JPH0640397A - 軟質飛行船 - Google Patents

軟質飛行船

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JPH0640397A
JPH0640397A JP13569591A JP13569591A JPH0640397A JP H0640397 A JPH0640397 A JP H0640397A JP 13569591 A JP13569591 A JP 13569591A JP 13569591 A JP13569591 A JP 13569591A JP H0640397 A JPH0640397 A JP H0640397A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で揚力が大きく、推進性に優れた軟質飛
行船を得ることにある。 【構成】 複数枚のシートを接合したエンベロープ膜体
と内膜体を有する二重膜構造の船体の内側に、カテナリ
ーカーテンを張設した飛行船において、エンベロープ膜
体が布帛を樹脂加工した繊維シートに弾性重合体フイル
ムを積層した膜体であり、内膜体がエチレン・ビニルア
ルコール共重合体フイルムと弾性重合体フイルムを積層
した膜体であり、更に、エンベロープ膜体の接合部にお
いて、エンベロープ膜体と内膜体が少なくとも部分的に
接合しており、その接合部から船体内部にカテナリーカ
ーテンが張設されている軟質飛行船である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で揚力の大きい軟
質飛行船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、軟質飛行船は、補強布地の両面に
塩化ビニル系樹脂シートやウレタン系樹脂シート、ネオ
プレン系ゴムシートなどを積層し、更に内面に複数層の
ポリエステルあるいはポリ塩化ビニリデンなどのフイル
ムを接合した多層シートをエンベロープ膜体として船体
を構成し、船体下部に推進機構を備えたゴンドラなどを
設けたものであった。また、飛行船の製作コストを低減
させるために、強度のある布地を船形に裁断し、縫着し
て船体本体の外皮を作り、塩化ビニル樹脂シートやポリ
エステルフイルムなどのガス不透過性プラスチックシー
ト材で作った一層の内皮を船体本体に挿入して作った飛
行船が特開平2−20495号公報に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の飛行船
は塩化ビニル系樹脂シートを重布に接合した膜体で船体
を作り、更に、塩化ビニル系樹脂シートあるいは合成ゴ
ムシートで作ったガスバックを船体に内蔵させていたた
め、製造コストが高くなるばかりか、船体重量が重く、
飛行船の体積当たりの揚力が小さいなどの問題があっ
た。
【0004】本発明の目的は、軽量で揚力が大きく推進
性に優れた軟質飛行船を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数枚のシー
トを接合したエンベロープ膜体と内膜体を有する二重膜
構造の船体の内側に、カテナリーカーテンを張設した飛
行船において、該エンベロープ膜体が少なくとも布帛を
樹脂加工した繊維シートに弾性重合体フイルムを積層し
た膜体であり、該内膜体が少なくともエチレン・ビニル
アルコール共重合体フイルムと弾性重合体フイルムを積
層した膜体であり、更に、エンベロープ膜体の接合部に
おいて少なくとも部分的にエンベロープ膜体と内膜体が
接合しており、該接合部から船体内部にカテナリーカー
テンが張設されていることを特徴とする飛行船である。
【0006】本発明のエンベロープ膜体は、強度を持た
せるために布帛を樹脂加工した繊維シートに、該繊維シ
ートを保護するために弾性重合体フイルム(a)または
必要ならば弾性重合体フイルムにエチレン・ビニルアル
コール共重合体フイルムを積層した多層フイルム(b)
を積層した膜体である。該樹脂加工繊維シートは、全芳
香族ポリエステル繊維、メタ系およびパラ系アラミド繊
維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリイミド繊維、ポ
リアミド繊維、ポリエステル繊維、高強力ポリエチレン
