JPH0638976B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法

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JPH0638976B2
JPH0638976B2 JP11734285A JP11734285A JPH0638976B2 JP H0638976 B2 JPH0638976 B2 JP H0638976B2 JP 11734285 A JP11734285 A JP 11734285A JP 11734285 A JP11734285 A JP 11734285A JP H0638976 B2 JPH0638976 B2 JP H0638976B2
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敬 金沢
邦夫 安元
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/04Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into open-ended moulds
    • B22D11/053Means for oscillating the moulds

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、鋳造の途中や熱間圧延時(特に熱間直送圧
延時のホツトチヤージ圧延時)に縦割れや横ひび割れ等
の表面疵を発生しやすい鋼種を対象にした場合でも十分
に低い割れ感受性を示し、しかもオシレーシヨンマーク
が殆んど無い鋼鋳片を、比較的コスト安く、安定して製
造し得る連続鋳造方法に関するものである。
<背景技術> 近年、鉄鋼の製造に当つて、垂直型若しくは彎曲型等の
連続鋳造機を使用した連続鋳造工程が不可欠なものとな
つているが、このような連続鋳造においては、一般に、
鋳型を鋳込み方向に上下動させて鋳片と鋳型との焼付き
防止を図りつつ鋳造パウダーによる潤滑作用を確保し、
以つて連続的に凝固させた鋳片を間歇的又は連続的に鋳
型から引き抜く手法が採用されている。
しかしながら、鋳型の上下動を欠かせない上記連続鋳造
法では、その上下運動に伴つて鋳片表面に“オシレーシ
ヨンマーク”と呼ばれる凹凸が発生するのを避けられ
ず、これが“横ひび割れ”等で代表される鋳片表面欠陥
の発生起点になるとして問題視されていた。
そこで、最近、連続鋳造鋳型に超音波振動子を取付けて
鋳込み方向と垂直な振動を与え、これにより鋳型と鋳片
との良好な潤滑性を確保することでオシレーシヨンマー
クを軽減しようとの試みがなされるようになり、好結果
が報告されるようになつてきた。
ところが、このようなオシレーシヨンマーク軽減対策で
は、鋼の連続鋳造に使用される鋳型が通常700〜90
0mm程度の長さを有していて50トン程度の重量である
ことから、所望の振動を鋳型に付与するためにかなり大
規模な超音波振動発生装置を必要とし、その設置スペー
スやコスト面で大きな不利を覚悟しなければならなかつ
たのである。
また、連続鋳造鋳型に振動を付与する方法として、 鋳型内壁に複数個の超音波振動子を配設する手段(例
えば特開昭54−86432号)、 メニスカス部において鋳型を薄肉化し、振動伝播効率
を高める手段(例えば特開昭59−191546号)、 振動発生装置の振動板を分割し、分割された個々の振
動板によつて振動を付与する手段(例えば特開昭56−
11155号)、 等の提案もなされているが、前記で示した「複数個の
振動子を用いる方法」は文字通り装置が大規模で繁雑に
