JPH063923A - 帯電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラ−プリンタの感光体ドラム４の帯電電位
を各トナ−の特性に合わせた帯電電位にする事の出来る
帯電装置を提供することを目的とする。 【構成】 ２組以上の印加電極２ａ〜２ｃと、前記印加
電極２ａ〜２ｃに電圧を加える高圧電源５と、前記高圧
電源５と印加電極２ａ〜２ｃとの間に設けたスイッチ６
ｂ，６ｃとよりなり、スイッチ６ｂ，６ｃにより電圧が
印加される印加電極２ａ〜２ｃを切り換えて帯電電位を
変更する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、帯電装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、複写機やレ−ザプリンタ等の電子
写真装置に用いる帯電装置として、図５及び図６に示す
ようなスコロトロン帯電装置が用いられている。

【０００３】このスコロトロン帯電装置５０は、断面形
状がコの字型のシ−ルドケ−ス５２の両端に絶縁ブロッ
ク５４ａ、５４ｂを設け、この絶縁ブロック５４ａ、５
４ｂの間に、シ−ルドケ−ス５２のほぼ中央に位置する
ように放電ワイヤ５６を張設し、シ−ルドケ−ス５２の
開口面にグリッド電極５８を設けて構成される。

【０００４】このグリッド電極５８は、シ−ルドケ−ス
５２とバリスタ電圧６８０Ｖ程度のバリスタ６０を介し
て接地されている。

【０００５】上記構成のスコロトロン帯電装置５０を使
用して帯電を行う場合は、図６に示すようにシ−ルドケ
−ス５２の開口部（グリッド電極５８を設けた面）を感
光体ドラム６２に対向させ、放電ワイヤ５６に−６ｋＶ
程度の直流電圧を定電流制御して印加する。すると放電
ワイヤ５６の周りにコロナ放電が発生し、コロナ放電に
より発生したイオンが感光体ドラム６２に達して、感光
体ドラム６２の表面をバリスタ６０の規格と同等の−６
８０Ｖ程度に帯電させる。この時、グリッド電極５８が
感光体ドラム６２に流れるコロナイオン流を制御し、感
光体ドラム６２は均一に帯電される。

【０００６】しかしながらこのようなスコロトロン帯電
装置は、次に述べるような種々の問題点がある。

【０００７】まず、環境衛生上の問題として、コロナ放
電によって大気中の酸素分子をイオン化してオゾンを発
生することがあげられる。特にレ−ザプリンタで用いら
れるような負帯電の装置は正帯電に比べオゾン発生量が
１桁多い。また、オゾン発生量は放電ワイヤに流れる電
流値で決ってくるが、感光体ドラムが帯電に必要なドラ
ム流入電流数十μＡを得るには、放電ワイヤに−４００
〜５００μＡもの電流を供給する必要があり、このため
大量のオゾンが発生する。そのため、通常のプリンタ装
置では、排気ダクトからオゾンフィルタを介して排気を
行っている。

【０００８】また、コスト面では、前述したように電流
利用効率が悪いので大型の高圧電源を必要とし、更にオ
ゾン対策としてオゾンフィルタ、排気用ファン等が必要
となるので、コストが大幅にアップする。

【０００９】そこで以上のような問題点を解決するため
に、図４に示すような固体面放電素子による帯電装置が
提案されている。

【００１０】この帯電装置は、ガラスなどの絶縁体から
なる基板８６の表面に、アルミニウムなどの導電体から
なる印加電極８７を設け、更に印加電極８７の表面に窒
化タンタル等からなる半導電体膜８８を設け、感光体ド
ラム８４と対向する位置に一定間隔に保ち配置されるこ
とで構成される。

【００１１】印加電極８７に高圧電源８５により電圧を
印加することによって半導電体膜８８の表面に面状のコ
ロナ放電を発生させてイオンを生成し、このイオンによ
って感光体ドラム８４を帯電させるものである。

【００１２】この個体面放電素子の作製方法としては、
例えば、ガラス表面にアルミニウムを蒸着し印加電極８
７とし、更に印加電極８７の表面に窒化タンタルの半導
電体膜８８を形成する。

