JPH0639298B2 - 原稿のセツト状態確認機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明はファクシミリやプリンター或いは電子写真複写
機等に装備され、原稿が所定位置にセットされたか否か
を容易に確認できる原稿のセット状態確認機構に関する
ものである。

＜従来の技術＞ 従来のファクシミリ装置等に装備される原稿搬送系は、
第５図に示すように、原稿挿入口１から原稿３を所定位
置まで挿入すると、これを原稿検出センサー２が検知す
る。この状態で装置のスタートボタンを押すと、信号を
受けたピックアップローラが下降して矢印方向へ回転す
るように構成されている。これによって、原稿トレー34
上に載置された原稿３が上から順に搬送され、その後は
分離ローラ８によって一枚毎に分離されつつ読み取りプ
ラテンローラ11によって定速搬送されるように構成され
ている。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかし、上記原稿搬送系においては、原稿３を所定位置
まで挿入しないと、原稿検出センサー２がこれを検知し
ないために、その後スタートボタンを押しても装置が動
作しない。従って、原稿３を所定位置まで確実に挿入す
るために、第５図に示すように装置上面に原稿確認窓35
を設け、該原稿確認窓35から原稿３が予め設定された指
標位置まで挿入されているか否かを確認しなければなら
なかった。

しかし、上記原稿確認窓35を通して原稿３を覗くには真
上から覗き込まなければならず、オペレータにとって面
倒であると共に、その覗き方も工夫しなければ指標が暗
くて確認し難い問題があった。

本発明は従来の上記問題点を解決すべく開発されたもの
であって、その目的は原稿確認窓35等から覗き込まなく
ても原稿３が所定位置まで挿入されたことを確認できる
原稿のセット状態確認機構を提供することにある。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記問題点を解決し、以下に述べる実施例に適用される
代表的な手段は、挿入された原稿の先端を検出する原稿
検出センサーと、原稿を送り出す給送手段とを有し、前
記原稿検出センサーからの信号によって前記給送手段を
原稿に接触する方向に移動させ、その後、給送命令に応
じて前記給送手段により原稿を給送し、一方、前記給送
手段の上記移動後、一定時間内に上記給送命令がない場
合には、前記給送手段を原稿から離反する方向に移動復
帰させることを特徴とする。

＜作用＞ 上記手段によれば、原稿を挿入口より所定位置まで挿入
して原稿検出センサーが上記原稿を検出すると、給送手
段を原稿に接触する方向に移動させる。この時上記給送
手段の移動による振動によってオペレータは原稿が所定
位置まで挿入されたことを確認することができる。その
後給送命令に応じて上記給送手段を動作させて原稿を給
送する。

また上記給送手段の移動後、一定時間内に給送命令がな
い場合には、前記給送手段を原稿から離反する方向に移
動復帰させる。

＜実施例＞ 以下、前記手段を適用した本発明に係る原稿のセット状
態確認機構の一実施例について図面を参照しながら説明
する。本実施例はファクシミリ装置を例にとって説明す
る。

第１図は本発明の一実施例に係る原稿のセット状態確認
機構を組み込んだファクシミリ装置の断面図であり、以
下図面左側を上流側とし、図面右側を下流側として説明
する。

第１図において、ファクシミリ装置の上流側端部には原
稿挿入口１が設けられ、該挿入口１付近には原稿検出セ
ンサー２及び該原稿検出センサー２からの信号によって
下降して原稿３に圧接するピックアップローラ５が設け
られている。このピックアップローラ５は、給送命令に
より回転して下原稿ガイド４との協働作用によって前記
原稿３を下流話へ送り出す給送手段を構成している。

また上記ピックアップローラ５の下流側には、バネ６に
よって付勢された分離片７に圧接し、相互の摩擦係数の
相違によって原稿３を一枚毎に分離する分離ローラ８が
設けられている。尚、前記部材間の摩擦係数は、分離ロ
ーラ８と原稿３間の摩擦係数＞分離片７と原稿３間の摩
擦係数＞原稿３相互間の摩擦係数、の関係にある。

更に上記分離ローラ８の下流には圧接バネ９によって上
方に付勢された給紙ガイド10との協働作用により、原稿
３を定速搬送する読み取りプラテンローラ11が設けら
れ、所定位置には前記読み取りプラテンローラ11で搬送
されている原稿３の端部を検出する原稿端部検出センサ
ー12が取り付けられている。

13は原稿３の画像情報を読み取る小型センサー（所謂密
着型センサー・等倍センサー等）であり、該センサー13
で読み取られた原稿３は、圧接バネ14に付勢されて読み
取りプラテンローラ11に圧接した排紙ガイド15に導か
れ、外装ガバー16に設けられた原稿排出口17から排出さ
れるように構成されている。尚、上記小型センサー13に
よって読み取られた情報は、ファクシミリ動作の場合
は、他のファクシミリ装置の記録部へ、またコピー動作
の場合には自己の記録部へ夫々伝達される。

また第１図において、18は記録部を構成すう記録ヘッド
であり、所定の画情報に応じてこれを記録プラテンロー
ラ19で搬送される記録材（紙，プラスチックシート等）
20に記録するものである。

ここで前記ピックアップローラ５の構成について詳述す
る。第２図に示すように、ピックアップローラ５はピッ
クアップアーム21を介してピックアップ回転軸22に固定
され、該ピックアップ回転軸22はピックアップ伝達部23
を介してソレノイド24の動作によって下降するように構
成されている。