なり、前記で示した「メニスカス部の鋳型厚みを薄肉
化する方法」は鋳型の損耗が大きく(鋳片との接触はメ
ニスカス部が最も顕著で温度上昇が激しいことによ
る)、鋳型鋳命に問題を生じ、また前記で示した「振
動板を分割する方法」は分割したすき間への溶鋼差し込
みが懸念されるなど、決して満足できるものではなかつ
た。
一方、連続鋳造法によつてブルームやスラブ等の鋳片を
製造しようとすると、その鋳造の途中で鋳片に印加され
る曲げ応力や冷却に起因して生じる熱応力によつて表面
疵(表面割れ)が発生したり、直送圧延やホツトチヤー
ジ圧延時に同様な表面疵を発生すると言つたトラブルが
目立ち、製品歩留り向上や鉄鋼製造プロセスの省力・省
エネルギー化推進対策上、大きな障害となつていた。
もつとも、このような表面疵の発生状況を調査するとい
ずれもオーステナイト(γ)粒界の割れを伴つて起きる
ことが観察されることから、表面疵(割れ)の発生頻度
がオーステナイト粒界へ析出又は偏析する炭化物、窒化
物及び硫化物形成元素や、P及びS等の不純物元素の含
有量に影響されるとの考えの下に、このような元素の含
有量を制御することによつて鋳片の表面疵防止を図る試
みもなされたが、この場合には、製品の品質(特性)確
保やコスト面で限界がある上、化学成分の調整基準が今
一つ明確でなく、従つて、化学成分の調整のみでは十分
に満足できる効果をあげ得なかつたのである。
ところで、このような鋳片表面疵の発生頻度は第1図で
示される如く鋳片のC含有量に大きく依存すると言う事
実もあるが、これに対する何らの方策も見出せないこと
もあつて、結局は該C含有量域を避けて操業が行われる
ことすらあつた。しかし、第1図で示されるような“表
面疵発生頻度が急激に高くなる領域”は必ずしも一定せ
ず、鋼種によつてもバラツキがあつて、特に低合金鋼で
はC含有量から推量れないような思いがけない成分領域
に持ち来たされることが多いため、操業上不利な事態に
陥いることがしばしばであつた。
従つて、鋼の連続鋳造時におけるオシレーシヨンマーク
の軽減や表面割れ疵の防止、更には熱間直送圧延又はホ
ツトチヤージ圧延時の表面割れ防止に関する簡易な手段
の出現が強く望まれているのが現状であつた。
<問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上述のような観点から、連続鋳造によつ
て製造される鋼鋳片の鋳造途中における表面疵発生や、
熱間直送圧延又はホツトチヤージ圧延時での表面疵発生
を確実に防止する実施容易な手段を見出すべく、そのた
めには、第1図で示したような特定C含有量域近傍での
表面疵発生頻度急増の原因解明が不可欠であり、また鋳
片鋳造時におけるオシレーシヨンマークの軽減も欠かせ
ないとの認識の下に種々の実験・研究を兼ねたところ、
以下に示すような知見を得るに至つたのである。、即
ち、 (a)オーステナイト(γ)粒界割れを伴つて起きる連続
鋳造鋳鋼片の表面割れが、凝固・冷却途中におけるNb
C,AlN,(Mn,Fe)S等の析出やP,S等の偏析がオー
ステナイト(γ)粒界を脆化させることに起因すること
もさることながら、これらの析出や偏析密度を左右する
オーステナイト(γ)粒の粒度に大きく影響され、凝固
・冷却中のオーステナイト(γ)粒の粗大化は鋳片の粒
界割れを著しく助長すること、 (b)凝固・冷却中の炭素鋼鋳片のオーステナイト(γ)
粒粗大化の程度はそのC含有量に大きく影響され、それ
もC含有量との単なる比例関係を維持しながら変化する
わけではなく、第2図で示したように、前述した“表面
疵を発生しやすいC含有領域で急激に顕著さを増す挙動
を示すこと(因に、第2図は、Fe−C系鋼の凝固・冷却
