滑らかな直線が露光される。その上線光源の有効
長が樽型開口部を介して変更される。この樽型開口は、
２つの相対向する長辺が、上記線光源の長手軸を実質的
に横切る方向に延びかつ外法に膨れるようにわん曲した
形をし、その両端部は２つの短辺により終端された形を
している。この樽型開口部による線光源の有効長の変更
によって、感光材料上に投射される線光源の像の有効長
が適正に補正される。

〔推奨実施例の詳細な説明〕

第１図はカラー映像管の露光に用いられるライトハウス
10として公知の露光装置である。このライトハウス10は
脚部18により所要の角度に支持された基台16にボルト
（図示せず）により互いに定位置に保持された光源室12
とパネル支持器14を含み、その光源室12内には線光源20
（一般に水銀弧灯）が支持されている。線光源20は、そ
の長手軸が後記するシャドウマスクのスリット列の延長
方向すなわちスリットの長手軸とほぼ平行に配置されて
いる。光源室12内でその線光源20の上方に開口板22が設
けられ、その開口部24が露光中に用いられる線光源20の
有効長を規定している。開口部24の真上に以下詳述する
新規な傾斜補正レンズ26があり、パネル支持器１４内に
は主補正レンズ構体28がある。レンズ構体28は、光源か
らの光を管球の動作中電子ビームがとる径路内に屈折し
て導入する不整合補正レンズ30と、ライトハウスの各部
の光強度の変化を補償する光強度補正用濾光板32を含ん
でいる。パネル支持器14にはフエースプレートパネル構
体34が取付けれられ、そのパネル構体34はフエースプレ
ートパネル３６とその中に公知の方法で取付けられたス
リツト型シヤドーマスク38を含んでいる。フエースプレ
ートパネル38の内面は感光性材料40で被覆され、露光過
程においてその感光性材料40が線光源20から開口板22、
傾斜補正レンズ26、濾光板32、不整合補正レンズ30およ
びシヤドーマスク38を通つた光に露出される。

第２図および第３図は線光源20と傾斜補正レンズ26をさ
らに詳細に示す。レンズ26はほぼ円柱形の中実光学石英
であつて、円柱をその中心軸に平行に薄切りした形を
し、ほぼ円柱面形の凸面と平坦面を有する。線光源20は
管状で例えばゼネラル・エレクトリツク社（General El
ectric）製のBH6型ランプのような水銀弧灯型のもので
よい。ライトハウス10内には傾斜補正レンズ26がその長
手軸Ａ−Ａを線光源20の長手軸Ｂ−Ｂに垂直にして配向
されている。第３図に示すように、光源20と補正レンズ
26の間には開口板22が設けられている。このレンズ26は
開口板22に対して開口部24上に直がに置くこともできる
が、レンズ26を開口部24上僅かに離すのが好い。

第４図は板22′の開口部24′の１参考例を示す。この開
口部24′は矩形である。この参考例では板22′に対して
どの角度から見ても光源20の有効長は一定であるが、第
５図に示す推奨実施例では板22の開口部24は、その相対
向する上下２つの長辺が線光源20の長手軸を横切る方向
（後記する第６図のフェースプレートパネルの長軸Ｘ−
Ｘ方向）に延び、しかも外側に膨れたわん曲曲線をな
し、この両長辺の端部が線光源20の長手軸方向に延びる
短辺で終端された、いわゆる樽型をしており、この開口
部24を通して線光源20を見ると、板22の法線に対する上
記Ｘ−Ｘ方向の傾斜角度が増すほど線光源20の可視長す
なわち有効長が短くなる。従って表示面の両側が中央よ
り実際上短い光源で露光される。これにより、表示面の
各部特に両側部における線光源の像（射影）の有効長が
適正に補正される。従つて表示面の両側が中央より実際
上短い光源で形成される。

レンズ26により与えられる傾斜補正は第６図と第７図を
比較することにより理解することができる。第６図は傾
斜補正レンズを用いずにフエースプレートパネル36′上
に投影された線光源の像42を示す。この図では、長軸Ｘ
−Ｘと短軸Ｙ−Ｙを外れた像がその両軸からの距離に依
存する種々の傾きを有する。説明のためこの図では像の
大きさと傾きが若干誇張されている。第７図は露光中傾
斜補正レンズを用いてフエースプレートパネル36上に投
影された光源像44を示す。これら判るように、レンズ26
を用いることにより滑らかな直線が露光される。

上記樽型の開口部24を持つ開口板22を使って、表示面の
両側部を中央部に対するよりも有効長の短い線光源で形
成すると、第７図に示されるような光源像44の個々の長
さが短くなるから、第６図に示されるような傾斜のレン
ズ26による補正結果がより完全になって、滑らかな直線
状の光源像の直列体が得られる。

