JPH0638833B2 - 吊具付き容器及びその製造方法 - Google Patents

吊具付き容器及びその製造方法

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JPH0638833B2
JPH0638833B2 JP2261299A JP26129990A JPH0638833B2 JP H0638833 B2 JPH0638833 B2 JP H0638833B2 JP 2261299 A JP2261299 A JP 2261299A JP 26129990 A JP26129990 A JP 26129990A JP H0638833 B2 JPH0638833 B2 JP H0638833B2
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平次郎 桜井
伸一 上原
徳義 中島
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、点滴容器として用いられる輸液瓶など、容器
を逆さ吊りするための吊具を形成して成る吊具付き容器
及びその製造方法に関する。
[従来の技術] この種の吊具付き容器の成形にあっては、通常の容器の
成形のように、予備成形品(パリソンともいう)の射出
成形およびその後の延伸吹込(ブロー)成形に加えて、
吊具を形成する工程を要し、吊具付き容器のコストダウ
ンのため、その製造方法を容易化するという要求があ
る。その一方で、この種の吊具付き容器は、例えば点滴
用容器等のように医療用として用いられるので、吊具に
対する信頼性が高く要求される。すなわち、吊具から容
器が離脱してしまうと、人間の生命にかかわる重大な事
故を誘発するからである。
この種の吊具付き容器の製造方法に関して、下記の提案
がなされている。
特開昭63-11324号公報には、パソリンの射出成形工程の
段階で、パリソンのボトム部に孔付き吊具を一体成形す
る製造方法が開示されている。
一方、特開昭63-21804号公報には、パリソンのボトム部
にゲートランナー部を残留させた状態にて、容器の延伸
ブロー成形を行い、その後別の射出成形用金型で成形さ
れた吊具の孔部を前記ゲートランナー部に挿入し、ゲー
トランナー部と吊具とを熱溶着する製造方法が開示され
ている。
[発明が解決しようとする課題] この種の吊具付き容器は医療用として用いられることが
多く、従って緊急時を想定して吊具を掛け易くする必要
があり、吊具に形成される孔が一定以上の大きさである
ことが要求される。この点、特開昭63-11324に記載され
た製造方法のように、パリソンの射出成形によって比較
的大きな孔を有する吊具を一体成形する場合には、この
吊具の存在によって単に筒状パリソンを成形するもので
はなくなり、その射出成形が必要以上に困難となってし
まう。さらに、パリソンの射出成形からブロー成形およ
びエジェクト動作をワンステージで行うホットパリソン
式の場合には、比較的大きな吊具の存在によってパリソ
ンの温度分布が所望に得られず、パリソンの偏温によっ
てブロー成形後の製品にも樹脂肉厚にバラツキが生ずる
等という問題がある。
一方、特開昭63-218045号公報に開示された製造方法に
より形成される吊具付き容器は、吊具に対する信頼性の
面で劣っている。この製造方法によれば、吊具の孔をゲ
ートランナー部に挿入した後、この吊具よりベット状に
突起しているゲートランナー部の頭部を溶着することで
両者を結合している。この場合、容器を逆さ吊りすると
リベット状のゲートランナー部頭部に大きな負荷がかか
り、ゲートランナーで構成される比較的外径を小さくせ
ざるを得ないリベット軸部の破損により吊具が脱落して
しまうという危険性が高い。リベット状軸部を太くする
とすれば、パリソン形状が特殊となるため、特開昭63-1
1324号公報の技術と同様な問題が生じてしまう。
しかもこの製造方法によれば、ゲートランナー部と吊具
との熱溶着を別工程で行う必要もあり、一度冷却固化し
た容器を熱溶着するために時間と手間がかかり、このた
