JPH0638706A - ガラクトオリゴ糖 - Google Patents
ガラクトオリゴ糖Info
- Publication number
- JPH0638706A JPH0638706A JP5079185A JP7918593A JPH0638706A JP H0638706 A JPH0638706 A JP H0638706A JP 5079185 A JP5079185 A JP 5079185A JP 7918593 A JP7918593 A JP 7918593A JP H0638706 A JPH0638706 A JP H0638706A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lactose
- weight
- galactooligosaccharide
- glucose
- oligosaccharide
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】簡単な工程を用いて、容易に粉末化し得る新規
なガラクトオリゴ糖を開発すること。 【構成】ガラクトオリゴ糖として、グルコースとガラク
トースの構成比を約1:1となし、且つオリゴ糖の含量
を35%以上となすこと。
なガラクトオリゴ糖を開発すること。 【構成】ガラクトオリゴ糖として、グルコースとガラク
トースの構成比を約1:1となし、且つオリゴ糖の含量
を35%以上となすこと。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難消化性でビフィダス活
性を有し、家畜飼料、低カロリー食品、経腸栄養剤など
に有用なガラクトオリゴ糖に関する。
性を有し、家畜飼料、低カロリー食品、経腸栄養剤など
に有用なガラクトオリゴ糖に関する。
【0002】
【従来の技術】乳糖を原料とするガラクトシル・ラクト
ースの製造法は、特開昭60−251896号に乳糖に
クリプトコッカス属の微生物を作用させて、グルコース
とガラクトースの構成比が1:2または1:3の糖類を
製造する方法が記載されている。また特開昭63−10
9789号には、乳糖にβ−ガラクトシダーゼを作用さ
せてグルコースとガラクトースの構成比が1:2ないし
1:5の糖類を製造する方法が記載されている。これら
の製造方法による糖類では、非還元性末端のグルコース
残基の量は2%以下である。
ースの製造法は、特開昭60−251896号に乳糖に
クリプトコッカス属の微生物を作用させて、グルコース
とガラクトースの構成比が1:2または1:3の糖類を
製造する方法が記載されている。また特開昭63−10
9789号には、乳糖にβ−ガラクトシダーゼを作用さ
せてグルコースとガラクトースの構成比が1:2ないし
1:5の糖類を製造する方法が記載されている。これら
の製造方法による糖類では、非還元性末端のグルコース
残基の量は2%以下である。
【0003】しかし、これら糖類はいずれも共通した欠
点を有する。即ち、これらの糖類は酵素反応で製造され
ている為、その反応系は比較的低濃度の水系であり、有
効といわれる糖類の収率も低く、しかも単糖類、2糖類
などを多く含み、結晶化し難くてスプレードライによる
粉末化も困難であるために通常はシロップ状で流通して
いる。シロップ状では飼料などに均一に添加するのが困
難で、粉末品が望まれるが、粉末化には何らかの添加剤
を用いないと得られた粉末の吸湿性が強くて、ブロッキ
ングや潮解を起こしやいために取り扱いに困難を生じ
る。特開平3−27255号ではイソマルトオリゴ糖に
ついてケイ酸化合物を粉末化の基剤に用いた粉末化の改
良法が開示されているが、この場合でも有効な糖類の含
量は約20−25%と低く、従来技術の糖類が有するこ
れらの欠点がコストアップの要因となっていて、より安
価で効果的な糖類の出現が切望されている。
点を有する。即ち、これらの糖類は酵素反応で製造され
ている為、その反応系は比較的低濃度の水系であり、有
効といわれる糖類の収率も低く、しかも単糖類、2糖類
などを多く含み、結晶化し難くてスプレードライによる
粉末化も困難であるために通常はシロップ状で流通して
いる。シロップ状では飼料などに均一に添加するのが困
難で、粉末品が望まれるが、粉末化には何らかの添加剤
を用いないと得られた粉末の吸湿性が強くて、ブロッキ
ングや潮解を起こしやいために取り扱いに困難を生じ
る。特開平3−27255号ではイソマルトオリゴ糖に
ついてケイ酸化合物を粉末化の基剤に用いた粉末化の改
良法が開示されているが、この場合でも有効な糖類の含
量は約20−25%と低く、従来技術の糖類が有するこ
れらの欠点がコストアップの要因となっていて、より安
価で効果的な糖類の出現が切望されている。
【0004】また糖類、特に乳糖のエクストルーダー処
理については、米国特許第4,083,733号に乳糖
に酸を添加することなしにエクストルーダーで加熱する
ことによって、β−型乳糖を製造する方法が開示されて
いるが、この方法は単にα−乳糖をβ−乳糖に変換させ
るのみで、ガラクトオリゴ糖を製造する方法ではない。
理については、米国特許第4,083,733号に乳糖
に酸を添加することなしにエクストルーダーで加熱する
ことによって、β−型乳糖を製造する方法が開示されて
いるが、この方法は単にα−乳糖をβ−乳糖に変換させ
るのみで、ガラクトオリゴ糖を製造する方法ではない。