繊維、炭素繊維、ガラス繊維などから選ばれた高強力繊
維、好ましくは切断強度が15g/デニール以上、より
好ましくは17g/デニール以上、切断伸度が15%以
下のフイラメント糸を用い、三軸布や四軸布などの多軸
布、平織布、もじり織布、からみ織布などの布帛とし、
該布帛に樹脂加工することにより得られる。布帛の重量
は飛行船の大きさ(ガス体積)から適宜決定されるが、
通常は5〜80g/m2の範囲である。
【0007】樹脂加工に用いられる樹脂は、例えば、ア
クリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フエ
ノール系樹脂、尿素系樹脂、塩化ビニル系樹脂などから
選ばれた1種類または2種類以上の樹脂組成物である。
この樹脂は溶液や分散液、ペースト状物などの液状物の
状態で、通常は布組織を固定するのに必要十分な量であ
る布帛の重量に対して10〜50重量%の範囲で布帛に
付与して樹脂加工繊維シートとする。樹脂を50重量%
を越えて付与することは飛行船の重量増加につながり、
好ましくない。また樹脂が少ないと、布組織の固定が十
分でない場合が生ずる。
【0008】この樹脂加工繊維シートには、耐候性や耐
摩耗性などの耐久性、防水性などの向上を図るため、弾
性重合体フイルムを積層する。弾性重合体フイルムの厚
さは通常10〜200μmである。用いられる弾性重合
体は、例えば、数平均分子量500〜3000のポリマ
ージオール、ポリイソシアネート、分子量400以下の
ポリオールまたは/およびポリアミンの所定の組成物を
重合したポリウレタン系重合体、フッ素系重合体、含ハ
ロゲン化炭化水素系重合体、ポリエステル系弾性重合
体、ポリアミド系弾性重合体、エチレン・ビニルアルコ
ール系重合体などである。更に、弾性重合体には、必要
に応じて着色剤、難燃剤、耐光安定剤、酸化防止剤など
から選ばれた各種添加剤を添加してもよい。
【0009】樹脂加工繊維シートと弾性重合体フイルム
の積層法は、弾性重合体の溶液または分散液を樹脂加工
繊維シートに直接塗布して、樹脂加工繊維シート上に弾
性重合体フイルムを形成する方法、あるいは弾性重合体
の溶液若しくは分散液をキャスト法で製膜するかまたは
弾性重合体を溶融製膜法で単層若しくは多層に製膜して
作った弾性重合体フイルムを樹脂加工繊維シートに接着
剤または熱により接着する方法などで行われる。樹脂加
工繊維シートの片面または両面に少なくとも1層の弾性
重合体フイルムを積層してエンベロープ膜体とする。こ
の膜体の強度は、飛行船の大きさによって異なるが、エ
ンベロープ膜体を球状と仮定した場合、膜材の破壊圧力
P(mmAq)と膜材の引張強力S(Kg/3cm)との間に
は下記数1が成立する。
【0010】
【数1】
【0011】この数1で算出される引張強力が、例え
ば、直径20mの飛行船では引張強力13Kg/3cm以
上、直径50mの飛行船では引張強力35Kg/3cm以
上、直径80mの飛行船では引張強力60Kg/3cm以上
を満足した膜体であることが好ましい。このようにして
得られた膜体は、熱融着加工が容易であり、破裂強度が
高く、軽量なエンベロープ膜体である。
【0012】本発明の内膜体は、ガスバリアー性を有す
るエチレン・ビニルアルコール共重合体フイルムまたは
必要ならば該フイルムに他の熱可塑性重合体フイルムを
積層した積層フイルムの少なくとも一面に弾性重合体フ
イルムを積層する。エチレン・ビニルアルコール共重合
体フイルムと他の熱可塑性重合体フイルムとの積層フイ
ルムは、例えば、それぞれの重合体を溶融し、複合ダイ
から同時に押し出してフイルム化する方法で製造でき
る。エチレン・ビニルアルコール共重合体フイルムは延
伸して用いることにより強度が向上して好ましい。より
好ましくは二軸延伸フイルムとすることである。該フイ
ルムの厚さは、ガスバリアー性、取扱い性、強度などの
点から、通常7〜50μmが好ましい。更に、用いる弾
性重合体フイルムの厚さは、膜体の耐摩耗性、形態安定
性および強度向上の点で10〜50μmが好ましい。フ
イルムの厚さがあまり厚くなると重量が増加して好まし
くない。
【0013】用いられるエチレン・ビニルアルコール共
重合体(以下、「EVA」と略記する)は、エチレンと
酢酸ビニルを共重合した重合体をケン化して鹸化度98
モル%以上のビニルアルコールとしたものである。共重
