JPH0638033A - カラー映像形成装置 - Google Patents

カラー映像形成装置

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JPH0638033A
JPH0638033A JP5128107A JP12810793A JPH0638033A JP H0638033 A JPH0638033 A JP H0638033A JP 5128107 A JP5128107 A JP 5128107A JP 12810793 A JP12810793 A JP 12810793A JP H0638033 A JPH0638033 A JP H0638033A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カラー発生機を使用して可視媒体(枚葉紙な
ど)上に所望のカラー情報に合致した着色表示を行う色
の中間色調(カラーハーフトーニング)の映像形成装置
を提供すること。 【構成】本発明の装置は、プリンタによって可視媒体上
に一定情報をカラープリントする場合、カラー発生機が
カラー情報源から所望カラー情報を受信してこれを知覚
パラメータに分解してカラー発生機内の各画素位置にお
ける着色剤を表わす色描写−決定情報を発生させ、同機
内の特定画素位置に関連して作動させるために前記発生
機のサブシステムを選択して装置制御を行う仕組になっ
ており、これにより従来技術による色補償及び描写段階
の欠点を解消している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般にカラー再生装置に
よる色の発生に関するものであり、更に詳細には、カラ
ー中間調システムを含む、ドット・オン・ドットシート
媒体印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータにより駆動される機
械が紙のようなシート媒体にカラーグラフィックス−図
表、要約パターン、または画像−を作製するのに利用す
ることができるようになってきている。このような機械
は一般に2段階プロセスで制御される。
【0003】最初にユーザが陰極線管(CRT)ディス
プレイ上に所要の色を提示する。次にユーザは所定の色
をシート媒体上に印刷する機械に指示する。制御の両段
階とも非常に問題点が多いように思われる。
【0004】時に「色調節」または「色補償」と呼ばれ
ることがある第1段階において、所要の色を非常に明瞭
に心の中で考えることができても、ユーザは、それら所
要の色が正確に何であるかをカラーシステムに表現する
ために、回りくどい、見たところ不合理な手順と取組
む。従来の色補償の段階では通常困惑から狂気にまでわ
たる努力が行われている。
【0005】この困難の後、忍耐力を試す段階は満足に
終了してしまっているが、ユーザは「色描写 (color re
ndition)」または「カラーハーフトーニング」として知
られている第2段階で新たな問題に出逢う。そこでは、
色および画像空間を印刷ページ上に再生すべきである−
しかしこの両者は画面上のものに対して、奇妙に且つ不
可解にゆがんでいることがわかっている。
【0006】これら後者の人為生成物(artifact)はそれ
らが最も忍耐強いユーザにとってさえ制御の域を完全に
越えているという意味で一層面倒でさえある。この分野
での従来の老練な研究者はいずれの問題をも満足に解決
することができなかった。
【0007】本書のこの章は従来のシステムの動作問題
点を色の基本原理の点から注目しようとするものであ
る。結果は、適切な解決法を見出すことができるものは
すべて必然的に色理論の第1原理に頼ることから生じな
ければならないというヒントになろう。このヒントは本
発明を説明する後章で立証されるであろう。
【0008】a.色の次元性 色は3次元的である。この3次元性は第1に、網膜の有
効な光処理装置を形成する少なくとも三つの異なる感光
性色素(または色素−フィルタの組合わせ)による色経
験の起源にまで生理学的にたどることができる。
【0009】次に生理学/物理学の境界に進むと、これ
ら三つのセンサの動作から明らかに三つのスペクトル重
み付け関数から成る対応する組合わせ−明らかに人間の
視覚器管の一部であるが網膜というよりは恐らくは部分
的に脳に関するものであろう−を生ずる。人間の観察者
が色を区別する能力は「三刺戟」関数(照明に関する国
際会議、1931年)と呼ばれる三つの重み付け関数を使用
する装置によりエミュレートすることができる。心理学
の分野に進むと、色の次元性はグラスマンの第1法則
(1853年)「人間の光学器管は3種類の色を正確に区別
することができる」に見ることができる。これらは優勢
な波長、明るさ、および純度の変化として表すことがで
きる。
【0010】次に純粋に心理学的または知覚的レベルで
は、今度も三つの変数に遭遇することが避けられない。
しかし、定量的には、一つではなく幾つかの匹敵する座
標系すなわちいわゆる「色空間」が色知覚の三次元的性
質を記述するのに導入された。
【0011】発散する知覚モデルのこの拡散に対する根
本的理由は本発明の心臓部であり、詳細に説明すること
にする。しかし、先づ、更にもう一つのレベルまたは環
境、色の三次元的性質を明らかにしなければならない更
に一つの空間−機械空間−が存在することを認めるべき
である。
【0012】目は色機械であり、それを駆動する色素基
準のシステムはすべての人工装置と同様に化学的、電子
工学的、および機械的であるから、或る意味で我々はこ
こで一周して元に戻ることに注目するのは興味のあるこ
とである。しかし、今は我々は色を区別する装置ではな
く色を発生し、作製し、作り出し、製造する装置または
機械に言及しているのである。
【0013】このような色装置に使用される色空間は事
実、或る重要な仕方で、目の色空間を模倣しまたは追跡
する。三つの網膜色素は明らかに、(非常に概略的に言
えば)青、緑、および赤のスペクトル領域で選択的に吸
収するが、それらが三刺戟関数で具体化されるスペクト
ル帯域である。
【0014】明らかにこれらスペクトル帯域は人間の色
視覚にとって何を「自然な」基準点と読んでよいかに関
して特殊な状態に対する或る資格を備えている。わかる
とおりこの事実は時に色を発生および制御する機器の設
計にあたり混乱の原因になったことがある。
【0015】色の経験を作り出し、操作する装置を設計
したいとき、我々は各網膜色素を独立に刺戟し、制御し
ようとする。我々は網膜にまで届いて正確に或るセンサ
を刺戟したいし、青、緑、および赤の光についてそれぞ
れ、そうするには正確にどんな道具を使用することがで
きるかを知っている。
【0016】これらの選択は費用効果の観点からも望ま
しい。我々が色知覚を作り出すのに、または視覚を作り
出すのにさえ、使用する光の各ミリワットに対して対価
を支払わなければならないが、網膜のスペクトル感度の
ピーク間にある、またはその外にある、光については対
価を支払いたくない。
【0017】したがって、ビデオディスプレイの赤、
緑、および青の蛍光体、および紙および他の媒体の上に
作り出す装置におけるそれら同じ色(または、これから
説明しようとする理由で、それらの補色)の色素を選択
すること。本発明は機械着色剤のそれら選択を切下げな
い。
【0018】機械動作の或るレベルでは機械言語で交信
することが必要である。そのレベルでは機械はどの着色
剤を駆動するかの仕様を必要とし、したがって機械語は
必然的に着色剤言語−印刷装置については、色素言語−
になる。(この文書では、機械「色素」とは物理的着色
物質を意味する。)
【0019】b.色操作の基本的色空間およびその選択
についての判断基準 これら蛍光体および色素の選択に自然に付随するもの
は、赤、緑、および青が規定次元R、G、およびBであ
る三次元色空間の歴史的用法であった。比較の目的のた
めだけに、図1はこのような空間を如何にして明確に表
すことができるかを抽象的な形で示している。
【0020】間もなく現れる理由により、色はめったに
説明されることはなく、このような空間で、人々により
取扱われることはほとんどない。しかし、今回も、最低
レベルの機械色空間−ディジタルコンピュータの動作に
おける最低レベルで必然的に使用される1および0の流
れに似ている−についてRGB空間選択は感知可能であ
る。
【0021】さて、R、G、およびBの各信号が機械着
色剤を駆動し、RGBの刺戟が網膜を駆動するから、R
GB空間がすべての色処理を管理するのに理想的な空間
であると想像することができよう。この提案を擁護して
更に、我々は目を動作させるにあたりRGBで動作する
だけでなくそれら同じ色を認識もするという事実を提示
することができる。
【0022】すなわち、我々はそれらをそのようなもの
として意識的に了解している。本発明の目的に対する最
大の関心事は知覚レベルであるから、RGB空間は色の
操作および運行に役立つよう完全に適格であると思われ
るかも知れない。
【0023】我々は脇道にそれてこれがそうでない理由
を説明する。経験によれば人間が色空間内を航行する必
要があるとき、彼らを所要の結果に至らせる方向につい
ての彼等の直観は−その色空間がRGB空間であれば−
完全に不適格である。第1に、この陳述は定性的には真
である。
【0024】我々はカラーグラフィックの或る部分を
「一層赤っぽく」、または「赤味を少なく」したくて赤
味制御器を調節してその判断を効果的にすると想像して
みよう。もし我々の観察力が鋭ければ、屡々失敗して画
像の部分が今度は一層鮮やかにまたは鮮やかさが少なく
着色し、画像の部分が明るくまたは暗くなることがわか
って困惑する。更に、望んでいた−および我々が物理的
に作られることを知っている−赤味の付加または減少は
感知し得ることがありまたは感知し得ないことさえあ
る。
【0025】我々の直観の不適格に関する上の記述は更
に定量的に全く真でさえある。カラーグラフィックの或
る部分を「一層赤っぽく」したい人が今説明した失敗事
象を引起こしたのは何かを充分に理解している有識の色
科学者であると想像しよう。その人物は今度は単に赤味
が上向く場合色刺戟のどんな複合混色が生ずるかを理解
するであろうし、所要の結果を得るには全体としてどん
な行動を取らなければならないかをも理解するであろ
う。
【0026】一般的事項として、このような人は三次元
空間で右方向に移動する−RおよびGおよびBの−調節
を行うことができる。しかし、その人物さえ、正確に一
組または二組の調節で所要結果に厳密に近づくにはどれ
だけの大きさの調節を行うべきかを予め概略的に測るこ
とは極めて困難であることがわかるであろう。
【0027】それ故、カラーシステムのRGB機械語段
階を色を更に直観的な仕方で操作することができる或る
他の段階により駆動するのが望ましい。たとえば、カラ
ーテレビジョンセットに「赤」、「緑」、および「青」
のラベルが付いていなくて−代わりにユーザを一層直接
的に所要結果にガイドする或る直観的暗示を含む語が付
いている色調節つまみを設けることはこの考察の認識に
よるのである。
【0028】調節できるように挿入されるシステムの段
階は、次に算術変形によりRGB信号に変換される出力
信号を発生しなければならない。この操作または調節の
段階もコンピュータ画面制御システムから、または放送
信号から、またはビデオ再生装置から受取った入力信号
−そのどれも、原理的には、RGBで表すことができる
−により駆動することができる。
【0029】今度はシステムの調節または操作の段階−
先に記したいわゆる「色補償」の段階−でどんな色空間
を採用すべきかという問題に到達する。この空間は、航
行がその唯一の又は主要な存在理由であるから、可能な
かぎり直観的に航行し得るものであるべきである。
【0030】基本的には、このような空間を開発するた
めの近年のかなりな努力のすべては−本発明のものを含
めて−図2が一般的形態で示しているパラメータ集合か
ら得られるものに到達する。この空間では、色は次の三
つの構成要素またはパラメータにより特徴づけられてい
る。
【0031】(a) それらの一つは「色の出現態様」と言
われているものに−Judd(ジャッド)著のColor in Bus
iness, Science and Industry (事務、科学、および工
業における色)、第2版、p.45(Wiley 1963)を参照−お
よび屡々「ヴァリュー」と言われるものに関している。
【0032】自然発光物体について言えば、それは「輝
度」(不可視から眩惑光までのスケールの範囲にわた
る)とも呼ばれ、他の物体に関してはそれは「明るさ」
(黒から白までのスケール上にある)である。
【0033】他の二つの知覚変数は知覚の色彩性を記述
するものである。 (b) 色相−色の輪の周りの色を記述するのに普通使用さ
れる。 (c) クロマ、これは色の飽和または鮮やかさである。 この基礎的または基本的パラメータセットは屡々「マン
セルHVC」色モデルと呼ばれる。
【0034】周知のように、このパラメータのセットは
主として−潜在的に色の経験の完全な定量的、分析的説
明を行なう他に−直観的に把握しやすく且つ自然的また
は基本的であるとさえ思われる色の性質に対応している
ため一般に普及している。パラメータは直観的意味でグ
ラスマンの第1法則で識別される三つの変化量に厳密に
対応する。
【0035】図2でわかるとおり、マンセル色空間のよ
く知られている実施例は網膜で参照される着色剤R、
G、およびB中に幾らかの地色を保持している。色相
は、0から5までの(または6が原点の角度0に重なっ
ている)6単位循環スケールによる極座標系の角度要素
と見られ、これら三つの色基準点は一般に色相スケール
上の点0、2、および4に関連するものとして認識され
ている。
【0036】この文脈ではRGB点はもはや次元または
パラメータではなく、パラメータスケールに沿う数に過
ぎず、これらは「原色」と呼ばれる。知られているよう
に、実用的尺度の上でのR、G、およびBは先に「自然
的」として示した色基準と同一である必要はない。所望
の色はこれら「自然的」スペクトルの位置を粗く近似す
るだけの着色剤から−または適切な全色彩範囲を示す他
の着色剤から−構成することができる。ヴァリューすな
わち明るさの尺度は図2に描いた色相平面の頂点または
中央原点を垂直に通過する。その平面は図面ではヴァリ
ューの尺度の原点を、数L(明)を利用可能な最大の正
の値、D(暗)を利用可能な最大の負の値として、明る
さ−暗さの範囲の中心として取ることができるような位
置にある。
【0037】鮮やかさすなわちクロマの尺度は明るさ−
暗さの中央線LDからの垂直半径方向距離または水平距
離により表される。わかるとおり、この見たところ簡単
な表現からこれまでの色制御の努力に最大の問題の幾つ
かが発生した。
【0038】勿論この三次元色空間のどんな点もこれら
三つのパラメータで表現することができる。しかし、色
彩の現実の問題として、この空間内の必ずしもすべての
点が明確な物理的意味を持っているわけではない。
【0039】スペクトル的意味での純色の理論的利用可
能性により幾つかの制約が課される。この色空間を個々
の不変の原色を使用して色の発生に適合させるに際し、
更に他の制約が実際の着色剤の利用可能性により課され
る。
【0040】したがって許容される点の範囲は屡々色
「立体」の各種形態の内部に取囲まれていると言われ
る。このような色立体の一つを−今度も非常に一般化し
た形で−図3に示してある。この色立体の外部輪廓およ
び内部構造は共に異なる色モデルにより別々に特性づけ
られ、図示されている。
【0041】本発明は先に採用されている方法とは基本
的に異なっている色空間について、特に色機械または色
装置に関して、考察する方法から着手しているので、従
来の分析の部分を我々で概括して更にもう少し続けよ
う。図3は着色剤の大きな選択から利用できる色を非常
に一般的に表していると取ることができる。立体は丸い
上面および下面を備えている。
【0042】これら表面はこれら着色剤のいわゆる「全
範囲」の境界−換言すれば、利用可能なすべての色素の
選択の範囲、およびこれら選択の組合わせの範囲の極限
境界−を表している。これら全範囲の境界の内部にある
色はすべてこれら利用可能な選択および組合わせから形
成することができ、システムの利用可能な全範囲の中に
あると言われる。純色またはスペクトル色の限界の場合
は、極端な赤道の縁、またはその縁に沿う垂直切線−こ
れはどんな垂直断面においても丸い−を規定している。
【0043】上および下の頂点は特定の着色剤系で利用
できる明るい極限および暗い極限を示す。これら明るい
および暗い極限は、色立体の表面上の他の点のように、
利用可能な着色剤−ここでは特に非色彩色素−の明るい
および暗い極限に対応する。
【0044】図3の色立体は一区画を除いた状態で描い
てある。画面の二つの平面11a、11bは、着色剤の
仮定した大きな選択について、二つの異なる色相平面内
の利用可能な色の全範囲を表す。すなわち、各画面11
a、11bはそれぞれ、非常に多様な明るさおよび鮮や
かさを一つの特定の色相の漸次変化とすることにより形
成される色だけを、排他的に表している。
【0045】図4は、異なる色相の多数の原色を、ただ
し各色相について正確に一つの原色を選定することによ
り利用可能な色の類似の一般的表現である。丸い表面は
明るい極限および暗い極限を、それぞれ、縁に接続する
直線で置き換えられている。
【0046】まとめて考えると、これらの線はすべて1
対の対立する円錐を形成している。縁は今度は各色相に
対する丁度一つの単一点−その色相について選定された
物理的原色に対応する−を表している。
【0047】このようにして縁は今度は上の円錐と下の
円錐との鋭い交線である。更に、実際的な例として図4
の各点での境界縁線は図3の色立体の内部にあるとして
選択された色点により形成されており、機械で使用でき
る現実の着色剤は通常、粘度、物理的および色の安定
性、および費用に関する機械の制約に適応するよう選択
されなければならない。同じ理由で、頂点は図3の頂点
により規定される明るさの範囲内に選定される。
【0048】図4はしたがって図3の相対的抽象性から
実際的機械システムに向かう一つの大きなステップを表
している。しかし、図4での合意は縁の周りの無数の原
色の実質上無限小という仮定を残している。実際的シス
テムに向かう次のステップはこれらを幾つかの少数の−
三つから七つまでのような−縁の周りに幾分一様に離し
て設けられた着色剤で置き換えることである。
【0049】各原色の間の直線で形成される境界の色だ
けはそれらの着色剤から形成することができる。したが
ってその赤道でのシステムの全範囲は多角形になる。そ
の多角形の赤道の上および下で、全範囲は多角形の辺か
ら上および下の頂点まで広がる平面により規定され、こ
のような平面は二つの対立する多角錐から成る全範囲立
体(図示せず)を形成する。
【0050】図5は図3のものと非常に全般的に似てい
る大着色剤選択立体から切取られた四つの微小薄片11
R、11PB、11PG、11Yを示す。このような薄
片は「色相ページ」と呼ばれる。
【0051】各色相薄片すなわちページ11R、11P
B、11PG、11Yの上および下の近くに、図4のも
のと非常に全般的に似ている色相につき一つの着色剤の
色立体から見つかるような一組の多角形直線が描かれて
いる。参照用に鮮やかさ一定の円筒が重ねられている。
【0052】色相ページはここでは単に代表的な色相に
対するものであるが、図3および図4におけるよりはる
かに現実的である。これらは赤道縁が明るさ一定の高さ
の周りも一定鮮やかさに沿っても掃引せず−むしろ、三
次元輪廓として、色相と共に甚しく変化することを非常
に明瞭に示している。
【0053】このように青緑11BGおよび赤11Rの
全範囲は共に縦の「ヴァリュー」の尺度に沿う中間の明
るさの値の位置にある最大鮮やかさで利用できる。青緑
の鮮やかさは明確に先を切取られているが、赤に対する
利用可能な鮮やかさは他の色に対するより著しく大き
い。
【0054】他方、紫青11PBおよび黄11Yは、共
にここでは非常に全般的に中間範囲の鮮やかさを持って
いる。紫青の鮮やかさはヴァリューの尺度に沿う非常に
低い点でピークに達する−屡々「深い」と記される利用
可能な色を生ずる。しかし、黄の鮮やかさのピークはヴ
ァリューの尺度の非常に高いところにあり、時に「ブリ
リアント」と呼ばれることがある色を呈する。
【0055】図5から、および特にその色相の或る実用
的な着色剤に対してそのページにある利用可能な全範囲
を示す各色相ページの直線だけを参照することにより、
四つの異なる色相ページにある直線が三角形平面により
共に接続されている色立体を目で見得るようにすること
が可能である。外縁で、これらの平面は、先に示したよ
うな規則正しい赤道ではなく、不規則な縁を形成する。
【0056】むしろその縁は幾つかの着色剤の異なる鮮
やかさに放射状方向に出たり入ったりするが、それらの
鮮やかさの点で対応する異なる明るさの点に乗り上った
り降りたりする非常に不規則なものである。そのように
記述される立体は図5の各色相ページの半径方向に最も
外側の点の丁度内側で選択された実用的に使用し得る四
つの原色を−これら原色の各々を原色として直接的に限
り使用するという制約のもとに−直接混合することによ
り形成することができる色の全範囲を示すことになる。
【0057】四つの(または一層典型的には丁度三つ
の)着色剤を有するこのような不規則な角錐状の立体を
視覚化することにより認めることができるように、非常
に大きい周辺の(すなわち、鮮やかな)領域が角錐の外
縁により切り取られ−したがって立体の外側になる。こ
れらの領域は全範囲から除外された色を表し、着色剤の
原色間に存在する鮮やかな色の明確に限られた処理に委
ねられている。
【0058】実際には全範囲は、三つだけの着色剤の場
合でも、厳しく制約されているものではない。これら着
色剤の各組は立体の全般的に正反対の点で補色を構成す
るように混合することができる。
【0059】これら補色は丁度物理的に存在するかのよ
うに処理することができ、多角形赤道をこのようにして
物理的に存在する原色と原色との間の領域で(角度的
に)ふくらませることができる。この赤道の回復に付随
するのが対応する角錐の上面および下面の膨張である。
【0060】さて色をその発生および製造を系統化する
目的で分析するとき−および特にユーザおよび自動機械
の設計者が得られる色を調節しまたは制御することがで
きるようにするとき−これら同じ三つの色次元を分析に
適応させようとすることは当然のことであった。装置ユ
ーザは直観的な言葉で理解している制御器または調節
器、たとえば、「明るさ」と記されているつまみまたは
「鮮やかさ」と標示されたコンピュータ画面のメニュー
選択部(紙に印刷するようになっている色に対して)を
提供されることを望んでいる。
【0061】しかし、類似の(蛍光体に基く)フィール
ドから一例を引くと、テレビジョンセットの明るさのつ
まみを回すと明るさばかりでなく飽和度および色相さえ
も同様に変化するらしいことが普通に観察される。クロ
マの調節は屡々同様に、色の飽和度を精密に修正しよう
とすると屡々それに伴って明るさの−または、今度も、
色相の−光沢変化が生ずるので、失敗に終る。
【0062】この例は単に問題をありふれた言葉で言い
表すのに役立つだけである。類似の困難はあらゆる種類
の紙またはいわゆる「ハードコピー」カラー画像で見ら
れる。我々はすべて日常生活のどこででも最低限の色描
写に遭遇している。
【0063】舞台裏で、このような場合の多くで、丁度
小さな、たとえば、色相の誤差であると思われるものを
補正しようとした−が、その努力によりクロマまたは明
るさがそれに伴って受容不能な程ずれるのをほとんど避
けることができなかった。
【0064】このような結果は仕上がった色を所望のも
のに対する妥当な近似にしようと繰返し努力する際の好
ましくない経済状態の結果である。繰返し努力して所要
の正確なまたは自然の外観に収束することができない
(屡々起こる場合である)かまたはその外観の周りを際
限なく循環していると思われるときは、「非経済的」の
ような言葉はほとんど不充分である。
【0065】色補償の現状について二つの結論を引出す
ことができる。 (1) 直観的として理解されやすいパラメータにより識別
される色調節器には相互独立性が欠けている。
【0066】(2) 制御下で基本的と思われるものは別と
して、色調節器も知覚的色空間では妥当に良く挙動する
ことができない。
【0067】RGB色空間についての我々の先の説明は
RGB空間における利用可能な調節パラメータの独立性
の困難さを強調したが、調節の定量化の問題にも触れ
た。不幸にして、色の直観的管理に関する系統的表示を
開発しようとするこれまでの努力はこの第2の判定基準
−定量的規則性−にかかる過大な力によって押さえこま
れてしまった。
【0068】色を知覚されるものとして説明する上で、
知覚的に線形である色空間−換言すれば、等しいステッ
プはどの次元に沿っても実質上等しく現れる色知覚の増
分に対応する空間−を採用することは有用であるという
ことは正しい。
【0069】しかし、あの判定基準を主要目的として採
用すると、一層根本的な判定基準、パラメータの独立
