JPH0638039Y2 - ロープ取付具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はロープ取付具に係り、特に切り倒す樹木を安全
な方向へ誘導するために樹木にロープを取り付けるロー
プ取付具に関する。

〔従来の技術〕

従来、樹木等の立木を切り倒す際は、立木にロープを取
り付け、このロープを安全な方向に引いて立木を切り倒
すことが行われていた。

特に送電線近傍の樹木は、成長すると送電線に接触して
地絡を生じる原因となるため、これを伐採する必要があ
る。この伐採作業に際しては、このような立木が送電線
等の構造物側へ転倒しないようにするため、作業者が持
ち運んだ梯子などで木に登ってロープの一端をくくりつ
け、地上からロープを引いて倒木方向を誘導していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、立木にロープを結び付ける作業は高所作
業であり、高圧送電線付近の作業であるから転落と感電
の二重の危険を伴うという問題があり、手数を要する難
作業であった。

この考案の目的は、上記問題点を解消するためになされ
たもので、地上操作のみで、安全確実に立木へ転倒誘導
ロープを装着することができるロープ取付具を提供する
ことにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的は、内部が中空で、該内部に通線する穴を手
元に設けた取付棒と、該取付棒の先端に具備され、立木
の幹の周囲に沿う湾曲した中空のホースと、該通線穴か
ら該取付棒及び該ホースの中空内部を通り該ホースの先
端から送り出され、先端部に誘導ロープを接続する構造
を有する通線ワイヤロープとからなり、前記湾曲ホース
を立木の任意の高所に位置させて、前記通線ワイヤロー
プに誘導ロープを接続して該誘導ロープを立木の任意の
位置に巻き付けるものであるロープ取付具、によって達
成することができる。

〔作用〕

上記構成によれば、立木の任意の高所の幹に湾曲ホース
を沿わせ、通線ワイヤロープを通線して、先端に誘導ロ
ープを接続し、通線ワイヤロープを引くことにより誘導
ロープを枝などの上の任意の位置にに引っ張り上げ、湾
曲ホースの先端を回動等の操作をして幹に巻き付けるこ
とができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を、図面を参照して説明する。第
１図は本考案の一実施例を示す立面図、第２図は本実施
例の用い方を示す立面図、第３図は第２図のＡ矢視図で
ある。

これらの図において、本実施例のロープ取付具２は、立
木４の転倒を誘導するための誘導ロープ６を立木４の幹
に巻き付けるための中空の湾曲ホース８と、この湾曲ホ
ース８を立木４の高所に取り付けるための中空の取付棒
10と、誘導ロープ６を引き上げるために接続する通線ワ
イヤロープ12とからなる。

湾曲ホース８は誘導ロープ６を立木４に約半周以上巻き
付けるために、幹の外周に沿うような湾曲部が形成して
ある。取付棒10はこの湾曲ホース８を先端に具備し、立
木４の任意の高所に位置させるために伸縮可能な構造と
なっている。

本実施例では、取付棒10の下部の手元に、細径の通線ワ
イヤロープ12を挿入するための通線穴14が開けてあり、
この通線穴14より通線ワイヤロープ12を取付棒10及び湾
曲ホース８の中空内部を貫通させて湾曲ホース８の先端
開口から外部に送り出し、その通線ワイヤロープ12の先
端に誘導ロープ６を接続できるようになっている。

湾曲ホース８はフレキシブルで強度及び剛性に富む材質
（例えばエフレックス）、取付棒10は電気絶縁性のある
材料、通線ワイヤロープは軽いビニール製を用いてい
る。

次に、本実施例の作用を作業手順に従って説明する。

（１）複数本接続した取付棒10を所定の長さに伸ばす。

（２）湾曲ホース８を立木４の枝などの上の任意の高所
に巻き付ける。

（３）通線ワイヤロープ12を取付棒10の通線穴14から挿
入し、湾曲ホース８の先端開口から出し、地上に降ろ
す。

（４）地上に降りた通線ワイヤロープ12に誘導ロープ６
を接続する。

（５）通線ワイヤロープ12を通線穴14から引き、誘導ロ
ープ６を湾曲ホース８付近まで引き上げる。

（６）取付棒10を操作して湾曲ホースを回動等させ、誘
導ロープの先端を幹に巻き付ける。

（７）取付棒10を縮め、誘導ロープ６の先端を取付棒10
側に降ろす。

（８）誘導ロープ６の両端を操作し、立木４の転倒方向
を誘導する。

本実施例によれば、地上操作のみで、安全確実で容易に
に立木へ転倒誘導ロープを装着することができる。

〔考案の効果〕

上述のとおり本考案によれば、次のような効果がある。

（１）構造が簡単で安価なロープ取付具が得られる。

（２）梯子などを用いて立木に登る必要がなく、倒木準
備の時間が短縮できる。

（３）簡単な地上操作のみで、ロープを安全確実に立木
へ装着し、立木を安全な方向へ誘導することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す立面図、第２図は本実
施例の用い方を示す立面図、第３図は第２図のＡ矢視図
である。 ２……ロープ取付具、４……立木 ６……誘導ロープ、８……湾曲ホース 10……取付棒、12……通線ワイヤロープ 14……通線穴

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部が中空で、該内部に通線する穴を手元
   に設けた取付棒と、該取付棒の先端に具備され、立木の
   幹の周囲に沿う湾曲した中空のホースと、該通線穴から
   該取付棒及び該ホースの中空内部を通り該ホースの先端
   から送り出され、先端部に誘導ロープを接続する構造を
   有する通線ワイヤロープとからなり、前記湾曲ホースを
   立木の任意の高所に位置させて、前記通線ワイヤロープ
   に誘導ロープを接続して該誘導ロープを立木の任意の位
   置に巻き付けるものであるロープ取付具。
2. 【請求項２】前記取付棒は、連結又はスライドにより伸
   縮可能なものである請求項１記載のロープ取付具。
3. 【請求項３】前記湾曲ホースは、前記幹の周囲に約半周
   以上沿うものである請求項１記載のロープ取付具。
4. 【請求項４】前記取付棒、前記湾曲ホース及び前記通線
   ワイヤロープは、電気絶縁性のものである請求項１記載
   のロープ取付具。