合体中のエチレン含有率は5〜50モル%が好ましく、
この共重合範囲外では特にヘリウムガスに対するバリア
ー性の低下、ポリウレタン系重合体などとの接着性が悪
くなる。また、弾性重合体は、例えば、数平均分子量5
00〜3000のポリマージオール、ポリイソシアネー
ト、分子量400以下の2〜4官能ポリオールまたは/
およびポリアミンを所定の組成物として重合したポリウ
レタン系重合体、フッ素系弾性重合体、ポリエステル系
弾性重合体、ポリアミド系弾性重合体などである。特に
ポリウレタン系重合体が低温特性に優れているので好ま
しい。この内膜体は、ガス透過性損失量が少なく耐摩耗
性が得られる範囲で可能な限り薄い積層体として軽量化
することが好ましい。
【0014】次に、本発明の飛行船の組み立てについて
述べる。エンベロープ膜体となるシートを船形に裁断
し、裁断片はミシンによる縫製法、高周波法あるいは超
音波法などの熱融着法または接着剤を用いる接着法など
で接合して船体に仕立てる。船体の接合が縫製法による
場合には、縫製部にフッ素系重合体フイルムを接着する
かあるいは縫製部にフッ素系重合体皮膜を形成して縫糸
を紫外線などから保護することが好ましい。
【0015】船体内の内膜体からなるガスバッグは、内
膜体を船形に裁断し、裁断片を接着剤や高周波法あるい
は超音波法などの熱融着法または接着剤を用いる接着法
などで接着して、気密性の高いガスバッグとする。そし
て、エンベロープ膜体と内膜体は、エンベロープ膜体の
接合部分において少なくとも部分的に接合固定したもの
とすることにより、エンベロープ膜体と内膜体を固定す
ると共に、該接合部よりカテナリーカーテンを張設する
ことにより、エンベロープ膜体の強度を利用してカテナ
リーカーテンを張設することが可能となった。
【0016】次に、バロネット用膜体は、ガスバリヤー
性を有する未延伸EVAフイルムまた必要ならば未延伸
EVAフイルムに他の熱可塑性重合体フイルムを積層し
た多層フイルムに、該フイルムを保護するために弾性重
合体フイルムを積層した耐摩耗性・低温伸縮特性に優れ
る膜体である。未延伸EVAフイルムを用いるのは、ガ
スバリヤー性、耐屈曲疲労性、伸縮性などの点で優れて
いるためであり、通常は膜厚が7〜50μmの未延伸フ
イルムまたは最大延伸率に達する延伸率が40%以上残
留する延伸フイルムが好ましい。積層する弾性重合体フ
イルムとしては厚さ10〜50μmが、耐摩耗性や形態
安定性、強度、低温伸縮特性などの点で好ましい。弾性
重合体は、内膜体に用いられる重合体を用いることがで
きるが、低温での特性に優れているので、数平均分子量
500〜3000のポリマージオール、ポリイソシアネ
ート、分子量400以下の2〜4官能ポリオールまたは
/およびポリアミンを所定の組成物として重合したポリ
ウレタン系重合体が好ましい。このポリウレタン系重合
体からなるフイルムは、−20℃で測定した初期弾性率
が45Kg/mm2以下、好ましくは25Kg/mm2以下のもの
が伸縮性の温度依存性が小さい点で好ましい。特に、高
層飛行に用いるものでは初期弾性率が小さいことが好ま
しい。バロネツト用膜体は、ガス透過性損失量が少なく
耐摩耗性が得られる範囲で可能な限り薄くして軽量化す
ることが好ましい。
【0017】本発明の飛行船には、例えば、船体の長径
方向の中心軸にブームまたはシャフトを設け、船体に取
り付けたカテナリーカーテンの少なくとも一部でブーム
またはシャフトを中心部に固定したものがある。更に、
カテナリーカーテンは必要に応じて船体の側部あるいは
下部でエンベロープ膜体と結合し、ゴンドラの取り付け
や外部付属品などの取り付け用に供する。カテナリーカ
ーテンは、飛行船の軽量化のために、全芳香族ポリエス
テル繊維、メタ系およびパラ系アラミド繊維、ポリビニ
ルアルコール系繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、アクリル系繊維、高強力ポリエチレン繊維などから
選ばれた高強力繊維、好ましくは切断強度が15g/デ
ニール以上、より好ましくは17g/デニール以上、切
断伸度が15%以下のフイラメント糸を用いて作ったロ
ープが好ましい。
【0018】本発明の飛行船は、操縦室などを前部に推
進機構を後部に取り付けることにより、飛行性のよい軟
質飛行船とすることができるが、従来のように、飛行船
