JPH0640255A - 車両用ドアインパクトビーム - Google Patents

車両用ドアインパクトビーム

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JPH0640255A
JPH0640255A JP40164790A JP40164790A JPH0640255A JP H0640255 A JPH0640255 A JP H0640255A JP 40164790 A JP40164790 A JP 40164790A JP 40164790 A JP40164790 A JP 40164790A JP H0640255 A JPH0640255 A JP H0640255A
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door
door impact
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deflection
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茂 黒田
Ken Takahashi
高橋  研
Hideo Akamatsu
英夫 赤松
Hidetoshi Ushito
秀敏 牛頭
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、座屈点までのたわみを大きくとるこ
とができるとともに特性曲線の初期の立ち上がり勾配が
緩くならないようなドアインパクトビームを提供するこ
とを主要な目的とする。 【構成】ドアの内部にドアインパクトビームが設けられ
る。ドアインパクトビームのビーム本体3は、ドアの前
後方向に配置されかつ両端がドアのフレ−ムに固定され
る。ビーム本体3は角パイプ状の中空材20からなる。
この中空材20は、その断面のコ−ナ−部分22の外側
が曲率半径Rの丸みをもっている。しかもその肉厚をt
とした時、1.5t≦R≦4tなる関係を満足するもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両のドア
に内蔵されるドアインパクトビームに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のドアを補強するための手段とし
て、ドアインパクトビームが知られている。従来のドア
インパクトビームは、高張力鋼板を凹凸状にプレス成形
したものをドア内部に前後方向に配置することにより、
ドア側面方向からの入力に対し高剛性化を図っている。
側面衝突時のエネルギ−はこのドアインパクトビームの
変形によって吸収され、ドアの変形が最小限に押さえら
れることにより、乗員の安全性が確保される。
【0003】前述した従来のドアインパクトビームは、
所定のエネルギ−吸収量とドア変形量を満足するために
狭いドア内部にレイアウトするには、かなり幅の広いも
のが必要であり、しかも1枚あたりの重量が5〜8Kg
前後とかなり重くなるという欠点があった。
【0004】そこで、ドアインパクトビームに熱処理さ
れた鋼製パイプを用いることにより、取付スペ−スおよ
び重量を減少させることが考えられた。しかしながら丸
パイプは、断面二次モ−メントが同一断面積の角パイプ
よりも劣るため、荷重とたわみとの関係を示す特性曲線
の初期の立ち上がりにおける勾配が緩くなり、衝突の瞬
間に必要以上のたわみを許すことになる。このため、丸
パイプで所望の強度を得るには角パイプよりも大きな断
面積を必要とし、重量増を招くなどの問題を生じる。
【0005】このような観点から、図8に示されるよう
な四角断面の角パイプaを用いることが検討された。従
来の角パイプaの断面は、4箇所のコ−ナ−部分bにお
いて互いに隣り合う面が直角に交わるか、あるいはコ−
ナ−部分bが多少円弧状の丸みをおびたものであり、そ
の曲率半径Rは板厚tと同程度であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の角パイ
プaは、たわみがある程度進行すると急に座屈を生じる
ことがあり、丸パイプに比べて小さなたわみで衝撃吸収
性能が喪失する傾向があった。
【0007】ドアインパクトビームの強度の評価は、図
9に示されるような試験装置を用いて行われている。こ
の試験装置は、ラムcを用いて、ビームdの長手方向中
央部に側面衝突時のエネルギ−に相当する荷重Wを負荷
