JPH0638849Y2 - 粘着テ−プの繰出し器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は剥離紙を自動的に剥がしながら巻戻すようにした
粘着テープの繰出し器に関する。

従来剥離紙を存してロール状に巻回した粘着テープ例え
ば両面粘着テープを剥離紙を剥がしながら巻戻すさい粘
着テープと剥離紙の間に分離板を介在させ剥離紙を剥が
すようにしたものがあるが、分離板の先端に粘着剤が付
着蓄積し、しばしば掃除しなければならない等の面倒が
ある。また基材面にラベル等を仮着しロール状に巻回し
たものを巻戻して粘着ラベルを基材から剥がすさい繰出
し口から引き出されたラベル仮着基材を引き出し方向に
対し反転させ、反転部位において粘着ラベルを基材から
剥離するようにしたものがあるが構造が比較的複雑であ
る等の欠点がある。

本案は、片面または両面粘着テープ等の剥離紙付の粘着
テープをその厚みに応当してこれを挿通することができ
る間隔を持ち、かつ該テープを巻戻すときの流れ方向を
変えることができる長さのスリットを備えたスリット部
材を該粘着テープの繰出し口（部位）に設け、上記スリ
ットの入口から出口に向う長さを、その入口に供給され
るテープの流れ方向に対して、スリットの出口から剥離
紙を剥したテープを引出す方向とは反対側に傾斜させる
ようにしたもので、このスリット部材によって剥離紙を
確実に引剥しながら粘着テープが使用でき、また、構造
簡単で取扱い易く、スリツト部に粘着剤付着等の障害も
なく、連続して円滑な巻戻しができる。

本案を実施例について説明すると、前側板（１）と後側
板（２）は剥離紙（12）を存して巻芯（13）に巻回され
た粘着テープ（11）を回動可能に支持できる間隔を存し
て台板（３）に竝列に設けられ、該両側板にはその対向
部位に上縁に開口する軸承溝（４）が設けられ、該軸承
溝は巻回された粘着テープ（11）の巻芯の中空部に嵌入
して該粘着テープを回動可能に支持するリール（14）の
軸（14a）受となると共にその着脱を可能にしている。
図では台板（３）は両側板間の所要間隔に応当する間隔
片（3a）を一体に設け、該間隔片の設置部位において両
側板をボルト・ナツト（3b）を介して取り付けている。
巻回された粘着テープ（11）から引出された粘着テープ
（11a）の引出し口（部位）（５）には、剥離紙（12）
を仮着した粘着テープ（11a）の厚みにほぼ応当して挿
通するスリツト（6a）を有するスリツト部材（６）が設
けてある。このスリット部材のスリット（6a）は、剥離
紙（12）を仮着したままの粘着テープ（11a）の厚さに
ほぼ応当する間隔を有していると共に、該テープの全巾
が挿通するような幅を持っている。また、該スリットの
入口から出口までの長さは、巻戻されるテープの流れ方
向を変えることができるような長さになっている。この
スリットの入口から出口に向う長さ方向は、該スリット
の入口に供給されるテープの流れ方向を基準として、ス
リットの出口から出た（剥離紙が剥れた）粘着テープ
（11b）を引出す方向とは反対側を向くように傾斜して
いる。こうしたスリットに入った剥離紙付粘着テープ
は、その流れ方向が変えられ、粘着テープ（11b）をス
リットの出口からスリットの向きとは反対の引出し口
（５）の方向（矢印Ａ）へ引張られるので、仮着されて
いる剥離紙（12）が自動的に剥れて行く（第４図）。図
では、スリット（6a）の長さ方向が、スリットの入口に
供給されるテープの流れ方向を基準として約25〜35°の
角度に傾斜させたものを示している。しかしこの角度は
前記の如く剥離紙が剥がれた粘着テープの引出し方向に
よつて適宜に変更されるものであり、これに限定される
ものではない。このスリツト部材は各種の硬質プラスチ
ツク、セラミツク、金属等の棒状材または管状材（第５
〜６図）で形成でき、一方の側板の角部等にスリツトの
傾斜角度が変更可能に取付けられている。（７）はガイ
ドロールで、必要に応じ１箇以上設け、巻回粘着テープ
から引出される剥離紙付粘着テープのスリツト部材のス
リット入口への供給を更に安定的にすることができる。
スリツト部材の後方の適当な部位には切断刃等を設け、
使用される不要剥離紙を剥いだ粘着テープの所要長をカ
ツトするようにもできる。

剥離紙を存して巻回された両面粘着テープその他普通の
片面粘着テープの剥離紙は一度に全部を剥離する以外
に、例えば該剥離紙を長手方向に２分乃至それ以上に細
分する切目を予め設けておき、その一部の剥離紙を剥離
し、一部の粘着剤層を露出させる場合も同様に使用でき
る。

本案は上述の如く構成されているので、剥離紙を存して
巻回された両面粘着テープから仮着している一部又は全
部の剥離紙の剥離が粘着テープを引出すだけで自動的に
容易且つ迅速円滑にでき、途中引出しを止めても、引出
された粘着テープが逆戻り等して露出粘着剤同志粘着す
る等の障害もなく、且つスリツトに粘着剤が付着して引
出しを困難にすることもない。またその構造は簡単で、
使い易く、自動車その他の乗物の車体、胴体等の塗装、
家屋その他の建造物の塗装等のさい使用される大形の紙
その他のマスキング材を塗装しない部分に貼着するさい
該マスキング材の縁部等に設ける片面若しくは両面粘着
テープの剥離紙の剥ぎ取りに使用して極めて便利であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示し、第１図は正面図、第２図は
側面図、第３図は第１図のIII−III線断面図、第４図は
要部の拡大図、第５図は変形例を示す要部の拡大正面
図、第６図は第５図の側面部である。 （１）は前側板、（２）は後側板、（３）は台板、 （４）は軸承溝、（５）はテープ引出し口、 （６）はスリツト部材、（6a）はスリツト、 （９）は粘着テープ繰出し器、 （11）はロール状粘着テープ、（11a）は粘着テープ、 （12）は剥離紙、（13）は巻芯

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−98460（ＪＰ，Ａ) 実開 昭49−15897（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−189056（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭38−26600（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前後両側板間に巻回した剥離紙付の粘着テ
   ープを回動可能に支持し、該粘着テープの引出し口に当
   る前記側板に、上記剥離紙付粘着テープをその厚味に応
   当して挿通することができる間隔を有し、該テープの流
   れ方向を変えるに充分な長さのスリットを有するスリッ
   ト部材を設け、該スリットの出口で剥離紙が剥せるよう
   にそのスリットの入口から出口に向う長さ方向を、該入
   口に供給されるテープの流れ方向に対して該出口から剥
   離紙のないテープを引出す方向とは反対側に傾斜させた
   粘着テープの繰出し器。
2. 【請求項２】上記スリットの長さ方向は、該スリットの
   入口に供給されるテープの流れ方向に対して25〜35°の
   角度で傾斜している実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載の粘着テープの繰出し器。