【0005】一方食肉の需要増大に対応するに、食肉の
生産性向上が課題となっている。その方策の一つとして
飼育密度を高めた多頭化飼育が試みられているが、これ
が飼育環境を悪化させて家畜に対してストレスとなり、
下痢、軟便を起こして却って、生産性の低下を招くこと
が多かった。特に、離乳期の幼畜にこの傾向が強く、飼
料効率の低下、成育期間の延長などを招く結果となって
いる。これらの問題点の改善に、抗生物質などの投与が
行なわれて来たが、最近は食肉への残存が懸念されるよ
うになり、これら薬剤に代替し得る糖質が切望されてい
る。またこの作用機構としては腸内の有用菌であるビフ
ィダス菌の増加によって下痢、軟便を抑制する方式が有
力とされており、特公平2−57902号および米国特
許第4,873,229号に非還元末端にガラクトース
のみを有するガラクトシルラクトースを配合した家畜飼
料が開示されている。
生産性向上が課題となっている。その方策の一つとして
飼育密度を高めた多頭化飼育が試みられているが、これ
が飼育環境を悪化させて家畜に対してストレスとなり、
下痢、軟便を起こして却って、生産性の低下を招くこと
が多かった。特に、離乳期の幼畜にこの傾向が強く、飼
料効率の低下、成育期間の延長などを招く結果となって
いる。これらの問題点の改善に、抗生物質などの投与が
行なわれて来たが、最近は食肉への残存が懸念されるよ
うになり、これら薬剤に代替し得る糖質が切望されてい
る。またこの作用機構としては腸内の有用菌であるビフ
ィダス菌の増加によって下痢、軟便を抑制する方式が有
力とされており、特公平2−57902号および米国特
許第4,873,229号に非還元末端にガラクトース
のみを有するガラクトシルラクトースを配合した家畜飼
料が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、簡単な工程を用いて容易に粉末化し得る新
規なガラクトオリゴ糖を開発することにある。
する課題は、簡単な工程を用いて容易に粉末化し得る新
規なガラクトオリゴ糖を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】乳糖を無機酸の存在下に
エクストルーダーで加熱処理して、新規なガラクトオリ
ゴ糖を開発することである。
エクストルーダーで加熱処理して、新規なガラクトオリ
ゴ糖を開発することである。
【0008】
【発明の作用並びに構成】通常オリゴ糖とは「完全に酸
分解した時に単一の糖を生成する比較的少数の単糖類よ
り成る炭水化物の重合物」を言うが、本明細書において
は無機酸の存在下に乳糖を15%以下の水分下において
加熱して得られる、グルコースとガラクトースを基本的
構成糖とし、グルコースとガラクトースの構成比が約
1:1である糖類をガラクトオリゴ糖と記載し、重合度
3〜10のガラクトオリゴ糖をオリゴ糖と記載する。ま
た分析値は無水物中の数値で表し、%は重量%で表し、
表においては非還元末端基がグルコース残基であるもの
をGlc−T、非還元末端基がガラクトース残基である
ものをGal−T、各種の結合形式を有する糖残基は結
合形式にグルコース残基の場合はGlcと付記し、ガラ
クトース残基の場合はGalと付記する。例えば1→4
グルコシド結合の場合は1→4 Glcと表記する。ま
たグルコースとガラクトースの構成比を単に構成比と表
記する。
分解した時に単一の糖を生成する比較的少数の単糖類よ
り成る炭水化物の重合物」を言うが、本明細書において
は無機酸の存在下に乳糖を15%以下の水分下において
加熱して得られる、グルコースとガラクトースを基本的
構成糖とし、グルコースとガラクトースの構成比が約
1:1である糖類をガラクトオリゴ糖と記載し、重合度
3〜10のガラクトオリゴ糖をオリゴ糖と記載する。ま
た分析値は無水物中の数値で表し、%は重量%で表し、
表においては非還元末端基がグルコース残基であるもの
をGlc−T、非還元末端基がガラクトース残基である
ものをGal−T、各種の結合形式を有する糖残基は結
合形式にグルコース残基の場合はGlcと付記し、ガラ
クトース残基の場合はGalと付記する。例えば1→4
グルコシド結合の場合は1→4 Glcと表記する。ま
たグルコースとガラクトースの構成比を単に構成比と表
記する。
【0009】本発明は乳糖を無機酸の存在下にエクスト
ルーダーで加熱して得られる新規なガラクトオリゴ糖に
関し、オリゴ糖を35%以上、好ましくは40%以上を
含有し、残存乳糖の量が30%以下、好ましくは20%
以下であり、グルコースとガラクトースの構成比が約
1:1であり、単糖類と乳糖以外の区分の非還元末端の
グルコース残基の量が15%〜30%、好ましくは20
〜30%であり、さらに好ましくは非還元末端のガラク
トース残基の量が6%〜20%であることを特徴とす
る。
ルーダーで加熱して得られる新規なガラクトオリゴ糖に
関し、オリゴ糖を35%以上、好ましくは40%以上を
含有し、残存乳糖の量が30%以下、好ましくは20%
以下であり、グルコースとガラクトースの構成比が約
1:1であり、単糖類と乳糖以外の区分の非還元末端の
グルコース残基の量が15%〜30%、好ましくは20
〜30%であり、さらに好ましくは非還元末端のガラク
トース残基の量が6%〜20%であることを特徴とす
る。
【0010】本発明のガラクトオリゴ糖は、乳糖に無機