の下部に推進機構を備えたゴンドラを付けてもよい。ま
た、船体の上部には太陽電池を装着してエンベロープ膜
体の光劣化性を軽減し、更に太陽電池による発電を利用
して飛行船の推進エネルギーとすることもできる。
【0019】以下に本発明の軟質飛行船を図面にて説明
する。図1は、本発明の飛行船を例示した側面の模式図
で、積層膜体の二重膜構造からなる船体2の上部にカテ
ナリーカーテン3の一端を固定し、カテナリーカーテン
3の一部の他端を中心軸ブームまたはシャフト4に張設
してブームまたはシャフトを固定し、船体のガス室5に
船体の姿勢を制御するためのバロネット6を内蔵させ、
船体前部に操縦室7、および後部に推進機構8を設けた
飛行船1である。
【0020】図2は、図1の飛行船X−X’部の断面模
式図で、船体2はエンベロープ膜体9および内膜体10
の二重膜構造で構成し、その二重膜構造はエンベロープ
膜体接合部11において少なくとも部分的に内膜体と接
合したものとし、船体上部の該接合部にはカテナリーカ
ーテンの一端を固定し、カテナリーカーテン3の少なく
とも一部はブームまたはシャフト4に張設して固定して
ある。
【0021】図3は、エンベロープ膜体の一実施例の断
面模式図であり、エンベロープ膜体9が樹脂加工繊維シ
ートFの両面に、ポリウレタン系接着剤やアクリル系接
着剤などの柔軟性接着剤層B−1、B−2を介して、ポ
リウレタン系重合体などの弾性重合体フイルムA−1、
A−2を積層した積層膜体である。図4は、図3のエン
ベロープ膜体の斜視図である。
【0022】図5は、エンベロープ膜体の他の実施例の
断面模式図であり、エンベロープ膜体9が樹脂加工繊維
シートFの一面に、着色剤を含む柔軟性接着剤層Cを介
して、EVA延伸フイルムDを積層し、更に柔軟性接着
剤層B−1を介して、高耐光候性ポリウレタン系重合体
などの弾性重合体フイルムA−1を積層して表面側と
し、他の面にポリウレタン系接着剤やアクリル系接着剤
などの柔軟性接着剤層B−2を介して、ポリウレタン系
重合体などの弾性重合体フイルムA−2を積層して裏面
側とした積層膜体である。図6は、図5のエンベロープ
膜体の斜視図である。
【0023】
【作用】本発明は、高強力繊維の布帛を樹脂加工して得
た薄い繊維シートに弾性重合体フイルムを積層して得た
膜体をエンベロープ膜体とし、EVA延伸フイルムに弾
性重合体フイルムを積層して得た内膜体をガスバッグと
して船体を構成し、高強力繊維で作ったロープをカテナ
リーカーテンとしたことで、軽量で高強力の船体を構成
することができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施態様を実施例にて説明す
る。なお、実施例中の部および%は断りのない限り重量
に関するものである。
【0025】実施例1 切断強度27g/dr、伸度3.8%の全芳香族ポリエス
テル繊維〔商品名「ベクトラン」(株)クラレ製品〕の
200dr−40filマルチフイラメント糸を用い、経糸
・緯糸の打ち込み密度34本/インチで製織して平均重
量60g/m2の平織布を作り、次いで硬化剤を含むアク
リル系樹脂液で該平織布を処理し、乾燥し、その後18
0℃で2分間熱処理して樹脂加工繊維シートを得た。次
に、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボ
ネートジオール、イソホロンジイソシアネートを主体と
したジイソシアネート化合物およびイソホロンジアミン
を主体とした鎖伸長剤からなる組成物を重合させて得た
ポリウレタンに、耐光安定剤および着色剤を添加して調
製したポリウレタン組成液を、離型紙上で製膜して平均
厚さ20μmのポリウレタンフイルムを得た。先に得た
樹脂加工繊維シートの両面に、カーボンブラックで着色
したポリウレタン系接着剤を用いて、該ポリウレタンフ
イルムを接着し、平均重量160g/m2のエンベロープ
用膜体を得た。この膜体をJIS L−1096法に基
づいて測定した物性値は、引張切断強力170Kg/3c
m、切断伸度3.3%であった。
【0026】内膜体は、EVAフイルムとして、溶融押
出法で作ったEVAフイルム〔エチレン含有量44モル
%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5モル%〕を、二軸
