JPH0639209U - 花形成型カリバ圧延機の出口ガイド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多条分割圧延における圧延材のカリバロール
による無拘束噛出し側の形状寸法変化による圧延材分割
時の分割不良を防止する。 【構成】 分割圧延における花形成型カリバ圧延機の直
後に、圧延材１のカリバロールによる花形成型圧延時の
無拘束噛出し側である上下２面を凹形ローラ５、５’に
よりサイジング圧延できるようにした出口ガイド装置を
配置することにより、後工程圧延時に発生するトラブル
を防止し、操業の安定性、生産性向上、歩止り向上を達
成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は１本の材料を花形成型カリバ圧延機を包含する一連のカリバ圧延機に よる圧延を経て、圧延材の圧延方向に沿って薄肉の分離溝を形成し、この分離溝 を境にして圧延材を分離して複数本の棒鋼を製造する装置における花形成型カリ バ圧延機の出口ガイド装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

棒鋼圧延において、その生産性を高めるために一本の材料を圧延途中で圧延方 向に複数分割して同時に複数本の棒鋼を製造するような圧延方法がとられている 。 分割圧延では、図３に示すように素材となるビレット１ａがそのパススケジュ ールに従いカリバ（孔型）ロールを用いて途中の工程を省略したが圧延材は複数 パスのカリバ圧延により花形状１ｂ、ピーナツ形状１ｃのような形状を経て、メ ガネ形状１ｄに圧延された段階で中央部の上下面に圧延方向に沿う薄肉凹部を有 するメガネ形状の圧延材１ｄはａの状態から分割装置を用いて圧延材１ｄをｂの 状態のように引き裂いて二本の圧延材１ｅに分割する。その後、複数本圧延材１ ｅの同時圧延を行って製品棒鋼にすることにより生産性の向上を図っている。

【０００３】 図３のパススケジュールにおいて花形成型カリバロール２（図４参照）により 圧延後の圧延材１ｂは45°ツイストして次の圧延機手前で１ｂ’のように花形を 水平状態にしカリバ圧延機に噛み込まし圧延してピーナツ形状の圧延材１ｃに成 型する。従って従来は図４に示すように花形成型を行うカリバ圧延機のカリバロ ール２の出側には45°ツイストするためのローラガイド３が設置されており次の 圧延機２’の入口では花形の圧延材は１ｂ’のように水平状態にしてカリバロー ル２’に誘導される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 図５および図６に一対の花形成型カリバロール２による圧延材１の花形成型時 の圧延状態を示す。図５は垂直圧延機での圧延状態で図６は水平圧延機での圧延 状態を示す。 図５においては垂直圧延カリバロール２を用いて左右方向、図６においては水 平圧延カリバロール２を用いて上下方向がロールカリバで圧下成型されるために カリバ形状に合った規定寸法に仕上がるが、その逆方向すなわち図５で上下が、 また図６では左右が解放状態となっており圧延材１は無拘束噛出し状態となる。 このため当圧延機のロール２での圧下量の変化、圧延材温度、材質、ロール摩耗 、前段ルーパによる張力状態等により圧延材１の仕上り寸法が微小変化し一番の 問題は噛出し面の両面の形状寸法が異なることである。

【０００５】 図５に示す垂直カリバロール２を用いて圧延材１を花形形状に圧延する場合、 または図６に示す水平カリバロール２を用いて圧延材１を花形形状に圧延する場 合のいずれの場合にも、圧延材を次の圧延機の手前で図３に示す圧延材１ｂをロ ーラガイド３を介して45°ツイストして圧延材１ｂのように水平状態にすると、 圧延材１の上下部から左右両側、または左右両側から上下部に無拘束噛出し部が 移動するためこの部分のマスバランスが崩れることになる。

【０００６】 このため後工程における圧延でピーナツ形状成型→メガネ形状成型を行うが、 当然花形成型時の前記崩れたマスバランスの影響が残り、左右のマスバランスが 崩れたままとなり、ピーナツ形状およびメガネ形状の左右の無拘束噛出し面の寸 法が異なってくる。 このようにして成型された左右の仕上がり寸法の圧延材を後続の分割装置で分 割する場合、分割装置入口の誘導装置でのセンタリング誘導が困難となり結果と して分割時の左右等分割不良となる。このため飛出しあるいは圧延材のガイド詰 まり等のトラブルの原因となるばかりか、分割後の複数本同時圧延時における過 程においても左右のマスバランスの違いによる圧延機間のループ量の違いが発生 しループコントロール等の圧延操業性が悪化するという問題があった。

【０００７】 本考案は前述のような従来技術の問題点を解消することができる花形成型カリ バ圧延機の出口ガイド装置を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案は、１本の材料を花形成型カリバ圧延機を包 含する一連のカリバ圧延機による圧延を経て、圧延材の圧延方向に沿って薄肉の 分離溝を形成し、この分離溝を境にして圧延材を分離して複数本の棒鋼を製造す る装置における花形成型カリバ圧延機の出口ガイド装置であって、圧延材の形状 を花形に成型する花形成型カリバ圧延機の出側直近に、花形成型圧延時の圧延材 の無拘束噛出し側を微少圧延して花形断面の不定形部を解消する一対のガイド用 凹形ローラを、各々のローラ間隔を調整自在に配置したことを特徴とする花形成 型カリバ圧延機の出口ガイド装置である。