するようにしている。この場合、荷重Wの増加に伴っ
て、ビームdが図10のようにたわみ、U字状に塑性変
形が進行する。従ってビームdは、ラムcとの接点A,
Bにおいて接線角度θで接する。
【0008】一般のパイプ材からなるビームをたわませ
た場合には、おおむね図11に示されるような変形挙動
が生じる。すなわち、たわみの初期は、断面二次モ−メ
ントにより支配されるところの梁の3点曲げによって行
われる弾性変形域である。弾塑性変形域では、断面二次
モ−メントから断面係数へと支配する数値が移行してゆ
く領域である。塑性変形域は、ビームの材料の降伏応力
と断面係数によって支配される領域となっている。この
塑性変形域において材料は徐々に偏平化が進み、たわみ
量がある値を越えるとその傾向が顕著になり、特性曲線
が下降し始める。そしてビームの曲率がきつくなって、
急激な荷重低下すなわち座屈が始まり、ついには破断に
至る。
【0009】例えば、一辺が32mmの正方形断面をもつ
従来(図8)の角パイプ(肉厚3mm,スパンL=700
mm)を上記試験装置でたわませた場合、図12に実線で
示すような特性曲線となり、100mm程度のたわみで破
断に至っている。この程度のたわみではドアを十分に補
強することができない。そうかといって、角パイプと同
一断面積の丸パイプでは、図12に1点鎖線で示すよう
に特性曲線の立ち上がりの勾配が緩くなるため、座屈は
しないが衝突瞬間に必要以上のたわみを許すことにな
る。このため、断面積の大きい丸パイプを使用する傾向
となり、重量増を招く結果になる。
【0010】従って本発明の目的は、座屈点までのたわ
みを大きくとることができるとともに特性曲線の初期の
立ち上がり勾配が緩くならず、衝突の瞬間に所望の強度
を発揮できるようなドアインパクトビームを提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を果たすために
開発された本発明のドアインパクトビームのビーム本体
は、その断面のコ−ナ−部分の外側が曲率半径Rの丸み
をもつ角パイプ状の中空材からなり、この中空材の肉厚
をtとした時、1.5t≦R≦4tなる関係を満足する
中空材を用いたことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】ビーム本体を前記試験装置を用いてたわませた
場合、実験の結果、次式(1)によってたわみの値を予
測できることが判明した。
【0013】H×θ >(7〜8) …(1) H:パイプの一辺の長さ(mm) θ:接線角度(ラジアン) 上記θが(1)式を満足する領域に入ると、ビームがラ
ムから離れる傾向となり、ビームの曲率がきつくなっ
て、急激な荷重低下が始まる。
【0014】角パイプ状の中空材からなるビーム本体
は、コ−ナ−部分のR値を大きくしてゆけば、やがては
丸パイプの特性に近付いてゆき、座屈が起こりにくくな
るが、特性曲線の初期の立ち上がり勾配が緩くなり、衝
突瞬間に必要以上のたわみを許すことになる。
【0015】しかして本発明では、Rとtとの関係を前
記のような範囲に設定することにより、特性曲線の立ち
上がりを満足しつつ、座屈に至るまでのたわみを大きく
とることができる。
【0016】
【実施例】以下にこの発明の一実施例について、図1な
いし図3を参照して説明する。図1に示されるように、
自動車のドア1の内部に、本発明に係るドアインパクト
ビーム2がドア1の前後方向にわたって配置されてい
る。この実施例のドアインパクトビーム2は、ビーム本
体3と、ビーム本体3の長手方向両端部に溶接された取
付用ブラケット5,6とによって構成されている。ビー
ム本体3は、焼入れ・焼戻し等の熱処理が施された角パ
イプに似た断面形状(図3参照)の鋼製の中空材20か
らなる。この中空材20の肉厚tは管軸方向に一定であ
る。
【0017】ブラケット5,6は高張力鋼板からなり、
図2に示されるように一方のブラケット5はドアの後側
サイドフレ−ム10に溶接によって固定されている。こ
のブラケット5は、ビーム本体3の外形に応じた形状の
部分5aと、サイドフレ−ム10に固定される平板状の
部分5bとを有している。図中の符号11,12は、そ
れぞれ溶接部を示している。
【0018】他方のブラケット6は、ドア1の前側サイ
ドフレ−ム15に溶接されている。このブラケット6
も、ビーム本体3の外形に応じた形状の部分6aと、サ
イドフレ−ム15に固定される平板状の部分6bとを有
している。