め吊具付き容器を安価に製造できないという問題もあ
る。
そこで、本発明の目的とするところは、パリソン射出成
形工程では通常の筒状パリソンと同様の射出成形条件で
行うことにより、最終製品としての容器の品質を損うこ
とがなく、しかも延伸吹込成形用型内部にて容器のボト
ム部と吊具との結合を行うことにより、吊具に対する信
頼性を高め、製造コストを低減することのできる吊具付
き容器及びその製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、容器を逆さ吊りするための吊具を、予備成形
品の延伸吹込成形により成形される容器の底壁に具備す
る吊具付き容器において、前記容器の底壁に当接する吊
具の基台に設けられた孔と、前記底壁と一体的に延伸吹
込形成され、前記孔に挿通される断面中空リング状の軸
部と、この軸部が前記孔より突出する位置にて前記軸部
と一体的に形成され、前記孔の開孔面積よりも広い面積
のフランジ状頭部と、を有することを特徴とする。
本発明方法は、容器を逆さ吊りするための吊具を、予備
成形品の延伸吹込成形により成形される容器の底壁に具
備する吊具付き容器の製造方法において、孔が形成され
ている吊具を延伸吹込成形用型の前記容器底壁と対応す
る位置にインサートしておき、前記予備成形品の延伸吹
込成形により、容器底壁の一部を断面中空リング状にて
前記孔より突出成形し、かつ、この突出部の面積を前記
孔の開孔面積より大きく成形することで、吊具保持用の
フランジ状頭部を形成することを特徴とする。この工程
の後に、前記吊具保持用のフランジ状頭部を容器底壁側
に向けて押し返すことで、その面積を増大させ、かつ、
前記吊具の対向面に密着させることもできる。
また、延伸吹込成形時には、容器底壁の一部を前記孔よ
り突出させる成形のみ行い、その後、この突出部を容器
底壁側に向けて押し返すことで、吊具保持用のフランジ
状頭部を形成することもできる。あるいは、予備成形品
の射出成形時にその底壁に厚肉部を成形しておき、予備
成形品の温調工程にて、前記孔より突出した厚肉部を押
し返して吊具保持用のフランジ状頭部を形成しても良
い。
[作用] 本発明では、フランジ状頭部と底壁とを連結する軸部
が、延伸吹込成形により断面中空リング形状となってい
るので、その外径をゲートランナー等射出成形で実現で
きる外径よりも比較的太く成形することが可能となる。
従って、容器を逆さ吊りした際にフランジ状頭部に相当
の重量が作用したとしても、従来のゲートランナー自体
により軸部を形成した場合よりも、引っ張り応力及び曲
げ応力に対する耐久性が各段に向上し、脱落の虞のない
安全性の高い吊具付き容器を構成できる。
このような吊具付き容器を製造するにあたり、本発明方
法では予備成形品(パリソン)の射出成形工程の段階で
は、何ら特殊な成形を行うことは必ずしも要せず、従っ
て通常の有底筒状パリソンを成形するものとほぼ同一条
件にて、パリソンの射出成形工程を行い得る。
そして、容器底壁に対する吊具の固定は、延伸吹込成形
用型内部にて実現している。予備成形品を延伸吹込成形
用型内部で延伸吹込動作させると、予めこの型にインサ
ートされている吊具の孔より、容器底壁の一部が突出
し、さらに吹込圧力等の作用により、この突出部が吊具
の外表面側で側方に向かって膨張する。この結果、吊具
の孔を挿通する断面中空リング状の軸部の先端に、吊具
保持用のフランジ状頭部が形成され、延伸吹込成形用型
内部にて容器と吊具との確実な結合を実現できる。
この工程の後に、必要に応じてフランジ状頭部を容器底
壁側に向けて押し返すことで、より確実な締結を実現で
きる。
延伸吹込成形動作中には、吊具の孔より突出する突出部
を成形することだけでもよい。この場合には、その後の
突出部の押し返し動作を伴えば、同様なフランジ状頭部
を形成することができる。なお、この場合には予備成形
品の底壁の肉厚を通常より厚めとする等により、延伸吹
込成形時に中空でなく中実の前記突出部を成形でき、中
実の軸部の先端にフランジ状頭部を形成することも可能
