JPH0639826B2 - 繊維補強コンクリ−ト構造物 - Google Patents

繊維補強コンクリ−ト構造物

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JPH0639826B2
JPH0639826B2 JP61019067A JP1906786A JPH0639826B2 JP H0639826 B2 JPH0639826 B2 JP H0639826B2 JP 61019067 A JP61019067 A JP 61019067A JP 1906786 A JP1906786 A JP 1906786A JP H0639826 B2 JPH0639826 B2 JP H0639826B2
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fiber
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正俊 中西
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、軽量で高強度の繊維補強コンクリート構造物
に関するものである。
「従来の技術」 近年、軽量で強度の高い構造用コンクリート材料の要求
が高まっている。このうち、軽量化の手段としては、通
常の普通コンクリートに代えて、軽量コンクリートの適
用などが実施されているが、軽量コンクリートの場合、
部材断面内の湿度分布に起因する収縮応力が普通コンク
リートより大きく、さらに引張り強度が普通コンクリー
トよりも小さいために、版の表面にひび割れが発生しや
すく、耐久性が普通コンクリートよりも劣るといった問
題点がある。
そこで、本出願人等は、このような問題点を解決すべく
鋭意研究した結果、軽量コンクリート中に、炭素繊維や
鋼繊維等からなる一方向に連続した長繊維を埋設すれ
ば、曲げ強度を向上し得て、軽量で強靱なコンクリート
材料を提供し得るとの考えに至った。
「発明が解決しようとする問題点」 ところが、従来のコンクリートの繊維補強は、長さが20
〜40mm程度の短い補強繊維を、コンクリート中にランダ
ム配向状態で一様に分散させた構成であるため、特定方
向に対する引張力に対して繊維の有効率が低く、表面の
収縮ひび割れを完全に抑止するとができないといった問
題点がある。
また、曲げ材の場合、コンクリート中の全断面に補強繊
維(短繊維)を均一に混入することは無駄が多く、コス
ト高になるといった問題点がある。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、前記の問題点を有効に解決するものであっ
て、曲げモーメントを受ける構造物本体が軽量コンクリ
ートにより形成されたコンクリート構造物の版厚方向の
上下両表面近傍に、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊
維、合成繊維等の補強繊維からなる一方向に連続した長
繊維を、構造物本体の引張り力の加わる方向に沿わせた
状態で、埋設するとともに、前記構造物本体の版厚方向
の中立軸近傍の軽量コンクリート中に短繊維を混入した
ことを特徴としている。
「作用」 本発明によれば、応力方向に配置した長繊維によって、
軽量コンクリートの補強をしているので、引張力に対し
て、繊維を有効に活用することかでき、また、前記長繊
維を構造物の表面近傍に埋設したから、構造物表面の収
縮ひび割れを抑制して、その耐久性を増大し得、軽量化
に対する適用性を向上することができる。さらに、短繊
維を構造物本体の版厚方向の中立軸近傍の軽量コンクリ
ート中に混入したから、従来の短繊維のみを混入したも
のと同様の性質をも兼備することになる。しかも、構造
物の表面には長繊維、短繊維のいずれも露出しないこと
になる。
「実施例」 以下、本発明を版厚方向に2方向の曲げモーメントを受
ける床版に適用した場合の実施例について図面を参照し
て説明する。
まず、第1図および第2図を参照して、本実施例の繊維
補強コンクリート床版(以下単に床版という)Aについ
て説明する。この床版Aは、平板状の軽量コンクリート
造の床版本体1の版厚方向の上下両表面近傍に、この床
版本体1の幅方向(第1図左右方向)に延出した長手方
向(第1図上下方向)に間隔をおいて並列する第1の長
繊維2と、床版本体1の長手方向に延出し幅方向に間隔
をおいて並列する第2の長繊維3とをそれぞれメッシュ
状に埋設した基本構造となっている。そして、前記床版
本体1の主体をなす軽量コンクリート中には、第2図に
示すように、床版本体1の版厚方向の中立軸X−Y近傍
に位置して所定の長さに切断された短繊維4が、充分密
な状態で3次元ランダムに混入されている。
前記第1および第2の長繊維2,3は、それぞれの長さ
が床版本体1の幅方向の長さおよび長手方向の長さに等
しい直線状の連続繊維に形成されたもので、その素材と
しては、例えば、高い引張り強度を要求される場合に
は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の引張り強
度ならびに弾性率が極めて高い高強度補強繊維などが適
用され、それ程高い引張り強度を要求されない場合に
は、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成
繊維などが適用される。そして、前記長繊維2,3を、
種類の異なるもので、例えば、主筋方向(第1図上下方
向)には引張り強度の大きいもの(例えば炭素繊維、ア
ラミド繊維等)を、配力筋方向には小さいもの(ビニロ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン等)を使用した場合
には、さらに繊維の有効利用、ひいてはコストダウンを
図ることができるので好ましい。なお、これら長繊維
2,3の格子の目の大きさは各種使用目的に応じて適宜
変更されることは勿論である。
前記短繊維4は、床版Aの剪断力の向上ならびに衝撃耐
力の向上を図るものであって、その素材としては、前記
長繊維で説明した補強繊維を切断したもの等を使用する
ことができる。
この床版Aを形成するには、まず、床版Aの型枠内に、
長繊維2,3をメッシュ状に配置し、短繊維を混入しな
い軽量コンクリートと、短繊維4を混入した軽量コンク