酸、好ましくは塩酸を添加して、120〜200℃に加
熱処理することによって得られる。その従来技術として
は、例えば特開平3−197490号に従って製造され
たものがあるが、この方法では乳糖を無機酸の存在下に
無水状態で加熱する方法と、乳糖の水溶液に無機酸を添
加してから一旦スプレードライして乾燥粉末化した後に
加熱する方法の2種類が記載されている。しかしこの方
法で得られるガラクトオリゴ糖は、本発明の目的である
家畜の下痢、軟便の改善と成長促進に有効なオリゴ糖の
含量が20%程度であり、加えて未反応の残存乳糖の量
が多いために、十分にその効果を発揮することが出来な
い。また加熱前にスプレードライする方法は、オリゴ糖
の含量を高めることはできるがスプレードライヤーが必
要な上に、工程数が多くて複雑であり経済性に劣る欠陥
がある。
酸、好ましくは塩酸を添加して、120〜200℃に加
熱処理することによって得られる。その従来技術として
は、例えば特開平3−197490号に従って製造され
たものがあるが、この方法では乳糖を無機酸の存在下に
無水状態で加熱する方法と、乳糖の水溶液に無機酸を添
加してから一旦スプレードライして乾燥粉末化した後に
加熱する方法の2種類が記載されている。しかしこの方
法で得られるガラクトオリゴ糖は、本発明の目的である
家畜の下痢、軟便の改善と成長促進に有効なオリゴ糖の
含量が20%程度であり、加えて未反応の残存乳糖の量
が多いために、十分にその効果を発揮することが出来な
い。また加熱前にスプレードライする方法は、オリゴ糖
の含量を高めることはできるがスプレードライヤーが必
要な上に、工程数が多くて複雑であり経済性に劣る欠陥
がある。
【0011】そこで本発明者らは他の製造法の好ましい
例としてエクストルーダーを用いて加熱処理することに
着目して研究の結果、乳糖に無機酸、好ましくは塩酸を
添加するのみでエクストルーダーで加熱処理することに
よって、スプレードライすることなしに、前記の有効な
オリゴ糖の含量を50%程度まで高めることができると
の新知見を得、この知見によって経済性に優れた本発明
を完成するに至ったのである。
例としてエクストルーダーを用いて加熱処理することに
着目して研究の結果、乳糖に無機酸、好ましくは塩酸を
添加するのみでエクストルーダーで加熱処理することに
よって、スプレードライすることなしに、前記の有効な
オリゴ糖の含量を50%程度まで高めることができると
の新知見を得、この知見によって経済性に優れた本発明
を完成するに至ったのである。
【0012】本発明によるガラクトオリゴ糖のその他の
特徴としては、難消化性であって、ビヒダス活性を有す
ることであり、これらの特徴によって家畜飼料、低カロ
リー食品、経腸栄養剤の素材として有用なものである。
特徴としては、難消化性であって、ビヒダス活性を有す
ることであり、これらの特徴によって家畜飼料、低カロ
リー食品、経腸栄養剤の素材として有用なものである。
【0013】本発明において原料として使用する乳糖
は、市販のα−乳糖、β−乳糖、平衡乳糖の何れもが使
用できるが、β−乳糖は高価であるために特に好ましい
とはいえない。またα−乳糖の場合は小結晶のものか、
または粉砕品の方が反応が容易であり、残存乳糖の量が
少ないことからより好ましい。平衡乳糖の場合は無定型
粉末であるために何れもが効果的に使用できる。
は、市販のα−乳糖、β−乳糖、平衡乳糖の何れもが使
用できるが、β−乳糖は高価であるために特に好ましい
とはいえない。またα−乳糖の場合は小結晶のものか、
または粉砕品の方が反応が容易であり、残存乳糖の量が
少ないことからより好ましい。平衡乳糖の場合は無定型
粉末であるために何れもが効果的に使用できる。
【0014】エクストルーダーとは加圧押し出し機の1
種であり、円筒内に回転する1個のスクリューを挿入し
た1軸形式のものと、断面が8の字型の筒内に同方向ま
たは異方向に回転する2個のスクリューを挿入した2軸
形式のものに大別される。スクリューは一般に着脱式で
あり、またスクリュー自体の形式も逆ピッチを含む各種
のピッチのものを適宜組み合わせて使用でき、処理する
原料の性状に合わせて選択できるものである。通常は筒
を加熱して、回転するスクリューの一端から原料を供給
し、スクリューと原料との摩擦熱も利用しながら、加圧
・加熱状態で原料を処理するために用いられる装置であ
る。
種であり、円筒内に回転する1個のスクリューを挿入し
た1軸形式のものと、断面が8の字型の筒内に同方向ま
たは異方向に回転する2個のスクリューを挿入した2軸
形式のものに大別される。スクリューは一般に着脱式で
あり、またスクリュー自体の形式も逆ピッチを含む各種
のピッチのものを適宜組み合わせて使用でき、処理する
原料の性状に合わせて選択できるものである。通常は筒
を加熱して、回転するスクリューの一端から原料を供給
し、スクリューと原料との摩擦熱も利用しながら、加圧
・加熱状態で原料を処理するために用いられる装置であ
る。
【0015】このエクストルーダーの通常のサイズは、
スクリューの直径が30〜340mm、スクリューの長
さと直径の比が10:1〜45:1程度であり、加熱は
蒸気、電熱や誘導加熱などの方式がある。さらに実際の
運転に当たっては、原料容器、原料供給装置、製品冷却
装置、製品輸送装置や製品容器なども必要である。また
運転条件としては、出口の品温は120〜200℃であ