性、がかなり害われた。これから示すように、従来技術
が良好な調節能力を提供するという問題に対する満足な
解答から鋭くかけ離れるのはこの点においてである。
【0070】従来技術により取られたこの回り路は図2
から図5までの基本的HVC色空間に特有の欠点ではな
い。むしろそれはパラメータ−特にクロマC−の特定の
規定に対する選択が不成功であることに起因している。
パラメータの真の独立性(または数学の用語では「直交
性」)は不必要なことがあるが、少なくとも非常に低い
相互感度または混信は非常に望ましい。同様に、精密な
知覚の直線性は不必要なこともあるが、クロマの類似の
調節に応答して、たとえば、色相平面の異なる部分にお
いて、少なくともかなりな程度の一貫性を追及すること
は可能である。同じことは種々のクロマ番号が存在する
とき明るさの類似の調節に応答する一様性についても真
である。以下同様。
【0071】この考え方に対応して、最近のほとんどの
機器に対する明瞭な設計目標は調節の真の必要性を実質
上排除し、色装置を単に「正しく」または「正確」で且
つ「自然」である色を提示するよう駆動するようにすべ
きであるということが反対されるかもしれない。二つの
理由で、隣接色空間で独立で且つ良好に挙動するパラメ
ータに対する必要条件はそう容易にすて去ることはでき
ない。
【0072】第1に、消費者は味または好みの問題とし
て使用する精密な調節を欲し続けるであろう。第2に、
正しいまたは自然の色を生ずることを目的としている近
代装置ではパラメータの独立性および規則性という同じ
問題は色装置が消費者に届く前に再現する。ここで同じ
問題と取組むのは装置設計者である。
【0073】独立パラメータが重要である理由は、想像
上自動の色制御装置においては名目上オペレータの調節
に依存する装置のより早い段階での発生におけると同じ
である。色を発生するのに使用される着色剤−たとえ
ば、ペンから放出されるインクドット−は簡単にクロ
マ、明るさ、または色相に対する固有の、独立の調節だ
けで出現するものではない。
【0074】これら物理的物質はいづれも理想的なマン
セル色機械ではない。着色剤を作動させるのに使用され
る装置−たとえば、ペン−も無い。
【0075】機械空間および着色剤言語について考える
ことに対するこの一時的な逆戻りによって第3の結論が
呼び出される。
【0076】(3) 色調節に使用されるいわゆる知覚的原
色および変数は「装置原色」および「装置変数」に良く
対応することができない。
【0077】ここでこれまでに到達した結論を要約す
る。工業的色科学はパラメータ的に独立であると共に知
覚的に一様である色空間のモデルを開発することができ
なかったし、更に目立つのは装置パラメータと合理的に
適合するモデルを開発することができなかった。
【0078】従来の技術は主な目的、すなわち入力色情
報をこのような空間に取入れる能力、に到達しなかっ
た。それ故、知覚的に意味のあり且つ独立の調節、補
償、および描写の決断を−特に、繰返しの必要なしに−
容易に且つ簡単に行うことは一般に不可能である。
【0079】従来技術は他の主要目的、すなわち知覚的
調節、補償、および決断をほとんどゆがめずに機械空間
内に移動し続ける能力、にも到達しなかった。
【0080】更に幾つかを紹介してから、目立って使用
された二つの色モデルを手短かに説明することにする。
わかるとおり、これらは三つのすべての目的−独立性、
色空間の周りの良好な挙動による航行、および装置パラ
メータとの対応−を達成していない。
【0081】c.色作成装置の動作 典型的な色出力装置は色を発生するのに−たとえば−
赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄、および黒の着色剤
の組合わせを使用している。これら着色剤は慣習的にそ
れぞれR、G、B、C、M、Y、およびKと略称され、
または通常の凝縮記法「RGBCMYK」で表される。
これらシステムは、アドレス可能な各位置で、限られた
数の、これら明確な色を印刷することができるだけであ
る。
【0082】この文書ではこれら明確な色をシステム着
色剤と呼ぶことにする。それらには装置原色(すなわ
ち、色相を有する有彩色RGBCMY)と黒Kとが入
る。典型的にはシステム着色剤には白(「W」)−普通
たとえば紙のようなシート媒体の白−も入っている。或
る場合には白は代わりに有彩色を混合することにより構
成される−が、このような混合を紙などの既に白いシー
ト上に白を作り出そうとする際に使用すると、色素を浪
費する結果になる。同じように、灰色に近似するのに二
つ以上の色素を重ねて印刷すると必らず色素が浪費さ
れ、普通発生する灰色も貧弱である(すなわち、色彩成
分が入っているという意味で、純粋ではない)。
【0083】通常実際のシステム着色剤−すなわち、物
理的色素物質により1対1で表されるもの−の数は少な
い。特に、上に挙げたすべてで8個の着色剤の代わり
に、先の章で記したように、幾つか(たとえば、赤、
緑、および青、RGB)を他(補色シアン、マゼンタ、
および黄、CMY)の組合わせとして形成しまたは構成
するのが普通である。
【0084】それにもかかわらずこれら構成された(実
際から区別される)着色剤RGBは通常その混合可能な
形で利用できる装置原色として取扱われる。仮定のこの
後者の部分(混合可能性)は他の色−すなわち、仮定し
たシステム着色剤RGM−CMY−KWのフルセット以
外−を一般的に作り出す工程で分析を簡単にするのに非
常に役立つ。
【0085】特に、六つの有彩着色剤CMY−RGB、
に黒と白とを加えたシステムでは、装置を使用して(こ
れら着色剤の飽和エンベロープの内部の)どんな色を発
生するためにも、二つの着色剤と黒および白とを加える
だけでよい。間もなくわかるように、CMYK装置を操
作するこの方法は重要で価値がある−が、合理的に完全
な色相/飽和全範囲については、構成された着色剤RG
Bは実際の着色剤CMYの補色に幾分合理的に似ている
という仮定に基づいている。
【0086】実際のシステム着色剤CMYK以外の色を
作り出すためには、周知のように、実際のシステム着色
剤を媒体(たとえば、白)の上にぴったり隣り合わせて
設置する。観察者は実際の着色剤から物理的に発生する
スペクトル帯域を知覚的に積分する。
【0087】観察者はこのようにして単一色素としては
存在しない或る色を知覚し、恐らくは所要の色またはそ
れに近い何かを知覚するであろう。勿論、拡大鏡のもと
でのような厳密な検査をすればその所要の混色は個々の
着色剤としては表わされないということが明らかにな
る。
【0088】これの重要な特別の場合は中間調であっ
て、これでは異なる着色剤のドットが媒体の或る区域ま
たは領域にわたって分布している。このようなシステム
では使用する色装置の形式により、種々の自由度が利用
できる。たとえば、ドットの大きさを可変にすることが
できる。
【0089】ディジタルコンピュータで直接駆動される
印刷機械では、一般に更に簡単で速い動作がドットが存
在するかしないかだけを制御することにより得られる
が、ドットおよびその間隔を極めて小さくして全体の解
像度を合理的にすることができる。このような機械の場
合には、屡々−良く知られているビデオディスプレイの
慣例から−中間調技法は「ディジタルハーフトーニン
グ」と言われ、ドットは「画素」と言われる。
【0090】多数のディジタルハーフトーニングはグレ
ースケールハーフトーニングの拡張であり、この方法で
は灰色の情報が黒画素と白画素との組合わせによって作
製される。これらの方法は、色の場合に拡張されると、
典型的に着色剤は減色法則に従うということを仮定す
る。
【0091】六つの色彩装置原色RGB−CMYがすべ
て−上述のように−実際には三つCMY(の他に無彩色
Kも)が物理的に存在しているだけであっても組合わせ
の形で利用できるとして取扱われるのはこのためであ
る。プリンタまたは他の装置が、減色法則に従うことが
できないと、それは丁度実際の色素CMYの補色である
かのように取扱われるがそれらの補色ではない装置原色
R’G’B’を発生するので、色の誤差が生ずる。
【0092】得られる色を制御する更に良い方法はこの
ようなCMYK装置を六つの色彩装置原色を備えている
として取扱うこと及び、これらの三つのR’G’B’を
前のように実際に存在する三つの相互混合として構成す
ること−しかし構成されるR’G’B’または擬似RG
Bは正確に補色の赤、緑、および青RGBであるという
仮定をやめるようにする−である。これにより原色を確
定するのに減色法則に依存する必要性から解放される。
【0093】色の組合わせは今や構成された原色の、お
よび実際すべての原色の実際の特性を使用して計算する
ことができる。このようなシステム−少なくとも概略C
MYおよび擬似RGBすなわちR’G’B’に対応する
六つの既知の有彩着色剤、プラス黒および白を有する−
は着色剤CMY−R’G’B’の中の二つだけと黒およ
び白を使用し、R’G’B’の補色RGBからの既知の
隔たりを考慮して、(利用可能な飽和エンベロープの内
部の)どんな色をも発生する能力を保持している。
【0094】この能力により正確に四つの実際の色素C
MYKおよび白の背景を使用してこのようなどんな色を
も発生することができる。本書の残りでは、典型的にこ
れらの一つ以上が構成された原色であることを理解し
て、記号R’G’B’をやめ、一層簡単なRGBで置き
換える。
【0095】幾つかの既知の機械、特にCMYK装置を
使用する或るもの、は色補償段階で別々の処理に対して
黒の情報を分離することにより制御されている。それで
これらのシステムは中間調または描写駆動の段階で別々
の黒情報チャンネルを保持している。
【0096】d.HSV色空間 図6は、「HSV」として知られている一つの伝統的な
色モデルについて、知覚変数H、S、Vを所要色描写の
所定の定義から見出す方法を示している。これら知覚変
数は装置変数(図示せず)を制御するのに使用される。
【0097】HSVシステムを論ずることは、システム
をカラーグラフィックを作成する際コンピュータ駆動モ
ニタを制御するのに使用することができるため適切であ
る−このカラーグラフィックは次に同じコンピュータで
駆動される装置により紙に印刷される。
【0098】HSV色モデルは図3から図5までのもの
−これは古典的なマンセルHSVモデルにより厳密に対
応する−から修正されている色立体に対応する。HSV
では色立体は、対立する二つの円錐ではなく、丁度一つ
の角錐状円錐である。
【0099】HSVは絵の具を用いて手で作業する画像
により使用される濃淡、陰影、および色調の知覚的概念
を厳密にモデル化しようとするものである。HSVはこ
れを行うことができるが、古典的HVCにおける関係か
らかなりはなれており、その逸脱について次のパラグラ
フで詳細に説明することにする。
【0100】図6の図表では、フルスケール色範囲の完
全な利用可能着色剤の範囲はグラフの上部の常数FULLと
して識別される。「Rin」、「Gin」、および「B
in」と記してある三つのバーの高さはそれぞれ赤、
緑、および青の入力情報−すなわち、「所要」として規
定されている模範的な色−の量または大きさの一例を表
している。
【0101】勿論、どんな所定の真実の状況において
も、三つの入力のどの一つも最大となることができ、最
小となることができ、いずれも中間の色量となることが
できる−それで、三つのバーをRin、Gin、および
Binとして区別することも一例に過ぎない。これら三
つのバーの相対高さも一例に過ぎない。
【0102】しかし、どんな状況においても、事実、幾
つかの最大の、幾つかの最小の、および幾つかの中間の
色量が存在しなければならない。それ故、一般的取扱い
を容易にするため、三つのバーにそれぞれ「Max」、
「Mid」、および「Min」と記してある。イタリッ
クで表したこれら同じ記号−Max、Mid、およびM
in−は一般にバーの相対的高さ、すなわちどれが青、
赤、または緑であるかに関係なく三つの色量、を示すの
に使用される。
【0103】簡単のためFull≒1を規定すなわち正
規化する。したがってすべての数Rin、Gin、Bi
n、MaxおよびMinは分数である。典型的な機械動
作ではFullには、適切なダイナミックレンジに対し
て選定された、225のような或る慣例的数値が割当てら
れ、他の値はすべてやはり数である。本書ですべての数
を分数ではなく整数として相対的に表現しているが、こ
れは分数記法と同等と考えるものとする。(これら同じ
理解は図9および図11にも適用される。)
【0104】さてRGB色空間からHSV空間に変換す
る事項に移る。一般に使用されている他の極モデルの場
合のようにHSVモデルではRGB原色のどれがそれぞ
れ最大、最小、および中間量であるかを確定することか
ら始め、Max、Mid、およびMinに値を割当てる
のが普通である。次に、入力情報から知覚変数への変換
には三つの決定が含まれる。これらの一つは変数の「ヴ
ァリュー」すなわちVを直接測定することである。この
変数は最大入力数に等しく設定される、すなわちV≒M
ax。
【0105】第2の計算は「飽和」すなわちSに向けら
れる。これはMaxとMinとの差に等しく設定される
が、その差を値Maxで割って正規化される。すなわち
S(Max−Min)/Max、すなわち1−Min/
Max。
【0106】第3の計算は幾らか複雑な公式H≡C+F
hに従って色相を決定する。ここで
【0107】 Rin≧Gin≧Bin であれば C=0 Gin≧Rin≧Bin であれば C=1 Gin≧Bin≧Rin であれば C=2 Bin≧Gin≧Rin であれば C=3 Bin≧Rin≧Gin であれば C=4 Rin≧Bin≧Gin であれば C=5
【0108】Cが偶数であればF=(Mid−Min)
/(Max−Min)
【0109】Cが奇数であればF=(Max−Mid)
/(Max−Min)
【0110】この処理は−色相変数の使用も−本発明で
使用されているものを含めて、普及しているすべての色
モデルの基礎となるものである。
【0111】この数量化計画はこれまで詳細に図解し説
明してきた知覚的に一様なマンセルHVC色空間の特定
の実施例であるが、今は特定の数量的および知覚的定義
を一般化したマンセルの概念に適用している。
【0112】HSVシステムの一つの大きな弱点は、ど
の原色がそれであるかにかかわらず−およびやはり存在
し得る他のものの量に関係なく−Vが存在する最大の原
色量に等しく設定されるということである。逆に、明る
さすなわちヴァリューの機械調節は最大原色レベルをユ
ーザの必要な全体のヴァリュー、すなわち明るさ、また
は強さに等しく設定することにより行われる。
【0113】これは、目のスペクトル感度関数または存
在する他の色の量を考慮に入れることができないため、
極めて不適当である。知覚的にこのような他の色は−と
りわけ−対応する異なるスペクトル領域における目の視
感度に関連する複雑な仕方で−見掛けの明るさに加わ
る。
【0114】このヴァリューの規定誤りの問題を認める
一つの方法は図5を再調査することである。これにより
飽和した黄色に対する明るさの或る真のまたは直観的の
知覚が0.87の近辺にあるが、飽和した紫青および赤
に対してはそれぞれわずか0.42および0.38−黄
色に対して見出されたものの半分より小さい−にしかな
り得ないことがわかる。
【0115】HSVモデルの他の大きな不適格性は飽和
Sを存在する最大原色Maxに正規化することである。
概念的にはこのような関係について合理的な議論を行う
ことができるが、二つの知覚変数SとVとの間に、独立
性ではなく、逆比例性を生ずる。
【0116】図7はHSV色モデルでの−図5の葉のど
れかのような−代表的色相ページ111に関するパラメ
ータ関係を示す。色相ページは垂直に見られる。
【0117】上方の斜線は単位ヴァリューVの線として
規定されている。下方の斜線は単位飽和Sの線として規
定されている。
【0118】このようなシステムを使用する反直観的結
果を例示するのに多数の例を提示することができる。以
下は正に3例である。
【0119】装置ユーザが飽和した赤色を特定の図式の
或る領域に割当て、飽和した黄色を他に割当て−次いで
装置にすべての領域を等しく明るくするよう指示すると
想像する。しかし、HSVで制御される装置はこれを等
しいヴァリューVのすべての領域を規定どおりにする命
令と解釈する。
【0120】その装置は対応する調節を行い、達成した
任務を報告する。しかし、困惑したユーザは明らかに
(且つ図6と矛盾しないで)黄色の領域が赤の領域の2
倍明るいことを見ることになる。
【0121】次にユーザが112を中庸の鮮やかさの比
較的明るい色から同じ鮮やかさおよび色相の比較的暗い
色に動かしたいと想像する。ユーザは始めの鮮やかさに
極めて満足している。色は灰色過ぎず、色が着きすぎて
いない−クロマがぴったりである−しかし幾分明る過ぎ
る。
【0122】したがってユーザは、実際上、112を図
7のような色相ページ内部で垂直に動かしたいのであ
る。しかし、奇妙なことに、明るさが次第に少なくなる
(または暗さが次第に大きくなる)ことを求め続けなが
ら、ユーザは鮮やかさが明るさと共に減少している11
3を見つけることになる。
【0123】図7の色相ページの上をともかくもたどる
ことができれば、ユーザはHSV制御システムが、値だ
けを変える指示を受けているが、図7に印を付けた径路
のような斜めの道筋を追いかけていることを見て驚くで
あろう。しかし、ユーザがユーザ自身の感覚によりだま
されているというこの種の地図のような確信ですら常に
必ずしも役に立つとは限らない。
【0124】オペレータは、慎重に調節された、満足に
鮮やかに出発した色が、望みどおりに、単に暗くなるだ
けでなく、ユーザが「衰えた」というような色にもなる
ことを単に見るだけである。より分析色科学的言語で言
えば、色は一層灰色にまたは鮮やかさが一層少なくな
る。二つの効果を組合わせたものは屡「一層濁ってい
る」と言われる色効果である。
【0125】この点でユーザは通常、制御システムはユ
ーザがその召使になる近代的装置の良く知られた例の一
つであると結論する。ユーザは、精神的測定の展開−色
を暗くする際に予想し得る濁りの程度にユーザが調節す
ること−しさえすれば、システムを合理的にすることが
できると信じている。
【0126】しかし、更に悪いことには、ユーザが協力
者/機械制御戦略が見つかったと考える丁度その時に、
システムがこれらの新しいこみ入った期待さえも挫折さ
せてしまうことである。ここでは曲解は一層微妙である
が、これにより把握するのが一層困難になるように思わ
れる。
【0127】ユーザが、知能的自己校正を行ったものよ
りも一層飽和している領域でたまたま動作しているとす
れば、システムは単位暗化速度あたりの濁化割合をより
大きく(見ることができれば、径路の傾斜をけわしく)
する。他方、ユーザが飽和が少ない領域で動作している
場合には、システムは濁化割合を暗化と共に低く(浅い
傾斜に)する。
【0128】第3の例:ユーザは、それが極めて充分鮮
やかでない場合を除いてあらゆる局面で満足な色を見つ
けてしまっている。ユーザは明るさを変えないで鮮やか
さを上げたいと思っている。このことは、古典的なマン
セルHVCの言葉で言えば、正の半径方向移動、すなわ
ち明るさ軸から遠ざかる水平移動114を意味する。ユ
ーザはここで色が一層鮮やかになるばかりでなく暗くも
なる−または、換言すれば、深くもなる−ことを見出す
であろう。
【0129】深い色は非常に魅力があり得るが、これは
この特定のユーザが欲しがっているものではない。ユー
ザは「明るさ」制御により明るさを増す116を増加さ
せることにより補正することができるが、前の例では制
御システムはそれに応じて鮮やかさをも増すことにな
る。ユーザは鮮やかさを上げることに着手するが、既に
鮮やかさを所要レベルまで動かしているので、今度は制
御システムはユーザに所要鮮やかさの行過ぎに直面させ
る。ユーザは今度は鮮やかさを下げてそれを補償しなけ
ればならない。
【0130】今回も、写像を見ることができれば、ユー
ザは航行システムの合理性に疑問を抱き始めるであろ
う。ユーザは「飽和」制御だけで得られる外向き(鮮や
かさの方への)移動には下向き(暗さの方への)移動が
伴うことを知ることになろう。
【0131】ユーザの経験に最初の反復を与えれば、ユ
ーザはそれにより或る程度の直観が制御システムの動作
に関して達成されたことを感ずる−が今度はユーザは他
の発見をして失望する。つまり、鮮やかさを必要なだけ
増加させるのに必要な調節を行うと付随して明るさの変
化をも生ずる−ただし前よりも異なる割合でである。換
言すれば、明るさの増加の鮮やかさの増加に対する比が
異なるので、所要の色が得られないばかりでなく、シス
テムの使い方を理解する上での進歩というユーザの感じ
も打破される。
【0132】e.HSL/HSI色モデル 図8および図9は「HSI」、「HSL」、および「H
LS」のような種々の頭字語で知られている他のよく知
られた色制御プロトコルを示している。ここではパラメ
ータは−もう一度、非常に一般的な仕方でグラスマンの
第1法則に、および図2乃至図5の一般化三次元色空間
に対応している−色相、飽和、および強さ又は明るさで
ある。
【0133】しかし、これら制御軸の定義は既に分析し
たHSVモデルのものとは幾らか相違している。これは
RGB座標をHSLの飽和SおよびヴァリューVに変換
することについて上に示した表現をHSI/HSLの飽
和Sおよび明るさLまたは強さIを求めるための類似の
表現と比較することによりわかる。(事柄を簡単にする
ため、変数Lだけを使用するが、これは紙に印刷するシ
ステムをCRTディスプレイのような自照システムから
区別するのに一層適切である。)
【0134】色相は同じであるが、他の二つの変数は次
の公式から決まる。
【0135】L≡(Max+Min)/2 およびS≡
(Max−Min)/(Max+Min)L≧1/2の
場合
【0136】≡(Max−Min)/(2−Max−M
in)L<1/2の場合
【0137】飽和Sについての式を書く他の方法は
【0138】S≡(1/2)(1/2)(Max−Min)
/L L≧1/2の場合
【0139】≡(1/2)(1/2)(Max−Min)(1
−L) L<1/2の場合
【0140】手始めに明るさを二つの原色量、すなわち
最大と最弱、の平均として定義することは一つの最強原
色に等しいように明るさの不自然な選択(HSVシステ
ムでの)を改善しようとするものであり−且つ改善して
いる。
【0141】飽和Sの二重規定はHLSが、この点に関
してはHSV空間より古典的HVCに一層似ている、対
立円錐色空間を作り出すという事実を反映している。こ
の点に関してはHLSシステムを一層有利と見ることが
できる。
【0142】それにもかかわらず飽和Sはここでは(注
目している色がL≡1/2で規定される中間の明るさの
平面より上にあるか下にあるかにより)明るさまたは暗
さのパラメータL、1−Lに逆比例しているままであ
る。この逆比例性はHSVについて説明したと同じ部類
の相互依存性および混乱を生ずる。
【0143】その上、この相互依存性と飽和Sの二重規
定との間の相互作用から動作のごまかしという新しい要
素が入ってくることが簡単にわかる。これはHSV空間
で生ずる方角感覚の喪失をはるかに凌ぐものである。
【0144】図9に注記してあるように、HSL色相ペ
ージの上部および下部の直線境界−ヴァリュー軸の上部
および下部の頂点を規定の原色と接続している−はここ
では一定の最大飽和の一つの軌跡として取扱う。換言す
れば、これら2本の線の各々に沿う各点は、赤道頂点も
そうであるが、色立体の外面上のその高さにある特定の
明るさの値に対して得ることができる最大の鮮やかさを
表している。色立体の内部の進行を考えずにこの解釈だ
けでは色についての直観的感覚を害う。
【0145】これが以上の通りであることを理解するた
めに、色立体の上部頂点に非常に近い外面上の−すなわ
ち、上の斜線に沿っているが、上左隅に近い−色を考え
る。この色には実際実質上全く鮮やかさが無いように思
われる。明るさの軸からのその水平(半径方向)距離が
極めて小さいので、それは純粋の灰色に近い。
【0146】更にグレースケール上でそれは白に近い。
何故なら「明るい」極からのその垂直距離が極めて小さ
いからである。それにもかかわらずHVCシステムでは
この過度に薄暗い色は赤道頂点で純原色着色剤の点を通
過する一定飽和度線に沿って存在しており、したがって
その純原色着色剤と同じ−すなわち、最大の−飽和(や
はり鮮やかさの目安と見なされている)を備えていると
言われる。
【0147】また同じ飽和が割当てられているのは色立
体の下部頂点に非常に近い外面上の−すなわち、下の斜
線に沿い、左下隅に近い−色である。この色も無視し得
る鮮やかさをもつように思われる。それは極めて黒ずん
だすなわち濁った色でほぼ純粋の灰色およびほぼ黒であ
るが、前に考察した極めて薄暗い色の点(および純原色
着色剤)と同じ一定飽和線に沿っている。
【0148】二つ共2本の斜めの外側直線に沿っている
二つの色を比較すれば、一般にシステムの航行機器は明
るさの差を知らせる。しかし、それは飽和(鮮やかさ
?)の差を検出することができないという解釈に固執し