中に冷却速度を5℃/secとしたときのC含有量とオー
ステナイト粒径との関係を示す曲線である)、 (c)これらの結果と、「凝固・冷却中のオーステナイト
(γ)粒の粗大化はオーステナイト単相となつてから急
激に起こり、しかも温度が高いほどその傾向が著しい」
なる実験での確認事項とからみて、同一冷却条件下であ
ると凝固・冷却中の炭素鋼鋳片は第3図で示されるFe−
C系平衡状態図における単相化温度の最も高い組成のも
の、即ち包晶点組成(Fe−C系では0.18重量%C)のも
のが最も粗大なオーステナイト(γ)粒を呈するように
なることが明瞭であり(因に、第3図中の破線は第2図
で示したオーステナイト粒粗大化挙動を表わしてい
る)、従つて、熱間割れ感受性もこの付近の組成のもの
が急激に高くなるのであると結論されること、 (d)ところで、第2図で示されるオーステナイト(γ)
粒径粗大化挙動と第1図で示される鋳片表面疵発生傾向
とは合致していないが、これは、第2図が純粋なFe−C
系での実験結果であるのに対して第1図は実用鋼の場合
のデータであると言う相違によるもので、C以外の含有
元素(合金元素等)の影響によつて包晶点がずれている
からに他ならないこと、 (e)しかも、鋼中に含有されるC以外の元素の種類によ
つては鋼の熱間割れ感受性が一層鋭敏化し、鋳片表面疵
の増大を招く恐れがあること、 (f)従つて、鋳片の熱間割れ感受性を評価する場合に
は、C含有量のみではなく、合金元素の影響をも含めた
C当量〔Cp〕を指標にする必要があること、 (g)状態図的な検討から、鋼の包晶点に影響を及ぼすと
考えられる元素としてC,Mn,Ni,Cu及びNがあげら
れ、C当量〔Cp〕は次式で生理されること(以下、成分
割合は重量%で表わすこととする)。即ち、 (h)上記式は実際と良く合致しており、これに基づいて
連続鋳造鋳片の熱間割れ感受性を極めて的確に評価でき
ること。
第4図は、これを確認するために本発明者等が実施した
実験結果を示すものであり、第1表に示される成分組成
内の合計50種類の鋼から採取した小片をアルミナるつ
ぼ内で再溶解した後、冷却速度:5℃/secで冷却し、
そのオーステナイト粒径を測定して上記式で算出される
Cp値により整理したグラフであるが、オーステナイト
(γ)粒径はCp値で良く整理され、Cp値が0.18で最大値
をとることが明瞭に表われている。
(i)一方、同一組成鋼を凝固・冷却した場合の鋳片のオ
ーステナイト粒度は高温領域での冷却速度に大きく左右
され、特に1450〜1200℃程度の温度領域におけ
る冷却速度によつてほぼ決定されてしまうこと。
従つて、オーステナイト単相化温度が高くてオーステナ
イト粒が粗大化しやすい包晶組成(Cp=0.18)付近の鋳
片であつたとしても、上記温度域での冷却速度を速くし
てやればオーステナイト粒の粗大化が抑えられて単位体
積当りの結晶粒界面の大きい細粒結晶が得られ、このた
め結晶粒界に集まる析出物や偏析の密度が低くなつて熱
間割れ感受性が緩和されること。
第5図は、第2表に示される成分組成の鋼について、凝
固に続く冷却速度を種々に変え、1000℃に到達後急
冷してその組織を固定したもののオーステナイト粒径を
前記冷却速度で整理して表わしたグラフであるととも
に、これらの鋳片から採取した試験片(直径:10mm
)を通電加熱にて中心部を部分的に再溶融(1580
℃)させた後それぞれ前記の各冷却速度で1000℃ま
で降温し、2.0sec-1の歪速度で引張り破断して得た断面
収縮率〔RA〕を前記冷却速度で整理して併記したもので
ある。この第5図から、オーステナイト粒成長が起こり
やすい包晶組成の鋼であつても、凝固に続く冷却の速度