る。エクストルーダー内の滞留時間は装置の規模によっ
て異なるが1〜20秒、好ましくは5秒前後である。さ
らにこの装置を反応装置として使用するために、原料と
製品がエクストルーダー内を円滑に移動することが必須
の条件であることから、回転数と原料の供給速度は原料
乳糖の性質、加熱温度、反応時間や酸の添加量とも密接
な関係があり、製品中のオリゴ糖の含量を測定して最適
の条件を選択する必要があるが、通常は100〜400
回転である。
スクリューの直径が30〜340mm、スクリューの長
さと直径の比が10:1〜45:1程度であり、加熱は
蒸気、電熱や誘導加熱などの方式がある。さらに実際の
運転に当たっては、原料容器、原料供給装置、製品冷却
装置、製品輸送装置や製品容器なども必要である。また
運転条件としては、出口の品温は120〜200℃であ
る。エクストルーダー内の滞留時間は装置の規模によっ
て異なるが1〜20秒、好ましくは5秒前後である。さ
らにこの装置を反応装置として使用するために、原料と
製品がエクストルーダー内を円滑に移動することが必須
の条件であることから、回転数と原料の供給速度は原料
乳糖の性質、加熱温度、反応時間や酸の添加量とも密接
な関係があり、製品中のオリゴ糖の含量を測定して最適
の条件を選択する必要があるが、通常は100〜400
回転である。
【0016】このエクストルーダーによる加熱処理法の
最大の特徴は、乳糖を無機酸の存在下に溶融状態で秒単
位の短時間の反応を行うことである。従って従来の加熱
法では加熱処理後でも、乳糖が未処理の時のままの粉末
または結晶状態に近いものであったり、溶融してガラス
状に固結してしまったりするのとは異なり、加圧されて
溶融された状態から装置外の大気圧中に吐出圧0で排出
されるために、加熱処理物は粉砕し易い無定型の状態と
なっている。そのため必要があれば軽度に粉砕すること
によって、容易に粉末状のガラクトオリゴ糖を得ること
ができる。
最大の特徴は、乳糖を無機酸の存在下に溶融状態で秒単
位の短時間の反応を行うことである。従って従来の加熱
法では加熱処理後でも、乳糖が未処理の時のままの粉末
または結晶状態に近いものであったり、溶融してガラス
状に固結してしまったりするのとは異なり、加圧されて
溶融された状態から装置外の大気圧中に吐出圧0で排出
されるために、加熱処理物は粉砕し易い無定型の状態と
なっている。そのため必要があれば軽度に粉砕すること
によって、容易に粉末状のガラクトオリゴ糖を得ること
ができる。
【0017】塩酸の添加量は乳糖に対して500〜20
00ppm程度である。粉末状態で酸水溶液を添加する
ので、乳糖と酸を均一に混合するために、ミキサー中で
攪拌、熟成させてから必要があれば100〜120℃程
度で予備乾燥し、加熱したエクストルーダーに連続的に
送入して加熱処理を行い、エクストルーダーの出口から
排出された生成物を速やかに冷却して加熱処理を終了さ
せる。
00ppm程度である。粉末状態で酸水溶液を添加する
ので、乳糖と酸を均一に混合するために、ミキサー中で
攪拌、熟成させてから必要があれば100〜120℃程
度で予備乾燥し、加熱したエクストルーダーに連続的に
送入して加熱処理を行い、エクストルーダーの出口から
排出された生成物を速やかに冷却して加熱処理を終了さ
せる。
【0018】一般に反応時の温度は高い方が目的物製品
中のオリゴ糖の含量が増加するが、180℃付近から着
色物質が増加するので余り高温で処理することは好まし
くない。具体的な反応温度としては120〜200℃、
好ましくは155〜180℃、さらに好ましくは160
〜180℃である。
中のオリゴ糖の含量が増加するが、180℃付近から着
色物質が増加するので余り高温で処理することは好まし
くない。具体的な反応温度としては120〜200℃、
好ましくは155〜180℃、さらに好ましくは160
〜180℃である。
【0019】また用途上の必要があれば、生成したガラ
クトオリゴ糖を中和、脱色濾過、脱塩処理などによって
容易に精製することもできるし、さらにスプレードライ
して容易に高純度の粉末を得ることもできる。
クトオリゴ糖を中和、脱色濾過、脱塩処理などによって
容易に精製することもできるし、さらにスプレードライ
して容易に高純度の粉末を得ることもできる。
【0020】
1.糖組成の分析方法 サンプル0.7〜0.8gをイオン交換樹脂により脱塩
を行い、下記の条件の高速液体クロマトグラフで分析す
る。 高速液体クロマトグラフ条件 カラム 三菱MCI GEL CK04SS 検出器 示差屈折計 カラム温度 83℃ 流速 0.3ml/min. 溶離液 水
を行い、下記の条件の高速液体クロマトグラフで分析す
る。 高速液体クロマトグラフ条件 カラム 三菱MCI GEL CK04SS 検出器 示差屈折計 カラム温度 83℃ 流速 0.3ml/min. 溶離液 水
【0021】2.構成比の分析方法 サンプル0.7〜0.8gを300ml容の三角フラス
コに秤量し、蒸留水200ml、25%塩酸20mlを
加え、沸騰浴中で3.5〜4時間加水分解する。冷却後
NaOHで中和し、100mlにまで濃縮する。イオン
交換樹脂により脱塩を行い、下記の条件の高速液体クロ
マトグラフで分析する。 高速液体クロマトグラフ条件 カラム 三菱MCI GEL CK08EC 検出器 示差屈折計 カラム温度 80℃ 流速 0.4ml/min. 溶離液 水