となる。予備成形品の底壁に軸部となる厚肉部を成形し
た場合には、温調工程時において温調ポットにインサー
トされている吊具の孔に厚肉部を挿入でき、同様に押し
返しを行うことで、中実の軸部の先端にフランジ状頭部
を形成することができる。
[実施例] 以下、本発明を吊具付き輸液瓶の製造方法に適用した一
実施例について、図面を参照して具体的に説明する。
第5図(A),(B)は、本実施例方法により成形され
た吊具付き輸液瓶10を示している。同図において、こ
の輸液瓶10は断面矩形リング状の側壁12を有し、そ
の底壁14にはこの輸液瓶10を正立状態とした際の接
地面となる例えば4つの脚部16がその4隅に形成され
ている。この4つの脚部16よりも低い段差面18が底
壁14の他の領域に形成され、その中心には吊具20が
固定されている。この吊具20は孔部22を有する基台
24と、リング状フック部26とを一体的に形成したも
ので、リング状フック部26を輸液瓶10の底壁より離
れる方向に弾性変形できるように、基台24とリング状
フック部26の基端との間にスリット28が設けられて
いる。吊具20の常時は脚部16を結ぶ面内に納めるこ
とができ、吊るす際にのみリング状フック部26を弾性
変形させればよい。
この吊具20は、例えば樹脂材料により射出成形されて
形成されるが、弾性変形可能な金属その他の材質で形成
することも可能である。
この吊具20は、底壁14の段差面18とフランジ状頭
部30との間に挟持されることで、輸液瓶10の底壁1
4に結合されている。フランジ状頭部30は、吊具20
の孔部22を挿通する断面中空リング状の軸部32によ
って段差面18と一体的に結合され、フランジ状頭部3
0のフランジ面積は吊具20の孔部22の開孔面積より
も大きくなっている。この結果、段差面18からフラン
ジ状頭部30にかけての形状がアンダーカット形状とな
っている。なお、前記孔部22の大きさとしては、逆さ
吊りされる輸液瓶10の重量に耐え得る軸部32の直径
に見合うものであればよく、軸部32は延伸吹込成形に
より形成されるので孔部22の径の大きさにのみ依存し
て成形され、パリソン40の射出成形条件と無関係にそ
の外径を大きくできる。
また、このような容器10及びその予備成形品としての
パリソン40の成形材料としては、最終製品が点滴用容
器等に用いられる輸液瓶とした場合には、ポリプロピレ
ンが最適であるが、他の熱可塑性樹脂として、例えばポ
リエチレンテレフタレート(PET),ポリブチレンテ
レフタレート,ポリアリレート等の熱可塑性ポリエステ
ル樹脂、あるいはアリイミド(ナイロン)系樹脂,ポリ
塩化ビニル等を用いることもできる。
この吊具付き輸液瓶10の製造方法、特に特徴的工程を
有する延伸吹込成形工程について、第3図(A)〜
(D)を参照して説明する。なお、本実施例では、輸液
瓶10を延伸吹込成形するための予備成形品であるパリ
ソン40の射出成形は、通常の有底パリソン成形と同一
の射出成形条件にて実施している。このパリソン40の
底壁42にはゲートランナー部44が残存しているが、
これは吊具20の締結のために不可欠ではない。また、
本実施例方法は、パリソン40の射出成形工程と、その
後のパリソン40の温調工程,延伸吹込成形工程及びエ
ジェクト工程を一連で行ういわゆる1ステージタイプ
と、それらを別のステージで行ういわゆる2ステージタ
イプとのいずれの方式であってもよい。
同図(A)は、輸液瓶10の予備成形品としてのパリソ
ン40をブロー延伸吹込成形用型50内部にセットし、
かつ、吊具20を底壁側にインサートとした型開き状態
を示している。
パリソン30の延伸吹込成形工程には、第2図(A)の
左右方向に開閉可能であって、輸液瓶10の外側壁を規
定する2つのブローキャビティ型52,52と、輸液瓶
10の底壁を規定する昇降可能な底型54と、パリソン
40のネック部を保持するネック型56と、パリソン4
0のネック部内部に嵌入されてブローエアーを導入する
ブローコア型58と、パリソン40を縦軸延伸する延伸
ロッド60とが用いられる。予め射出成形等で形成され