を上げることによつてオーステナイト粒の粗大化を防止
でき、その結果延性も十分に良好な値を示すようになる
ことが明らかである。
また、第6図は、前記第2表に示した成分組成の鋼から
小片を採取し、アルミナるつぼ中で再溶解してから冷却
速度:5℃/sec及び12℃/secで冷却するとともに、
その途中から水焼入れして組織を固定したものについ
て、該水焼入れ温度とオーステナイト粒径との関係をプ
ロツトしたグラフであるが、この第6図からも、冷却速
度がオーステナイト粒成長に大きく影響するのは極く高
い温度域に限られることが明らかである。
(j)以上の事項からは、連続鋳造によつて製造される鋳
片の鋳造途中における表面疵(割れ)発生や、熱間直送
圧延又はホツトチヤージ圧延時の表面疵発生が起きやす
い鋼種を前記式(Cpを算出する式)によつて簡単・確実
に予測することが可能であり、更に、これらの鋼種につ
いては連続鋳造の際の表面が凝固した直後に鋼片を出来
るだけ早い時期に速い冷却速度で冷却することによつて
表面疵発生を抑え得ると結論できること、 (k)しかし、鋼の連続鋳造の実操業においては、一般
に、溶鋼メニスカス近傍では凝固シエルと鋳型壁とが溶
融パウダーを介して密着した状態で凝固が進行するもの
の、それより下方になると溶鋼の凝固収縮と鋳片の温度
降下に伴う収縮とで鋳片は鋳型壁面から離れて、鋳型の
抜熱作用を損うエアーギヤツプを生じるようになる。従
つて、垂直型又は彎曲型連続鋳造機で使用される通常の
鋳型(長さが700〜900mm、或いはそれ以上)で
は、その後にオーステナイト(γ)粒界破壊を起こして
表面疵を発生しやすくなる程度にまでオーステナイト粒
の粗大化をもたらすような著しい冷却遅れが生じるのを
免れることができない。ところがこのような弊害は、鋳
型の長さを連続鋳造する鋼のCp値及び鋳片引き抜き速度
に応じて短かくし、これにより凝固中の鋳片を鋳型から
早目に引き出してから直ちに急冷(水スプレー冷却等)
することで乗り越え得ること、 (l)ところで、鋼を連続鋳造するに際して凝固初期(温
度が1400℃程度になるまで)の鋳片を急冷すると、
凝固シエル厚に不均一が生じ、凝固シエルの強度ムラや
局所的な冷却遅れのためのオーステナイト組織ムラを来
たして割れを助長する恐れがあるとの報告があるが、溶
鋼メニスカス近傍(前記凝固初期の区間)を緩冷却する
ことによつて上記懸念が払拭されること、 (m)このようなことから、連続鋳造鋳片の鋳造途中にお
ける表面疵(割れ)発生や、熱間直送圧延又はホツトチ
ヤージ圧延時の表面疵(割れ)発生の事前予測を確実に
行うことが可能であり、またこれらの鋼種については、
割れ発生度合の指標となるCp値や、冷却の程度に影響を
与える鋳片引き抜き速度をも考慮した出来るだけ短かい
鋳型を用いるとともに、鋳型内溶鋼のメニスカス近傍を
緩冷却し、かつ凝固途中の鋳片を鋳型から出来るだけ早
期に引き抜いて効率の良い冷却を施すことにより、その
表面疵発生を極力抑え得ること、 (m)更に、この場合、鋳型に超音波振動を付与しながら
鋳造を行うと、オシレーシヨンマークも極力抑えられて
鋳片の割れ感受性がより一層低くなる上、鋳型長が短か
いので鋳型壁と鋳片との摩耗力が減少し、鋳型のオシレ
ーシヨンを行わなくても超音波振動による潤滑効果のみ
で鋳造を行うことが十分に可能となり、この点からすれ
ば、オシレーシヨンマークの無い連続鋳造鋳片の製造も
実現できること、 (o)しかも、短尺鋳型は重量が小さいため、振動子等を
含めた超音波発生装置を小型化しても、また該装置の使
用個数を少なくしても十分に満足できる振動を効率良く
伝えることが可能であること(即ち、振動子は、鋳型の
溶鋼メニスカス部に対向させて、鋳片長辺面の幅方向中