コに秤量し、蒸留水200ml、25%塩酸20mlを
加え、沸騰浴中で3.5〜4時間加水分解する。冷却後
NaOHで中和し、100mlにまで濃縮する。イオン
交換樹脂により脱塩を行い、下記の条件の高速液体クロ
マトグラフで分析する。 高速液体クロマトグラフ条件 カラム 三菱MCI GEL CK08EC 検出器 示差屈折計 カラム温度 80℃ 流速 0.4ml/min. 溶離液 水
【0022】3.グリコシド結合形式の定量方法 測定方法は下記の「箱守のメチル化法」(S.Hakomori,
J.Biochem.,55,205(1964))の変法でメチル化し、加水
分解後にガスクロマトグラフィにより各グリコシド結合
形式の組成の定量を行った。
J.Biochem.,55,205(1964))の変法でメチル化し、加水
分解後にガスクロマトグラフィにより各グリコシド結合
形式の組成の定量を行った。
【0023】1)メチル化 脱水した試料(100〜200μg)をネジ付試験管
(15ψ×100mm)に入れ、0.3mlのDMSO
を加えて溶解する。これにNaHを20mg加え、直ち
に0.1mlのヨウ化メチルを加える。タッチミキサー
で6分間攪拌後氷水中で冷却して水2mlを加える。2
mlのクロロホルムを加えて十分に振とうする。上層
(水層)をピペットで採り捨てる。2mlの水を加えて
同様に洗浄する。この操作を6回繰り返す。パスツール
ピペットの底に綿を敷いて、無水硫酸ナトリウムを4〜
5cmの層になるように詰めて、溶液を通過させて脱水
してからクロロホルムで洗う。次にロータリー・エバポ
レーターで濃縮・乾固する。
(15ψ×100mm)に入れ、0.3mlのDMSO
を加えて溶解する。これにNaHを20mg加え、直ち
に0.1mlのヨウ化メチルを加える。タッチミキサー
で6分間攪拌後氷水中で冷却して水2mlを加える。2
mlのクロロホルムを加えて十分に振とうする。上層
(水層)をピペットで採り捨てる。2mlの水を加えて
同様に洗浄する。この操作を6回繰り返す。パスツール
ピペットの底に綿を敷いて、無水硫酸ナトリウムを4〜
5cmの層になるように詰めて、溶液を通過させて脱水
してからクロロホルムで洗う。次にロータリー・エバポ
レーターで濃縮・乾固する。
【0024】2)加水分解 メチル化物に0.5mlのトリフルオロ酢酸を加えて1
00℃で4時間加水分解し、ロータリー・エバポレータ
ーで60℃で濃縮・乾固する。
00℃で4時間加水分解し、ロータリー・エバポレータ
ーで60℃で濃縮・乾固する。
【0025】3)還元 加水分解物を0.5mlの水で溶解し、10mgのナト
リウム・ボロ・ハイドライドを加えて室温で2時間放置
する。酢酸を数滴、発泡が止まるまで加えて反応を停止
する。次に室温で乾燥してから、生成したホウ酸を除く
ために、1mlのメタノールを加え室温で乾燥する。こ
の操作を6回繰り返す。
リウム・ボロ・ハイドライドを加えて室温で2時間放置
する。酢酸を数滴、発泡が止まるまで加えて反応を停止
する。次に室温で乾燥してから、生成したホウ酸を除く
ために、1mlのメタノールを加え室温で乾燥する。こ
の操作を6回繰り返す。
【0026】4)アセチル化 還元物に0.5mlの無水酢酸を加えて、100℃で4
時間加熱してアセチル化して、1mlのトルエンを加え
てロータリー・エバポレーターで濃縮・乾固する。
時間加熱してアセチル化して、1mlのトルエンを加え
てロータリー・エバポレーターで濃縮・乾固する。
【0027】5)脱塩 アセチル化物を1mlのクロロホルムに溶解し、1ml
の水を加えて振とう後に水層を捨てる。この操作を5回
繰り返し、最後にクロロホルムをロータリー・エバポレ
ーターで蒸発させる。
の水を加えて振とう後に水層を捨てる。この操作を5回
繰り返し、最後にクロロホルムをロータリー・エバポレ
ーターで蒸発させる。
【0028】6)溶解 脱塩物を0.5mlのクロロホルムに溶解してガスクロ
マトグラフで分析する。
マトグラフで分析する。
【0029】7)ガスクロマトグラフィーの条件 カラム DB−1 fused silic
a capillary column 60m×0.255mmID、1.0μm film カラム温度 50℃で1分、280℃まで10℃
/分で昇温、保持 試料気化室温度 300℃ 検出温度 300℃ 流速 2.5ml/分、ヘリウム 検出器ユニット 水素炎イオン化検出器
a capillary column 60m×0.255mmID、1.0μm film カラム温度 50℃で1分、280℃まで10℃
/分で昇温、保持 試料気化室温度 300℃ 検出温度 300℃ 流速 2.5ml/分、ヘリウム 検出器ユニット 水素炎イオン化検出器
【0030】
【実験例1】市販の平衡乳糖300Kgをリボン式ミキ
サーに入れ、ミキサーを回転しながら1%濃度の塩酸溶
液15Lを加圧空気を用いてスプレーし、続いて粉砕機
を通して均一化した後、さらにリボン・ミキサー中で1
時間混合した。この混合物を2軸エクストルーダー(日
本製鋼所製、型式TEX−32FSS−20AW−V、
スクリュー径32mm、食品用、同方向・異方向回転切
換式、モーター出力7.5KW、最大400回転、スク
リュー長さ:径=20:1、アルミニウム鋳込ヒータ
ー、水冷却式、ベント付)に供給量を変化させながら連
続的に供給して下記の条件でエクストルーダー出口の品