延伸した平均厚さ10μmのフイルムを用い、弾性重合
体フイルムとして、数平均分子量2000のポリヘキサ
メチレンカーボネートジオール、イソホロンジイソシア
ネートを主体としたジイソシアネート化合物およびイソ
ホロンジアミンを主体とした鎖伸長剤からなる組成物を
重合して得たポリウレタンを、離型紙上に製膜した平均
厚さ13μmのフイルム(−20℃における初期弾性率
8.5Kg/mm2)を用いて、該EVAフイルムの両面にポ
リウレタン系接着剤を用いて弾性重合体フイルムを接着
して平均重量55g/m2の積層体を得た。この膜体のヘ
リウムガス透過量は約20cc/m2・24hr・atm・20
℃であった。
【0027】またバロネット膜体は、溶融押出法で作っ
た平均厚さ13μmの未延伸EVAフイルム〔エチレン
含有量44モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5モ
ル%〕の両面に、数平均分子量2100のポリオキシテ
トラメチレングリコール、ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネートおよびエチレングリコールを主体とした鎖
伸長剤からなる組成物を重合して得たポリウレタンの平
均厚さ15μmのフイルム(−20℃における初期弾性
率3.7Kg/mm2)を、ポリウレタン系接着剤で接着して
作った。この膜体の平均重量は65g/m2であった。こ
の膜体のヘリウムガス透過量は約23cc/m2・24hr・
atm・20℃であり、低温特性に優れ伸縮性に富むもの
であった。
【0028】まず、エンベロープ膜体に用いるシートを
船形に裁断し、裁断片をミシンで縫製して船体を作り、
縫目はフッ素系重合体フイルムを接着して縫糸を保護
し、エンベロープ膜体とした。また、内膜体からなるガ
スバッグは、膜体を船形に裁断し、裁断片を高周波ミシ
ンで縫製して作った。次いでエンベロープ膜体を外側
に、ガスバックを内側として二重膜構造とし、エンベロ
ープ膜体の縫目に部分的に内膜体の縫目部分を接合し
た。次に、切断強度27g/dr、伸度3.8%の全芳香
族ポリエステル繊維〔商品名「ベクトラン」(株)クラ
レ製品〕の1000dr−200filのマルチフイラメン
ト糸で作った太さ5mmのロープをカテナリーカーテンと
して船体上部のエンベロープ膜体と内膜体の接合部に一
端を固定し、他端を中心に設けたシャフトや付属品に固
定した。そして、船体内にバロネット、前部に操縦室、
後部に推進機構を設けて図1に例示した構造の飛行船を
作った。
【0029】この飛行船は、従来のポリエステル繊維の
基布に、塩化ビニル系樹脂あるいは塩化ビニリデン系樹
脂を塗布して作ったエンベロープおよびガスバッグの、
同じ体積の飛行船に比較して重量が約半分に軽減され、
製作費も約2/3に低減した。
【0030】実施例2 切断強度27g/dr、伸度3.8%の全芳香族ポリエス
テル繊維〔商品名「ベクトラン」(株)クラレ製品〕の
100dr−20filマルチフイラメント糸で構成され
る、格子目5mmで重量が5g/m2の三軸布を、硬化剤含
有アクリル系樹脂液で処理して平均重量が4g/m2の樹
脂量を付与した樹脂加工繊維シートを作った。
【0031】次に、この樹脂加工繊維シートの一面に、
カーボンブラックで着色したポリウレタン系接着剤で、
平均厚さ12μmの延伸EVAフイルム〔エチレン含有
量44モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5モル
%〕を接着した。
【0032】更にこのシートのEVAフイルム側に、数
平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネート
ジオール、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
イソホロンジアミンを主体とした鎖伸長剤からなる組成
物を重合して得たポリウレタン(−20℃における初期
弾性率21.5Kg/mm2)に耐光安定剤および白色系着色
剤を添加して調製したポリウレタン組成液を、製膜して
得た平均厚さ20μmのポリウレタンフイルムを、ポリ
ウレタン系接着剤で接着して表面側を構成した。一方、
樹脂加工繊維シートの他の面には、上記ポリウレタンに