央部に一対設置するだけで十分である)。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、 鋼を連続鋳造するに当つて、第7図に例示される如く、
鋳型内溶鋼1のメニスカス2の部位から鋳型下端までの
長さ〔L〕(mm)が式 を満足する両端開放鋳型3を使用し、該鋳型内溶鋼1の
メニスカス近傍部を緩冷却するとともに、該鋳型3に超
音波振動を付与しながら鋳造することにより、オシレー
シヨンマークが殆んどなく、熱間割れ感受性の低い連続
鋳造鋳片を的確に安定して製造し得るようにした点、 を特徴とするものである。
なお、第7図において、符号4は鋳造パウダーを、符号
5及び5′は超音波振動子を、符号6はロードセルを、
符号7は冷媒スプレーノズルを、符号8は凝固シエルを
それぞれ示している。
次に、この発明において、鋳型内溶鋼のメニスカスから
鋳型下端までの長さ〔L〕(mm)を なる式によつて限定した理由を説明する。
鋳型における前記長さ〔L〕の下限値の決定は、その下
限値を下回ると、凝固シエルの強度が不十分となつて鋳
型直下で鋳片のバルジングを生じ、ひいてはブレイクア
ウトを引き起こす恐れが出てくるからであり、凝固シエ
ルの発達がVcとCp値に依存すると言う事実と、その依存
度を幾多もの実験によつて突き止めた結果に基づくもの
である。また、戦記長さ〔L〕の上限値は、前述したよ
うに鋳片表層部の冷却速度の確保、即ちオーステナイト
組織を如何に細粒化してオーステナイト粒界破壊を伴う
表面疵の発生を防止するかと言う観点から、製造工場で
の数多くの試験を繰り返して経験的に決定されたもので
あり、前記長さ〔L〕がその上限値を越えた場合には、
鋳型の下部において、凝固途中の鋳片表面と鋳型内面と
の間に隙間(エアーギヤツプ)が生じて冷却遅れが起こ
り、所望の細粒オーステナイト組織が得られなくなつて
鋳片の熱間割れ感受性を抑制できなくなる。つまり、溶
鋼メニスカス下のどの位置でエアーギヤツプを生じるか
もVcとCp値によつて決まるものであり、従つて前記長さ
〔L〕の上限もこれらの関数で表わされることとなる。
一方、鋳型内溶鋼のメニスカス近傍を緩冷却するのは、
不均一凝固による鋳片表面の凹凸化を防止し、局所的な
冷却遅れ、ひいては局所的な結晶粒粗大化や凝固シエル
厚のムラを無くして凝固シエル強度の均一化を図るため
である。従つて、メニスカス近傍の緩冷却により、鋳片
表面疵抑制は一層確実になる。なお、緩冷却を要する部
分の範囲には格別な制限はなく、例えばメニスカスより
10mmまでの間、或いはメニスカスより30mmまでの間
等で良いが、好ましくはメニスカスから少なくとも50
mmまでの間を緩冷却することが推奨される。
そして、緩冷却手段としては次のようなものが挙げられ
るが、これらに限定されるものでないことは言うまでも
ない。
メニスカス近傍の緩冷却手段: ア第8図に示されるように、溶鋼1のメニスカス2近傍
部において、鋳型3の冷却媒体導通路9を鋳型内壁面か
ら遠ざける方法。
イ第9図で示されるように、溶鋼1のメニスカス2近傍
部において、鋳型3の内壁面に熱伝導度の低い異種金属
層10を貼り付けるか、又はメツキする方法。なお、異
種金属層10の厚さに変化を持たせるとより効果的であ
る。
ウ第10図で示されるように、溶鋼1のメニスカス2近
傍部に加熱手段11を配置する方法。
エ第11図で示されるように、溶鋼1のメニスカス2近
傍部における鋳型内面に複数本の溝12を設けて、溝に
よつて保持されるエアー層により凝固シエル8から鋳型
3への熱伝達を抑える方法。
オ鋳型壁内の冷却媒体導通路の太さを箇所別に変化させ
たり、箇所別に冷却能の異なる冷却媒体導通路や流速の