ている。
【0149】このようなシステムに頼っているユーザが
困惑しているのは小さな驚きである。しかし、これは物
語の終りではない。ユーザが手元に制御つまみを取り、
色立体の比較的安全な境界を内部に動かすとき、操作の
規則は一般に、間接の道筋を必要とする大きい、開い
た、見たところ構造の無い道筋を横切って運転しようと
することに似ている。更に明るさの大きい平面まで単に
移動するために、ユーザは「明るさ」の制御器を動かす
−が、直観的または知覚的に変わらない鮮やかさの色を
維持する212(図10)代わりに、知覚した鮮やかさ
は最初最大までを右方に限り215、次いで−「明る
さ」制御器の動作の方向を変えずに−フィールドおよび
装置を鮮やかさの無い方に逆に左方に戻す217、21
7’。
【0150】望ましくない結果は鮮やかさを単に上げた
り下げたりしようとする際にも生ずる。このような命令
に従ってHVCオートパイロットは必然的に水平コース
で出発し213、ユーザが、たとえば、中間の明るさの
領域で動作しているとき調節に対する合理的な応答を享
受することになる(図11)。しかし、頂点の近く、非
常に明るい領域および非常に暗い領域、では応答は非常
にのろく、長い間制御器を回し続けてから213’、ユ
ーザは大量の時間が浪費されたことがわかって落胆す
る。認め得る知覚的鮮やかさに到達することなく調節範
囲の終りに到達してしまっていることになろう。
【0151】恐らく機械の設計者はこれらの効果に注目
しており、代わりに上の頂点または下の頂点の方に行程
の2/3進んだ明るさの領域を選択し、全調節範囲をそ
の高さにある明るさ一定の線の対応する長さに割当てる
であろう。これは改善にはなるであろう−が、やはりシ
ステムの規定により頂点に非常に近い性能を有意に改善
することができない。
【0152】このような制御尺度の再規定は典型的な順
応又はいわゆる「工学的取引」(engineering tradeof
f)であるが、今は中間の明るさの点の近くで−最も屡
々使用される範囲で−不満足な動作を生ずる213を生
ずる。今は制御器は比較的小さな調節に対して比較的大
きな水平方向(半径方向)の段階を生じ、色立体の中間
での増加進行を、規定したような飽和により、色立体の
上および下での類似の増加進行と等しくしようとする。
【0153】不幸にしてこんどは中間の明るさの範囲で
の制御つまみの有効てこ比を大きく取れば、比較的小さ
な調節に対して、知覚される鮮やかさに比較的大きな変
化を生ずる213、機械は、要するに、今度は知覚鮮やか
さを進め過ぎて、鮮やかさを小さな操作補正にあまりに
も急激に反応させる。
【0154】システムはユーザの可能な所要鮮やかさの
範囲すべてを調節の利用可能範囲の非常に小さい部分に
凝結し−その調節範囲の大きさ割合を浪費している。
(この時点で熟練した設計者はユーザと共に落胆する。
システムを制御するのが困難であるばかりでなく、満足
な設計を行うことも困難である。)
【0155】このような動作は調節器が−よく知られて
いる数0から255までのような−比較的限られたダイ
ナミックレンジのディジタル制御器に取付けられている
場合には困惑を生ずるだけに止まらない。それは、制御
システムが知覚的に一様であると言われており、真に一
様なシステムでは28 ビットで充分なはずであるから、
合理的な予想であろう。
【0156】この場合には知覚鮮やかさの候補範囲全体
を狭い数値区間に押し込むことができる。これだけの大
きい粒状性があってはユーザが適切と考えられる利用可
能な鮮やかさを見出すことは偶然の一致であろう。
【0157】勿論システム設計者は、調節器の感度を明
るさに合わせるかまたは「精」および「粗」の調節器を
設けるか、またはユーザに調節範囲を所要点の周りに設
定させるというような、多数の利用可能なオプションを
所持している。始めに、老練な設計者は一般にユーザよ
りわずかに良い図7、図8、図10、および図11の道
路地図を見ることができ、したがって問題が何であるか
を見るに充分な観察を組織化することができないことが
ある。
【0158】更にとにかく色立体内部で生ずるこれら奇
妙な回り道を見ることができる設計者はそれらを防止す
る仕方を知覚することができないことがある。
【0159】f.色描写ドライバの慣習的動作 C章で既に述べたように、カラー画像をシート媒体に印
刷するコンピュータ駆動の色装置は一般に物理的に存在
するわずかな数の着色剤の混色として色を作り出してお
り−物理的に隣接するカラードットを知覚的に混合する
観察者の能力を活用することによりそれを行っている。
【0160】或る意味でこの手法は観察者の能力ではな
く弱点を開始するということができよう。観察者は、緊
密に隣り合っている微小な細部を分解することが簡単に
はできず、代わりにその複合的意味に関して知識を置き
換えている。いずれの場合でも、色のパターン、図表、
画像、または他の図形を構成するための隣接混色法は良
く確立されている。
【0161】一般に別々の計算段階−時には別々の装置
で実施されることすらある−は異なる着色剤のカラーハ
ーフトーングラフィックの利用可能な種々のドット位置
への割当を決定するのに利用されている。この着色剤の
ドット位置への割当段階は時に所要の色の「ディジタル
ハーフトーニング」または「描写」と言われることがあ
る。
【0162】この描写ドライバは実際の機械着色剤につ
いて決断を行わなければならないから、それは当然機械
着色剤空間で動作する。それ故普通には初期の色補償ま
たは調節の段階にはその出力でその知覚空間の決断が、
描写に使用するため機械言語に−すなわち、RGBまた
はCMYKのような着色剤空間に−翻訳される(翻訳し
戻されることが多い)。
【0163】このようなシステムがその作業を終ってか
ら、ユーザにとって印刷結果をCRT画面上で所要色入
力と比較するのは当然である。このような比較により一
般に描写ドライバが、個々のドット位置について、所要
の色の画面上規定には全く現れない色を選択してしまっ
ていることが明らかになる。
【0164】このようなゆがみは幾つかの分離ドットの
みに影響し、結局は大きな色フィールドでは目に見えな
い。しかし、大きなフィールドの内部においてさえ、確
実にそうとは限らない。急峻な色フィールド境界および
特に明確な色の比較的小さい領域では、特に重大な問題
が生ずる可能性がある。
【0165】これらの文脈では、慣習的なディジタルハ
ーフトーニングは累積誤差を極めて明白で且つ色彩的に
異常なドットのはっきり見える散布として伝播させる。
判断力のある顧客はこのような描写が受入れ不能である
ことがわかる。このような疑わしい結果を生ずるシステ
ム作業について次に説明することにする。
【0166】慣習的なディジタルカラーハーフトーニン
グはFloydおよびSteinbergの「AnAdaptive Algorithm f
or Spatial Gray Scale(空間グレースケールに対する
適応アルゴリズム)」、Intl. Symp. Dig. Tech. Paper
s、36(SID 1975)で単色で開発された技法から発生し
ている。元来の技法は、わずか二つの着色剤−黒および
白−を使用する装置で使用するためのものであるが、画
素印刷位置について、所要のグレースケール情報を滑ら
かに描写するような仕方で統計的決定を行うとしてい
る。
【0167】各プリンタ画素位置(x,y)で、黒ドッ
トを印刷するか否かの決定を全所要グレー情報Dk−白
W≒0、および黒K≒1で表されている−を50%しき
い値と比較することによって行う。添字「k」は灰色度
または換言すれば黒着色剤の量に関連する処理を示す。
【0168】全所要単色レベルDkの量が50%しきい
値より大きければ、すなわちDk>1/2であれば、画
素を黒く印刷する。その他の場合は白く印刷する−これ
は通常、白い媒体の場合には、単に印刷しないままにし
ておくことを意味する。いずれの場合でも、一般に実際
に印刷媒体上に現れるものに関して未だ考慮されていな
いグレー情報を表す誤差(Ek)が発生する。後続画素
はこの残留Ekを考慮しなければならない。
【0169】全所要灰色度レベルDkが50%より小さ
く、すなわちDk<1/2であり、それ故ドットが印刷
されないときは、その画素位置からの誤差Ekは変化の
ない量Dkの全量−すなわち、不足Ek=Dk−0=+
Dkであるから、所要全量Dkマイナス実際の量0−に
等しい。所要全灰色度Dkが50%より大きく、Dk>
1/2、且つドットが印刷されているときは、その位置
からの誤差は所要全量Dkマイナス印刷量1に等しく、
これはオーバーシュートEk=Dk−1、負数、にな
る。
【0170】誤差情報Ekは、正であっても負であって
も、重み付けされて将来の画素位置−典型的には幾つか
の異なる近くの位置−に蓄積され、これら画素の判定が
行われるときに使用される。図12は、活性画素(x,
y)、換言すれば印刷の判断が行われる画素、からの誤
差の分布に対する従来のパターンを示す。
【0171】わかるとおり、この拡散パターンは活性画
素からの誤差の種々の部分量を同じ行内の未だ到達して
いない一つの画素−換言すれば、決断に関する線内の次
の画素−に、および次の行にある三つの画素に移動させ
ている。未使用画素位置に(たとえば、フレームの縁を
通過して)伝播した誤差は単純に捨てられている。
【0172】更に詳細に述べれば、分布は典型的に同じ
行にある隣接画素(x+1,y)に誤差の7/16を割
当てる。次の行において中心で隣接している画素(x,
y+1)には誤差の5/16が割当てられ、その画素に
隣接する二つの画素(x−1,y+1)および(x+
1,y+1)にはそれぞれ誤差の1/16および3/1
6が割当てられる。(他の種々な割当パターンが提案さ
れており、その幾つかは、視覚的に更に満足な結果を得
ようとして、既に使用されている。)
【0173】後にディジタルハーフトーニングシステム
はその位置で所要灰色度を処理するため後続の各画素を
受取る、すなわち取上げる。その後続の、その時現在の
画素に関するしきい値判定を行う前に、前に蓄積されて
いる灰色度誤差Ekをその時現在の画素における所要灰
色度Kに加える。
【0174】和は前々節で説明したアルゴリズムで使用
される「総」所要灰色度レベルDkを表す。その「その
時現在の」画素では、灰色度誤差Ekは一般に幾つかの
異なる近辺の以前の画素から蓄積されている。これら同
じ手順を下に公式の形で記す。
【0175】 Dk(x, y)=K(x, y)+Pk(x, y) Ak(x, y)=四捨五入(Dk〔x, y〕) Ek(x, y)=Ak(x, y)−Dk(x, y) Pk(x+1, y)=Ek(x, y)・7/16+P’
k(x+1, y) Pk(x+1, y+1)=Ek(x, y)・3/16+
P’k(x+1, y+1) Pk(x, y+1)=Ek(x, y)・5/16+P’
k( x, y+1) Pk(x-1, y+1)=Ek(x, y)・1/16+P’
k( x-1, y+1)
【0176】ここでK≡所要灰色度レベル、すなわち黒
色素の量 D≡印刷すると決めた色素(計算上の)または所要着色
剤の「総」量 E≡活性画素から伝えられた誤差 A≡印刷すると決めた実際の画素 P≡前の全誤差 P’≡前の誤差の部分蓄積 x≡活性画素の列番号 y≡活性画素の行番号 後に明らかになる理由により、決断変数および誤差変数
D、E、A、P、およびP’の他に位置座標xおよびy
もここではどんな色素についても一般的な言葉で規定し
ている。
【0177】プロセスはすべての画素判定が行われてし
まうまで続く。次に統計的にすべての所要灰色度情報要
素Kを使用して画素の最良描写を行う。
【0178】図12でわかるとおり、各画素で発生した
画素Eは典型的に幾つかの隣接画素上に拡がり、その誤
差からの寄与がそれらから更に他の隣接画素−および更
になお他の画素に、以下同様−に再分布または再拡大す
ると見なすことができる。誤差のこの挙動は流体の拡散
に似ており、したがって「誤差の拡散」と言う。
【0179】この計画を実行するために、誤差蓄積バッ
ファすなわち記憶装置が各画素位置x,yについて、描
写プロセスがその画素に次第に近づくにつれて、確定さ
れる。前に処理された他のものからその画素に割当てら
れる誤差は単に対応するバッファに加えられるだけであ
る。色の用途では、フロイド−スタインベルグ法がRG
BまたはCMYK機械空間の構成要素すなわち原色の各
々に独立に適用される。すなわち、各装置本来の色に対
する画素判定は独立である。
【0180】黒に対して上に示した精密に同じ公式が機
械着色剤の各に対して使用される。ただし、各有彩原色
に対して勿論黒色素を識別する添字「k」はその原色の
該当する名称で置き換えられている。したがってたとえ
ば赤の場合には、上の公式の代表的な行は次のように読
むことができる(F≡所要入力の部分量)
【0181】 Dr(x, y)=Fr(x, y)+Pr(x, y) Er(x, y)=Ar(x, y)−Dr(x, y) Pr(x, y+1)=Er(x, y)・5/16+P’
r(x, y+1)
【0182】黒Kを独立に印刷することができる色機械
については、黒の情報をRGBまたはCMYの画素から
抽出し、その情報を分離して黒印刷装置を駆動させると
いう努力が行われる。この目的は、黒い色が原理的には
他のものの組合わせではなく黒インクによってはるかに
効率良く且つ正確に作り出されるので、有益である。
【0183】しかし、一般に、このようなシステムは所
要黒情報にあまり近似していないものしか抽出すること
ができないので、最終的に印刷された色に関して別の失
望の原因となる。
【0184】色の体制によりこの計画を実行するため
に、手順は、手がかりとしている各画素について正確に
一つではなく三つまたは四つのバッファ−いずれの場合
でも、使用中の各機械色素について一つのバッファまた
は記憶場所−を用意している。誤差の寄与を今度は、各
原色着色剤RGBまたはCMYKに対して別々に(勿論
その代数符号を考慮して)別々に加えることができる。
【0185】手順は各着色剤に一つづつ三つまたは四つ
の実際の印刷決断Ar、Ag、およびAb−または場合
によってAc、Am、Ay、およびAk−に導く。どの
点から見ても各色素に対する決断は独立に、各画素位置
に一つまたは多数の色ドット(または白W−すなわち、
ドット無し)を印刷するように進む。
【0186】システムが一つの画素で二つ以上の着色剤
を印刷すると決断する場合には、すなわち正確に行われ
るのは、着色剤を混合し、得られる色を着色剤の組合わ
せの効果により形成する。既に示したように、着色剤は
比例的に重なり合うよう動作して減色法則により予測さ
れる結果を生ずるということが屡々仮定される。
【0187】始めに示したように、今説明した描写シス
テムはすべての色のドットを所要の色が曇った装置原色
−すなわち、純有彩着色剤と灰色との組合わせ−である
区域に伝播させることができる。このような状況の特に
甚だしい特別の場合として、機械出力に入っている色情
報が入力色は灰色情報だけであるということが頻繁にあ
る。
【0188】これらの効果は、走査画像の或る新鮮な色
調で、グレースケール画像で、および最も興味のあるの
は曇った色の濃淡のない大きなフィールド−たとえば、
事務用グラフィックスで背景として使用されるもの−に
おいてさえ、容易に見られる。その他の明示は比較的突
然の色の移り変わり−所要色が明確に異なる領域間での
鋭い分割−で現れる。屡々一つの領域の着色剤が他の領
域に拡散し、境界をぼんやりさせる。
【0189】このような行動から屡々不調和と知覚され
る色効果が生ずる。たとえば、線のドットで薄く着色さ
れたレモン色、および青の画素が撒き散らされている芝
生は、描写システムが色補償の初期段階でしっかり立て
られている基本的決断を追跡することができないことに
特別な注意を喚起する。
【0190】描写ドライバは設計どおり正しく働く一方
でこのような効果を生ずることを強調すべきである。す
なわち、ハーフトーニングドライバの動作が、たとえ
ば、RGB空間においてのみ評価されている限り、その
動作は完ぺきであることがわかる。丁度「変則的」と記
されている色はドライバへのRGB入力色の完全に有効
な表現である。
【0191】反語的に、色補償にまたは調節の目的で−
すなわち、パラメータに無関係に−使用される知覚色空
間の動作で特に重んぜられるまさにその特性は、ここで
は色描写またはハーフトーニングの目的で使用される機
械空間の動作において大きな問題と関連していることが
わかる。
【0192】
【発明が解決しようとする課題】従来の色発生システム
には二つの明確な難点がある−第1に補償段階で、次に
は後の描写段階である。
【0193】最初のものは自然なまたは正確な−または
単に好ましい−色効果を得ようとしているオペレータま
たはシステム設計者の通り道に困難な障害物を設置す
る。装置は反直観的な不可解な仕方で知覚的に率直な指
令を解釈するが、これによりユーザは目標色効果を組立
てる(典型的にはCRTに表示される)にあたり複数の
繰返しを通じて苦闘しなければならない。
【0194】描写段階での難点は、補償段階でそれら動
作障害物を根気よく乗り越え、満足な色計画を作り出す
のに成功したユーザの期待をくつがえすものである。こ
の時ユーザは印刷された出力色描写を満足な計画を厳密
に追跡して楽しみにして待つが、代わりに、画像要素の
縁が曇り、色がにじみ、広いフィールドの内部でさえ色
素が知覚的に不適切になっている描写を見ることにな
る。
【0195】この分野での従来技術の文献はこれらの問
題のいずれをも基本的な色の原理またはその他に基づい
て明らかにすることができなかった。従来の技術は二つ
の問題の間の基礎的関係を見つけることができないし、
どの一つをも解決することができないでいる。
【0196】
【課題を解決するための手段】本発明を構成し、洗練す
る途中で、一定の洞察が得られた。それらは上に説明し
た従来の色モデルおよびハーフトーニングシステムのあ
いまいな挙動を完全に説明している。
【0197】それらの分析はこの文書の後の章で−本発
明の一層物語風のまたは個人指導的な説明と共に−提示
することにする。これら後述した利点が本発明の特性か
らどのように流れ出るかを一層完全に認めることができ
るようにするであろう。このパラグラフでは本発明を幾
分公式的にのみ紹介し、その利点を単に述べるだけにと
どめる。
【0198】本発明には幾つかの異なるファセットすな
わち局面がある。本発明の利益を最も完全に享受するに
は、本発明のこれら局面またはファセットはすべて好適
に共に実用化されている。
【0199】しかし、わかるとおり、従来技術からのか
なりの進歩が他のもの無しで一定の局面を実施すること
により達成することができる。この理由で本発明の幾つ
かの局面を次に別々に紹介することにする。ここに提示
しようとするこのような局面の第1のグループでは、本
発明は器械である。
【0200】さて、そのグループ内で、その第1の局面
では本発明の器械は可視媒体と共に使用するものであ
る。この器械は色画像源からの所要色情報と共にも使用
される。
【0201】この器械は媒体を着色して見えるようにす
る装置を備えている。装置は、所要色情報を受け、装置
に対して装置制御信号を発生し、(それらを発生する途
中で)一定の複雑な効果を生ずるプログラム式情報処理
装置をも備えている。
【0202】その効果には少なくとも次のようなものが
ある。 A.その情報を色相、部分量−着色剤、および黒または
部分量−黒の情報に分解すること。
【0203】B.そのように分解された情報に基づいて
色補償動作を行い、装置に対して制御信号を発生するこ
と。および
【0204】C.制御信号を装置を制御するのに適用で
きる形で表現すること。
【0205】「部分量−着色剤」という用語の意味につ
いては後のページで分析的に規定することにする。現在
のところは、このパラメータは−簡単に、黒、白、また
は灰色のような無彩色着色剤から区別されるような有彩
着色剤を使用して作られる色全体の成分を−直観的に把
握するのが非常に容易であるということを言えば充分で
ある。
【0206】その他、この器械は制御信号を、その装置
制御に適用可能な形で受取り、それらを装置の制御に適
用する幾つかの手段をも備えている。参照の一般性を保
持するための言葉の上での速記法として、これらの手段
を「装置制御手段」と呼ぶことにする。
【0207】前述の事柄は本発明の第1の局面の、その
最も広いすなわち最も一般的な形での、規定または記述
を構成することができる。しかし、この広い形によって
も、本発明のこの局面は先に説明した従来技術の問題の
大部分を解決することができる。
【0208】特に所要色の情報を色相、部分量−着色
剤、および黒の情報に分解する効果を発生することによ
り、器械は所要色の情報を知覚的に関連する仕方で操作
に従順な形で具体化するという効果を生ずる。これは二
つの理由で正しい。
【0209】(1) パラメータ部分量・着色剤および部
分量−黒の真の物理的意味は−わかるとおり、先に説明
した従来のシステムの人為的に規定された「飽和」パラ
メータおよび「ヴァリュー」すなわち「明るさ」パラメ
ータよりはるかに直観的に把握しやすい。
【0210】(2) 三つのパラメータの組合わせは、媒
体を着色して見えるようにする器械について先に開発さ
れた従来技術の色空間のパラメータよりはるかにほとん
ど独立である。
【0211】これら特性により二つの異なる種類の色空
間ユーザにとって色の操作が一層追跡可能になる。これ
らの受益者は(1) 手操作の制御器を備えている機器のエ
ンドユーザ、および(2) 自動的の内蔵色補償段を設けた
いと思っている色システム設計者である。
【0212】本発明の第1の局面の他の利点は、上述の
その一般的な形においても、−直観的に把握され且つ独
立なパラメータ集合であるにかかわらず−上述の三つの
変数が装置言語の指令に一層直接的に変換されるという
ことである。すなわち、これらパラメータは色素情報に
一層直接に関連している。
【0213】その結果、このようにしてコード化された
色情報は(それ故色補償動作に容易に適合するが)装置
制御手段に使用することもできる。換言すれば、このパ
ラメータ集合による情報は描写段および色素分配サブシ
ステムの両者を駆動するために比較的直接に適用するこ
とができる。
【0214】わかるとおり、この長所は、装置に伝達す
るため制御信号を他の或る色空間(たとえば、RGB)
に翻訳し、続いて装置の実際のサブシステムを駆動する
特定のパラメータに翻訳し戻す必要があるシステムにお
いてさえ、或る程度、生き残る。特に著しい結果がこの
パラメータ集合を知覚的色操作空間および描写空間の両
者として使用するという簡単な適応性から生ずる。この
二重適応により事実ハーフトーニングを知覚空間で行う
ことができる。
【0215】したがって各画素における着色剤の選択
を、色素に分解してからではなく、入力色により行うこ
とができる。この能力を活用して、システムは−所要色
に無関係の色素の画素のような−描写から得られる色の
人工生成物を防止するように作ることができる。
【0216】始めに部分量−着色剤および部分量−黒
は、クロマおよびヴァリューというマンセルの概念に密
接に関連しているが、これら概念と同一の概念的に同等
のものと見なすべきではないということを認識するのが
重要である。本発明は第1の原理に戻り、色を概念化す
る全く新しい方法を開発することから得られる。
【0217】先に説明した従来技術の機械システムの不
適さの或る部分は期待が挫折することから生ずる。すな
わち、それらは制御つまみまたはコンピュータ画面メニ
ューによる選択が実際に「明るさ」または「鮮やかさ」
を抜き取ることに対応するというユーザの妥当な信念か
ら生ずる。
【0218】これはその従来技術の不適格さのすべてが
平凡な意味論である−すなわち、単に動作制御器に次ぐ
意味深い言葉を置くことができない−ということではな
い。これらシステムの問題は単にユーザに制御器が実際
に行っていることを説明するだけで矯正することはでき
ない。
【0219】その理由は各制御器の実際の作業において
使用する抽象のレベルは大部分のユーザが把握するには
全く大き過ぎるということである。理知的に管理不能な
のはパラメータの名称(たとえば、「飽和」)ではな
く、そのゆがめられた物理的意味−明るさについて補正
されたクロマ、またはシステムの全範囲に正規化されて
いるが、中間の明るさの平面に対して対称な飽和−であ
る。
【0220】これは初期のシステムが動作する仕方につ
いての後程の説明で完全に実証される。しかし、本発明
のパラメータは−色を理解する初歩的レベルにあるユー
ザに極めて受け入れられ得、そのレベルで正しく理解さ
れ得るものでもあるが−ユーザの期待を打ち砕くのでは
なく満足させることができる。
【0221】したがって本発明の第1の局面はその最も
広いまたは最も一般的な形でさえ、先に紹介した従来技
術の問題の大部分を解決する。それにもかかわらずその
生来の利益を完全に享受するには本発明の第1の局面を
他の一定の特徴または特性に関連して実用化するのが望
ましい。
【0222】特に、前述の本文はプログラム式情報処理
装置が上に挙げた分解し、実行し、表現する各ステップ
の効果を生ずるためのものであることを指摘している。