【０００９】

【作用】

本考案によれば花形成型圧延機の出側において圧延材のカリバロール面に非接 触面側の無拘束噛出部を一対の凹形ローラで微少圧延し両面の形状寸法を揃え次 圧延時の左右のマスバランスを均一にすることで後工程の圧延で成型される圧延 材の左右の仕上がり寸法精度を向上する。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１および図２に基づいて説明する。 図１および図２は図５に示すような垂直圧延カリバロール２で花形成型圧延さ れる場合の出口ガイド装置例を示しており、従って本例では圧延材１の上、下面 が圧延ロール２との非接触面で無拘束の噛出し側となっている。

【００１１】 本考案の花形成型カリバ圧延機の出口ガイド装置において、一対の凹形ローラ ５、５’はベアリング７を介して偏心軸６、６’に回転自在にケーシング10内に 保持されており偏心軸６、６’の軸端部にウォームホイール８、８’が固着され 、これに噛み合うウォーム軸９を回転することによりローラ間隔を調整できる構 造となっている。

【００１２】 図２に示すようにこの出口ガイド装置の凹形ローラ５、５’は花形成型カリバ 圧延機に配設された花形カリバロール２の出側直近に配置され花形カリバロール ２のカリバ芯に合わせてセットする。本例では、出口ガイド装置の一対のローラ ５、５’は水平配置としローラ５、５’の形状は圧延材１の花形に合わせた凹形 状のローラで上下一対のローラ５、５’は既知のローラガイド隙調整方法と同様 に偏心軸等を使用して上下ローラ間隔を調整できる構造になっている。

【００１３】 本考案の出口ガイド装置の目的は圧延材１の上、下面無拘束部の形状寸法を揃 えることであり、従って上、下の凹形ローラ５、５’間は圧延材１の寸法より僅 かに狭くセットされ微少圧延（サイジング）されるようになっており、圧延材１ の上、下不定形部が本出口ガイド装置のローラ５、５’のカリバに充満され定形 寸法となるように上、下ロール５、５’をセットする。

【００１４】 なお本出口ガイド装置は花形成型カリバ圧延機出側直近に配置し圧下量も僅か なことで本出口ガイド装置の駆動源は必要なく花形成型カリバ圧延機の動力で押 込み圧延が可能である。 なお圧延材１の形状より、後工程のピーナツ形状あるいは、メガネ形状の部分 での左右揃えのためのサイジング圧延は困難なので花形形状でのサイジング圧延 が好適である。

【００１５】 以上のようにして本考案では圧延材１の４面方向の形状寸法を全てが精度よく 仕上げることになるために、前記問題点に記述したような後工程における圧延、 分割での問題点が解消でき、トラブルのない安定した操業、生産が可能となる。 前記では、花形成型圧延が垂直ロールで行われる場合の例を示したが、同圧延 を水平カリバロールで行う場合は本出口ガイド装置凹形ローラの配列を垂直配置 とし圧延材の左右方向からサイジングを行うようにすればよく、また45°ツイス トを行うローラガイドを本出口ガイド装置と兼ね合わせた装置にすることも可能 である。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、圧延時における圧延材のカリバロールに よる無拘束噛出し側形状寸法変化、特に噛出し２面の仕上がり変化、特に噛出し 側２面の仕上がり寸法を比較的形状の安定した花形成型圧延直後において微小圧 延を行う。このため圧延材が精度よく仕上げられ、後工程で発生していた圧延材 分割時の等分割不良、飛出し、ガイド詰まり等のトラブルを防止でき、圧延の操 業性も良くなり安定した生産が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の装置を一部断面で示す正面図およびＡ
−Ａ矢視を示す部分側面図である。

【図２】本考案装置の配置を示す側面図である。

【図３】パススケジュールを示すフロー図である。

【図４】従来例装置の配置を示す側面図である。

【図５】垂直カリバロールによる圧延状況を示す説明図
である。

【図６】水平カリバロールによる圧延状況を示す説明図
である。

【符号の説明】

１ 圧延材 ２ カリバロール ３ ツイスト用ローラガイド ４ ローラガイド ５ 凹形ローラ ５’凹形ローラ ６ 偏心軸 ６’偏心軸 ７ ベアリング ８ ウォームホイール ８’ウォームホイール ９ ウォーム軸 10 ケーシング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 １本の材料を花形成型カリバ圧延機を包
   含する一連のカリバ圧延機による圧延を経て、圧延材の
   圧延方向に沿って薄肉の分離溝を形成し、この分離溝を
   境にして圧延材を分離して複数本の棒鋼を製造する装置
   における花形成型カリバ圧延機の出口ガイド装置であっ
   て、圧延材の形状を花形に成型する花形成型カリバ圧延
   機の出側直近に、花形成型圧延時の圧延材の無拘束噛出
   し側を微少圧延して花形断面の不定形部を解消する一対
   のガイド用凹形ローラを、各々のローラ間隔を調整自在
   に配置したことを特徴とする花形成型カリバ圧延機の出
   口ガイド装置。