異なる冷却媒体導通路を独立して設け、メニスカス近傍
の冷却度合を低くする方法。
なお、第8乃至第11図においては、鋳造パウダー層や超
音波振動子の表示は省略した。
この発明の連続鋳造方法は上述のような特徴を有するも
のであるが、安定な実操業を維持するためには鋳片引き
抜き速度〔Vc〕を2000mm/min以下に設定するのが
良く、また、メニスカスから鋳型下端までの長さ〔L〕
を規制する前記式中の〔X〕 は0.3以下に設定するのが望ましい。
なぜなら、第4図で示されるように、連続鋳造される鋼
の組成がCp値を用いて表わされるXの値で0.3を越えた
もの(X>0.3のもの)では、通常の鋳型を使用したと
しても得られる鋳片の表面疵発生度合がそれほど高くは
なく、この発明の鋳型を使用することによる効果がそれ
ほど目立たないからである。
そして、この発明では、 なる式で算出されるCp値を鋳型内溶鋼メニスカスから鋳
型下端までの長さ〔L〕決定の因子として採用したが、
上記C,Mn,Ni,Cu及びN以外にも、鋼の包晶点に大きな影
響を与える元素(即ちオーステナイト粒粗大化傾向に影
響する元素)としてV,Si,P,Nb及びSが予想される
が、実用鋼における程度のこれら元素の含有量では、そ
の影響は前記〔X〕の値を とすることで十分に吸収することができる。
次いで、この発明を実施例により説明する。
<実施例> まず、第3表に示される如き、0.05%のNbを含有させて
表面割れ感受性を高めた鋼を基本とし、その成分を調整
してCpの値を種々に変化させた鋼を溶製した後、実用の
彎曲型連続鋳造機(彎曲半径:12.5m)によつて断面寸
法が250mm×2100mmのスラブを、各種の鋳型を使
用するとともに、ストロークが5mmでサイクル数が15
0cpmのオシレーシヨン条件にて、2種の鋳造速度の下
で製造した。なお、この鋳込みの際、鋳型長辺面幅方向
中央部に対向させて配置した超音波振動子(400Wの
出力)により超音波振動(18KHz)の付加及び無付加
を繰り返した。
このようにして得られた連続鋳造鋳片について(前記超
音波振動の付加部並びに無付加部とも)表面疵発生の程
度を目視評価し、その結果を第12図及び第13図に示し
た。
ところで、このとき使用した鋳型は、「水冷銅鋳型」と
「上端から溶鋼メニスカス下30mmまでの間の内面に厚
さ4mmのニツケル層を設けた水冷銅鋳型(以下、“緩冷
却鋳型”と称す)」の2種であり、しかもその長さ(メ
ニスカスから下端までの長さ〔L〕)が種々異なるもの
であつた。
また、第12図及び第13図中の記号は を表わすものであり、同様条件で超音波付加したものは
「′」付きで示してある。
第12図及び第13図に示される結果からも明らかなよ
うに、鋼の連続鋳造に際して本発明の条件を満足する長
さの緩冷却鋳型を使用すると、表面疵発生傾向の高い成
分の鋼であつても十分に低い割れ感受性を備えた鋳片が
得られることがわかり、更に超音波振動を付加した場合
には、短尺緩冷却鋳型でも効果が不十分であつて表面疵
発生が認められたものでも表面疵が発生しなくなり、表
面疵改造効果が完全になることも確認された。
また、第14図は、同様の鋳造条件(但し、溶鋼のCp
値:0.13、鋳型長:400mm)の下でオシレーシヨンサ
イクル数のみを種々変化させて製造した鋳片につき、超
音波振動付加部と無付加部とのオシレーシヨンマーク深
さを比べたグラフであるが、この第4図からは、超音波
振動の付加により鋳片のオシレーシヨンマーク深さが5
0〜100μ程度浅くなることが明らかであり、超音波
振動の付加が鋳片の割れ感受性を一層低減し得ることを
確認できる。
更に、鋳型のオシレーシヨンを停止して超音波振動の付