温が157、160、165、167、170℃の5種
類のガラクトオリゴ糖合計約250Kgを得た。
サーに入れ、ミキサーを回転しながら1%濃度の塩酸溶
液15Lを加圧空気を用いてスプレーし、続いて粉砕機
を通して均一化した後、さらにリボン・ミキサー中で1
時間混合した。この混合物を2軸エクストルーダー(日
本製鋼所製、型式TEX−32FSS−20AW−V、
スクリュー径32mm、食品用、同方向・異方向回転切
換式、モーター出力7.5KW、最大400回転、スク
リュー長さ:径=20:1、アルミニウム鋳込ヒータ
ー、水冷却式、ベント付)に供給量を変化させながら連
続的に供給して下記の条件でエクストルーダー出口の品
温が157、160、165、167、170℃の5種
類のガラクトオリゴ糖合計約250Kgを得た。
【0031】 回転数 300回転/分、同方向
回転 入口温度 室温(約20℃) バレル温度 前段 120℃ 中段 140℃ 後段 180℃ 反応時間 1.9〜5.7秒
回転 入口温度 室温(約20℃) バレル温度 前段 120℃ 中段 140℃ 後段 180℃ 反応時間 1.9〜5.7秒
【0032】このガラクトオリゴ糖中の残存乳糖、オリ
ゴ糖の分析値と、100からこの両者の値を差し引いた
数値をその他として表1に示す。ここでその他とは、乳
糖の分解によって生成したグルコース、ガラクトース及
び11糖類以上の糖類の値に相当する。
ゴ糖の分析値と、100からこの両者の値を差し引いた
数値をその他として表1に示す。ここでその他とは、乳
糖の分解によって生成したグルコース、ガラクトース及
び11糖類以上の糖類の値に相当する。
【0033】
【表1】
【0034】オリゴ糖の含量は約40%〜47%で、未
反応の残存乳糖は約6%〜30%であった。
反応の残存乳糖は約6%〜30%であった。
【0035】
【比較例1】市販のα−乳糖5Kgをリボン式ミキサー
に入れ、ミキサーを回転しながら1%濃度の塩酸溶液2
50mlを加圧空気を用いてスプレーし、続いて粉砕機
を通して均一化した後、さらにリボン・ミキサー中で1
時間混合した。この混合物を品温180℃に加熱して3
0分から180分まで30分毎に200gの試料を採取
した。この生成物について実験例1と同様の分析値を表
2に示す。
に入れ、ミキサーを回転しながら1%濃度の塩酸溶液2
50mlを加圧空気を用いてスプレーし、続いて粉砕機
を通して均一化した後、さらにリボン・ミキサー中で1
時間混合した。この混合物を品温180℃に加熱して3
0分から180分まで30分毎に200gの試料を採取
した。この生成物について実験例1と同様の分析値を表
2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】オリゴ糖の含量は約19%以下で、未反応
の残存乳糖は約63%〜76%であった。オリゴ糖は実
験例1の半分以下であり、残存乳糖は2倍以上であっ
た。
の残存乳糖は約63%〜76%であった。オリゴ糖は実
験例1の半分以下であり、残存乳糖は2倍以上であっ
た。
【0038】
【実験例2】実験例1の5種類の試料について「箱守の
メチル化法の変法」によって構成糖の結合形式を定量し
て単糖類と残存乳糖以外の区分についての各結合形式の
含量と構成比を表3に示す。
メチル化法の変法」によって構成糖の結合形式を定量し
て単糖類と残存乳糖以外の区分についての各結合形式の
含量と構成比を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】実験例1、比較例1の試料と2種類の市販
品の構造を比較するために、実験例2と同様の分析を行
い、実験例1の総括データと対比して表4に示す。
品の構造を比較するために、実験例2と同様の分析を行
い、実験例1の総括データと対比して表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】実験例1の結合形式すなわち化学構造が従
来技術の試料と異なる点を次に列記する。
来技術の試料と異なる点を次に列記する。
【0043】1)比較例1との相違点 非還元末端基がグルコース残基であるものが約2.5〜
3倍であり、非還元末端基がガラクトースであるものが
約1/2〜1/3であり、1→4ガラクトース結合が約
3〜4倍であり、1→4グルコース結合が約1/4〜1
/3であり、1→6グルコース結合が約2〜3倍であ
る。
3倍であり、非還元末端基がガラクトースであるものが
約1/2〜1/3であり、1→4ガラクトース結合が約
3〜4倍であり、1→4グルコース結合が約1/4〜1
/3であり、1→6グルコース結合が約2〜3倍であ
る。
【0044】2)市販品1との相違点 非還元末端基がグルコース残基であるものが市販品1に
は含まれていないのに対して約25〜27%であり、非
還元末端基がガラクトース残基であるものが約1/3〜
1/2であり、1→4グルコース結合が約1/5〜1/
3であり、1→3ガラクトース結合、1→6グルコース
結合、1→6ガラクトース結合が市販品1には含まれて
いないのに対して合計約18〜26%である。また構成
比は市販品1が1:2.2に対して1:1である。
は含まれていないのに対して約25〜27%であり、非
還元末端基がガラクトース残基であるものが約1/3〜
1/2であり、1→4グルコース結合が約1/5〜1/
3であり、1→3ガラクトース結合、1→6グルコース