た前記吊具20は、第4図に示すようにして底型54上
に載置される。なお、この吊具20の底型54に対する
位置決めのための構成を採用することも可能である。
第3図(B)は、パリソン40の延伸ブロー成形工程を
示している。この工程を行うために、同図(C)のブロ
ーキャビティ型52,52が閉鎖駆動され、この2つの
ブロー型52,52と底型54とで、輸液瓶10の外壁
を規定するキャビティを形成する。その後、延伸ロッド
60が下降駆動され、その先端のコマ62によりパリソ
ン40を軸方向に延伸すると共に、ブローコア型56を
介して、パリソン40内部にブローエアーが導入され
る。この結果、パリソン40の外壁が型内面に到達する
まで、軸方向及び横方向に2軸延伸され、側壁12およ
び底壁14を有する輸液瓶10がブロー形成される。な
お、延伸ロッド60を介してブローエアーをパリソン4
0内部に導き、特に底壁14付近での吹込圧力を増大す
ることも可能である。本実施例では延伸ロッド60の先
端コマ62に周方向で複数の縦溝62aを形成し、底壁
14付近での吹込圧力を増大させている。
この延伸吹込成形工程により形成される輸液瓶10の底
形状は、第1図に拡大して示す通りである。すなわち、
輸液瓶10の底壁14おける段差面18は、吊具20の
孔部22と対向する箇所が該孔部22に挿通され、断面
中空リング形状の軸部32を形成する。さらに、この孔
部22より樹脂が突出し、孔部22の開孔面積よりも大
きい面積のフランジ状頭部30が吹込成形されることに
なる。従って、吊具20は、段差面18とフランジ状頭
部30の周縁部30aにより挾み込まれて保持される。
なお、このようなフランジ状頭部30の成形により確実
にするために、吊具20の孔部22には、孔部22より
突出する樹脂の側方への移行を案内するテーパ状のガイ
ド面22aを設けるものが好ましい。
第3図(C)は、底型54の中心に設けた頭部押圧用昇
降ピン70により、フランジ状頭部30を、輸液瓶10
の底壁14側に向けて押し返す工程を示している。頭部
押圧用昇降ピン70の上昇駆動による押し返し動作の際
にも、延伸ロッド60のコマ62による底壁14の押圧
動作、あるいはブローエアーの吹込動作のいずれか一方
又は双方の動作が維持されている。この結果、輸液瓶1
0の座屈によりフランジ状頭部30が上方に逃げること
を防止でき、フランジ状頭部30の確実な押し返し動作
を確保できる。
このときの輸液瓶10の底壁14の形状は、第2図に拡
大して示すと通りである。
フランジ状頭部30は、頭部押圧用昇降ピン70のフラ
ットな先端面72により押し潰され、そのフランジ面積
が増大し、かつ、フランジ内面が吊具22の基台24と
密着される。このような動作は、吹込成形用型50内部
にて底壁14が未だ熱を保有しているので、容易に実現
することができ。この結果、吊具20をより強くかつ確
実に締結できる。なお、先端面72を必ずしもフラット
にするものに限らない。
ここで、頭部押圧用昇降ピン70は先端面72よりも一
段下がった位置に膨径部74を有し、この膨径部74の
上端面74aの上限位置を規制するストッパ面54bが
底壁54のピン昇降案内部54aに形成されているの
で、頭部押圧用昇降ピンの上昇駆動圧力を例えばシリン
ダ駆動等により一定とすれば、常時均一な押圧力を作用
でき、一定の品質を有する吊具の保持構造を実現でき
る。さらに、ゲートランナー44をフランジ状頭部30
の押圧時のセンタリング機能として利用するために、前
記先端面72のセンターに凹部72aを形成しておくこ
とが好ましい。この結果、押圧時にフランジ状頭部30
がある方向に偏ることを防止でき、孔部22の中心をセ
ンターとしたほぼ真円形状の頭部30を常に形成でき、
このことによっても品質が一定した吊具保持構造を保持
構造を実現できる。
第3図(D)は、吊具装着後の型開き状態を示してい
る。延伸ロッド60は後退移動し、ブローエアーの供給
も停止され、この型開き後に、輸液瓶10を保持したネ
ック部56がエジェクトステージに搬送され、エジェク
ト動作により一サイクルの成形工程が完了する。