【0019】図3に示されるように、ビーム本体3を構
成する中空材20の断面形状は、4面の平面部21と、
4箇所のコ−ナ−部分22とからなり、おおむね正方形
に似た形状となっているが、コ−ナ−部分22における
外側の曲率半径Rは、板厚をtとしたとき、以下に述べ
る理由により、1.5t≦R≦4tなる関係を満足する
ような値に設定されている。
【0020】実験によれば、H=34mm、肉厚3mmの中
空材20でR=2t=6mmの特性は、図4に実線で示し
たように、破断がたわみ130mm付近で生じている。こ
れに対し、R=1.5t=4.5mmの中空材の場合は、
同図に2点鎖線で示すように、たわみ120mm付近で破
断を生じている。すなわち同一荷重ではR値が大きいほ
ど、たわみを大きくとることができ、所要強度が確保さ
れる。
【0021】同様の実験により、R=1t=3mmの場合
には、破断に至るまでのたわみが実質的に従来の角パイ
プと変わりがなく、特性曲線の立ち上がりが急である反
面、小さなたわみで座屈を生じることが判っている。
【0022】図5は、Rを1tから4tまで変化させた
場合に、初期抵抗比と中間抵抗比がどのように変化する
かを示している。初期抵抗比とは、ビームを6インチ
(15.24cm)までたわませる時に要した荷重の総和
の平均を、同一外形寸法の丸パイプと比較したもの(丸
パイプの場合を1とする)をいう。中間抵抗比とは、ビ
ームを12インチ(30.48cm)までたわませる時に
要した荷重の総和の平均を、同一外形寸法の丸パイプと
比較したものである。図5に示されるように、Rが1.
5t以上かつ4t以下であれば、初期抵抗比と中間抵抗
比のいずれのピ−クも包含することができる。Rが大き
過ぎると丸パイプの特性に近付き過ぎ、前述した丸パイ
プの欠点を生じるようになる。これらのことから、Rと
tとの関係を前記範囲に限定するものとする。
【0023】なお本発明は、図6に示されるように断面
が長方形に近い中空材30にも適用できる。あるいは図
7に示されるような台形に似た断面をもつ中空材31
や、三角形や多角形に似た断面など、要するに本発明は
コ−ナ−部分をもちえる中空材であれば同様に適用でき
る。
【0024】
【発明の効果】本発明のドアインパクトビームのビーム
本体は、そのコ−ナ−部分におけるRと肉厚tとの関係
を前述した範囲に設定したことにより、丸パイプのもつ
座屈しにくい長所と、角パイプの長所(特性曲線の立ち
上がりを大きくとれること)を発揮させることができ、
軽量でかつ適度なエネルギ−吸収性能を発揮するドアイ
ンパクトビームが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すドアインパクトビーム
を備えたドアの斜視図。
【図2】図1に示されたドアインパクトビームの取付け
部分を示す斜視図。
【図3】図1に示されたビーム本体の断面図。
【図4】ドアインパクトビームのたわみと荷重の関係を
示す図。
【図5】ビーム本体のRの大きさと抵抗比との関係を示
す図。
【図6】ビーム本体の変形例を示す断面図。
【図7】ビーム本体の他の変形例を示す断面図。
【図8】従来のビーム本体の断面図。
【図9】ビームの強度を評価する際に用いる試験装置の
概要を示す正面図。
【図10】ビームをたわませた状態を示す正面図。
【図11】一般的な中空材のたわみと荷重との関係を示
す図。
【図12】角パイプと丸パイプをたわませた時の荷重と
たわみの関係を示す図。
【符号の説明】
1…ドア、2…ドアインパクトビーム、3…ビーム本
体、20…中空材、22…コ−ナ−部分、30,31…
中空材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛頭 秀敏 神奈川県横浜市磯子区新磯子町1番地 日 本発条株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドア内部に前後方向に配置されかつ両端が
    ドアのフレ−ムに固定されるビーム本体を備えたドアイ
    ンパクトビームであって、上記ビーム本体はその断面の
    コ−ナ−部分の外側が曲率半径Rの丸みをもつ角パイプ
    状の中空材からなり、この中空材の肉厚をtとした時、
    1.5t≦R≦4tなる関係を満足する中空材を用いた
    ことを特徴とする車両用ドアインパクトビーム。
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