また前記ソレノイド24はタイマーを内蔵した制御部（図
示せず）を介して、原稿検出センサー２からの信号によ
って一定時間動作すると共に、動作中に装置のスタート
ボタン（図示せず）が押された時は原稿端部検出センサ
12からの信号に応じて動作するように構成されている。

尚、第２図において、25はソレノイド24の動作が解除さ
れたとき、ピックアップローラ５を上昇させるためのプ
ランジャバネであり、26はピックアップローラ５に回転
駆動力を伝達するためのベルトである。

次に上述のように構成されたファクシミリ装置の原稿送
り出し動作について第３図のフローチャートを参照して
説明する。

原稿３をその画情報面を下にして下原稿ガイド４上にセ
ットすると、原稿３の先端が原稿検出センサー２で押し
倒し、該センサー２は原稿３がセットされたことを検知
する。するとこの原稿検出信号を受けて、ソレノイド24
が制御部に内蔵されたタイマーを介して一定時間動作す
る。

従って、ステップ27，28に示すように原稿３が所定位置
にセットされると、ピックアップローラ５が動作して下
降し、該ローラ５が下降した時の振動が原稿３を介して
オペレータに伝わるために、オペレータは原稿３が所定
位置まで挿入されたことを確認することができる。ま
た、挿入された原稿３をピックアップローラ５の下原稿
ガイド４との間に挟持するため、原稿３をそれ以上挿入
することができず、原稿３を挿入し過ぎる事態を防止す
ることも可能である。

次にピックアップローラ５が下降している間に装置のス
タートボタンが押されないと、ステップ29〜32に示すよ
うに、ソレノイド24の動作状態が解除され、これに伴っ
てピックアップローラ５が上昇し、原稿３がセットされ
た状態で原稿搬送待機状態となる。

従って、ファクシミリ装置において、出な電力消費や発
熱等を伴わず、所謂ポーリング機能を使用する場合には
特に有効である。

またピックアップローラ５が下降している間に装置のス
タートボタンが押されると、ステップ29からステップ33
に移り、通常の原稿搬送状態となる。即ち、ピックアッ
プローラ５が駆動して原稿３を下流側に送り出し、原稿
端部検出センサー12が原稿先端を検出すると、その信号
に応じてピックアップローラ５が上昇する。その後、読
み取りプラテンローラ11が原稿３を定速搬送し、原稿検
出センサー12がその原稿３の後端を検出すると、その信
号によってピックアップローラ５が下降し、二枚目以降
の原稿３の同様に搬送し、搬送した原稿３を原稿排出口
17から順次排出する。

また前記ステップ32の原稿搬送待機状態で装置のスター
トボタンが押された場合も、上記と同様に原稿３を順次
搬送するものである。

＜他の実施例＞ 次にピックプローラ５に第４図に示すように小径半月部
ａと大径半月部ｂが形成されている場合の実施例につい
て説明する。

この実施例に係るピックアップローラ５は、原稿待機状
態にあっては、小径半月部ａ下を向いた状態にあり、ピ
ックアップローラ５と下原稿ガイド４間に間隙を生じ、
動作状態になって回転すると大径半月部ｂが原稿３と圧
接し（図面破線状態）、下原稿ガイドとの協働作用によ
って原稿３を送り出すものである。

上記構成のピックアップローラ５についても、原稿３を
所定位置まで挿入した場合にこれを検出する原稿検出セ
ンサー２からの信号により、待機状態にあったピックア
ップローラを動作させ、所定時間内に装置の駆動信号が
ない場合には、再び待機状態になるように構成する。こ
れによって、ピックアップローラ５の動作に伴う振動等
が原稿３を介してオペレータに伝わるために、原稿３が
セットされたことを確認することが可能となる。

＜発明の効果＞ 本発明は上述したように、原稿が所定位置まで挿入され
るとピックアップローラ等の給送手段が移動するように
構成したために、そのときの振動によってオペレータは
原稿が所定位置まで挿入されたことを確認することがで
きる。

従って、従来のように原稿が所定位置まで挿入されたか
否かを原稿確認窓等から覗き込む必要がなく、原稿確認
窓等が全く不要となった。

更には原稿をセットして給送手段が移動した後、一定時
間内に給送命令がない場合には、前記給送手段が再び待
機状態になるように移動復帰させるように構成したため
に、ファクシミリ装置において無駄な電力消費や発熱等
を伴わない等の特徴を有するものである。所謂ポーリン
グ機能を使用する場合、本発明は特に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る原稿のセット状態確認機構を組み
込んだファクシミリ装置の断面図、第２図は動作時に下
降するピックアップローラ部分の説明図、第３図は原稿
送り出し動作を示すフローチャート、第４図は小径半月
部及び大径半月部よりなるピックアップローラを用いた
場合の説明図、第５図は従来技術の説明図である。 １は原稿挿入口、２は原稿検出センサー、３は原稿、４
は下原稿ガイド、５はピックアップローラ、８は分離ロ
ーラ、11は読み取りプラテンローラ、12は原稿端部検出
センサー、13は小型センサー、17は原稿排出口、21はピ
ックアップアーム、22はピックアップ回転軸、23はピッ
クアップ伝達部、24はソレノイド、25はプランジャであ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入された原稿の先端を検出する原稿検出
   センサーと、原稿を送り出す給送手段とを有し、 前記原稿検出センサーからの信号によって前記給送手段
   を原稿に接触する方向に移動させ、その後、給送命令に
   応じて前記給送手段により原稿を給送し、 一方、前記給送手段の上記移動後、一定時間内に上記給
   送命令がない場合には、前記給送手段を原稿から離反す
   る方向に移動復帰させることを特徴とする原稿のセット
   状態確認機構。