このように、吊具20を底壁14に連結する工程を延伸
吹込成形工程での型内部で実施することで、安定した品
質を有する吊具保持構造を簡易に実現でき、しかも製造
コストを低減できる。この製造方法により形成される吊
具構造のリベット軸となる軸部32が断面中空リング形
状であるので、輸液瓶10に内容物を充填して逆さ吊り
してフランジ状頭部30に相当の重量が作用しても、吊
具20が輸液瓶10より離脱する危険性を十分低減で
き、特に医療用として用いられる輸液瓶の信頼性を大幅
に向上させることができる。また、特に医療用として用
いられる場合には、吊具20の吊掛け部となるリング状
フック部の26穴の大きさを大きく確保する必要がある
が、輸液瓶10の成形工程とは無関係に、換言すれば輸
液瓶10の成形品質に影響を与えること無く、このよう
な大きな穴を成形できる点でも優れている。
また、従来の通常の有底筒状パリソンを成形する場合の
成形条件とほぼ同等の成形条件となり、パリソン40の
成形工程が複雑化することがない。さらに、特開昭63-1
1324号公報に開示された製造方法と比較しても、ゲート
口付近でのパリソン40のボトム部形状が複雑化しない
ので、パリソンの樹脂の流れを悪化することがなく、パ
リソン40の偏温によってブロー成形後の最終製品に偏
肉が生ずるという悪影響をも防止できる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば上記実施例の製造方法では、頭部押圧用昇降ピン
70を用いたが、これを使用せずとも同様な軸部32及
びフランジ状頭部30の成形を行い得る。第6図に示す
ように、底壁80にフランジ状頭部の外形を規定するキ
ャビティ82を設けておけば、延伸吹込成形工程により
輸液瓶10を成形する際に、その底壁14の一部が中空
リング状の軸部32として孔部22を挿通し、その後キ
ャビティ82によって軸部32の突出領域がフランジ状
頭部30として成形される。
また、ブローエアーによりフランジ状頭部30を形成す
るものに限らず、第7図(A)のように、吹込成形時に
は孔部22に挿通する軸部32のみを成形しておき、そ
の後同図(B)に示すように頭部押圧用昇降ピン70に
より、軸部32の先端を圧縮してフランジ状頭部30に
形成することもできる。
頭部押圧用昇降ピン70により押圧される頭部が孔部2
2の開孔面積より広いか否かは、吹込圧力,頭部押圧用
昇降ピン70の上昇移動タイミングあるいはパリソン4
0の底壁形状,孔部22の形状などに関係し、場合によ
っては吹込成形及び押し返しの双方の動作によりフラン
ジ状頭部30が形成されることも考えられる。本発明方
法はその両者のいずれでもよく、要は最終形状として延
伸吹込成形用型内部にてフランジ状頭部30が形成でき
るものであればよい。
ここで、延伸吹込成形時に孔部22より突出する突出部
のみを形成する第7図の場合と同様にして、第8図に示
すように中実の軸部90を成形することも可能である。
このために、例えばパリソン40の底壁の肉厚を厚めと
しておくことが考え得られる。このようにしてパリソン
40の射出成形条件は悪化しない。そうすると、後に中
実の軸部90となる樹脂肉の堪り部を確保でき、しかも
厚肉部は保有する熱が大きいので、中実の軸部90を延
伸吹込成形により実現できる。この後は、第8図(B)
に示すように頭部押圧用昇降ピン70によりフランジ状
頭部92を形成できる。
第9図は、パリソン100の温調工程にて吊具20の取
り付けを実現する実施例を示している。
同図(A)は、パリソン100の射出成形工程を示し、
キャビティ型110とコア型112との間に樹脂を充填
することで、パリソン100が射出成形される。この
際、パリソン100の底壁102の中心には外側に向け
て凸となる厚肉部104が成形される。この厚肉部10
4はゲート付近に形成されるので、射出成形条件は悪化
しない。
同図(B)は、パリソン100の温調工程を示し、ヒー
タ内蔵の温調ポット120はパリソン100の外径より
も横軸方向にのみ大きい径の内壁を有し、水平方向に開