耐光安定剤を添加して調製したポリウレタン組成液を、
製膜して得た平均厚さ15μmのポリウレタンフイルム
を、ポリウレタン系接着剤で接着して内面側を構成し、
エンベロープ膜体を作った。この膜体は平均重量95g
/m2であった。この膜体の物性値は、一方向の引張切断
強力15.5Kg/3cm、切断伸度3.1%であった。
【0033】内膜体は、平均厚さ10μmの二軸延伸E
VAフイルム〔エチレン含有量44モル%、酢酸ビニル
成分の鹸化度99.5モル%〕の両面に、数平均分子量
2000のポリカプロラクトンジオール、ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート/キシリレンジイソシアネ
ートおよび1,4−ブタンジオールを主体とした鎖伸長
剤を重合させて得たポリウレタンを製膜した平均厚さ1
5μmの弾性重合体フイルム(−20℃における初期弾
性率18.5Kg/mm2)を、ポリウレタン系接着剤で接着
して作成した。この内膜体は平均重量58g/m2であっ
た。この内膜体のヘリウムガス透過量は約19cc/m2
24hr・atm・20℃であった。
【0034】次に、エンベロープ膜体および内膜体を、
実施例1と同様に加工して二重膜構造の船体を作り、更
に実施例1と同様にして飛行船を作った。この飛行船
は、軽量で高破裂強力であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の飛行船は、高破裂強力であり、
軽量で揚力が大きく、製作費が安い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飛行船側面の断面模式図の例示であ
る。
【図2】本発明の図1の飛行船X−X’部の断面模式図
である。
【図3】本発明の船体を構成するエンベロープ膜体の一
実施例の断面模式図である。
【図4】本発明の図3のエンベロープ膜体の斜視図であ
る。
【図5】本発明の船体を構成するエンベロープ膜体の他
の実施例の断面模式図である。
【図6】本発明の図5のエンベロープ膜体の斜視図であ
る。
【符号の説明】 1 飛行船、 2 船体、 3 カテナリーカーテン、 4 中心軸シャフト、 5 ガス室、 6 バロネット、 7 操縦室、 8 推進機構、 9 エンベロープ膜体、 10 内膜体、 11 接合部、 A−1 表面樹脂層、 A−2 裏面樹脂層、 B−1 接着剤層、 B−2 接着剤層、 C 接着剤層、 D 高ガスバリヤー性樹脂層、 F 樹脂加工繊維シート。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚のシートを接合したエンベロープ
    膜体と内膜体を有する二重膜構造の船体の内側に、カテ
    ナリーカーテンを張設した飛行船において、該エンベロ
    ープ膜体が少なくとも布帛を樹脂加工した繊維シートに
    弾性重合体フイルムを積層した膜体であり、該内膜体が
    少なくともエチレン・ビニルアルコール共重合体フイル
    ムと弾性重合体フイルムを積層した膜体であり、更に、
    エンベロープ膜体の接合部において少なくとも部分的に
    エンベロープ膜体と内膜体が接合しており、該接合部か
    ら船体内部にカテナリーカーテンが張設されていること
    を特徴とする飛行船。
  2. 【請求項2】 エンベロープ膜体が、切断強度15g/
    デニール以上、切断伸度15%以下の繊維からなる重量
    5〜80g/m2の布帛を樹脂加工した繊維シートに、弾
    性重合体フイルムを積層した膜体である請求項1記載の
    飛行船。
  3. 【請求項3】 船体の中心軸にブームまたはシャフトを
    設け、カテナリーカーテンの少なくとも一部を該ブーム
    またはシャフトに張設固定した請求項1または請求項2
    に記載の飛行船。
  4. 【請求項4】 船体の内側に、エチレン含有率5〜50
    モル%のエチレン・ビニルアルコール共重合体の未延伸
    フイルムと弾性重合体フイルムとの積層フイルムからな
    るバロネットを設けた請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載の飛行船。
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