結合、1→6ガラクトース結合が市販品1には含まれて
いないのに対して合計約18〜26%である。また構成
比は市販品1が1:2.2に対して1:1である。
【0045】3)市販品2との相違点 非還元末端基がグルコース残基であるものが約12〜1
3倍であり、非還元末端基がガラクトース残基であるも
のが約1/3〜1/2であり、1→4ガラクトース結合
が約1/2であり、1→4グルコース結合が約1/3で
あり、1→6グルコース結合が約5〜8倍であり、1→
6ガラクトース結合が約1/3〜1/2である。また構
成比は市販品2が1:1.9に対して約1:1である。
3倍であり、非還元末端基がガラクトース残基であるも
のが約1/3〜1/2であり、1→4ガラクトース結合
が約1/2であり、1→4グルコース結合が約1/3で
あり、1→6グルコース結合が約5〜8倍であり、1→
6ガラクトース結合が約1/3〜1/2である。また構
成比は市販品2が1:1.9に対して約1:1である。
【0046】上記の相違点を総合すると実験例1の構造
は、従来品に比較して非還元末端基がグルコース残基で
あるものと、1→6グルコース結合が極端に多く、非還
元末端基にガラクトース残基を有するものと1→4グル
コース結合がが少ないことである。さらに市販品に比し
て構成比が約1:1であることが主要な相違点である。
これらの種々の相違点から本発明によるガラクトオリゴ
糖が新規な物質であることが明かである。
は、従来品に比較して非還元末端基がグルコース残基で
あるものと、1→6グルコース結合が極端に多く、非還
元末端基にガラクトース残基を有するものと1→4グル
コース結合がが少ないことである。さらに市販品に比し
て構成比が約1:1であることが主要な相違点である。
これらの種々の相違点から本発明によるガラクトオリゴ
糖が新規な物質であることが明かである。
【0047】
【実験例3〜12】市販の各種の乳糖各300Kgを下
記のエクストルーダー処理条件と、表5に示す条件を組
み合わせた条件下で処理した他は、実験例1の条件でエ
クストルーダーで加熱処理して計10点のガラクトオリ
ゴ糖各約250Kgを得た。
記のエクストルーダー処理条件と、表5に示す条件を組
み合わせた条件下で処理した他は、実験例1の条件でエ
クストルーダーで加熱処理して計10点のガラクトオリ
ゴ糖各約250Kgを得た。
【0048】 回転数 200回転/分、同方向
回転 入口温度 室温(約20℃) バレル温度 前段 130℃ 中段 150℃ 後段 200℃
回転 入口温度 室温(約20℃) バレル温度 前段 130℃ 中段 150℃ 後段 200℃
【0049】得られた試料についてオリゴ糖と残存乳糖
の含量、単糖類と残存乳糖以外の区分の非還元末端基が
グルコース残基であるもの、同様にガラクトース残基で
あるもの、構成比、10%溶液について10cmのセル
を用いて420nmと720nmにおける吸光度を測定
してその差を着色度として表した結果を表5に示す。
の含量、単糖類と残存乳糖以外の区分の非還元末端基が
グルコース残基であるもの、同様にガラクトース残基で
あるもの、構成比、10%溶液について10cmのセル
を用いて420nmと720nmにおける吸光度を測定
してその差を着色度として表した結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】酸の添加量と出口温度が高い方がオリゴ糖
の含量が増加し、残存乳糖の含量が低下するが、出口品
温が200℃では着色度が著しく増加している。また出
口品温が140℃以下ではオリゴ糖の含量が約32%と
少なく、また残存乳糖の含量も約38%と多い。反応は
反応時間が直接関与するのではなく、むしろ出口品温の
方がガラクトオリゴ糖の糖組成との相関が認められる。
この結果から出口品温が155〜180℃が最も好まし
い条件であることが認められた。
の含量が増加し、残存乳糖の含量が低下するが、出口品
温が200℃では着色度が著しく増加している。また出
口品温が140℃以下ではオリゴ糖の含量が約32%と
少なく、また残存乳糖の含量も約38%と多い。反応は
反応時間が直接関与するのではなく、むしろ出口品温の
方がガラクトオリゴ糖の糖組成との相関が認められる。
この結果から出口品温が155〜180℃が最も好まし
い条件であることが認められた。
【0052】Fildes solution加GAM
ブイヨンに実験例3、5、8、10、12の試料から乳
糖区分を除去したものを、除去前の試料換算で各0.5
%宛加えたものに対し、それぞれ純粋培養した各種の菌
株を接種して37℃で96時間嫌気培養し、培養後のp
H値を測定して資化性の有無、強弱を判定した。判定基
準はpH6.0以上の場合に−、pH5.5以上6.0
未満の場合を±、pH5.0以上5.5未満の場合を
+、pH4.5以上5.0未満の場合を++、pH4.
5未満の場合を+++として結果を表6に示す。
ブイヨンに実験例3、5、8、10、12の試料から乳
糖区分を除去したものを、除去前の試料換算で各0.5
%宛加えたものに対し、それぞれ純粋培養した各種の菌
株を接種して37℃で96時間嫌気培養し、培養後のp
H値を測定して資化性の有無、強弱を判定した。判定基
準はpH6.0以上の場合に−、pH5.5以上6.0
未満の場合を±、pH5.0以上5.5未満の場合を
+、pH4.5以上5.0未満の場合を++、pH4.