閉可能な2つの半割構造となっている。パリソン100
のネック部106内にはブローコア122が挿入され、
さらにブローコア122の中心軸に沿って昇降可能な押
さえロッド124が設けられている。ブローコア122
からは予備ブローエアを吹出可能であり、本実施例では
温調工程にてパリソン100に内圧をかけて温調ポット
120との密着を確保すると共に、横軸方向にのみ延伸
を行っている。ただし、温調工程での横軸延伸は必ずし
も要しない。また、温調ポット120の下方には頭部押
圧用昇降ブロック図126が設けられ、昇降自在となっ
ている。
この実施例では、先ず温調ポット120内に吊具20を
インサートしておく。そして、吊具の孔22に厚肉部1
04が挿入されるようにパリソン100を配置し、温調
ポット120を閉鎖駆動する。さらに、ブローコア12
2がパリソン100のネック部106に挿入され、押さ
えロッド124が厚肉部104の内面に当接するまで下
降駆動される。
この後、ブローコア122を介して予備ブローエアがパ
リソン100内部に導入され、その横軸延伸によりパリ
ソン外壁が温調ポット120の内壁に密着して温調が実
施される。
このとき、厚肉部104にはブローエアと共に押さえロ
ッド124により内圧が作用しており、頭部押圧用昇降
ブロック126を上昇させると、厚肉部104の内面が
規制されているので、厚肉部104が孔22より突出す
る部分を、第9図(C)に示すようなフランジ状頭部1
08として形成することができる。
ここで、パリソン100の射出成形工程の次工程である
温調工程では、未だパリソン100がかなりの温度を保
有しており、かつ、厚肉部分ほど保有熱が高くなってい
るので、さほどの押圧力を要せずに厚肉部104の先端
を変形させてフランジ状頭部108を形成できる。
なお、好ましくは頭部押圧用ブロック126に冷却部1
28を内蔵させれば、吊具20の保持部分を局所的に冷
却できるので、フランジ状頭部108の形成後の熱変形
を確実に防止でき、吊具20の離脱のない信頼性の高い
容器を製造できる。
なお、吊具20の形状に関しては、少なくとも軸部32
が挿通される孔と、フランジ状頭部30と底壁14とに
挾み込まれる基台を有しているいずれのタイプでもよ
く、例えば基台に対してフック部を回動自在に支持する
ものでもよい。
[発明の効果] 以上説明したように本発明方法によれば、吊具の孔に挿
通され、容器の底壁とフランジ状頭部とを一体的に連結
する軸部が断面中空リング形状であるので、ゲートラン
ナー等射出成形で成形されるものを軸部とした場合より
も、パリソンの射出成形条件に影響を与えること無く軸
部外径を大きくでき、特に医療用として用られる場合に
も、吊具と容器との離脱を確実に防止できる信頼性の高
い吊具付き容器を提供できる。
また、本発明方法によれば、軸部及びフランジ状頭部が
延伸吹込成形用型内部での動作により実現できるので、
パリソン射出成形は通常の有底パリソンの射出成形条件
と同等となり、最終容器の製品品質に影響を与えること
なく緊急時にも掛けやすい形状等の所望形状の吊具を自
由に設計でき、しかも吊具と容器底壁との締結を確実か
つ安価に実現できる。
パリソン射出成形時のゲート付近の厚肉部の成形も可能
であるので、この厚肉部をパリソン温調工程にて変形さ
せてフランジ状頭部とする方法でも、同様な効果を奏す
ることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明方法の一実施例における延伸吹込成形
工程を示す概略拡大断面図、 第2図は、第1図の工程に引き続いて行われる頭部の押
し返し工程を示す概略拡大断面図、 第3図(A)〜(D)は、本発明を適用した吊具付き輸
液瓶の製造方法の各工程を示す概略説明図、 第4図は、吊具のインサート状態を示す平面図、 第5図(A),(B)は、第1図の製造方法により成形
された吊具付き輸液瓶の底壁部分の概略断面図,底面
図、 第6図は、頭部の押し返し工程を延伸吹込成形用型での
動作を説明する概略断面図、 第7図(A),(B)は、孔の開孔面積より広くない中