好適に処理装置は実際に情報を直接そのように分解手段
もまたは色補償動作を直接行う手段をも備えていない。
【0223】処理装置は参照テーブルから値を選択する
手段の代わりに、あらかじめ多数の所要色に対して、分
解・実行・表現の効果を生ずるよう準備されているのが
望ましい。この近道により処理装置を更にはるかに穏当
な能力で使用することができ、しかもわずかな時間で−
恐らくは千分の1時間で−全処理を完了する。
【0224】参照テーブルは分解の影響を実質的に色
相、部分量−着色剤および黒の情報に取入れている。テ
ーブルはまた色補償動作の影響、および動作信号の表現
を装置を制御するのに適用し得る形で取入れている。
【0225】情報処理装置は参照テーブルから値を選択
して分解・実行・表現の効果を生ずる手段を備えてい
る。その他に、テーブル規定手段が今度は一つではなく
二つ以上の参照テーブルを規定する幾つかの手段を備え
ることが更に望ましい。
【0226】この最後に記した選択に対する一つの理由
は器械を複数の異なる形式の可視媒体のどれか一つと共
に使用するためとすることができるということである。
たとえば、装置がシート媒体上に印刷する機械であれ
ば、異なる形式の媒体を普通の紙、光沢紙、模造皮紙、
または或る他の特殊形式の紙、または色の透明度を作る
透明プラスチックシートとすることができる。
【0227】この場合には、テーブル規定手段は各々が
上に一つのテーブルについて説明したような複数のテー
ブルを規定する手段を備えている。ここで各テーブルは
更に複数の異なる形式の可視媒体のそれぞれの一つを有
する器械の使用の影響を取入れている。
【0228】二つ以上のテーブルを規定することが望ま
しいことの他の理由は装置制御手段が複数の異なるハー
フトーニングの体裁の一つを使用して色描写を行う−い
わゆる「ハーフトーニング」−幾つかの手段を備えるこ
とができるということである。この場合には各テーブル
は複数のハーフトーニングの体裁のそれぞれの一つを使
用する影響を組み入れている。
【0229】異なるハーフトーニングの体裁と異なる媒
体とを相互に組合わせることの影響を組込んだテーブル
を設けることが望ましい。
【0230】他に、有利に異なるテーブルを異なる色制
御決断の効果を取入れるように設けられている。好適
に、たとえば、オペレータは(1) 実質上それが表示画面
に現れる印刷色と(2) 明瞭な、率直に理解される色修正
とを選択する自由を持ちたいと思うことがある。
【0231】このような修正は本発明を利用する特に効
能のある仕方で取入れることができる。既に記したよう
に、色相/部分量−着色剤/黒のパラメータ集合は知覚
的に意味のある色調節に特に良く適応している−これを
効率良く且つ有効に装置に伝えることができる。
【0232】このようにして好適にはユーザに、たとえ
ば、表示画面上に実質的に現れるより鮮やかに印刷を行
う能力を与えるのが望ましい。従来技術の色空間につい
ての先の説明を参照することにより、ユーザが黒さまた
は色相を変化させずにこのように鮮やかさを増し得るこ
とを期待するであろうことが今や認められるであろう。
【0233】色相/部分量−着色剤/黒パラメータ集合
では、他を少しも変化させずに部分量−着色剤を増すこ
とにより精密にこのような変化を得ることができる。部
分量−着色剤は知覚される色の鮮やかさに非常に厳密に
対応するが、これまで使用されているHLSシステムま
たはHVSシステムの人為的に規定された「飽和」パラ
メータには対応しない。
【0234】この色装置の能力の高まりは既に説明した
テーブルルックアップ構成を使用することにより得るこ
とができる。この場合には異なる色制御決断について異
なるテーブルが設けられる。
【0235】このように鮮やかさ増大の例を追求するこ
とにより、各テーブルは複数の異なる部分量−着色剤設
定値のそれぞれの一つを使用することの影響を組入れて
いる。好適には異なる部分色番号、異なる媒体、および
異なるハーフトーニングの体裁の間の相互組合わせの影
響を取込んだテーブルが設けられる。
【0236】正確に一つの増大した鮮やかさ(部分量−
色より高い)の設定値を与えればシート媒体色印刷装置
の能力が実質上高められることがわかる。この高揚は非
常に費用効果的であり、相互組合わせテーブルの数を二
倍にするだけの費用の増大で得られる。
【0237】本発明の第2の局面では、なおも第1のグ
ループの内部で、器械は今度も可視媒体と共に使用され
る。ここでは媒体は可視光投射ができると規定されてい
る。
【0238】この「投射」の語はこれにより本書の目的
で、特に特許請求の範囲の或るものにおいて特別な仕方
で使用するために規定されている。この用語は反射およ
び媒体を光と反応することができる他の仕方の双方を含
むと理解するものとする。
【0239】光の相互作用のこのような他の態様の一つ
の例は透過−媒体(たとえば、透明なプラスチックシー
トまたは他の形式の可視媒体)が着色後反射光ではなく
透過光により見られる状況に関連する−である。他の例
は放出で、シートまたは他の媒体が、たとえば、燐光物
質または蛍光物質などを使用して着色して見えるように
される状況に関連する。
【0240】本発明の第2の局面の器械も媒体の少なく
とも一つの特定の領域に対する所要色を規定する色画像
源からの情報と共に使用するものである。この器械はこ
のような特定の領域を着色して見えるようにする装置を
備えている。
【0241】その装置は、今度は、少なくとも次の要素
を備えている。 (1) 特定の領域に、関連する第1の装置原色の可視光を
選択的に投射させ−排他的にこの色と関連して使用する
或る手段、および
【0242】(2) 特定の領域に、関連する第2の装置原
色の可視光を選択的に投射させ−今回も、排他的にこの
色に関して使用する或る手段。
【0243】これら二つの要素を参照する際幾らか明確
にするために、最初に記したものは「第1装置原色手
段」、第2のものは「第2装置原色手段」と呼ぶことに
する。これは三つ以上の「装置原色手段」を許容しない
ことを示そうとするものではない。それ故特許請求の範
囲の或るものでは、「少なくとも第2の装置原色手段」
という言語が出てくる。「投射する」という語は上に規
定した関連形態「投射」と同じ意味に理解するものとす
る。
【0244】装置原色手段は典型的には着色剤を放出す
る、またはあらかじめ設置してあるまたは埋込んである
着色剤を作動させすなわち刺戟して実際に着色するよう
にする、等々の、サブシステムとして実施することがで
きる。特定の領域に可視光を選択的に投射させるための
多数の異なる種類の手段が本発明の範囲内で考えられ
る。
【0245】第1装置原色手段および第2装置原色手段
は共に特定の領域にそれぞれの装置原色−すなわち、そ
れぞれ第1のこのような色および第2のこのような色−
の可視光を選択的に投射させることに対して「排他的」
である。「排他的」の語はしたがって装置原色手段が領
域に選択的に投射させる色を限定することとしてのみ解
釈するものとする。
【0246】したがって語「排他的」は装置原色手段が
他の付随的機能を所持してはならないという限定として
解釈しないものとする。対照的に、装置原色手段は事
実、着色剤を使い切ったとき、または着色剤放出システ
ムが詰まったとき自動警報を発生するインターロック、
急速解放挿入機構、などのような他の機能を備えること
ができる。
【0247】器械はまた所要色の情報を受取り、装置に
対して装置制御信号を発生し−もう一度−複雑な効果を
生ずるプログラム式情報処理装置を備えている。ここで
処理装置により作り出される効果は四つの部分で表され
る。
【0248】A.第1に、効果には所要色情報を実質上
少なくとも(1) 部分量−着色剤情報、すなわち排他的に
所要色の有彩色部分の大きさであり、このような所要色
の情報から実質的に直接決まるもの、および(2) 色相情
報に分解することが含まれる。
【0249】B.第2に、効果にはそのように分解され
た情報に関する色補償動作が含まれる。効果には器械の
他の部分の既知の部分着色剤ゆがみ導入特性および色相
ゆがみ導入特性を考慮することが含まれる。
【0250】器械のこのような部分の一つは装置および
色現出装置である。器械の他の部分は装置制御手段であ
り、これについて手短かに説明することにする。効果の
この第2の部分にはゆがみ導入特性を考慮して少なくと
もこれら二つの形式の情報を発生する色補償動作が含ま
れる。
【0251】(1) このような部分量−着色剤のゆがみの
導入を無効にする傾向のある新しい部分量−着色剤情
報、および(2) このような色相のゆがみの導入を無効に
する傾向のある新しい色情報。新しい色相情報は少なく
とも次の三つの色相情報から構成されている。 (a) 特定領域に対する優勢な原色として役立つ装置原色
の特定の一つの識別、(b) 特定領域に対する次位の原色
として役立つ装置原色の特定の他のものの識別、(c) そ
れぞれ優勢のおよび次位の原色に割当てられるべき部分
量−着色剤の細分部分量
【0252】C.第3に、効果には装置に対して先に述
べた装置信号を下記により発生することが含まれる。 (a) 新しい色相情報要素の要素(a) を排他的に適用し
て、特定の一つの装置原色手段を選択する信号を発生
し、選択された優勢な原色を供給する。 (b) 新しい色相情報要素の要素(b) を排他的に適用して
特定の他の装置原色手段を選択する信号を発生し、選択
された次位の原色を供給する。 (c) 新しい部分量−着色剤情報、および新しい色相情報
要素の要素(c) を排他的に適用して、それぞれ、排他的
に選択された装置原色手段の動作を変調する信号を発生
して優勢な原色を供給し、排他的に選択された装置原色
手段の動作を変調する信号を発生して次位の原色を供給
する。
【0253】想起されるように、色相要素の要素(c) は
それぞれ優勢のおよび次位の原色に割当てられる細分部
分量である。したがって効果にはこれら細分部分量を適
用してそれぞれ対応する装置原色手段を制御する信号を
発生することが含まれる。
【0254】D.第4に、効果には装置の制御に適用し
得る形の装置制御信号の表現が含まれる。装置およびプ
ログラム式処理装置の他に本発明のこの第2の局面の器
械は装置制御信号を受取り、それらを適用して装置を作
動させる幾つかの手段を備えている。これら「装置制御
手段」はプログラム式情報処理装置から信号を今記した
装置に適用し得る形で受取る。
【0255】装置制御手段は制御信号を適用してプログ
ラム式処理装置により発生された効果を実施する。特に
装置制御手段は信号を適用して優勢および次位の原色の
選択、および排他的変調を行うが、これは処理装置によ
り発生される効果の部分である。
【0256】前述の事柄は本発明の第2の局面のその最
も一般的なすなわち広い形の記述または規定となり得
る。しかし、この排他的な形によってさえ、先に説明し
た従来のシステムの問題を解決することがわかる。
【0257】一般に本発明の第1の局面を参照して行わ
れる評言はこの第2の局面にも同様に良く適用される。
しかし、更に特殊な利益を今度は見ることができる。特
に、ここではシステムが媒体の領域に関して動作すると
いうことが明白になる。この言葉は媒体の異なる部分に
対する色の決定は異なる−が同時にそれらは必要がない
ことを示している−という事実を強調している。
【0258】たとえば、所要部分量−着色剤および部分
量−黒がグラフィック全体に対して設定されるとすれ
ば、異なる領域について色相だけが変化する。代案とし
て、色相および部分量−黒を、フレームおよび部分量−
着色剤により排他的に区別された各種領域を横断して設
定することができる。
【0259】更にその第2の局面で実用化される本発明
は部分量−着色剤の既知のゆがみの他に、装置および制
御手段で発生する色相も−両段階とも補償から「下流」
にある−補正するという効果を明白に発生する。このプ
ロセスでは認められたゆがみを考慮に入れた新しい部分
量−着色剤(および色相)の新しい値が発生される。
【0260】更に詳細に述べれば、新しい色相情報は各
画素で活性になっている二つの原色の各々に割当てられ
る部分量−着色剤の細分部分量を備えている。対応する
画素に対する部分量−着色剤に適用すると、これら細分
部分量は各画素で活性になっている二つの原色の所要量
を生ずる。
【0261】これら効果は、たとえば、従来技術のシス
テムで規定されたような「飽和」によってではなく、部
分量−着色剤により与えられるので、色相および部分量
−着色剤のゆがみは一層直接に且つ効果的に無効になる
傾向がある。部分量−着色剤変数は知覚的に必要な補正
と装置命令との間の更に良好な相関リンクとなる。
【0262】実際問題として、装置は一般的に描写段階
を通じて駆動されるが、既に記したようにそれは本発明
を使用するときの関係はこれまでの関係ほどかけ離れて
いない。本発明の他の局面−特に描写方法に関する−は
この緊密なリンクを活用するとき他の形式の描写システ
ムより効果的である。
【0263】本発明の他の局面による描写ドライバの望
ましい動作を簡略に説明する。その描写システム内部で
は、わかるとおり、入力色(たとえば優勢原色)を呼出
す受信情報は、実際に引出され、必要に応じて記憶装置
に保存され、究極的に一つの対応する装置原色手段だけ
を制御するのに適用される。したがって部分量−着色剤
変数により供給される一層良好な知覚対機械の相関は単
に抽象概念だけではなく本発明の長所として実際に実行
することができる。
【0264】しかし、本発明の第1の局面の場合のよう
に、本発明をその最も広いまたは最も一般的な形で実用
化するのが有利であるばかりでなく更に他の特徴または
特性を組入れるのが特に有益である。性能を高める特性
には次のものがある。
【0265】色現出装置は更に、このような特定の領域
の可視光投射の特定の部分を実質上色彩的に抑制する幾
つかの専用手段を備えることが望ましい。これらの手段
をここでは「グレースケール手段」と呼ぶことにする。
【0266】その他に、プログラム式情報処理装置は更
に次のA〜Dの効果を生ずる手段を備えるのが望まし
い。 A.また部分量−着色剤の所要色情報からの分離−すな
わち、実質上無彩色を抑制する所要部分量 B.また、少なくとも装置および装置制御手段の既知の
部分量−黒ゆがみ導入特性を考慮してこのような部分量
−黒のゆがみの導入を無効にする傾向のある部分量−黒
情報を発生する、部分量−黒情報に関する色補償動作。 C.更に他の装置制御信号の発生−新しい部分量−黒情
報を排他的に加えて排他的にグレースケール手段の動作
を変調する信号を発生することによる。および D.更に他の装置制御信号を装置を制御するのに適用し
得る形で表すこと。
【0267】本発明の第2の局面のこの好適形態では、
装置制御手段もプログラム式情報処理装置から更に他の
装置制御信号をその装置適用可能な形で受取り、それら
をその形で加えてグレースケール手段を排他的に作動
し、制御する。
【0268】したがって黒情報の処理は色彩情報の処理
と並列である。しかし、黒データのこの独立の処理を加
えることにより、著しい且つ重要な三ッ組から成る能力
が生ずる。
【0269】(1) 第1は上の色彩分析のものと直接並列
する利益である。黒はここに記した色空間における独立
パラメータであり、示されるとおり、これは知覚的に直
観的である−がその他にそれは機械空間の独立要素であ
る。 したがって今度もゆがみ発生機構を無効にし−必要なら
ば、他の知覚的操作を行う−項目と装置を制御する項目
との間に緊密なリンクが存在する。知覚空間と機械空間
との間のこの緊密な連鎖は設計者およびユーザの双方に
とって特に強力な制御要素を生ずる。
【0270】(2) 第2に、部分量−黒情報の独立な処理
により有彩着色剤の減色組合わせにより黒および灰色を
表現する慣習を回避する機会が開かれる。その慣習は非
経済的であると共に不正確である。 わかるとおり、この機会は本発明の第2の局面のこの増
強された形態で特に大きい効果を得るのに利用される。
部分量−黒は、まさしく最初に、入力所要色情報から非
常に直接的に且つ正確に得られる。したがって所要の黒
から装置黒までのスループットは色素の使用にあたって
極めて効率的にし得ると共に非常に直線的にもすること
ができる。そのスループットは既知のゆがみを無効にす
るためおよび審美的な好みに基づいて所要の修正を行う
ために中断されるだけである。
【0271】(3) 第3に、黒情報のこの処理は、部分量
−着色剤の先に説明した概念に関連して、一層著しい利
益を生ずる。これら二つの部分量を目に利用し得る色の
全体から差引くと残りの一つの着色剤部分量、白、の量
または大きさが明白に得られる。 したがって本発明は分離した黒信号および白信号の組合
わせを使用して色空間の周りの簡単な航行を行う機会を
提供する。下記はこれら二つの信号が、分離してまたは
集合的に色空間の末端に関連する特定の情報をどのよう
にして備えているかを説明するものである。
【0272】色の三角形、すなわち色相ページ、は2本
の線:(1) 白を最も飽和した色と接続する線−実際には
黒が0に等しい色の線、および(2) 黒を最も飽和した色
と接続する線−実際には白が0に等しい色の線、により
形成される。これら2本の線は色の全範囲の外周を表し
ている。
【0273】上方の線で表されている色、すなわち上部
全範囲面で表されている色にはHPGの黒部分を0に単
にクランプすることによりアクセスすることができる。
下部全範囲面、すなわち下方の線にはHPGの白部分を
0にクランプすることによりアクセスすることができ
る。
【0274】したがって広範な大多数の実際的な場合に
おいてはシステムはほとんど理想的に(a) 物理的着色物
質、(b) 作動エネルギ、および(c) 動作時間を保存す
る。同時に本発明は曇った灰色、白、および黒の発生を
回避する−混色を通じてかすかに見える不釣合な着色剤
の痕跡はあるが。
【0275】本発明の第2の局面に関しては、第1およ
び第2の装置原色手段が各々物理的に、一つの色素、発
色物質、などを駆動する一つの単位システムか−または
代わりに一組のこのようなサブシステム−のいずれかに
することができることを明らかにしておくべきである。
この解明は原色着色剤を、たとえば、二つの色素、物質
などの減色混合として実現するのに必要なきまり文句を
考慮するために記される。
【0276】たとえば紙にインクを印刷する機械では、
第1の装置原色手段、第1の装置原色インク、第1のペ
ン、および対応する作動回路を備えることができる。代
案として同じ手段は第1の原色インク対、第1の組のペ
ン、および対応する第1の組の作動回路を備えることが
できる。
【0277】第2の装置原色手段についても類似の叙述
が真である。第1の装置原色手段および第2の装置原色
手段のいずれが単位サブシステムか1対のこのようなサ
ブシステムであるかは所要の色によってきまる。
【0278】一般に印刷システムでは二つの装置原色手
段の一方が単位で、他方が1対であり、第1および第2
の装置原色手段は特定の一つのインク、ペン、および回
路を通常共有している。
【0279】これらの関係は所要色相は、それが全く同
一に原色着色剤でない限り、必然的に二つの隣接原色着
色剤の間にあるという事実から生ずる。普通現在の機械
では(ただし必ずしもそうではないが)偶数の有彩原色
が使用され、その一つおきのものがそれぞれの単一着色
剤物質として物理的に装置に存在する。
【0280】このようなシステムでは、それ故、二つお
きの隣接原色の一つが装置に物理的に存在する着色剤物
質に対応し、その二つの他方が二つの物理的に存在する
着色剤物質の混合体として形成される。これらすべては
次の詳細な説明から更に明らかになるであろう。
【0281】その局面の第3では、本発明は表示画面装
置上の表現に対応するハードコピー出力を発生する器械
である。この器械は黒色素プリントヘッド、および複数
の異なる有彩色素プリントヘッドを備えている。
【0282】器械はまたプリントヘッドに接続されて黒
のおよび有彩色素のプリントヘッドを選択的に作動させ
る幾つかの手段を備えている。上のように参照を明確に
するため、これらの手段を「ドライバ手段」として区別
するのが便利である。ドライバ手段は表示画面装置から
受取った成分入力を修正する幾つかの手段を備えてい
る。これら手段を「色補償手段」として区別することに
する。
【0283】本発明のこの第3の局面によれば、色補償
手段の動作は次の三つのパラメータを有する色モデルに
基づいている。
【0284】色相 部分量−着色剤、および部分量−黒
【0285】さて本発明のこの第3の局面は、もう一度
一般的に表すが、他の局面について上に記した多数の長
所を備えている。それは色素をハードコピー上に配置す
る−印刷装置のような−装置に利用し得るこれら利益を
一層明白にする。
【0286】それはまたこれら利益を、CRT、LC
D、または他のカラーディスプレイ画面で組立てられる
色を利用するアプリケーションプログラムにより駆動さ
れるような装置に一層明白に結びつける。
【0287】本発明の局面の第2のグループでは、本発
明は方法である。そのグループ内で、その第1の局面で
は本発明は可視媒体を着色して見えるようにする色発生
機械を作動させるカラーハーフトーニング法である。特
にこの方法は、色情報源からの所要色情報に対応して媒
体を着色して見えるようにするためのものである。
【0288】この方法は幾つかのステップから構成され
ている。第1のステップは源から所要色情報を受取り、
それが知覚パラメータで表されていなければ、その情報
を知覚パラメータに分解することである。他のステップ
は次にその情報を利用して、それが知覚パラメータで表
されている間に、描写情報を発生することである。この
後者の情報は、それぞれ機械の各画素位置における特定
の着色剤を表している。
【0289】更に他のステップはその描写決定情報を適
用して、それぞれ特定の画素位置に関連して作動させる
ため機械の特定のサブシステムを選択することにより機
械を制御することである。
【0290】前述の事柄は本発明の第1の方法局面の記
述または規定をその最も広いすなわち最も一般的な形で
構成することができる。この形においても本発明のこの
局面は先に記した従来のハーフトーニングシステムの不
愉快な特性を解決する。
【0291】一層詳細に述べれば、想起されるようにこ
れら初期のシステムは所要色と個々には関係していない
個別の色のドットを発生する。アレイ全体を或る種の平
均的基礎で見るとき多分幾らかの関係が存在するが、個
々に考察されるドット色は所要色とは無関係である。
【0292】この望ましくない結果を理解する鍵は描写
ドライバに関する従来技術の章の一つの記述に見出すこ
とができる。提案はハーフトーニングシステムは機械着
色剤についての決断を制御しなければならないから、
「当然そのシステムは機械着色剤空間で動作する」とい
うことである。
【0293】この考え方は事実充分自然であるが、問題
の根本に横たわっている。この動作態様は知覚空間パラ
メータからRGBまたはCMYKへの変換に典型的に伴
い、実際に必要な色の識別を保存しない。
【0294】換言すれば、その変換の下流でシステムは
知覚的に必要な入力色のトラックを失う。描写ドライバ
は入力色を構成すべき機械着色剤についての情報だけを
所持している。
【0295】目標の色は未知であるから、システムは初
期の各種画素からの誤差の累積残存分量を用いて作業し
なければならない。これら伝播したフロイド−スタイン
ベルグ誤差数は最初に色補償段で使用した知覚色空間に
は関連していない。
【0296】事実これら誤差は時々元来のものに無い色
に累積し−このように残存誤差拡散プロセスからはじき
出される着色剤を実際に印刷することからシステムを拘
束するものは何も無い。プロセスの終わりに、結果とし
て得られる画素は組合わされて可視媒体について空間的
に且つ観察者により知覚的に評価されるだけで−決して
描写ドライバ内部で評価されることはない。特に、険し
い色の縁または小さい、明確に着色した画像フィールド
の近辺だけに限らず、かけ離れた色が変態的に散布する
ような結果を生ずるのはこの動作態様である。画像の縁
の曇りやこのような縁を横切る色のにじみがこれから直
接生ずる。
【0297】上に述べた本発明はこの問題を匡正する手
段を提供するものであり、その手段は知覚空間で動作す
る。所要色についての情報を保護し、その情報を最終着
色剤選択プロセスで候補着色剤をふるい分けるのに使用
することができるようにする。現時の通語では、このよ
うなプロセスを進行中の「現実感チェック」と記すこと
ができる。
【0298】本発明は上述したように問題を解決するこ
とができるが、好適には本発明はその可能な利益を最適
にする更に他の特徴または特性に関連して実用化され
る。
【0299】特に本発明はその第1の方法局面で好適に
更に、情報利用ステップの後に別のステップを備えてい
る。そのステップは特定の着色剤を、各画素位置で、機
械パラメータを用いて叙述しなおすことである−ただし
その知覚的表現を既に機械パラメータで表されているよ
うに正しく解釈することができない場合とする。
【0300】ここで機械パラメータはその機械により採
用されている別々の物理的着色手段に一義的に対応する
ことを理解すべきである。適用ステップは独立の制御信