加のみで鋳込みを試みたところ、オシレーシヨンマーク
の無い鋳片を、ブレークアウトもなく約20mに亘つて
定常的に鋳造できることが確認できた。もちろん、表面
疵は、鋳造中も鋳造後に引き続いて実施される熱間直送
圧延やホツトチヤージ圧延時においても皆無であつた。
なお、第15図はこの場合におけるブレークアウトしな
い限界振動数の調査結果を示しているが、この第15図
からも明らかなように、通常鋳型でのオシレーシヨンマ
ーク軽減に適用されると同等程度である18KHzの振動
数を徐々に落して行つたところ、約7KHzまで振動数が
落ちたところで初めてブレークアウト発生率の急増がみ
られた。このことからは、短尺鋳型を用いることで、オ
シレーシヨンマーク軽減のために通常鋳型へ取付けられ
る場合の半分にも満たない規模のコンパクトな超音波発
生装置によつても十分な潤滑効果が確保され、オシレー
シヨンレス操業をコスト安く実施できる可能性を見出す
ことができる。
<総括的な効果> 以上説明したように、この発明によれば、連続鋳造途中
や、これに続く熱間直送圧延又はホツトチヤージ圧延中
に割れ疵発生の起こりやすい鋼種を的確に把握できる
上、割れ疵を生じやすい鋼種に対しても何ら問題無く高
歩留りの下で所望製品製造が可能で、しかもオシレーシ
ヨンマークさえも無い鋳片を、比較的コスト安く、安定
して量産し得るなど、産業上極めて有用な効果がもたら
されるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、C含有量と鋳片表面疵発生頻度との関係を示
すグラフ、 第2図は、Fe−C系鋼のC含有量とオーステナイト粒径
との関係を示すグラフ、 第3図は、Fe−C系平衡状態図、 第4図は、鋼のCp値とオーステナイト粒径との関係を示
すグラフ、 第5図は、鋼の冷却速度とオーステナイト粒径との関係
を示すグラフ、 第6図は、各種冷却速度で冷却途中の鋼の、水焼入れ温
度とオーステナイト粒径との関係を示すグラフ、 第7図は、本発明の連続鋳造方法を説明するための概略
模式図、 第8乃至11図は、本発明の連続鋳造において溶鋼メニ
スカス近傍を緩冷却する手段の概略模式図であり、第8
図、第9図、第10図及び第11図はそれぞれ別の例を
示すもの、 第12図及び第13図は、溶鋼組成で決まる値〔X〕と
溶鋼メニスカスから鋳型下端までの長さ〔L〕の変化に
よる鋳片表面疵発生状況の調査結果を示すグラフであ
り、第12図及び第13図はそれぞれ異なる鋳造速度で
のもの、 第14図は、超音波付与によるオシレーシヨンマーク深
さの軽減程度を示すグラフ、 第15図は、オシレーシヨンレス操業時における超音波
振動数とブレークアウト発生率との関係を示すグラフで
ある。 図面において、 1…溶鋼、2…メニスカス、 3…鋳型、4…鋳造パウダー、 5,5′…超音波振動子、6…ロードセル、 7…冷媒スプレーノズル、 8…凝固シエル、9…緻冷却媒体導通路、 10…熱伝導度の低い異種金属層、 11…加熱手段、12…溝。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼を連続鋳造するに当つて、鋳型内溶鋼の
    メニスカス部から鋳型下端までの長さ〔L〕(mm)が式 を満足する両端開放鋳型を使用し、該鋳型内溶鋼のメニ
    スカス近傍部を緩冷却するとともに、該鋳型に超音波振
    動を付与しながら鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳
    造方法。
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