【００１３】この固体面放電素子による帯電装置は電流
利用効率が高いので、オゾン発生量が少ないと共に、高
圧電源８５が小さくできる等の利点がある。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この固
体面放電素子による帯電装置は、カラ−プリンタにおい
ては各トナ−により特性が異なるので、感光体ドラムの
帯電電位を各トナ−の特性に合わせた帯電電位にする必
要があるが、変化させることが出来なかった。

【００１５】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、感光体ドラムを各トナ−の特性
に合わせた帯電電位にすることの出来る帯電装置を提供
することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、２組以上の固体面放電素子と、前記固体面
放電素子に電圧を加える加電圧手段と、前記加電圧手段
から電圧を印加する固体面放電素子の使用数を変化させ
る選択手段とより成る。

【００１７】

【作用】上記の構成を有する本発明の帯電装置を、固体
面放電素子が静電潜像支持体と対向するように配置す
る。そして加電圧手段により固体面放電素子に電圧を加
えると、固体面放電素子と静電潜像支持体との間でコロ
ナ放電が生じ、静電潜像支持体が帯電される。また、選
択手段は、電圧を印加する固体面放電素子の数を切り換
える。

【００１８】

【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面を参
照して説明する。

【００１９】まず本発明の帯電装置を使用した電子写真
プロセスについて図２を参照して説明する。

【００２０】後で詳述する帯電装置２４により感光体ド
ラム４を帯電し、原稿台２１上に置かれた原稿２０が照
明ランプ２２により照射され、レンズ２３を通して感光
体ドラム４に画像が結像され、感光体ドラム４上に静電
潜像が形成される。そして感光体ドラム４上の静電潜像
に、現像機２５により現像剤を付着させて可視像を形成
する。

【００２１】次に用紙カセット３２から送られた用紙３
１が感光体ドラム４に重ねられ、転写用帯電装置２６で
イオンを与えることにより感光体ドラム４上の現像剤が
用紙３１に転写される。続いて剥離用帯電装置２７で用
紙３１の電荷を除去して、用紙３１を感光体ドラム４か
ら剥離する。用紙３１上の現像剤は定着装置２８で用紙
３１に定着され、複写画像となる。

【００２２】感光体ドラム４上の電荷は、除電用帯電装
置２９により除電され、更に残った感光体ドラム４上の
現像剤はクリーナ３０によりクリーニングされる。

【００２３】次に帯電装置２４について詳述する。帯電
装置２４は図１に示すように構成されている。

【００２４】ガラスなどの表面の滑らかな絶縁体１の表
面に印加電極２ａ，２ｂ，２ｃを設け、更に印加電極２
ａ，２ｂ，２ｃの表面に体積抵抗が１０⁵〜１０¹³Ωｃ
ｍの半導電体膜の帯電電極３ａ，３ｂ，３ｃが設けられ
ている。

【００２５】印加電極２ａには、高圧電源５が接続され
ており、帯電電極３ａと感光体ドラム４の間でコロナ放
電が生じるように構成されている。また、印加電極２
ｂ，２ｃは、スイッチ６ｂ，６ｃを通して高圧電源５が
接続されて、スイッチ６ｂ，６ｃが閉じたときに、帯電
電極３ｂ，３ｃと感光体ドラム４の間でコロナ放電が生
じるように構成されている。

【００２６】なお、本実施例では、高圧電源５は１個し
か使用していないが、高圧電源を３個使用して、各印加
電極ごとに高圧電源を接続し、高圧電源のＯＮ，ＯＦＦ
により使用する印加電極数を変化させることも可能であ
る。

【００２７】次に上記帯電装置２４の作製方法を説明す
る。

【００２８】本実施例では、絶縁体１に厚さ１ｍｍ、幅
１１ｍｍ、長さ２３０ｍｍのガラス基板を用いた。初め
にこのガラス基板を超音波洗浄により洗浄を行う。次に
このガラス基板の表面に、中心部に幅３ｍｍ、長さ２２
０ｍｍの開口を持ち、その両側に１ｍｍの間隔をおいて
幅２ｍｍ、長さ２２０ｍｍの開口を持ったマスクをの
せ、真空蒸着装置により厚さ約０．１μｍのアルミニウ
ム膜を蒸着し印加電極２ａ，２ｂ，２ｃとする。