号にアドレスして、それぞれ別々の物理的着色手段に関
連している機械の別々のサブシステムを作動させること
から成る。
【0301】これらサブシステムは更に画素位置に関し
て制御することができる。その結果この方法は別々の物
理的着色手段を各画素位置に特別に割当てることを行
う。知覚情報を特に有効に適用して色機械を駆動する更
に別の鍵が存在することがわかる。その鍵はそれらの信
号と−すなわち、機械の言語と−適切に密接な関係にあ
る特定の知覚言語を選択することである。
【0302】他に、情報利用ステップは、各画素に対す
る描写決断情報を発生してから行う更に別のサブステッ
プを備えていることが望ましい。そのステップはまたそ
の画素について知覚パラメータで表されている得られた
色誤差を決定することを含んでいる。
【0303】その上、情報利用ステップは各画素に対す
る誤差決定ステップの後で行われる更に他のサブステッ
プを備えていることが望ましい。そのステップは知覚パ
ラメータで表されている色誤差を、情報利用ステップが
それについて未だ行っていない他の特定の画素に分散さ
せる。
【0304】また、誤差分散サブステップの後、後で描
写決断発生を、次いで誤差決定サブステップを、次いで
誤差分散サブステップを、その順序で、ただし前記他の
特定の画素に関して多数回繰返して行うのが望ましい。
描写決断発生のこのような各実行の後で、その画素位置
に対して、所要の色に、それに対して誤差分散ステップ
が前に行っている他の画素からその画素に分散された前
記色誤差を最初に取込むことが望ましい。この誤差の取
込みは知覚パラメータで行うものとする。
【0305】本発明の方法の第2の局面は色発生機械を
作動させるカラーハーフトーニング法でもある。機械は
作動されて所要色の情報の源からの所要色情報に対応し
て可視媒体を着色して見えるようにする。
【0306】方法は所要色の情報の源から情報を受取
り、それを実質上色相、色相、部分量−着色剤、および
灰色に分解するステップから成る。この分解機能は所要
色の情報が既にそのように分解されていない場合に限り
行われる。色相、部分量−着色剤、および灰色は四つの
着色剤の部分量で表されており、それら四つの着色剤は
機械の各画素位置について次のように規定されている。
【0307】−優勢原色、−次位の原色、−黒、および
−白。
【0308】本発明の第2の方法局面は更に情報をその
とき利用するステップを備えているが、その情報は実質
上、色相、部分量−着色剤、および灰色に分解され、描
写決断情報を発生する。描写決断情報は実質上、機械の
各画素位置での特定の所要の色相、部分量−着色剤、お
よび灰色を表している。
【0309】描写決断情報は、各画素位置で使用するた
めの、機械で実施することができるそれぞれの単一着色
剤の選択から構成されている。
【0310】本発明はこの局面で、実質前記所要の色
相、部分量−着色剤、および灰色の代わりに、前記単一
着色剤を使用することから生ずる分散可能な誤差をその
とき決定する更に他のステップを含んでいる。なお更に
他のステップはこうしてから実質上色相、部分量−着色
剤、および灰色で表されている前記誤差を近辺にある所
定の他の画素位置に分散する。
【0311】この第2の局面での本発明のなおその上の
実行には−情報利用ステップの後−単一選択着色剤に関
連する情報を適用して機械の一つ以上の特定の対応する
サブシステムを選択して作動させることである。
【0312】もう一度、前述の事項は最も広いまたは最
も一般的な言葉による本発明の記述または規定で表現す
ることができるが、このような言葉によってさえ、従来
技術のすべての困難が解決されることがわかる。一般に
本発明の第1の方法局面によるこれら困難の解決につい
ての評言はここでも同様に適用可能である。
【0313】その上、その第1の局面の有望な効果と非
常に有利に相互作用することはここに採用している特定
のパラメータ集合の長所である。これらパラメータが−
そのパラメータの独立性およびその直観的特性により−
特に有利な知覚空間を形成しているという単純な理由に
より本発明の第1の局面の基本的推進力は特に満足に実
施される。
【0314】本発明の第2の方法局面は、しかし、その
進歩を超えて良く進行する。本発明のこの局面の顕著な
利益は色相/部分量−着色剤/灰色の色空間と機械パラ
メータとの間の関係が非常に直接的なことにある。
【0315】すなわち、一旦作業が知覚パラメータを用
いて行われてしまえば、機械動作への変換で失われるも
のはほとんど無い。それは、事実、非常にわずかな変換
しか必要としないからである。
【0316】今度も本発明の利益を最適に享受するには
一定の他の特徴または特性を取入れるのが望ましい。た
とえば、誤差決定ステップは分散可能誤差を原色着色剤
の部分量で表すことから構成するのが望ましい。本発明
の第2の方法局面を表す目的で、原色着色剤を次のよう
に規定する。
【0317】−有彩着色剤、および−黒、および−白、
【0318】誤差分散ステップは各分散可能原色着色剤
誤差分数の部分を所定の他の画素位置の各々にそれぞれ
寄与させることを含むのが更に望ましい。好適にはこの
寄与は幾何学的重み付けパターンに従って実質上行われ
る。
【0319】また方法は好適に、各原色着色剤について
別々に、前記他の各位置について、それに寄与するすべ
ての画素からの誤差寄与を累積する更に他のステップを
備えている。加えて利用ステップは好適に、各特定の画
素に対する描写決断情報を発生する際、下記のサブステ
ップを備えている。
【0320】所要色の色相、部分量−着色剤、および灰
色から所要色の下記追加要素を更に決定する。 (a) 所要の優勢なおよび次位の有彩原色着色剤の識別、
および(b) 四つの活性着色剤すべての所要部分量。
【0321】次に、その特定の画素について、四つの活
性着色剤の所要部分量を対応する四つの原色着色剤につ
いてその画素の累積誤差にそれぞれ加えて、印刷する前
にその画素に対する四つのそれぞれの複合誤差を決定す
る。
【0322】次に、特定の画素位置で、四つの活性着色
剤のうち複合誤差の最も高いものを印刷する決断を下
す。認められるとおり、この望ましい動作態様は知覚情
報を使用する情報利用ステップを実際に束縛するという
効果を有する。
【0323】本発明の第3の方法局面は独立に、しかも
知覚色空間の使用を参照することなく、束縛原理を取扱
う。更に詳細に述べれば、第3の方法局面は同様に、複
数の着色剤を使用する色発生機械を作動させて、源から
の所要色の情報に対応して可視媒体を着色して見えるよ
うにするハーフトーニング法である。
【0324】この方法は源から所要色情報を受取るステ
ップを備えている。方法はまた次に情報を利用して機械
の各画素位置でそれぞれ特定の着色剤を表す描写決断情
報を発生するステップを備えている。
【0325】この情報利用ステップは次の二つのサブス
テップから成る。所要色情報を機械により使用される着
色剤の数を抑制するのに使用できる言葉で表す。
【0326】描写決断情報の発生を抑制して、前記言葉
で表されている入力色と少なくとも或る特定の程度の関
係を有する着色剤だけを選択する。
【0327】その他に、方法はその発生された描写決断
情報を適用して機械を制御するステップを備えている。
更に詳細に述べれば、その情報を適用して機械の特定の
サブシステムを選択し、それぞれ特定の画素位置に関連
して作動させ、これら特定の物質を特定の画素位置に関
連し作動させる。
【0328】本発明の第3の局面のこの一般的表現は先
に述べた従来技術の問題を大幅に改善する。しかし、一
定の他の特徴または特性に関連してそれを実行するのが
望ましい。
【0329】たとえば、上述の関係の程度は所定の着色
剤は少なくとも入力色だけを構成する成分色すなわち原
色として使用される限られた数の着色剤の一つであるこ
とが望ましい。わかるとおり、この条件が意味を持つな
らば、今度は幾つかの更に他の制限が知覚空間の選択に
加えられる。というのは幾つかのシステムは色を形成す
るのに利用可能なすべての着色剤の部分量を利用するこ
とがあるからである。
【0330】最良の結果を得る場合本発明を実施する最
も高度に望ましい態様は上に提示した幾つかの器械およ
び方法局面のすべても一つのシステムに取入れることで
ある。本発明の前述の動作原理および長所のすべては、
付図を参照して行う以下の詳細な説明を考察すれば一層
完全に認められるであろう。
【0331】
【実施例】本発明の動作を充分認識するためには先づ、
先に詳細に説明した従来技術の二つの色空間の内部動作
を理解するのが役に立つ。残念ながら従来技術は明らか
に、これら初期システムの色調節命令に対する非常にわ
けのわからない応答を説明するのに適当なこれら色空間
についての理解が欠けている。
【0332】本発明を完成する過程においてのみこれら
見たところ不合理な応答に対する理由を一層詳細に理解
することが可能になる。それ故ここでは初期の従来技術
の議論に関してではなく、それらの説明を提供する。
【0333】1.従来技術の「HSV」色空間のより深
い理解 図13は図7および図8におけると同じHSV色相ペー
ジを表したものである。しかし、図13には色相ページ
の内部に計算図表的線が入っており−色空間の内部構造
を示している。特に図13にはヴァリューV≒1を表す
上部斜線ばかりでなく、その上部斜線に平行で他の一定
のヴァリューVを表す内部線119も含まれている。こ
れらの線の各々について関連する一定値の数は少数値で
ある。これら一定のヴァリューVの追加線は一定の明る
さと色相ページとの交線と見なすことができる。
【0334】また色相ページには、恐らく鮮やかさが一
定である−がとにかくHSVモデルで規定されているよ
うな「飽和度」Sが一定である−相似の内部線118が
ある。更に詳細に述べれば、飽和度Sの部分量が一定の
これらの線は、色相ページ三角形の下頂点にある黒の点
から種々の角度で放射している。
【0335】これら種々の線を形成する軌跡は、図6を
参照してまさに説明したRGB−HSVの関係から−ま
たは、更に詳細に述べれば、HSVシステムと緊密に作
業する際に普通採用される数字から−推論することがで
きる。
【0336】図13は図6に描いた奇妙な挙動の背後に
ある色空間の理論的根拠を明らかにしている。ユーザが
ヴァリューVを調節することにより出発位置から移動し
て明るさを減らすと、システムは規定したとおりの一定
の「飽和度」Sの線に移動を抑制する。色空間の内部理
論の中で、これは目立っている。この考え方はヴァリュ
ーVの純粋な変化は「飽和度」Sを一定に保持すべきで
あるということである。
【0337】しかし、残念ながら、図13に見られるよ
うなこのような各一定「飽和度」線は垂直に対して或る
角度をなしている。それ故破線で描いた所要垂直径路1
12をたどる代わりに、システムは左向き且つ下向きに
傾いた一定「飽和度」線S=0.6をたどる実線の道筋
113を取る。
【0338】図14は図7の特性の背後にある同様の理
論的根拠を示す。ここではユーザはSを調節することに
より出発点から移動して飽和度を増し−今回も破線で描
いてあるが、外向き水平径路114に沿って動こうとす
る。
【0339】システムは今度は応答して代わりに鮮やか
さは増えているが明るさが減っている点まで下向きに傾
いている一定ヴァリューV=0.6の線115をたど
る。もう一度独立変数の原理は「飽和度」Sを純粋な変
化は規定されたヴァリュー変数Vを一定に保持するのが
当然であることを示している。
【0340】読者−ただし教育を受けていないユーザで
はない−は恐らく今はHSV制御システムが指令を規定
されたように飽和度SをヴァリューVを変えずに増す命
令と解釈するであろうことを予測することができよう。
このことは一定ヴァリューの線に沿って外向きに動くこ
とを意味する。
【0341】このような線はすべて、残念ながら、水平
に対して外向き且つ下向きの角度を成している。それ故
「飽和度」の制御だけで得られる外方への(鮮やかさの
方への)移動は必然的に下方への(暗さの方への)動き
115を伴う。
【0342】ユーザが後に明るさの制御器を調節して垂
直に移動して116補償しようとすれば、システムは代
わりに応答して一定飽和度の輪廓117図面において非
常に粗くS=7/8、に沿って動く。これは垂直から上
向きに傾いているから、その試みによって鮮やかさも急
速に増すことになる。ユーザは図9を調べ且つ理解して
一つの所要点から他の点へどう移動するかを理解しなけ
ればならない。それでさえ、直ぐ示すように、困難であ
ろう。
【0343】とにかくユーザはこのような機会を与えら
れるとは思われない。それは装置設計者が−多分色装置
を制御する目的で−選択した色モデルが計り知れないほ
ど非知覚的なものであるという告白に等しいであろう。
【0344】図7に関する先の説明でHSV空間の内部
構造は精神的調節を達成しようとするユーザの努力をも
混乱させることを見た。これを今度は、図13および図
14に示すように、鮮やかさの変化の明るさの変化に対
する感度を比較することにより容易に見ることができ
る。
【0345】先に記したとおり、一定飽和度線の角度は
色相ページ内の位置と共に変化する。図14において上
方に動こうとすることはシステムが図上で異なる点(下
方の)で動作している間に、その期間では明るさの一定
増分が鮮やかさ一定の線に沿って前より異なって(離れ
て)間が隔てられるが、行われる。
【0346】このことは図14で上向きにたどられるS
=0.8の線は図13で下向きに傾斜したS=0.6の
線より垂直に対して大きく傾いているということを意味
する。その結果見かけの鮮やかさは今度は図13で減少し
たよりはるかに急速に増大する。
【0347】水平の上向きの破線の矢の先端にある所要
点に反復せずに到達するためには、ユーザは見かけの鮮
やかさが所要の視覚効果を得るずっと前に鮮やかさの増
加を止めなければならない。丁度S=0.6の線を通過
する点で停止し、次にほぼS=0.7の中間輪廓に沿っ
て上向きに移動し、わずか2回の操作で所要効果を達成
するのが必要であろう。
【0348】システムの更に他の今明らかになっている
弱点では一定飽和度の線がすべて収束する下の頂点で生
ずる。理論的にHSV空間については飽和範囲全体は、
システムがV≒0の極(−この点では定義により飽和度
Sが不確定である−)に近づくにつれて0に向かって次
第に圧縮される。
【0349】この範囲では、先に説明したに入念に仕上
げるHLSの例におけるように、システムの飽和度Sの
調節に対する感度はVの中間から高いまでの範囲で見ら
れるものとは劇的に異なっている。
【0350】2.従来技術の「HSL」色空間のより深
い理解 図15は図10および図11におけると同じHSLおよ
びHLS色相ページを表している。しかし、図15には
HLS空間の内部構造を表示する内部計算図表線(図1
3および図14にあるような)を含んでいる。
【0351】図10に関して前に説明した例では、目的
は垂直線(図示したような破線)に沿ってほぼ明るさL
=0.35からL=0.75まで単に上向きに移動する
ことである。前のように、制御システムはこのような純
粋な明るさの運動が規定されたとおり一定「飽和度」の
線をたどるよう命令する。
【0352】固定内部のこのような線218、218’
はすべて既に従来技術の章で説明した二つの外表面線と
同じ、ただしその内部に入れ子になっている、形状をし
ている。一定Sの線の族はしたがって二重対立円錐の族
との色相ページ平面の交線に対応しており、このような
表面は一定「飽和度」の三次元軌跡を表している。
【0353】したがって「明るさ」制御器を一方向に、
たとえば、中間明るさの下のL=0.35の平面から下
のL=0.75平面まで上向きに動く212よう動作す
るにつれて、システムは図示した(実線の矢)仰天する
径路215−217−217’に沿って移動する。
【0354】最初、システムは一定「飽和度」S=0.
75の線215に沿って外向きに、中間明るさL=0.
5の線に向かって浅く上向き且つ外向きに傾いて移動す
る。次いで突然フィールドを逆転していわゆる「一定」
S=0.75の同じ線217の上方の続きに沿って浅く
上向き且つ内向きに傾ける。
【0355】この動き全体は一定「飽和度」と解釈され
ているものをたどるにかかわらず、見かけの鮮やかさは
異様なとしか記述し得ない回遊を非常に明らかに受け
る。これは明るさの制御は同じ方向に比較的ゆっくり動
作するよう続くということを考慮すれば完全に認めるこ
とができる。
【0356】図10および図15の例について選択した
出発点および終点の明るさの数(L=0.75)を与え
れば、見かけ上の鮮やかさはその元のレベル(垂直破線
の、右から左への方向の、位置に対応する)と実際に交
差する217’。他の出発点については更に大きい交差
も可能である。
【0357】従来技術の知覚空間の図解はすべて知覚的
一様性について規定し画いてあるから−およびそれは実
際長所に対するその大きな主張点であるから−これら内
部の一定飽和線はすべて水平に対して非常に浅い角度を
成していることを指摘するのは全く正しい。したがって
所要の明るさ調節対する見かけ上の鮮やかさの変化の感
度を「はね返る」および「飛び込む」というような画趣
に富む言語で表すのは正しい。
【0358】説明を今度は図16に転換する。幾つかの
更に別の理解を、異なる明るさの値での鮮やかさの調節
に対するHLSシステムの応答における先に説明した複
雑な変化に対して得ることができる。
【0359】ここではシステムは自然に意図するコース
からの運動を反映する相互依存性が生じないという意味
で比較的良く挙動する。飽和度の純粋変化は、図解した
特殊な様式で規定されてはいても、一定明るさLの線に
沿って半径方向にまたは水平外向きに動く移動213に
対応している。
【0360】道筋に沿ってシステムの状態は一定飽和度
の多数の山形そで章形状の線を横断し、規定の飽和度お
よび実際に知覚される鮮やかさの両方の変化を生ずる。
変化は入力飽和度制御信号の増加に比例する。
【0361】それにもかかわらず、異なる明るさの値に
ついての鮮やかさの応答の比較では、システムは全く良
く挙動しているとは思われない。HLSシステムは飽和
度値の全範囲は図の左縁の垂直の明るさ軸から右のいず
れかの斜線S=1の線−明るさの尺度に沿う位置にかか
わらず−まで動くことによって得られることを明言して
いる。
【0362】しかし、知覚される鮮やかさの全範囲は明
るさの尺度に沿う位置−たとえば、ユーザが短い水平線
213’に沿って頂上近くから下まで移動するか、また
は中間明るさの点近くを通過する長い線に沿って移動す
るか−に非常に強く依存する。機械設計者がこれら異な
る距離すべてを手操作制御システムにより同じビット数
に割当てれば、得られるシステム応答はどんな通常のユ
ーザをも確実に当惑させる。
【0363】たとえば、L=1/2(実際には約0.4
5)の直下の明るさにある、実線の右向きの矢に沿って
移動すると想像すると調節の全範囲の約半分を使用する
ことになる。これは矢の長さをそのL=0.5の明るさ
のレベルで、色相ページの全幅と比較することにより予
想される。
【0364】明るさ約L=0.9にある小さな矢ははる
かに短いが、わかるように、その頂点に近い明るさのレ
ベルで色相ページの幅の約2/3である。それ故、下部
の長い方の矢の全体の長さを横断するに必要な量より実
質上多い量だけ飽和度を調節するのは上方の短い方の矢
の長さを動かすには不充分である。
【0365】更に、その全範囲の2/3を通して同じ制
御器を動作させれば(或る形式の機器に対する耐久力テ
スト練習)システムを規定された最大「飽和度」の限度
まで−すなわち、S=1の包絡線まで−取ることが必要
になる。しかし、もう一度、先に示した理由で「飽和
度」パラメータSは知覚されるとおりの鮮やかさにはあ
まり良く対応しない。
【0366】したがって現在の場合では、システムをそ
の最大飽和度限界線まで進めても鮮やかさは非常に低く
しかならない。特に、それは矢の先端の距離に関連する
鮮やかさになる。
【0367】それは、L=0.9の明るさのレベルで、
0飽和度W−K軸からS=1の斜線までの距離である。
これは、図面から推定することができように、恐らく
は、鮮やかさの全範囲のほぼ1/4に過ぎないであろ
う。
【0368】システム設計者が水平破線で識別される明
るさのレベルの近くに通常の調節範囲を置くことにより
匡正しようとしているとすれば、先に記したとおり、図
面の上または下の頂点に非常に近い動作はやはり不合理
になる。更にシステムは−たとえば、図16の長い方の
矢により示されている調節を行うことに関して−制御調
節に応答して過度に中間明るさに近づくことになる。
【0369】3.新規な色相プラス灰色色空間 本発明は全く新しい色管理の道具を開発するため第1原
理に返る。色相プラス灰色(HPG)色モデルは色再生
プロセスの色パレット全体の再生を直接管理する機構を
確立している。HPGは特定の色相の描写はその色相の
クロマに非常に緊密に関係している量を灰色の種々のレ
ベルと組合わせることにより完全に達成することができ
る(それ故色相プラス灰色と言う)という概念を取入れ
ている。
【0370】色相プラス灰色は同時に色空間、機械空間
色ベクトル、および色の制御を増す色制御概念である。
それは極座標空間であり、色パレットの三角形の形状と
矛盾しないように設計されている。
【0371】それは、たとえば、薄い色は完全な(大き
い)飽和値を備えているとは決して言われないので、特
に良好な色空間である。更に一般的に言えば、そのモデ
ルはそのすべての限界線および頂点の近くで全く良く挙
動する。
【0372】それは、描画に使用される色素の量が色空
間パラメータで直接表される−描写段階でさえ入力所要
色により非常に率直に駆動することができる−という点
で、特に良好な機械空間である。
【0373】それは、少なくとも従来の工業的に応用さ
れる知覚空間より良好なパラメータ独立性を保持してい
るから、およびまた合理的な直観的予想を満足するか
ら、特に良好な色制御概念である。それはHPGの作業
パラメータが、たとえば、マンセルのHVCと精密に調
和していると言うことではない−というのはそれらは調
和していないからである。
【0374】しかし、既に何回も指摘したように、本発
明は第1原理に返る。ここに示した他の顕著な長所すべ
てを備えている、特に合理的に直観的な定義を備えてい
る、パラメータ集合は、古典的概念から無害にわずか逸
脱することができると信じられている。
【0375】この色モデルは知覚空間と色分配機構との
間に簡単な関係を確立している。このモデルでは、色は
その二つの主要成分、有彩色および無彩色、に分けられ
ている。
【0376】これら各成分は今度は二つのそれぞれの下
位成分に細分されている。有彩色成分は二つの着色剤
(時々一次および二次と呼ばれることがあるが、この文
書では一層普通に優勢原色および次位原色、または優勢
原色着色剤および次位原色着色剤と呼んでいる)から成
る二つの部分量成分に分けられている。
【0377】a.有彩色成分:色相およびクロマの制御 このモデルでは、色相はわずか二つの着色剤を組合わせ
ることにより制御される。色相の範囲を決める二つの着
色剤の色相座標はこれら二つの着色剤によって再生する
ことができる。特に、範囲は二つの着色剤の色相の間に
あるものだけに制限されている。
【0378】一例として、着色剤1(ここでは「C1」
と略称する)から着色剤2(「C2」)までの範囲にあ
る色相はC1およびC2の量を適用することにより達成
することができる。この場合0と1との間の各範囲の部
分量は逆の関係にあるが、加えると1になる。
【0379】色相を採用する二つの着色剤の色相の間に
あるものに限定することにより二つの好ましい結果が得
られる。すなわち、 (1) そうすることにより所要色相から更に遠く離れてい
る着色剤を使用することにより色相を再生するという可
能性が除去される。 (2) そうすることにより−制御用色相は目標色相に一層
近いからという理由だけで−色相を制御し、色相誤差を
減らす能力も増す。このモデルでは、色相を成分量の関
数として関係づけることができる。
【0380】クロマはHPGシステムの一つの座標、す
なわち存在する着色剤の量に正比例する。クロマは媒体
に加えられる着色剤の量を制御することにより制御され
る。クロマは原色および二次原色(または着色剤)のク
ロマを基準とするだけでは制御し難い。画素基準の色印
刷機械の場合には各画素内にある着色剤は隣接画素から
の着色剤とわずかに重なっている。
【0381】得られるクロマは、重なっている二つの着
色剤の混合から生ずる色相に対する有効クロマによって
部分的には決まる。この有効クロマは使用している原色
および二次原色に対して器械により各目上確定される二
つまたは数種のクロマの重なりまたは平均とは異なる。
このモデルでは、HPGのクロマ成分は色相の関数とし
て関係づけまたは制御することができる。この制御は色
の画素混合に対する許容差を作るような仕方で行うこと
ができる。
【0382】b.無彩色成分 先に述べたように、慣習的には、色の無彩色成分は一つ
の変数、ヴァリューVまたは明るさLにより記述され
る。無彩色は、灰色と呼ばれるが、高低の極限白Wと黒
BまたはKとの間のそれらの尺度に沿う中間の数を使用