第８図および第９図は全体としての円柱形の傾斜補正レ
ンズ46の他の型を示す。このレンズ46の上面は凸面でな
く凹面である。ライトハウス内でレンズ46はその長手軸
Ｃ−Ｃを線光源20の長手軸Ｂ−Ｂに直角に配向されてい
るが、前述の実施例と異り、第９図に示すように光源20
と開口板22の間に凹レンズ46が設けられている。

上記２つのレンズ実施例を第10図および第11図に示すよ
うに組合せることもできる。この組合せの実施例では、
２枚のレンズ26，46がその長手軸Ａ−Ａ、Ｃ−Ｃを互い
に平行に、しかも線光源20の長手軸Ｂ−Ｂに垂直に配向
されている。

〔一般的考察〕

上述のレンズの上面は全体として円柱形と定義されてい
るが、この定義はその表面が真の円柱面であっても、ま
た幾何学的円柱の定義から若干偏倚していてもよいこと
を意味する。本願発明の方法の用途によつては、シヤド
ーマスクやフエースプレートパネルの断面輪郭やマスク
と表示面の間隔が変化する管球において光源像の傾斜を
完全に補正するためにこの偏倚が必要なこともある。

この方法に用いる傾斜補正レンズはそのソーラリゼーシ
ヨン抵抗にして選ばれた紫外線（ＵＶ）級石英で製する
ことが望ましく、レンズの片側から10mmの位置において
１ＫＷ の水銀弧灯に100時間露出した後のレンズ透過
率が90％以上なければならない。また各レンズの全体と
して円柱形の表面の傾きのＸまたはＹ成分が特定値から
±0.5ミリラジアル以上偏倚していてはならず、その平
坦面はヘリウム光源を用いたとき均一な縞が５本以内の
平面度を示す必要がある。各レンズの両面は光学研摩清
潔度に仕上げられ、傷が認められてはならない。

第２図と第３図のレンズ26と同様の設計の特定の円形的
に円柱形の凸レンズの各寸法を次表に示す。この表に示
す品質領域は露光中い用いられるレンズの有効面積であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はカラー映像管の露光に用いるライトハウス露光
装置の部分縦断平面図、第２図は傾斜補正レンズと線光
源の斜視図、第３図は開口板を挟む第２のレンズと光源
の部分断面側面図、第４は第３の開口板の一参考例を示
す平面図、第５図はこの発明における開口板の一実施例
を示す平面図、第６図はこの発明を用いずにフエースプ
レートパネル上に投影された選ばれた光源像を示す平面
図、第７図はこの発明を用いてフエースプレートパネル
上に投影された選ばれた光源像を示す平面図、第８図は
他の傾斜補正レンズと線光源の斜視図、第９図は開口板
を有する第８図のレンズと光源の部分断面側面図、第10
図は２つの傾斜補正レンズと線光源の組合せの斜視図、
第11図は２つのレンズの間に開口板をおいた第10図のレ
ンズと光源の部分断面側面図である。 20……線光源、22……開口板、26，46……円筒形レン
ズ、36……フエースプレートパネル、38……シヤドーマ
スク、40……感光性材料、44……線光源像。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−16973（ＪＰ，Ａ) 実公 昭53−29100（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】線状表示面スリットマスク型カラー映像管
   の表示面の製造法であって： 上記映像管のフェースプレートパネルを感光性材料で被
   覆し；そのパネル内にスリット型シャドーマスクを挿入
   し；上記マスクのスリットの長手軸と同一方向に長手軸
   を向けて配置された線光源から上記マスクのスリットを
   通った光により上記感光性材料を露光し；その感光性材
   料の上記露光中に、上記線光源と上記フェースプレート
   パネルとの間に少なくとも１つの実質的に円柱形のレン
   ズをその長手軸が上記線光源の長手軸と直交するように
   置き；上記線光源と上記フェースプレートパネルとの間
   に上記線光源の有効長と上記露光中に使用される上記レ
   ンズの有効面積とを規定する開口部を有する板を置く段
   階を有し；上記板の上記開口部は上記線光源の長手軸を
   実質的に横切る方向に延びかつ外向きに彎曲し上記線光
   源の長手軸と交叉する２つの相対向する長辺を有し、こ
   れによって上記線光源のフェースプレートパネル上への
   射影の有効長を補正するようにされた、表示面の製造
   法。
2. 【請求項２】上記線光源と上記フェースプレートパネル
   との間に配置される上記レンズは実質的に円柱状の２個
   のレンズから成り、その一方のレンズは上記開口部を有
   する板と上記フェースプレートパネルとの間に配置され
   た凸面を有するレンズであり、他方のレンズは上記線光
   源と上記開口部を有する板との間に配置された凹面を有
   するレンズである、 特許請求の範囲第(1)項に記載の表示面の製造法。