5未満の場合を+++として結果を表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】表6においてBacteroidesより
もBifidobacteriumの方が強い資化性を
示していることから、実験例5、8、10、12の試料
についてはビフィダス菌増殖作用があることが明らかに
認められた。
もBifidobacteriumの方が強い資化性を
示していることから、実験例5、8、10、12の試料
についてはビフィダス菌増殖作用があることが明らかに
認められた。
【0055】次に実験例3、5、8、10、12の試料
と市販品1について口腔内、胃内、小腸内、小腸粘膜内
を推定して唾液アミラーゼ、胃酸、膵液アミラーゼ及び
小腸極在酵素を用いてin vitroで消化試験を行
った。消化後の還元糖の増加率を表7に示す。
と市販品1について口腔内、胃内、小腸内、小腸粘膜内
を推定して唾液アミラーゼ、胃酸、膵液アミラーゼ及び
小腸極在酵素を用いてin vitroで消化試験を行
った。消化後の還元糖の増加率を表7に示す。
【0056】
【表7】
【0057】表7の結果では実験例3以外の各試料共に
殆ど消化されないことから、ガラクトオリゴ糖が上部消
化管では消化されずに回腸、大腸に達することが明らか
になった。
殆ど消化されないことから、ガラクトオリゴ糖が上部消
化管では消化されずに回腸、大腸に達することが明らか
になった。
【0058】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に詳しく説明
する。
する。
【0059】
【実施例1〜2】市販の各種の乳糖各300Kgを2軸
エクストルーダー(日本製鋼所製、型式TEX−52F
SS−20AW−V、スクリュー径52mm、食品用、
同方向・異方向回転切換式、モーター出力22KW、最
大400回転、スクリュー長さ:径=20:1、アルミ
ニウム鋳込ヒーター、水冷却式、ベント付)に供給量を
変化させながら連続的に供給して下記の下記のエクスト
ルーダー処理条件と、表8に示す条件を組み合わせた条
件下で処理した他は、実験例1の条件でエクストルーダ
ーで加熱処理して計2点のガラクトオリゴ糖各約250
Kgを得た。
エクストルーダー(日本製鋼所製、型式TEX−52F
SS−20AW−V、スクリュー径52mm、食品用、
同方向・異方向回転切換式、モーター出力22KW、最
大400回転、スクリュー長さ:径=20:1、アルミ
ニウム鋳込ヒーター、水冷却式、ベント付)に供給量を
変化させながら連続的に供給して下記の下記のエクスト
ルーダー処理条件と、表8に示す条件を組み合わせた条
件下で処理した他は、実験例1の条件でエクストルーダ
ーで加熱処理して計2点のガラクトオリゴ糖各約250
Kgを得た。
【0060】 回転数 200回転/分、同方向
回転 入口温度 室温(約20℃) バレル温度 前段 130℃ 中段 150℃ 後段 200℃
回転 入口温度 室温(約20℃) バレル温度 前段 130℃ 中段 150℃ 後段 200℃
【0061】実施例1〜2の2種類のガラクトオリゴ糖
についてオリゴ糖、残存乳糖、「箱守のメチル化法の変
法」によって非還元末端基を定量して単糖類と残存乳糖
以外の区分について算出した含量、構成比及び着色度を
表8に示す。
についてオリゴ糖、残存乳糖、「箱守のメチル化法の変
法」によって非還元末端基を定量して単糖類と残存乳糖
以外の区分について算出した含量、構成比及び着色度を
表8に示す。
【0062】
【表8】
【0063】次に実施例1のガラクトオリゴ糖10Kg
を40%濃度の水溶液とし、1Nの水酸化ナトリウム水
溶液でpH5に中和し、0.3%の活性炭を加えて脱色
後に吸引濾過し、混床型イオン交換樹脂で脱塩後に50
%濃度に濃縮し、スプレードライヤーで熱風温度170
℃、排風温度95℃で噴霧乾燥してガラクトオリゴ糖の
精製粉末約9Kgを得た。
を40%濃度の水溶液とし、1Nの水酸化ナトリウム水
溶液でpH5に中和し、0.3%の活性炭を加えて脱色
後に吸引濾過し、混床型イオン交換樹脂で脱塩後に50
%濃度に濃縮し、スプレードライヤーで熱風温度170
℃、排風温度95℃で噴霧乾燥してガラクトオリゴ糖の
精製粉末約9Kgを得た。
【0064】
【参考例1】表9の配合でビフィダス活性を有する飲料
を試作した。
を試作した。
【0065】
【表9】
フロントページの続き (72)発明者 山本 武彦 大阪府和泉市鶴山台3−4−2−204
Claims (7)
- 【請求項1】グルコースとガラクトースの構成比が重量
で約1:1であり、オリゴ糖の含量が35重量%以上で
あることを特徴とするガラクトオリゴ糖。 - 【請求項2】単糖類と乳糖以外の成分中の非還元末端の
グルコース残基の量が15重量%〜30重量%であるこ
とを特徴とする、請求項1に記載するガラクトオリゴ
糖。 - 【請求項3】単糖類と乳糖以外の成分中の非還元末端の
グルコース残基の量が20重量%〜30重量%であるこ
とを特徴とする、請求項1に記載するガラクトオリゴ
糖。 - 【請求項4】単糖類と乳糖以外の成分中の非還元末端の
ガラクトース残基の量が6重量%〜20重量%であるこ
とを特徴とする、請求項1〜請求項3のうずれかに記載
するガラクトオリゴ糖。 - 【請求項5】乳糖を原料として製造されたものであり、
残存乳糖の量が30重量%以下であることを特徴とす
る、請求項1〜請求項4のいずれかに記載するガラクト
オリゴ糖。 - 【請求項6】乳糖を原料として製造されたものであり、
残存乳糖の量が20重量%以下であり、オリゴ糖の含量
が40%以上であることを特徴とする、請求項1〜請求
項4のいずれかに記載するガラクトオリゴ糖。 - 【請求項7】乳糖を塩酸の存在下にエクストルーダーで
加熱処理したものであることを特徴とする、請求項1〜
請求項6のいずれかに記載するガラクトオリゴ糖。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5079185A JPH0638706A (ja) | 1992-03-17 | 1993-03-12 | ガラクトオリゴ糖 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9228192 | 1992-03-17 | ||
JP4-92281 | 1992-03-17 | ||
JP5079185A JPH0638706A (ja) | 1992-03-17 | 1993-03-12 | ガラクトオリゴ糖 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0638706A true JPH0638706A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=26420237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5079185A Pending JPH0638706A (ja) | 1992-03-17 | 1993-03-12 | ガラクトオリゴ糖 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0638706A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0616777A3 (en) * | 1993-03-24 | 1995-02-22 | Matsutani Kagaku Kogyo Kk | Poultry feed. |
-
1993
- 1993-03-12 JP JP5079185A patent/JPH0638706A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0616777A3 (en) * | 1993-03-24 | 1995-02-22 | Matsutani Kagaku Kogyo Kk | Poultry feed. |
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