して測定される。真の灰色にはクロマが無く、すなわち
0クロマであり、また色相が無く、すなわち不定色相で
ある。
【0383】HPGシステムでは、ヴァリューの制御は
加えるべき灰色の量を制御することにより行われる。代
わって、特定の灰色は使用する黒の量−たとえば、色印
刷機械では存在する白に加えられる黒色色素の量−を制
御することにより行われる。このモデルでは、黒の量は
システムの座標でもある。したがって色の灰色成分を制
御しまたは確定することができる。
【0384】c.パラメータ的概念 完全なHPGモデルについて次にその個々のパラメータ
成分により説明することにする。色空間は、どんな特定
の分配システムの原色にも容易に比例させることができ
るように分数的に記述される。
【0385】色空間はまたグレースケール着色剤を使用
したまたは他の場合にはシステム原色の数を増やす機械
システムに前向き適合する。たとえばシステムはオレン
ジ色の色素がCMYKに付加される機械を駆動するのに
容易に適応する。
【0386】色空間は二つの成分に分割されている。有
彩色である分数部分Fcおよび無彩色−すなわち、灰色
−である分数部分Faである。この文書では有彩色部分
を「部分量−着色剤」とも呼び記号Nで記す。有彩色成
分および無彩色成分の和は1になる。
【0387】Fc+Fa≒N+Fa=1
【0388】有彩色部分Fc=Nはクロマの制御に関す
る主要パラメータである。これは更に色相を制御する二
つの成分C1、C2に細分されている。制御に必要な分
数部分Fc1およびFc2は有彩色空間を埋めるのに必
要である。
【0389】Fc1+Fc2=Fc≒N
【0390】無彩色すなわち灰色の成分Faは更にヴァ
リューを制御する二つの成分に細分される。黒Kおよび
白Wの分数成分は無彩色空間を埋めるのに必要である。
【0391】Fk+Fw=Fa
【0392】この文書では変数Fkを「部分量−黒」と
呼び記号Kで記す。どんな色の完全モデルも
【0393】Fc1+Fc2Fk+Fw=1
【0394】と表すことができる。この形をHPGベク
トルと呼び、順序震動かまたは誤差拡散かによるハーフ
トーニングに適した形をしている。この公式により−実
績上白い媒体に印刷する機械で−白の制御すなわちいわ
ゆる「印刷」が可能である。差Fw=1−(Fc1+F
c2+Fk)または1−(N+K)だからである。
【0395】HPGモデルは多数の色再生プロセスと矛
盾していない。適合するプロセスには熱インク、熱伝
達、ゼログラフ(時に「静電式」と呼ばれる)、CRT
その他がある。
【0396】主として関心のある用途は有彩色部分を作
り出すCMYペンおよび色の灰色部分を作り出す黒ペン
とを備えた熱インク分配システムである。このようなシ
ステムには、カリフォルニア州パロアルトに本部がある
ヒューレット・パッカード社が製造販売している熱イン
クジェット装置がある。
【0397】このような装置では、HPGモデルの有彩
パラメータは色ペンを駆動するのに加えられる。灰色部
分は、正確に一つのパラメータ、部分量−黒Fk≒K、
により黒ペンを駆動する。
【0398】HPGシステムは主要な三つの色属性−ヴ
ァリューまたは明るさ、色相、およびクロマまたは鮮や
かさ−を直接制御することができる。(ここでは基本的
且つ直観的HVCの概念を参照しようとしており、商業
的に実施されている従来の欠点の多い色空間において、
同じ名前を共有しているパラメータとしてのそれらの適
応を参照しようとするのではない。)
【0399】ヴァリューまたは明るさは、たとえば、黒
を白い媒体上に分配することにより、灰色を部分的に加
えることにより制御される。色相は二つの着色剤の相対
的分数部分として制御され−クロマはこの色相を部分的
に加えることにより(たとえば、実際に二つの有彩色部
分の各々を加えることにより)制御される。
【0400】更に詳細に述べれば、色相は隣接する優勢
なおよび次位の原色着色剤C1、C2の部分量混合を行
って作り出される。これらは目標色相を最も厳密に包含
するように選択される。
【0401】得られる色は有彩着色剤の幾らかの代わり
に灰色を−色を暗くするには黒を、色を明るくするには
白を−挿入することにより曇る。有彩着色剤の全量Nは
理想的なマンセルHVC空間における概念的クロマパラ
メータVに正比例する。
【0402】色再生プロセスとの相関または一貫性が良
好であるため、HPGシステム変数HNKまたはそれら
の要素Fc1、Fc2、Fkにはプロセス装置において
わずかな変化しか加えられない。色は分配機構に直接加
えられる言葉でコード化されているので、HPGパラメ
ータを直接ハーフトーン化することができる。
【0403】誤差拡散システムのような高次システムの
使用による改善(たとえばクラスタ式ディザシステムと
比較して)は特に注目に値する−このような描写システ
ムはHPG空間の利益を一層完全に使用することができ
るからである。
【0404】HPG色空間は色獲得システムまたは色再
生システム−たとえば、印刷機械を表示画面に現れる色
画像を紙の上に再生するように使用するシステム−に使
用するのに特に適している。このようなシステムの大部
分は甚だしく非線形である。
【0405】しかし、このようなシステムの色空間特性
はHPGパラメータと良く相関している。この相関は色
補償を考慮しており、色補償は得られた印刷出力色を所
要入力色に合わせる際に全体として装置独立性を達成す
るのに必要なステップである。
【0406】このモデルの他の特徴は物理的に利用でき
る色素での灰色の量を特に簡単に補償しやすくするとい
うことである。換言すれば、このモデルは灰色を(一層
精密には灰色の効果を)色成分から「除去する」と言う
ことができる。
【0407】これらは無彩色成分Faを調節して所要結
果を得るのに必要な灰色の付加量だけを指定することに
より行われる。(勿論これは所要の灰色が色素内の灰色
に少なくとも等しい場合に限り有効である。)類似の補
償は色素内にある色相不純物に対して容易に行われる。
【0408】d.数学の形で表した、通常の入力色パラ
メータ(RGB)との関係 現在のところ、印刷装置の色の伝統的表現からの変換
は、表示装置などに対する動作システムが未だHPG座
標で利用することができないため必要である。それは永
久的事態を考慮していない、というのは−上に説明した
とおり−HPGモデルは少なくとも大部分の他の実用的
装置に完全に適合しているからである。
【0409】RGB空間からHPG空間への変換、すな
わち変数RGBから変数HNKへの変換、は三つの式を
使用して行われる。これは両空間の三次元的性格から予
想される。
【0410】色相に対する式は従来技術の章に(特に、
HSV空間に関する部分2−dに)提示したと同じであ
る。部分量−色Nおよび部分量−黒Kに対する式はここ
では
【0411】 N=Max−Min K=1−Max
【0412】のようになる。
【0413】この文書の或る部分では、部分量−黒の量
Kを時に簡単に「黒」と言うことがある。その使用法か
ら着色剤黒「K」とその量「K」との間に或るわずかな
混乱が生ずることがあるが、この用法は一定の他の重要
な関係を一層明瞭に強調するのに一定の章節に採用され
ており、区別は文脈から明らかになると信ぜられてい
る。
【0414】e.グラフの形態で表した同じ関係 図17は上述の関係をグラフで示している。この図は新
しいパラメータNおよびKが色について語る伝統的な仕
方と極めて簡単且つ直観的な仕方でどう関係しているか
を図解している。これら関係をグラフで示すこの方法は
−先に説明した図6および図9のものと同様に−表現の
新規な形態であると信ぜられている。これは基本的な色
再生現象を理解する際に特に役に立つ。
【0415】図17は三つの入力色信号Max、Mi
d、およびMinを示している。図解した例では、それ
らは着色剤赤、緑、および青RGBの量Rin、Gi
n、およびBinにそれぞれ偶然対応している−が、そ
れはこの割当てが単に典型的なものであるに過ぎないこ
とを強調している。
【0416】この表現から直ちに見ることができる第1
に重要な事実は、最も弱い入力色Bの大きさMin(ま
たは、この例ではBin)が三つの入力すべてに存在す
る着色剤のレベルを表すということである。すなわち、
数量Minは三つの所要着色剤レベルすべてに共通に存
在する。
【0417】最も弱い色を青として区別することはまさ
に一例ではあるが、前節の一層広い結論はそうではな
い。換言すれば、数量MinはMax、Min、および
Midを特定の着色剤に割当てることには関係なく−ま
たは、一層簡単には、常に−三つの所要着色剤のレベル
すべてに存在する。
【0418】この理解は次に、赤、青、および緑の等量
が混合されると「白」と呼ばれる視覚経験を生ずるとい
う周知の事実と結び付けられる。共通に存在するRGB
信号の部分は単純に白を作り、白の量は入力信号Min
の大きさと常に(その信号を備えているのがどの着色剤
であるかにかかわらず)等しい。
【0419】したがってHPGで制御されるシステムは
色のその成分を最初に単純に引き去って、対応する部分
量は必要な白の量Wとして識別することができる。シー
ト媒体−最も代表的には白い−に印刷する機械では、こ
れは、先に記したように白は実質上紙と打ちとけるか
ら、特に強力な最初のステップである。
【0420】そのステップを完了した状態で、残りの分
析を実際に付着させるべき着色剤の量の決定に集中する
ことができる。「自由な白」と呼ぶことができるものを
伴わないシステム(たとえば、CRTシステム)では、
まさに導入される大きな利益を完全に享受しない−が、
間もなくわかるように、対応する長所が代わりに出現す
る。
【0421】次の注意を、図の最上部で、完全色のレベ
ルFull≒1と最も強い入力着色剤の高さMaxとの
間の間隙に向ける。この縦の間隙は図の極上を横断する
水平線と「Max」と記してある最も背の高いバーとの
間にある。
【0422】この間隙は色の利用可能なダイナミックレ
ンジの部分量に対応する−が、白Wによっても有彩着色
剤RGBによっても使用されない部分量である。間隙は
したがって光が存在しないこと−すなわち、暗さまたは
黒さそれ自身−に対応する。縦の間隙の高さにはしたが
ってKと記してある。図からそれは、前のサブセクショ
ンに提示した方程式で示されるように、1−Maxに等
しいことがわかる。
【0423】印刷システムでは、黒は一般的に自由では
ない−が、通常少なくともすべての有彩着色剤と同じ程
経済的であり、はるかに純粋なまたは正確な形で利用す
ることができる。したがって別々に取扱うため黒の量K
を切り離せば一定レベルの経済性が得られる。
【0424】更に一層重要なのは、この方法は大きな動
作効率および精度を生ずることである。比較のための代
案は他の着色剤の減色混合により黒を構成しようとする
ことから成る。
【0425】更に重要なのは、自由な白を得ることがで
きないCRTシステムやその他について、まさに上に約
束した対応する長所が今度は実現することである。これ
らシステムの大部分では、自由である着色剤が存在し、
その着色剤は黒であり−または少なくとも非常に暗い灰
色である。
【0426】これまでHPG色モデルは無彩着色剤KW
を目覚ましく有利で且つ著しく簡単な仕方で処理するこ
とを示してきた。この簡潔さは事実それ自身付加的な長
所である。
【0427】同じことが今度は有彩着色剤についても同
様に明らかになる。前述の説明は完全色空間の無彩色要
素KWを完全に考慮しているから、必然的に空間の残り
は色彩学に対応する。
【0428】出発点として、完全色空間は図17の下を
横断する水平線から最上部にある類似の線Full≒1
まで垂直に拡がっている。この垂直距離の部分が白およ
び黒KWによって使用し尽くされていないものはすべて
必然的に色彩学に対応するその残りでなければならな
い。
【0429】図17でわかるとおり、その残りは最も弱
い所要着色剤信号の頂部と最も強いものの頂部との間の
垂直距離である。その距離は、図面にNと記して示して
あるが、差Max−Minに、したがって前のサブセク
ションの方程式で丁度表示したように、N=Max−M
inに対応する。
【0430】今度は図面の中央区画の上方部分、中間強
さの信号の頂部と最も強い信号の頂部との間の部分、を
丁度一つの着色剤で表すことができる。それは−その信
号が手近の特定の場合に最も強い着色剤−この文書では
普通「優勢原色」と呼んでいる−である。
【0431】図17で仮定した特定の入力色について
は、優勢原色は赤であるが、今回も一般的な叙述がすべ
ての場合に有効である。他の二つと共通でない最強信号
の部分量は一つの着色剤で表すことができる。その着色
剤は常にその信号が事実三つの中で最も強いもの(どれ
か一つ)である。
【0432】その部分量に対応する図面の部分はその高
さが差Max−Midに等しい。HPGモデルは所要の
優勢原色C1の出力量Fc1をこの差、Fc1=Max
−Midに等しく設定している。
【0433】この信号の強さを出力着色剤の量に割当て
るのは、多数の実用的システムでは割当の識別部分が実
質上1対1であるから、現在の場合には特に簡単であ
る。特に、最も強い入力信号を有する着色剤は出力装置
で優勢原色C1として使用される着色剤と同一である。
【0434】図17の完全色空間の残りの部分は中間強
さの入力すなわち所要色信号の最上部の下にある部分量
−着色剤Nの短冊状の部分に必然的に対応する。その部
分の垂直高さはN−Fc1に等しく、それ故あの式を使
用して計算することができる−が、図面から同じ量が入
力信号から直接Mid−Minとして見出されることが
わかる。
【0435】結論は有彩着色剤の量はやはり色分配装置
により
【0436】Fc2=N−Fc1=Mid−Min
【0437】として供給されるべきであるということで
ある。残るのはこの量で分配すべき着色剤は何であるか
を示すことだけである。この文書ではその着色剤を通常
「次位原色」と呼んでいる。
【0438】図17は残りの有彩着色剤は二つの活性色
のバー、「Max」および「Mid」の部分から構成さ
れていることを示している。これらの一つは中間強さの
信号「Mid」を表すバーの上方部分であり、他は優勢
原色の印刷を駆動するために未だ割当てられていない優
勢原色のバー「Max」の中間部分である。
【0439】図面からこれら二つの隣接する色空間バー
は等しい高さのものであること、すなわち最も弱い入力
色に対するバー高さの上にある中間強さの入力色に対す
るバーの部分の高さ、Mid−Min、であることがわ
かる。これはまさに、次位原色C2の強さFc2につい
て上に記した式である。
【0440】それ故所要色は二つの原色の等しい部分−
その信号がそれぞれ最も強いものおよび中庸−最強のも
の−から構成される。欲しいものは事実その色相が「M
ax」および「Min」の色相の平均である一つの着色
剤のその同じ量Fc2=Mid−Minである。
【0441】これら二つの原色の二つの等しい部分を正
確にこのように平均して混合することはその色相が二つ
の間の実質的に途中にある一つの原色によって行うこと
ができる。このような一つの原色は図2からわかるよう
に得ることができる。
【0442】その図は原色RGBが原色の周りに色相角
で等間隔に配置されていることおよび他の三つの原色C
MYが互い違いの位置または中間の位置を占めているこ
との注意を与えてくれる。三つの原色RGBのどれか特
定の二つの色相平均はしたがって常にそれら特定の二つ
の間にある他の原色CMYのその一つの形で利用するこ
とができる。
【0443】図2もその次位原色のどれが図17の例に
対するものになるかを示している。特に、それはこの例
では最強および次に最強である赤原色と緑原色との間の
途中にある原色であり、その原色は黄色である。一般的
場合では、それは最強および次に最強であるいずれか二
つの間にある原色である。
【0444】或る目的に対する原色CMYは「次位」ま
たは「補色」として識別することができるが、本明細書
の目的ではそれらを単に原色と命名するのが一層有利で
ある。この命名法は実用的場合に六つのRGBCMYの
どれかを最強の出力着色剤とすることができることを強
調するのに役立つ。
【0445】次位原色の出力量は優勢原色の出力量より
多くまたは少なくすることができることに注目すべきで
ある。この事項は「Max」および「Mid」のバーの
相対的高さによってのみ反転する。
【0446】「Mid」バーが「Max」バーとほぼ近
い高さであれば、優勢原色は次位原色よりはるかに少な
い量でのみ印刷されることになる。しかし、「Mid」
バーが「Min」バーよりほんのわずか高ければ、優勢
原色は次位原色よりはるかに多い量で印刷されることに
なる。
【0447】しかし、次位原色は必然的に常に、入力色
(ここではRGB)の式に採用されていない三つの原色
着色剤(ここではCMY)の一つでなければならない。
次位原色は常に平均色相の着色剤を供給して長さMid
−Minの二つの等高入力バー部分を表すという役割を
演ずる。
【0448】もう一度図2の色相円板を参照すると入力
色はすべて(1) 原色と同一のものかまたは(2) 原色の二
つの間にあるものでなければならないことが示される。
後者の場合ははるかに一層普通であり、または少なくと
も一層一般的であるが、前者の場合も述べることにす
る。
【0449】「Mid」および「Max」のバーが等し
い高さであれば、優勢原色は存在しない−または、いず
れにしても、優勢原色の識別は不確定で、その出力量は
0である。その場合には部分量−着色剤の全量Nは次位
原色を駆動するのに加えられる。今記したように、これ
は時に「次位原色」または「補色」と呼ばれる原色CM
Yの一つである。
【0450】他の限界点で、それが「Mid」バーと同
じ高さの「Min」バーであれば、次位原色は存在しな
い−または、もし一つ存在すれば、その識別は不定で、
その出力量は0である。そのとき部分量−着色剤の全量
Nは優勢原色を駆動するのに使用される。
【0451】前述の評言はRGB空間とHSV/HSL
空間との間の対応関係を表す図6および図9の先の説明
と比較してHPGシステムの魅力を更に良く認めるよう
にすることができる。このような再調査により−図6、
図9、および図17の簡単な図示提示の中で−有意の物
理的意味を従来技術のパラメータ集合を構成する変数に
は比較的わずかしかまたは全く帰することができない。
【0452】f.HPGモデルによる色補償および色制
御 本発明の現在好適な実施例はそれだけでは比較的最少限
の色制御、すなわち本明細書の始めの「概要」の章で記
したような鮮やかさの二つの明確に異なるレベルの間の
手作業選択、しか行わない。現在好ましい実施例の主要
な部分はしたがって制御ではなく色補償にささげられて
いる。
【0453】それにもかかわらず、補正に使用される機
能、およびそれらの機能により行うことができる相対的
な簡潔さまたは容易さは、かなりな程度、色制御に使用
されるものと同じである。更に、色制御に関しての従来
技術の制御システムの欠点の比較的完全な説明は本明細
書の始めの項に記載されている。
【0454】したがって各種システムを完全に明らかに
するためおよびその比較理解を容易にするために同様の
提示をHPGシステムについて提供することにする。図
18は、先に説明した相似計算図表図面と同様に、色相
ページの理想的表現である−が今度はHPGシステムに
ついてのものである。
【0455】ここで図7の場合のようにユーザの目的は
出発点、すなわち図面に示してある矢印の上端、から色
を暗くする313ことであると仮定する。HPG空間で
は、技術的に述べれば、実際に使用される知覚的または
直観的概念は暗くなっていない。むしろシステムは黒く
なるように、または黒の着色剤を追加するように動作し
ている。
【0456】最も純粋な原理ではしたがって動きが部分
量−黒K一定の線319に垂直であれば概念的に最も満
足となろう。これら一定Kの線319は(図6、図1
3、および図14に示すHSV空間での一定ヴァリュー
Vの線のように)図面では傾いている。したがってこれ
らも平面と円錐との交線に対応する。
【0457】しかし、前の例でのように、システムは一
つの変数(ここでは部分量−黒)を減らさせる指令は他
の変数(ここでは部分量−着色剤N)に対して一定関係
にある線318に沿って動くことに対応する。図18で
のこれらの線318は垂直である。したがって調節は色
相ページ上での垂直移動に直接対応する。
【0458】このような変化は部分量−黒が一定の線3
19に垂直に動くことに対応することができない。しか
し、技術的理想からのこの特定の逸脱は、結果として得
られるW−K軸に平行な下降が−古典的および直観的H
VC空間に対する概念的変化無しで−暗さが増すとして
直観的に解釈することができるという点で、少なくとも
有利であると考えることができる。
【0459】しかし、動きが知覚的になっているとまた
は技術的に黒くなっているといずれに解釈されようと、
それは全く満足であることがわかる。こう述べる理由は
いずれの解釈も部分量−着色剤Nの−または鮮やかさの
−変化を生じ得ないということである。この種の調節で
は、二つのパラメータの技術的独立性および知覚的独立
性が共に享受される。図19は逆の状況、鮮やかさを増
そうとする314、を示している。ここではこの状況は
一層複雑且つ興味あるものである。
【0460】理想的HPGシステムは鮮やかさまたは部
分量−着色剤Nを増すという要求を部分量−黒一定の等
高線319に沿って動かす指令と解釈する。既に記した
ように、これらの線は水平に対して傾いている。
【0461】それ故古典的マンセルの言葉で解釈された
ように、鮮やかさが増せば明るさの減少が伴うと見なす
ことができる。一例は外向きに且つ浅く下向きに傾いて
いる下方の比較的長い矢315として示されている。
【0462】しかし、この点で、更に良好に解釈するに
は、マンセル空間で解釈するようにではなく、規定され
たように空間のパラメータに頼る必要がある。規定され
たようなパラメータの言葉では、パラメータの独立性は
厳密に観察され、それ故極めて満足である。
【0463】読者は今やHSVシステムおよびHLSシ
ステムでの特別の規定に頼れば過度に望ましくない結果
に到達することに反対するであろう。これらの結果の不
都合は、しかし、先に指摘したように主として−特別の
規定の、それだけの、使用からではなく−採用されるそ
れら特定の規定の不自然さおよび反直観性から生ずる。
【0464】それ故、実際問題として、パラメータ独立
性を良好に解釈できるように呼出された特別の規定がそ
れ自身受入れ可能であるか否かを評価することが適切で
ある。HPGモデルではHVCの様式から離れているパ
ラメータは部分量−黒Kである。
【0465】そのパラメータは(HSVシステムまたは
HLSシステムにおける「飽和度」Sでの場合のよう
に)直観的に確かな変数のゆがみとしては得られない。
それは(HLS空間でのように)奇妙な二重値関数では
ない。
【0466】そうではなく部分量−黒Kは、第1原理お
よび全く新しいパラメータの簡単な規定に返ることから
生ずる。それは色空間を埋めるための−または、代わり
に、他の着色剤(有彩色であろうと白であろうと)の部
分量の代わりに着色剤を挿入するための−着色剤の物理
的追加による直観的および知覚的完全さを備えている。
【0467】その結果このパラメータを使用するシステ
ムの設計者および末端ユーザはその簡単な意味を知るこ
とができる。彼等は黒着色剤の一定量、または一定の部
分量−黒K、が一定マンセルヴァリューVとは次の意味
で相違していることを容易に理解するであろう。
【0468】−部分量−黒Kを一定に保持しても必ずし
も部分量−白Wに制約が加わらない。 −部分量−白Wは部分量−着色剤Nを変化させようとす
ることに応答して−有彩着色剤の量が白着色剤の量に交
換されているというまさにその理由により−移動する。 −Vを一定に保持すれば黒および白が共に相対量で不変
に保たれるので、それらの割合すなわちそれらの比は変
化しない。
【0469】したがって、この新しい変数が何を意味す
るかを知りたい個々の人々は物理的含意を全く満足に見
出すであろう。彼等はまた、図19に示すように、飽和
度の増加に伴って生ずる暗化を、少なくとも理知的に受
入れ可能と見るであろう。
【0470】しかし、或るユーザにとっては、目的は出
発点から水平に隔たっている新しい位置まで実際に動か
すこと−換言すれば、図19に水平の破線の矢314で示
したように、明るさを少しも変えずに鮮やかさを純粋に
変化させること−である。
【0471】HPG空間におけるその操作は必然的に複
合的であるが、(1) 反復せずに、(2) 二重値パラメータ
の範囲を横断せずに、および(3) 制御感度すなわち校正
の移動(かくれているまたは他の)に逢わずに、行うこ
とができる。
【0472】操作は図19にくの字形径路で示したよう
な二つの独立のステップで進行する。 −最初に下向きに傾く一定K線をたどって所要の鮮やか
さ(部分量−着色剤N)を得る−既に説明したが、下向
きに傾いた矢315で示してある。 −次に垂直上向きに所要点まで移動する316。 最初のステップ315は着色剤に交換する際、白を断念
することに対応する垂直成分を含んでいる。第2のステ
ップ316は所要の白成分を回復して、黒を白に交換す
ることである。