【００２９】次に上記のマスクをのせたまま絶縁体１
を、ＤＣマグネトロンリアクティブスパッタリング法を
用いて、アルゴン１に対して窒素２の混合ガスで圧力１
×１０^-4Ｔｏｒｒ〜３×１０^-2Ｔｏｒｒ、スパッタ電圧
１００〜５００Ｖ、タ−ゲットはタンタルの条件下で、
スパッタリングを行い帯電電極３ａ，３ｂ，３ｃを作製
しマスクを取り除く。

【００３０】上記の製法にてスパッタリングを行い体積
抵抗が８×１０⁸Ωｃｍの窒化タンタルの半導電体膜を
作製した。

【００３１】また、タ−ゲットとしてチタンを使用し、
混合ガスとしてアルゴンと酸素を使用することも可能で
ある。なおこの時は、半導電体膜として酸化チタンが出
来る。

【００３２】上記製法によって制作された帯電装置２４
と、感光体ドラム４にφ３５ｍｍのアルミ素管にキャリ
ア発生層（ＣＧＬ）、キャリア輸送層（ＣＴＬ）を積層
した積層型有機系感光体を用いて、帯電電極３の中心部
と感光体ドラム４の最も近接するところを０．４ｍｍに
保ち、スイッチ６ｂ，６ｃを開いた状態で高圧電源５に
より−３．５ｋＶを印加したところ、感光体ドラム４は
−６９０Ｖに帯電した。同様に、スイッチ６ｂを閉じ、
スイッチ６ｃを開いた状態では、−７３０Ｖに帯電し
た。また、スイッチ６ｂ，６ｃをともに閉じた状態で
は、−７６０Ｖに帯電した。

【００３３】次に、上記の製法により制作した帯電装置
２４により感光体ドラム４の帯電電位が変化する理由を
図の３により説明する。

【００３４】図３は、図４に示される従来の帯電装置の
半導電体膜８８の幅を変化させたときの感光体ドラム８
４の帯電電位を示すグラフで、グラフから明らかなよう
に、半導電体膜８８の幅が狭いときには、感光体ドラム
８４の帯電電位は低く、幅が広いときには帯電電位が高
くなる。以上のことから本実施例における帯電装置２４
のスイッチ６ｂ，６ｃを開いているときには、帯電電極
の幅が狭いときと同じで帯電電位は低く、スイッチ６
ｂ，６ｃを閉じたときには、帯電電極の幅を広くしたの
と見かけ上同じ状態になるので、帯電電位は高くなる。

【００３５】尚、本発明は以上詳述した実施例に限定さ
れるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲の変更は
可能である。

【００３６】

【発明の効果】以上、詳述したことから明かなように、
本発明の帯電装置によれば、使用する帯電電極数を変化
させることにより感光体ドラムの帯電電位を各トナ−の
特性に合わせた帯電電位にすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の帯電装置を示す断面図である。

【図２】本実施例の帯電装置を用いた電子写真装置の構
成図である。

【図３】従来の面放電帯電装置を用いて体積抵抗値を変
化させたときの感光体ドラムの帯電電位のグラフを示す
図である。

【図４】従来の面放電帯電装置の断面図である。

【図５】従来のスコロトロン帯電装置の斜視図である。

【図６】従来のスコロトロン帯電装置の断面図である。

【符号の説明】

２ａ 印加電極 ２ｂ 印加電極 ２ｃ 印加電極 ３ａ 帯電電極 ３ｂ 帯電電極 ３ｃ 帯電電極 ５ 高圧電源 ６ｂ スイッチ ６ｃ スイッチ ２４ 帯電装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固体面放電素子を電荷受容体である静電
   潜像支持体に対向させ放電を行う帯電装置において、 ２組以上の固体面放電素子と、 前記固体面放電素子に電圧を加える加電圧手段と、 前記加電圧手段から電圧を印加する固体面放電素子の使
   用数を変化させる選択手段と、 より成ることを特徴とする帯電装置。