リートとを別けて打設すれば良い。
この構成の床版Aにおいては、床版Aの応力方向(すな
わち幅方向および長手方向)に配設された長繊維2,3
が、床版Aに作用する曲げ応力に100%有効に対抗し、
床版Aの曲げ耐力を向上させるとともに、効率良く床版
本体1表面のひび割れを抑制し、また軽量コンクリート
中に混入された短繊維4が床版Aの剪断力を向上させる
ので、衝撃耐力を増大させることができる。
またこのように、本実施例では、床版Aが曲げモーメン
ト等を受けた場合に、床版本体1内に埋設された長繊維
2,3と短繊維4とが、それぞれ引張り力および剪断力
等に対して効率良く有効に作用するので、全断面に短繊
維を混入した従来のコンクリート構造物に比べ、全体と
してコストの低下を図ることができ、さらに軽量化に対
する適用性を向上することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、
前記に限定されるものではない。例えば、前記各実施例
では高強度補強繊維として、炭素繊維、ガラス繊維、ア
ラミド繊維を例示したが、それらと同等の他の繊維(例
えばセラミック繊維、金属繊維等)を用いても良い。ま
た、前記各実施例では、繊維補強コンクリート構造物と
して、床版Aを例にとって説明したが、本発明は床版に
限らず、他の建築用構造部材ならびに非構造部材に適用
することもできることは勿論である。
以下、本発明のコンクリート構造物の曲げ強度を、長繊
維を含まない従来のコンクリート構造物と比較した実験
結果について説明する。
「実験例1」 次ぎに示した調合によって、本発明のコンクリート構造
物を作成した。このコンクリート構造物について材令28
日の曲げ強度を測定した。
早強ポルトランドセメント 408kg/m3 水道水 460kg/m3 シラスバルーン 289kg/m3 ピッチ系炭素繊維 2.5%vol. 増粘剤、消泡剤 若干量 材令28日曲げ強度はビニロンメッシュを補強しない場
合、84.8kg/cm2(比重1.13)、ビニロンメッシュを補
強した本発明のものでは、97.3kg/cm2(比重1.13)で
あり、曲げ強度が増加したことが確認された。
「実験例2」 実験例2では、下記に示した調合によって、本発明のコ
ンクリート構造物を作成した。このコンクリート構造物
について材令14日の曲げ強度を測定した。
早強ポルトランドセメント 696kg/m3 水道水 487kg/m3 珪砂 203kg/m3 シラスバルーン 149kg/m3 ピッチ系炭素繊維 2.0%vol. 増粘剤、消泡剤 若干量 材令14日曲げ強度はガラス繊維ネットが無い場合、154k
g/cm2(比重1.60)、ガラス繊維ネットが有る場合160k
g/cm2(比重1.61)であった。
「実験例3」 実験例3では、下記に示した調合によって、本発明のコ
ンクリート構造物を作成した。このコンクリート構造物
について材令14日の曲げ強度を測定した。
早強ポルトランドセメント 715kg/m3 水道水 500kg/m3 特殊軽量骨材 54kg/m3 シラスバルーン 172kg/m3 アラミド繊維 0.5%vol. シリカフェーム 50kg/m3 増粘剤、消泡剤、高性能減水剤、 若干量 材令14日曲げ強度はビニロン+フエロメッシュが無い場
合、37.9kg/cm2(比重1.32)、ビニロン+フエロメッ
シュが有る場合、87.5kg/cm2(比重1.32)であった。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、曲げモーメントを受ける
構造物本体が軽量コンクリートにより形成されたコンク
リート構造物の版厚方向の上下両表面近傍に、炭素繊
維、ガラス繊維、アラミド繊維、合成繊維等の補強繊維
からなる一方向に連続した長繊維を、構造物本体の引張
り力の加わる方向に沿わせた状態で、埋設するととも
に、前記構造物本体の版厚方向の中立軸近傍の軽量コン
クリート中に短繊維を混入したので、次ぎのような優れ
た効果を奏することができる。
(a)長繊維が構造物本体の表面の収縮ひび割れを抑制す
る作用と引張り強度を向上させる作用の両方を合わせ持
ち、特定の引張り力に対して100%有効に働くので、繊
維の使用量を低減することができ、軽量コンクリートの
全断面中に短繊維を混入したものに比べ、コストを低減
することができる。
(b)前記により、軽量コンクリートの表面のひび割れを
完全に防止することができるとともに、強度を向上させ
ることができ、軽量化に対する適用性を向上することが
できる。
(c)短繊維が構造物本体の剪断強度ならびに衝撃耐力を
向上させる作用を持つので、前記長繊維による効果に加
えて、剪断強度が高くかつ衝撃耐力に優れるという、従
来の短繊維のみを混入したものと同様の性質をも兼ね備
えた構造物本体を実現することができる。
(d)長繊維を構造物の表面近傍に埋設し、短繊維を中立
軸近傍に混入したので、構造物本体の表面には長繊維、
短繊維のいずれも露出しないことになる。従来の、全断
面に短繊維を混入したものでは繊維が表面に露出するこ
とになるので、採用する繊維の種類によっては耐火性に
劣るものがあった。これに対し、前記したものでは、繊
維が構造物の表面に露出しない構成となっているため、
構造物本体の耐火性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一実施例を示すもので、
第1図は平面図、第2図は第1図II−II線の沿う矢視断
面図である。 A……床版、1……床版本体、2……第1の長繊維、3
……第2の長繊維、4……短繊維。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】曲げモーメントを受ける構造物本体が軽量
    コンクリートにより形成されたコンクリート構造物の版
    厚方向の上下両表面近傍に、炭素繊維、ガラス繊維、ア
    ラミド繊維、合成繊維等の補強繊維からなる一方向に連
    続した長繊維を、構造物本体の引張り力の加わる方向に
    沿わせた状態で、埋設するとともに、前記構造物本体の
    版厚方向の中立軸近傍の軽量コンクリート中に短繊維を
    混入したことを特徴とする繊維補強コンクリート構造
    物。
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