空状突出部に対して押し返し工程を行う動作を説明する
ための概略断面図、 第8図(A),(B)は、孔の開孔面積より広くない中
実の突出部に対して押し返し工程を行う動作を説明する
ための概略断面図、 第9図(A),(B),(C)は、パリソン温調工程に
て吊具の取り付けを行う実施例の工程説明図である。 10…容器(輸液瓶)、14…底壁、 20…吊具、22…孔、 30,92…フランジ状頭部、 32…中空の軸部、40…パリソン、 50…延伸吹込成形用型、 70…頭部押圧用昇降ピン、 90…中実の突出部(軸部) 100…パリソン、104…厚肉部、 108…フランジ状頭部、 120…温調ポット、124…押さえロッド、 126…頭部押圧用ブロック、128…冷却部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器を逆さ吊りするための吊具を、予備成
    形品の延伸吹込成形により成形される容器の底壁に具備
    する吊具付き容器において、 前記容器の底壁に当接する吊具の基台に設けられた孔
    と、 前記底壁と一体的に前記延伸吹込成形により形成され、
    前記孔に挿通される断面中空リング状の軸部と、 この軸部が前記孔より突出する位置にて前記軸部と一体
    的に形成され、前記孔の開孔面積よりも広い面積のフラ
    ンジ状頭部と、 を有することを特徴とする吊具付き容器。
  2. 【請求項2】容器を逆さ吊りするための吊具を、予備成
    形品の延伸吹込成形により成形される容器の底壁に具備
    する吊具付き容器の製造方法において、 孔が形成されている吊具を延伸吹込成形用型の前記容器
    底壁と対応する位置にインサートしておき、 前記予備成形品の延伸吹込成形により、容器底壁の一部
    を断面中空リング状にて前記孔より突出成形し、かつ、
    この突出部の面積を前記孔の開孔面積より大きく成形す
    ることで、吊具保持用のフランジ状頭部を形成すること
    を特徴とする吊具付き容器の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項(2)において、 前記吊具保持用のフランジ状頭部を容器底壁側に向けて
    押し返すことで、その面積を増大させ、かつ、前記吊具
    の対向面に密着させることを特徴とする吊具付き容器の
    製造方法。
  4. 【請求項4】容器を逆さ吊りするための吊具を、予備成
    形品の延伸吹込成形により成形される容器の底壁に具備
    する吊具付き容器の製造方法において、 孔が形成されている吊具を延伸吹込成形用型の前記容器
    底壁と対応する位置にインサートしておき、 前記予備成形品の延伸吹込成形により、容器底壁の一部
    を前記孔より突出させ、 その後、この突出部を容器底壁側に向けて押し返すこと
    で、その面積が前記孔の開孔面積より大きく、かつ、前
    記吊具の対向面に密着する吊具保持用のフランジ状頭部
    を形成することを特徴とする吊具付き容器の製造方法。
  5. 【請求項5】容器を逆さ吊りするための吊具を、予備成
    形品の延伸吹込成形により成形される容器の底壁に具備
    する吊具付き容器の製造方法において、 前記予備成形品の射出成形時に、その底壁の中心部に外
    側に向けて凸となる厚肉部を成形し、 この予備成形品を温調ポットに配置する前に、前記厚肉
    部を挿通できる孔が形成された吊具を前記温調ポットの
    前記厚肉部と対応する位置にインサートし、 前記予備成形品を前記温調ポット内にて温調する際に、
    前記孔に挿通された厚肉部の突出端を予備成形品底壁側
    に向けて押し返すことで、その面積が前記孔の開孔面積
    より大きく、かつ、前記吊具の対向面に密着する吊具保
    持用のフランジ状頭部を形成することを特徴とする吊具
    付き容器の製造方法。
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