【0473】これら二つのステップのいずれにおいても
鮮やかさまたは灰色度で表したオーバーシュートまたは
アンダーシュートが存在する。この点についてはこの状
況は図14および図15のものと非常に都合よくたとえ
られる。
【0474】図18および図19において、一定K線と
一定N線との間の交線は、図を通じて、同じ傾きを成
し、同じ水平および垂直の間隔を有している。このこと
は調節感度および校正が色相ページのどこでも一様であ
ることを意味している。
【0475】たとえば、図19に上方の矢315に対し
て表された出発点に加えられる同じ調節は、下方の長い
傾いた矢と比較して、文字どおり平行な挙動を生じ、下
方の径路と同じ部分量−着色剤N(鮮やかさ)のレベル
に導く。同様に図18で色相ページの他の点で同じ量の
調節を加えれば同じ量の垂直移動を生ずる。
【0476】これら二つの叙述に対する例外が色空間そ
れ自身の固有の基本的性質、明るさの−または黒および
白の着色剤の−必ずしもすべての量が物理的意味を持っ
ているものではない、から生ずる。これら基本的制限を
処理する仕方により色システムの実用的有用性に莫大な
相違を生ずる可能性がある。
【0477】たとえばユーザは、図19の上方の傾いた
矢の出発点から、上方の水平の破線の矢314’で示し
たように、水平径路で移動したいことがある。使用する
色空間に関係なく、このような操作は、目標点が色相ペ
ージに対応する色分配装置を使用して−すなわち、利用
可能な色素を使用して−利用可能な色に対応しているか
ら、不可能である。
【0478】所要径路が装置色相ページの外に理想的色
立体(図3)の外面を通して突き出すのに充分なほど遠
くまで延びていれば、より強い禁止さえ生ずる。このよ
うな色は文字どおり真ではなく、人間の目および脳がそ
れから色を想像することができない感覚に対応する。
【0479】同様な状況はユーザが図18の垂直の矢の
径路313を下方の包絡線まで(K=1からN=1ま
で)およびそれを越えて延ばしたい場合に−またはユー
ザがシステムを反対方向に、上方の包絡線(K=0)ま
でおよびそれを越えて動かしたい場合に−生ずる。部分
量−着色剤Nの方向に、ユーザは図19の下方の矢の径
路315を、下方の傾いた矢315および図20のその
破線の延長により示した下方の包絡線までおよびそれを
越えて延ばしたいことがある。
【0480】論理的には、尺度の圧縮および拡大は必要
がないから、このような調節は制御の範囲内にあるべき
である。利用不能な色または虚の色の位置に到達すると
いう命令に従うことができるシステムは無いが、各シス
テムは何らかの仕方で応答しなければならない。
【0481】それで、ユーザの便宜に最適で、得られる
色に満足し、且つシステムの合理性に確信を持てる最良
の応答はどんなものであるべきかという疑問が生ずる。
主要な代案は次のようなものであろう。
【0482】−色空間の境界で動作を停止し、次にどん
な調節を行うかを決めることをユーザにまかせる。 −色空間の境界で動作を停止し、それ以上の処置のどん
な選択を利用可能であるかおよびそれらの結果をユーザ
に述べ、こうしてから次にどんな調節を行うかを決める
ことをユーザにまかせる。 −ユーザの目的に最も近い真の色の近似を得ようとし
て、境界に沿って論理的方向に進む。 −境界で進行を中止し、ユーザに境界に沿って論理的方
向にシステム制御のもとで停止し、進行し、または次に
どんな調節を行うかを決めるという代案を示す。
【0483】各々の場合において、システムはユーザ
に、第1に、利用可能な(または真)の色の境界に到達
していること、および第2に、どんなシステムがそれに
ついて行うよう指令されているか、をユーザに知らせる
ようプログラムすることができる。或るシステム設計者
は、特に出力装置の設計者は、その実施が他の人々の制
御下にあるアプリケーションプログラムを通して最も自
然になるから、このオプションを所持していないことが
ある。
【0484】或るシステム設計者は、ユーザがその制限
を色の基本的性格にではなく、使用中の特定のシステム
のせいにするということに基づいて、このような情報を
提供しないことを選ぶことがある。このような決断は設
計選択の事項である。
【0485】本発明の好適実施例では第1の代案は実質
上除外されている。第1の代案は、合理的な処置を工夫
するための充分な情報無しに、大部分のユーザを大海に
放置することになる。
【0486】第2および第3の代案は共に合理的且つ受
入れ可能であり、補足的ではあるが小さい欠点を持って
いる。第2の代案は、次に最も自然な調節−大部分のユ
ーザがそれについてどう進むかを知っている場合に選択
するもの−をどのように行うかを決定するにあたりシス
テム設計者の専門的知識の利益をユーザに実質上認めな
い。
【0487】第3の代案は、ユーザが一つのパラメータ
の必要な調節から今度は異なるパラメータの変化の混合
が生ずることを見出すことになるのでわずかに好ましく
ないと認められることがある。しかし、この欠点は異な
る二つの状況においては最低限にすることができる。−
システムはユーザに非常に限られた数の個別の色制御オ
プションだけを提供するように設計することができる。
事実、利用不能な/虚の色に対する要求を処理する特別
な方法を呼出すことが必要な状況を伝えるのに−および
これらをユーザに知らせ且つ説明するのに−法外な量の
特別の注意が必要であることがある。
【0488】−既に述べたように、システムは色空間の
内側に残るため、特別なとらえ所のない操作を何時行っ
てしまったか、または行わなければならないか、という
明瞭な指示をユーザに示すよう組立てることができる。
これが発生するとユーザは調節を反対するか、または調
節を行わないかを決断することができる。
【0489】このようにして第4の代案は、システムが
色空間内部でこのような精密に相互作用する能力を正当
化するに充分な複雑な操作性を備えているときに限り、
経済的、且つ最良になることができる。
【0490】前述の説明に留意して、今度は図20の下
方の、長い傾いた矢の径路315’−317を参照す
る。これは図19に見える鮮やかさの更に大きい方への
一層長い回遊に対するユーザのまたは設計者の希望に対
応する。
【0491】システム境界まで径路の延長することは、
新しい径路の長い方の下向きに傾いた部分で示されるよ
うに、簡単である。システムはその部分の破線の矢の延
長314に沿って進むことはできないが、ユーザ/設計
者は一層鮮やかであることを欲している。
【0492】一つの自然な選択は上向きに傾いた矢の部
分317により示したようにシステム境界に沿って鮮や
かさの更に大きい方へ動くことであろう。この所要の鮮
やかさはこのようにして達成されるが、黒さの代償を払
わなければならない。
【0493】二線分径路を図20で上方の長い矢31
5”で示した真直ぐな径路と比較することは役に立つ。
二線分径路に沿う鮮やかさの全回遊は、操作が色相ペー
ジでシステム境界を全く回避するのに充分高い点から始
める場合と同じである。
【0494】鮮やかさに対する黒さの妥協が知覚的に拒
絶されることがわかれば、ユーザ/設計者はプロセスを
−または、そのような制御を利用することができれば、
その一部を−簡単に逆にすることができる。これにより
システムは元来の望ましい黒さ、および最大の望ましい
より幾らか低い量の鮮やかさまで逆に移動する。
【0495】これまで説明した鮮やかさの増大する例は
すべて、図面のずっと右にある、部分量−着色剤N≒1
の頂点に非常に近接して始まる調節に概念的修正を加え
ることなく適用できる。当然部分量−着色剤Nの調節範
囲はその頂点を越えて利用不能なすなわち虚の色の中に
突出することはできず、システム応答はその点で単純に
停止する。
【0496】鮮やかさが増加する例と同様の選択が、図
面に左下に近い折れた矢313’で示したように、部分
量−着色剤N一定の線に沿って垂直に移動する際に行わ
れる。ここで調節は黒さまたは部分量−黒Kを増加する
317’途中にある。
【0497】調節は白を黒に交換する313’ことによ
り始まるが、システム境界で調節は、ここではあまりに
も軌道が利用不能/虚の色の中に入り込むことになるの
で、その道を進むことができない。その理由は部分量−
着色剤Nにより占有されている色空間の部分が残ってい
る全部であり、そこでは断念する白がもはや存在しない
ということである。
【0498】径路は代わりに境界に沿って黒K≒1の頂
点の方に有利に偏向している317’。ここでは付加さ
れた部分量−黒Kが幾らかの鮮やかさ(部分量−着色剤
N)を通貨として買われている。
【0499】精密に同じ黒さの全変化が調節があたかも
図の左から更に遠い点で始まったかのように得られる。
その点では、最初の鮮やかさが低いので、交換し得る白
を大量に利用することができ−その結果黒さ調節の更に
大きい範囲313”を利用できる。
【0500】もう一度、ユーザ/設計者が黒さの最後の
増加に対する鮮やかさの妥協を審美的に拒絶すれば、操
作(または、或るシステムでは、その一部)を逆にする
ことができる。
【0501】緊密に似ている動作が、黒さを減らしたい
ことに対応する下向きの垂直移動で生ずる。頂部K≒0
の境界に達すると、差引く部分量−黒Kはもはや残って
いないが、幾らかの鮮やかさを犠牲にして白W≒1の頂
点の方に動くことにより知覚的に関連する更に他の調節
(白の増加)を利用することができる。
【0502】システムの動作はこれで色相ページの境界
の近くでむしろ完全に−特に色の現象の基本的制限を処
理する実用的方法に関して−調査し終った。これらの調
査からわかるように、HPG色空間は始めから終りまで
全く良く挙動する。HPG色空間には限界点W≒1、N
≒1、K≒1があるが、これらは変数に不確定性を課す
という数学的意味での(および尺度の圧縮を課すという
実用的意味でさえ)特異点ではない。範囲の制限は物理
的に必要な場合にのみ課される。
【0503】g.実用的色空間のコンピュータモデル 先に記したとおり図13から図20までの図はすべて−
たとえば、色彩的に不純な真の色素、非理想的減色応
答、画素の重なり、装置の位置制御の不完全などのよう
な−多数の現実世界の要因の効果を無視する理想の分析
を表している。これら要因の幾つかは色空間内部で体系
的に変わり、それ故色相ページの構造をおよびしたがっ
てシステムにより生じた動作をゆがめる。
【0504】これら効果はすべてコンピュータモデルに
より考慮されて色相ページの構造の別の眺めを示すこと
ができる。このような他の眺めは一層現実的であり、や
はりモデル化可能な補償要因を必要とするどんな特定の
画像をも生ずる、および実用的モデルが示すことができ
るより良好な色生産品を生ずる実際の着色を表してい
る。
【0505】これらを注意して、HLSシステムおよび
HPGシステムの現実的実施例のコンピュータ発生モデ
ルをそれぞれ表す図21および図22を調査することは
教訓的である。二つの描画は勿論理想空間の頂点から内
側の動作限界の収縮において、真の色素を使用すること
の効果を示している。
【0506】この描画はまた左下にある最も暗い領域近
くの幾つかの二重値の挙動を示している。ここで恐らく
有彩色素の灰色成分(および恐らく黒色素の有彩成分)
から不安が導入される。
【0507】図21および図22の二つの場合は、非理
想的環境において、同じ色生成機構のモデルによって作
り出されたものである。システムは通常予想されるより
はるかに大きいドットを使用して黒を再生した。対応し
て黒の付着により暗さが増したばかりでなく、予想され
たように、付着していた色ドットとの重なりも生じた。
その結果色情報のクロマが消滅した。それ故黒はクロマ
および明るさを同時に減少するという影響を受けた。
【0508】図21は、図15および図16に示すよう
な、山形そで章形状の一定S構造、および一定S線の上
および下の頂点での収束、を明瞭に示している。このモ
デルはそれ故使用中のHLSシステムが実際それらの点
で特異点になることを確認しているように思われる。
【0509】図はまた真のHLSシステムは−色素など
の現在の選択を用いているが−一定Sの輪廓が明るさの
中間平面より下に悪く群がるという点で、ヴァリュー尺
度を不必要に非対称にすることがある。これによりヴァ
リューVの調節に対する鮮やかさの応答が誇張され、鮮
やかさの調節に対するヴァリューVの応答が抑制される
ことになる。
【0510】このような悪影響は実際に存在し、恐らく
は他の色素選択または制御管理の修正によって或る程度
克服されるであろう。グラフはこのような試みをガイド
するのに使用することができよう。しかし、この種の修
正は頂点における一定Sの収束またはそこでの関連不確
定性を改善することはできない。
【0511】図22はHPGシステムについて下部境界
との一定K線の有利な交線−これにより上に述べた人工
的色素形成の試みにより強制される場合の他は収束が防
止される−を同じように示している。このようなモデル
化されたシステムはHLS(およびHSV)システムで
見られるような特異点が全く無いように見える。
【0512】しかし、その他に、モデルは真の色生成機
械−ここでも色素などの現在の選択を利用している−が
部分量−着色剤Nが一定の線の垂直からの不必要な傾
き、およびこれら線の不平行を生ずることを示してい
る。これらの効果はHPG空間のパラメータ独立性およ
び制御感度のその一様性をそれぞれかなり劣化すること
になろう。このような悪影響は機器に実際に存在し、色
補償の段階で克服される。ここでモデル化グラフは、測
色法から幾らかフィードバックして必要なまたは望まし
い補償の性格を決定することにより、そのような試みを
ガイドするのに役立つことができる。
【0513】かなりの再調整をこのようにして補償によ
り実現することができる。その結果HPGシステムの基
本的性能は、良好な挙動性などに関して、予想と一致し
ていることがわかり、このような試みが有益であるよう
に思われる。図22の非理想的応答が存在している場合
でさえ、色補償状態は、HPGの相関利点のため成功裡
に適用される。本書にマイクロフィッシュによる付属書
の形で与えられている色テーブルは非理想パラメータが
存在しているときのこのような色補償の結果である。
【0514】h.HPGに関する結論 色相プラス灰色色モデルは幾つかの長所を持っており、
色制御に関する従来からの多数の問題を解決している。
この概要は、ついでに、先に述べなかった幾つかを取入
れることにする。
【0515】HPGは、正確且つ安定で、しかもアルゴ
リズムにより簡単に実現される色制御を行う。HPG
は、遠く離れた原色を排除するので、非常に暗い色をパ
レットから排除している。
【0516】HPGは直観的機械空間色制御を生ずる。
HPGは灰色レベルとしてコード化することができ、多
数の原色の前に位置している。
【0517】HPGは組合わせ混色(これは非常に暗い
色を生じ、RGBに変換することができない)のような
従来の解決法の欠点を回避することができる。色の間隔
に関しては、HPGは色があまりにも近接して分類され
(図21を参照)パレットにまばらに詰められていると
いう問題を克服している。
【0518】HLS空間に対してHPGは、明るさと飽
和度とが知覚的に相関していず、飽和度のコード化が非
能率であるという問題を排除している。RGBに対して
HPGは非能率な色座標、知覚的に一貫しない色順序、
および不充分な補間を排除している。
【0519】4.新奇な誤差拡散法 本発明の或る好ましい実施例は従来技術の誤差拡散法の
説明で示したと同じ方程式を活用している。これらの方
程式は、しかし、初期のシステム段階からの入力情報の
異なる集合体に適用されており、結果は異なる仕方で使
用されている。
【0520】特に好ましい実施例は着色剤の更に大きな
グループ−各画素印刷決断をガイドするのに必要な色の
完全な仕様に実質上対応する−に対する累積誤差のトラ
ックを確保している。好ましい実施例は特にユーザの所
要入力色の識別を維持するのに充分な着色剤のトラック
を確保し、その情報を利用して印刷決断を活発に抑制す
る。
【0521】一層詳細に述べれば、好ましい実施例で
は、この識別は知覚的空間で行われ、維持されるので、
ユーザの知覚的予想は直接知覚的に実現される。利用さ
れる知覚空間は上に説明したHPG空間である。システ
ムは代わって今度は各画素位置に対するその意志決定プ
ロセスを行う。システムが所定時間に動作している特定
の位置を「現在の」画素と呼ぶことにする。
【0522】図23はプロセスの動作の仕方を、方法を
通じて使用するアキュムレータまたはメモリバッファの
見地から示すものである。現在の画素に対する所要入力
色はHPGの構成要素HNKで(および一層詳細には代
表的に使用される六つの有彩着色剤および二つの無彩着
色剤で)表してある。
【0523】想起されるように、HPGシステムで色を
表すには二つの有彩色だけが使用される。したがって優
勢原色および次位原色、および無彩の黒および白だけが
すべての特定の入力色に対して(それ故活性画素に対し
て)活性である。システムはこれら四つの着色剤の数に
初期の計算(すなわち、以前活性であった画素、または
言葉の上で簡単に表せば「初期の」画素)からの累積誤
差を加える。一般に他の六つの着色剤はすべてそれら他
の計算で活性になっており、それ故結果は一般に活性画
素に対して四つではなく八つの数から成るアレイであ
る。
【0524】たとえば、活性画素における所要色がYG
Kにより表されていれば、活性着色剤はYGKWである
−が初期の画素からの累積誤差はRGBCMYKWで表
される。この計画を行うために各画素について8個の異
なるメモリバッファが確保され、これに対して誤差分配
が行われており、累積誤差はこれらバッファに物理的に
存在している。
【0525】初期画素からのこれら8個の寄与が活性画
素に対する四つの数に加えられると、活性画素に対する
新しい誤差数がその画素に対する8個のバッファに入っ
ていることになる。システムはそれにもかかわらず四つ
の活性着色剤−所要入力色を表すのに使用されたもの
で、ユーザにより指定されたもの−の本性のトラックを
確保している。
【0526】次にシステムはその誤差合成値(所要成分
に初期画素からの寄与を加えたもの)が最大である活性
着色剤の正確に一つを印刷する。たとえ或る他の着色剤
に対するバッファの一つにそれより大きい数が入ってい
ても、システムはこのような「他の」着色剤を決して印
刷しない。活性着色剤の一つだけを印刷することが必要
である。
【0527】この手順は幾つかの観点で従来技術の誤差
拡散から離れている。入力色についての情報から分離し
ている。人為的に制限された空間では決断は行われず−
むしろ知覚空間、すなわち新奇なHPG空間、で行わ
れ、所要入力色の成分により制約される。
【0528】更に異なる着色剤または色相ページに関す
る決断は独立には行われず、実施のための減色の気まぐ
れにまかされる。むしろ活性画素入力色全体に対する全
体のプロセスは一つの決断の中に統合されている。
【0529】その他に、好ましい実施例は着色剤が或る
しきい値の強さ−或る最小誤差の大きさ−に達するまで
必ずしも待ったりはしない。むしろ複合誤差が最も強い
活性着色剤を印刷する。
【0530】二つ以上の着色剤の最大複合誤差が同じで
あれば、任意の決断が行われる。典型的にはシステムは
或る所定の順序で最初の場所に対する結合のうち最初に
来るものをどれでも単純に印刷する。
【0531】決断を行ってから、システムは印刷すると
決断した色の印刷を命令する。システムはまた活性画素
バッファ内にある複合累積を調節して印刷決断を反映
し、次いで調節した累積を近傍の画素に分散する。
【0532】二つの主要ステップはいずれの順序でも行
うことができる。すなわち印刷命令を最初に次に複合誤
差調節/分散を、またはその逆のいずれでもよい。同様
に、分散サブステップを印刷命令を発してから、ただし
調節サブステップを先に、行うことができる。
【0533】いずれにしても、複合誤差調節を行うに
は、システムは印刷すると決断した一つの活性着色剤に
対するバッファから数量1を差引く。このステップによ
りバッファは負数を保持することができ、事実屡々負数
を保持しなければならないことが明らかになる。
【0534】次にシステムは改訂したバッファメモリの
内容を幾何学的重み付けパターンに従って近傍画素に分
散する。好ましい実施例は図12に示す従来技術の重み
を使用している。
【0535】代案として本発明によるシステムは非常に
多様な他のパターンのいずれをも使用することができ
る。これらには幾つかの前に利用したものまたは提案し
たもの、および特定の目的に望ましいと思われることが
ある更に他のものが含まれる。
【0536】或る場合には、システムがその予備調節全
体が偶然最大にならない活性着色剤を印刷すると、活性
画素に対する所要入力色が偶然に比較的孤立した選択に
なるのでこの機会が生ずることがある。それは、表示装
置で作業しているユーザにより要求されるように、(緑
の背景に重ねられた細線記号、たとえば、英数文字、の
一部のような)大きなフィールド内の非常に小さい特徴
であることがある。
【0537】代わりに処理が、異なる色の比較的大きい
二つのフィールドが境を接している画像の一部に到達し
ているためその機会が生ずることがある。これら二つの
場合のシステム応答は活性画素が後に初期画素になって
しまっているとき顕著に異なる。
【0538】最初の例では、システムは間もなく小さな
特徴を通過すると動いて、再び境界背景に入り込むこと
ができる。そのときそれら前に取っておかれた複合語差
数−未使用のまたは「不活性の」6個の着色剤に対する
−は活性画素計算の「活性」部分になることができる。
【0539】換言すれば、その時の近傍の未処理画素に
分散された未使用誤差数をそれら後の画素に対する所要
色の数に加える。これら後の画素に対する活性着色剤に
対応するそれら未使用数をそれら活性画素に加え、そこ
で最も強い−それ故印刷される−着色剤に対する複合誤
差を計算する。
【0540】第2の例ではシステムは丁度入った比較的
大きいフィールドの新しい色をすみやかには残さない。
境界を接する線に近い活性画素から再分散された未使用
誤差数はあの活性画素が初期の画素から受取った数の比
較的小さい部分値である。
【0541】これら小さい数を今度は誤差の更に小さい
部分値に細分して後の画素に再分散し−次いでなお何度
も繰返して再分する。このプロセスが進むにつれて今や
性質の違う地域にある着色剤に対応する数が非常に小さ
くなる傾向がある。
【0542】或る意味で、それらが小さくなるか否か
は、処理の後に対応する着色剤が活性である画像領域に
到達しない限りそれらが印刷決断の一部であることがで
きないから、重要ではない。それにもかかわらずその処
理の不確実が生ずれば、それらは、決してまたはほとん
ど全く0に減衰しないから、なお活性画素への寄与者と
なり得る。
【0543】好ましい実施例の全体プロセスにおける数
学段階として、従来技術のシステムの場合のように、シ
ステムは所定の着色剤が色分配装置が使用し得る一つの
色素に直接対応するか否かを判定しなければならない。
対応しなければ、システムは或るレベルにおいて所定着
色剤を構成するのに使用する複数の−通常は正確に二つ
の−装置色素を識別する。
【0544】システムは次に、所定着色剤を分配する関
連システムハードウェア−たとえば、ペンおよび駆動回
路−の作動を命令する。インク、対応するペン、関連駆
動回路など、または類似のものの組合わせは、特許請求
の範囲の或るところで使用している「個々の物理的着色
手段」という言語に対応する。
【0545】HPG空間を使用する好ましい実施例で
は、機械(または関連する意味で機械パラメータ)によ
り使用される別々の物理的着色手段は知覚パラメータの
要素と一対一に対応する。すなわち、CMYK(W)が
可能な色分配装置を使用することができ、知覚的HPG
システムの要素はRGBCMYK(W)である。前者は
後者に−わかるとおり、それらの全部にではないが、そ
れらの一定のもの、サブセット、に−直接対応する。
【0546】図24は上述の処理をファームウェアまた
はソフトウェアの流れ図により表している。それはマイ
クロプロセッサのルーチンで色処理を行う分野での当業
者には自明であろう。第1ブロックすなわち2は不必要
であるかまたは修正が必要であることも理解されよう。
入力色情報がRGB以外の或る言葉で表されて到着すれ
ば、異なる変換が必要であり、それが既にHPGで表さ
れて到着すれば、変換は不要である。
【0547】5.新奇な群集ディザー法 好ましい実施例は、群集ディザーと言われている、代わ
りのハーフトーニング法をユーザに提供している。群集
ディザーの概念はそれ自身新しいものではない。ただ
し、この技法のHPG色モデルでの用法は本発明の更に
他の局面のように改良され洗練されている。下記は群集
ディザーセルを使用するハーフトーニングHPG色の説
明である。
【0548】a.一般的なハーフトーニングの概念 描写すべき画像の区域は水平および垂直の両方向に向く
画像の集まりとして組織されている。ハーフトーニング
は各画素を表すデータが装置画素が再生し得る以上の情
報を備えている場合に必要である。
【0549】ハーフトーニングは情報の量を装置が各画
素で必要とするレベルまで、再生画素の集合体が実質上
ハーフトーニング前に元の画素データ表現で見られると
同量の情報を含んでいるように見えるように、減らす。
ハーフトーニングには、描写中の画像区域に適するパタ
ーン設置プロセスと結合して、これら目的を達成するの
に使用される描写意志決定プロセスが必要である。
【0550】前記第4項で説明した新規な誤差拡散法
は、通常鋭い遷移または小さい画像特徴のあるところで
良好な結果を生ずる。しかし、この誤差拡散法は遷移が
ゆるやかで且つフィールドが大きい描写では屡々問題を
生ずる。このような環境での問題は誤差拡散の数学と画
像の幾何学との間の干渉効果(の他に拡散パターンの雪
かき状トラック)によるものである。ここでは以下に説
明する改良法のようなディザーが明らかに望ましい。
【0551】群集ディザーセル−群集ディザーセルによ
り作り出されるパターンは、結果を見たとき、ドットが
着色剤または黒の量が増すにつれて大きさが成長する特
別の場所で形成されているという印象を生ずるように設
計されている。ディザーを設計する方法は一般に前のド
ットに近く置かれる新しい各ドットが従来のドットと重
なるように設置されることを必要とする。
【0552】分散ディザーセル−分散ディザーセルは、
他の形式の順序ディザーであるが、ドットをディザーセ
ルの未占拠区域に設置して、ディザーセルの全部がドッ
トで充満するまで、可能な限り他のドットと重ならない
ようにするという逆の効果を生ずるように設計されてい
る。
【0553】b.描写中のディザーセルの設置 ディザーセルは最初、セルの左上隅が描写される画像の
左上隅に対応する位置に慣習的に設置される。この設置
により各ディザーセルの位置が今度はディザーセルで覆
われる画像区域内の特定の画素に対応するようになる。
【0554】ハーフトーニングプロセスにより印刷され
る色は画像の色とその画素に対応するディザーセルの値
との組合わせによって決まる。それ故画像のその区域の
描写が可能になる。
【0555】ディザーセルを今度はセルを右にセルの幅
に相当する量だけ移すことにより画像上に再配置する。
セルのこの新しい設置で新しい画像区域が覆われるが、
それは前に覆われた画像の区域に直接隣接している。
【0556】画像のこの部分を次に描写することができ
る。ディザーセルを画像の右側に到達するまで繰返し動
かす。プロセスはディザーセルを画像の左側まで戻し、
セルの高さに相当する量だけ下方に移すことにより継続
する。次に前の五つの節のプロセスを繰返す。画像の全
区域が覆われ描写されてしまうと、ディザ設置プロセ
ス、したがって描写プロセスが完了する。
【0557】c.ハーフトーニングHPG色 ここに記すのは群集ディザーパターンと呼ばれる特別の
順序ディザーを使用する色相プラス灰色空間で表される
色データのハーフトーニング法である。ディザーのパタ
ーンは図1に示してあるが、0から255までの範囲の
数の集まりから構成されている。
【0558】HPG色の部分量成分への変換−HPG色
の三つ組は色相、部分量色、および部分量黒から構成さ
れる。本明細書のどこかで記したように、この三つ組は
部分量−着色剤1またはFc1、部分量−着色剤2また
はFc2、部分量−黒K、および部分量−白Wから構成
され、それらの値の和が1になるような形に変換され
る。これらの値の各々に255を乗じてHPGを付表の
群集ディザーパターンの尺度に合わせる。 表:16×16群集ディザーセル
【0559】
【表1】
【0560】HPG色ベクトルの発生−次のステップは
HPG色ベクトルを構成することである。四つの部分量
成分は次の順序に配列されている。第1は部分量−黒で
あり、第2は2の一層暗い部分量−着色剤であり、第3
はより明るい部分量−着色剤であり、第4は部分量−白
である。
【0561】この成分の順序集合はそれぞれ記号K、F
CD、FCL、およびWで識別されるが、ここで数値は上の
節で説明した乗算ステップによって決まる。次に、幾つ
かのしきい値を下のように計算する。
【0562】 V1=K V2=V1+NCD V3=V2+NCL
【0563】図25は得られたHPG色ベクトルの図で
ある。
【0564】描写決断−ディザーセルを画像の一部の上
に置くと、各画像画素の描写はディザーセルの値をその
画素のHPG色ベクトルで表したしきい値と比較するこ
とにより行われる。決断プロセスは下に示した関係を、
示した順序で試験することにより行われる。
【0565】決断が印刷を指定すれば、残りの関係は無
視され、次の画素について考察される。各画素に対する
決断ステップは、ディザーセルの値が1.V1以下であ
れば、黒を印刷し、2.V2以下であれば、NCDの色を
印刷し、3.V3以下であれば、NCLの色を印刷し、そ
の他の場合には4.白を印刷する。
【0566】6.全体としてのシステムの概念および実
施 a.HPG色再生システム 原理的には、入力所要色情報をユーザが最初にHPGパ
ラメータHNKで公式化することができるので、HPG
への変換の必要はない。これらのパラメータは特に理解
しやすく、使用しやすいので、色選択および色修正の最
初のステップでそれらを使用することは当然である。
【0567】図26はこのようなシステムを表してい
る。色選択および所要調節には、キーボードコンソール
で、またはコンピュータのいわゆる「マウス」入力装置
を使用して、または選択スイッチまたはその他の形式の
制御器により入る42−がいずれの場合でも制御される
パラメータは実質的にH、N、およびKである。
【0568】このようなシステムでは、HPGパラメー
タの成分要素−たとえば、RGBCMYKWの部分量部
分−を直接入れるような、多数の異種の入力様式を使用
することができる。それらは、最も純粋な原理において
は色相および灰色は簡単に数値的に表すことができるの
で、HPGシステムにおける唯一の可能な要素名ではな
い。
【0569】その上、色相尺度についてのRGBCMY
以外の点を選択して原色として、または積分値0乃至5
として役立たせることができる。事実HPGシステムは
これら特定の数値の使用に基礎を置くものではなく、今
や認めることができるようにはるかに一層基本的な構成
である。
【0570】制御/選択ブロック43で展開された情報
はHPGパラメータで表されて表示装置31および(印
刷指令が発せられると)印刷装置73の両者の方に(そ
れぞれの中間モジュールを介して)進む。
【0571】プリンタ信号は最初H、N、およびKのレ
ベルを効果的に調節してプリンタで生ずると予想される
既知のゆがみの補償を行うHPG色補償ブロック56を
通過する。次に信号は、プリンタを直接駆動するのに適
する言語または空間でなければならない制御信号に変換
される。
【0572】先に記したように、好適な印刷装置はCM
YK信号で動作するが−これらは各目的にはRGBCM
YKWのサブセットである。したがって、プリンタに対
する信号変換71はパラメータ集合の圧縮と見なすこと
ができる。
【0573】プロセスでは、想起されるように、変換に
は装置命令集合に無いこれら有彩原色の補償を行う必要
がある。それら有彩原色は存在しているものから減色的
に構成されている。また、いわば、その色の紙を印刷機
に装填することにより分配されている一つの有彩着色剤
に対する適切な対策を行うことが必要である。
【0574】本発明は、ゼログラフ装置のような他の印
刷形式、およびどんな場合にはCMYK以外の着色剤、
の使用を−RGB要素の代わりにまたはそれを補足する
ため−考えている。このような他の着色剤は使用中のH
PG原色の要素である必要はない。
【0575】先に記したとおり、オレンジまたは幾つか
の他の原色を印刷機に有利に加えることができる。HP
G原色集合の一部ではない表示着色剤を加える場合に
は、着色剤集合の拡張(の他に圧縮)の要素はインター
フェースモジュールで生ずる。
【0576】プリンタ73も、このような装置に関する
技術的改良が許す限り、全く異なる形式の装置とするこ
とができる。このような印刷装置はすべて、図示したよ
うなインターフェースモジュールで適切に変換して、H
PG空間選択器または補償器から駆動することができ
る。
【0577】下部インターフェースモジュール(プリン
タ/圧縮/拡大ブロック)への途中で横断される補償モ
ジュールは、可能な範囲で、圧縮または拡大において生
ずると予想される色相の異常および他の非線形性を無効
にしなければならない。これら誤差の原因はプリンタそ
れ自身の動作に固有の既に記したものとは別のものであ
る。
【0578】表示信号33は、同様に、最初、H、N、
およびKを効果的に調節して表示装置で生ずる既知のゆ
がみを補償するHPG色補償ブロック45を通過する。
次に信号は直接表示装置を駆動するのに適している言語
または空間で表されていなければならない制御信号に変
換される32。
【0579】優勢に使用される表示装置31は、RGB
信号で動作するCRTであり−RGBは名目上RGBC
MYKWのサブセットである。したがって表示に関する
信号変換はしたがって、HPGパラメータから印刷機制
御信号を抽出することについて前に説明したと同様に、
パラメータの比較的簡単な圧縮であるということを想像
することができる。
【0580】非常に広い意味で、これは真であるが、今
回も変換には機械命令集合に着色剤が存在しないことな
どを考慮しなければならない。少なくとも大部分のCR
T装置は独立の機械変数としてCMYWの能力が無い。
【0581】それ故、色彩CMYは駆動情報座標RGB
から加色的に構成しなければならず、黒Kは照明表示画
面の暗い灰色で近似される。暗灰色画面を適切に使用す
るのに必要なRGB信号の色彩学的抑制−すなわち、こ
れら三つの信号を共通に抑制すること−の程度は部分量
−黒変数Kにより制御すべきである。
【0582】この点では対策はCMYK印刷機に対する
ものと類似しているが、幾らか逆である。白を形成する
のに伝統的なCRT装置では別の対策が必要である。
【0583】着色剤はR、G、およびBの等しい部分か
ら加色的に構成しなければならない。これを行うために
三つのCRTガンすべてにおいて必要な別の共通信号が
HPGシステムによる白信号から発現される。
【0584】色表示装置はRGB以外のCRT蛍光体を
−RGB要素の代わりにまたはその補色に−使用して動
作しなければならない。このような他の蛍光体は、丁度
オレンジまたは或る他の原色をプリンタに加えることが
できるように、使用中のHPG原色の要素である必要は
ない。
【0585】もう一度HPG原色集合の部分でない表示
着色剤を加える場合には、拡大(の他に圧縮も)の要素
がインターフェースモジュールで生ずる。表示装置も、
技術的改良によりこのような装置が可能である限り全く
異なる形式の装置−たとえばLCD装置−とすることが
できる。
【0586】このようなどんな表示装置も、図示したよ
うなインターフェースで適切に変換して、HPG空間選
択器および補償器から駆動することができる。補償モジ
ュールはここでも、表示装置で生ずるものに加えて、圧
縮または拡大で生ずるゆがみを処理しなければならな
い。
【0587】表示装置ではないが−または少なくともC
RT形式のものではないが−現在の印刷機の制御に必要
な他のステップは、図26に示すように、描写またはハ
ーフトーニング62である。このステップは分配機構の
点描画家的性格から生ずるものではなく、また、これら
の特性が表示および印刷の両者に共通なので、単にデー
タにラスタ分配順序を押し付けるということではない。
【0588】そうではなくて、描写はCRT形式の表示
装置における可変強度の相似として役立つ。描写は、色
相、部分量−着色剤、および部分量−黒の漸進的に見え
る。滑めらかに見える変化−一層一般的には、色彩およ
び色調のぼかし−を作り出すことができる。
【0589】コンピュータ制御装置のほとんどは−弱い
ドットおよび強いドットを、または(リトグラフ作業の
ように)異なる大きさのドットを印刷しようとするので
はなく−画素を印刷するか否かに基づいて動作する。そ
れ故ハーフトーニングと同様な幾つかの機構が、その動
作が実質上通り/止まりに基づいて最も効率的に進行す
る、色分配システム、関連する表示装置、のすべてにつ
いて必要になることがある。
【0590】描写モジュール内で行われるプロセスはユ
ーザにより指定される特定のすなわち独特の画像−形状
および着色により表されている−と分配システムの幾何
学との間の関係を表すことである。それ故、一般に、こ
のプロセスはすべての画像についてあらかじめ有効に働
くことができず、代わりに必然的にリアルタイムで行わ
れる。
【0591】実際問題として、図示した各種ブロック
は、通常、卓上コンピュータのソフトウェアの形で表さ
れているアプリケーションプログラムと印刷機のファー
ムウェアの形で表されている最終処理ステップとの間に
種々の仕方で分散することができる。普通、印刷機に、
および表示装置に導く補償および変換はソフトウェアで
実現される(または部分的に表示装置でファームウェア
として実現される)が描写および印刷命令への変換はフ
ァームウェアで実現される。
【0592】このような機能の割当は、卓上コンピュー
タは一般に並列処理を行う能力が限られているので、ほ
とんどの場合について実際的である。現存するこのよう
な能力を、補償および描写の双方の手順を同時に処理す
るように呼出すのは容易ではない。
【0593】卓上機械の並列能力に向かう現在の傾向が
更に発展すれば、未来のシステムはコンピュータソフト
ウェアの内部で−および或る知覚言語で表せば、色補償
段階に組込んで−ハーフトーニングの決断を行うことが
できる。しかし、当分の間は、このような開発が試みら
れるとは思われない。
【0594】しかし、実現可能な一つの統合は描写段階
と共に補償をファームウェア内に動かすことである。図
26も本発明によって容易になる印刷システムの性能の
二つの重要な高揚を明らかにしている。これら高揚は2
種類の問題に対する解答として生ずる。
【0595】第1に、印刷色素は異なる形式のシート媒
体−たとえば、普通紙、光沢紙、製図工の透明ベラムの
ような特殊紙、およびトランスペアレンシに使用される
プラスチックシートのような−との相互作用がそれぞれ
異なる。異なる媒体への印刷はそれ故得られる知覚色に
はっきり影響する。
【0596】第2に、異なる形式の画像の印刷は対応し
て異なる描写手順−たとえば、誤差拡散、群集ディザ
ー、および分散ディザーのような−で最も良く行われ
る。これに対する幾つかの理由を上の第5−a項に記し
てあるが、(恐らくは分散ディザーのような)他のシス
テムが、単に信奉者を確保しているというだけの理由で
実際的事項として要求されることがある。
【0597】したがって図26は色補償手順を選択可能
にして54、異なる媒体の影響を考慮に入れるべきか、
および描写手順を選択可能にして63〜64、異なる画
像の影響を考慮すべきかの方法を記号的に示している。
或る程度これら各選択は、手近にある媒体形式および画
像性質の機械判定に応じて、自動的に行うことができる
が、本発明はいずれか一方または双方の−機械制御器に
よるかまたはコンピュータ命令による−ユーザ選択を考
えている。
【0598】更に、色補償補正は異なる描写選択に対し
て必要である。これを図26に−下に示す幾つかの明確
に異なるハーフトーニング選択に対応する−補償モジュ
ールから描写モジュールまでの幾つかの信号線61を使
用して記号化してある。
【0599】b.RGBアプリケーションプログラムに
より駆動されるHPG色再生サブシステム 図27は、現在既に存在しているカラーグラフィックス
アプリケーションプログラムおよび分配システム構造に
適合するシステムに向かう1歩を表している。
【0600】このようなアプリケーションプログラム
は、典型的にはRGBによる表示装置を駆動するのに、
典型的にはHSL座標で−および或るものはRGB座標
で−動作している。それ故ほとんどのシステムは、図示
したように、選択143で使用される色空間から表示に
使用される色空間への変換148を備えている。
【0601】図示したシステムでは、パラメータ独立性
および色修正という前に説明した諸問題は単に示された
とおりに受入れられる。換言すれば、入力モジュールと
表示モジュールとの間の関係は印刷サブシステム設計者
の管理外であると考えられている。
【0602】実際問題としてその印刷設計者のアプリケ
ーションプログラム世界への侵入は通常−ワードプロセ
ッシングプログラムに対するプリンタの行動表に類似す
る−印刷色「ドライバ」という設備に限られている。典
型的にはドライバは販売されたままアプリケーションプ
ログラムパッケージに入っているようにアプリケーショ
ンプログラムの売り主に供給される。アプリケーション
プログラムは通常は表示装置とのその通信時に印刷ドラ
イバに仲裁させることはない。
【0603】更に、ユーザが実際にしたいことについて
或る仮定を行うことが必要である。原理的にはユーザの
意図は入力色選択設定値により、または色制御モジュー
ルから得られる信号により表されると仮定することは論
理的であろう。
【0604】これは、ユーザが単に或る他のもの(たと
えば、商業的に準備された画像)により提供された色画
像の或る種の複製を探している場合には正しいことがあ
る。しかし、実際問題として、普通ユーザまたは他の或
る者が図27の上部に示したような或るシステムの表示
画面を調べることに基づいて入力色設定値を作ってしま
っている。
【0605】真に物理的意味を持ち且つ知覚的に評価さ
れ終っている唯一の信号はそれ故丁度このような画面か
らユーザ(または或る他の者)の目に進む光学的データ
である。それ故これらをも与えられたまま処理するのが
合理的である。
【0606】要するに、ユーザはその欲するものを画面
上に提示していると仮定される。どんな色がそこで物理
的に現れていようと、システムの残りは目的を達成する
ように設計される。
【0607】アプリケーションプログラムが或る種の補
償モジュール145を、制御ブロック146にまたは信号
分割点151と表示装置との間に、備えることができ
る。前者の場合には補償の効果は印刷設計者の問題に係
るものであり、それは単に画面上にあるものに何が印刷
されるかに関係するだけである。
【0608】しかし、後者の場合には、プリンタに進む
信号は印刷サブシステムに到達する信号から離れてい
る。いずれの場合でも、印刷設計者のドライバは、それ
が−補償モジュール145が存在している(印刷システ
ムに表示装置が受取る信号とは異なる信号を受取らせ
る)か否か、およびもし存在していれば、−そのモジュ
ールの詳細作業を考慮に入れる用意がある場合に限り効
果的に動作することができる。
【0609】図26の場合にように、表示対HPG変換
158および色補償モジュール156は色印刷ドライバ
に組込まれているようであり−それはコンピュータにロ
ードされている。しかし、或るシステムについては、前
章で記したように、ドライバはプリンタファームウェア
に入れることができる。
【0610】システムの残り(図面の右下にある)はフ
ォームウェアに取入れられているようである。
【0611】図27のシステムはなお、現在実現可能で
あるように見え、または少なくとも商業的に最適である
と思われるものから1ステップ離れている。
【0612】c.RGBで駆動され連絡するHPG色補
償描写、および印刷のサブシステム 図28は現在の実現可能性の方向に半歩動いている。図
28は現存システムの確立された連絡構造を考慮してい
る。多数の色発生装置が既に購入され使用されている。
更に多数の装置が、基本構造に関して既に基本的に設計
され、実際に良く働いている。
【0613】これら設計および構造的実施例は記念碑的
且つ困難な事業を代表している。良好な設計慣例および
同様な業務慣例の問題として、進歩の各段階で前進する
のはどう最良であるかを評価するのが決定的に必要であ
る。
【0614】このような評価には有用な技術の進歩の進
歩が、古い作業環境を一掃し、新しい概念を更に効率良
く新しい仕方で実施することにより−または新しい実行
を立証済み作業環境に注意深く埋込むことにより−更に
良く促進されるか否かの評価が含まれなければならな
い。このような決断はすべて、古い構造の非能率性のた
めであろうと、または新しい構造の危険性のためであろ
うと、或る程度不満足であるに違いない。
【0615】このような評価の主要考察事項は新しい実
施例が既に存在している器械またはアプリケーションソ
フトウェアパッケージの現場改造、または工場再装に適
応する程度である。現存するシステムでは、これまでの
説明から想起されるように、コンピュータと印字サブシ
ステムとの間のインターフェースは最も典型的には補償
段階と描写段階との間に入る。
【0616】それ故現存するコンピュータおよびソフト
ウェア装置の素速い改造はそのインターフェースを、お
よびそれと共に最も好適にはインターフェースを横断す
る言語を保存することにより達成することができる。こ
のような考え方はすべて図28に見られる実際的解決法
のために役立つ。
【0617】わかるとおり、コンピュータサブシステム
はこのようにして良く知られているRGB座標への出力
変換266を備えている。インターフェース269の他
の側で、プリンタシステムは受取ったデータをHPGに
敏速に逆変換する267。
【0618】先に記したとおり、色補償256およびR
GBからHPGへの入力変換258は色ドライバの形を
取っている。ドライバは最も典型的にはコンピュータに
ロードされているが、時には代わりに、或るアプリケー
ションプログラムの売り主に適応するため、プリンタフ
ァームウェアに入っている。
【0619】いずれの場合でもドライバは典型的にはプ
リンタサブシステム設計者の管理下にある。したがって
設計者はプリンタファームウェアをそれ自身についてそ
の入力信号が予備補償されて到来する(図2の場合のよ
うに)かまたは補償を必要とするかを判定するようプロ
グラムするという選択権を保持している。
【0620】必要な場合にはこれを、たとえば、ドライ
バのソフトウェア変種の出力に無色データのフラグを設
けることにより、容易にすることができる。ファームウ
ェアはこれらフラグを試験して到着するデータが予備補
償されているか否かを判定することができる。
【0621】予備補償されていれば、ファームウェアは
入力データを直接描写段262に伝える決断をすること
ができ、予備補償されていなければ、内部補償ブロック
を最初に通す。このような策略により機械の生産が丁度
一つのモデルで可能となり、どんな形式のアプリケーシ
ョンプログラムにも自動的に適応できるようになる。
【0622】望ましい場合には決断を他の方法−たとえ
ば、プラグイン適合性モジュールの使用、および内蔵モ
ジュールの手動切換えを含む−で行うことができる。こ
れらはドライバが存在していることがありまたは存在し
ていないことがある種々のアプリケーションプラグに適
合するよう組立てることができる。
【0623】図27の場合のように、補償ブラックはこ
こではRGB信号を表示装置で解釈するときに生ずる色
のゆがみ−の他に描写システムにおいて、プリンタで、
および道筋に沿って図示した幾つかの変換ブロックにお
いて導入される色のゆがみ−を考慮するよう好適に動作
する。
【0624】図28はコンピュータおよび図面の下方に
現れている典型的な境界に沿うプリンタサブシステムを
分離する際に生ずる別の実際的必要性をも示している。
描写選択263は、特にプリンタサブシステムでのみ行
われる場合−色補償数の対応する必要な選択を行うため
に−コンピュータサブシステムまで上流に運び戻さなけ
ればならないことがある。
【0625】いずれにしても、補償段階および描写段階
の切換えまたは制御は補償演算と描写法との間の対応を
維持するよう調整されなければならない。図28はこの
必要性を二重選択スイッチ258、268として記号化
してある。
【0626】一方の258はHPG補償器出力をRGB
に変換する直前にあり、他方の268はRGB描写入力
をHPGに逆変換した直後にある。前のように、これら
選択は実際にコンピュータ命令により行うことができ、
ユーザにより入れることができ、またはシステムにより
自動的に確立することができる。
【0627】d.選択可能ハーフトーニング、シート媒
体および鮮やかさによる、RGBと接続されたHPG補
償、描写、および印刷 図29は、特に上に考察した実用性の幾つかの要因から
見て、現在最も高度に望ましい、本発明の実施例を示
す。上に導入したHPG色モデルおよび新しいディザー
法の多様な利益を保存しているが、この実施例は更に、
現在他に優って利用可能な形式の卓上コンピュータを用
いて、色補償計算をリアルタイムすなわちオンラインで
完了するという困難に挑戦している。
【0628】この図面の説明は本発明の好ましい実施例
を図解する前の三つの図からの収束点のみを強調するこ
とにする。これらの第1はHPG空間との間で行われる
変換、およびその空間内の色補償介入動作の効果を記し
た参照用テーブル356、357が図28の上部HPG
空間ブロックの位置に適切に設置されているということ
である。テーブル356、357を構成する、HPG空
間で明瞭に行われる、準備ステップは内部ブロック−製
造され分配されたままの、または直接使用されたままの
機器によっては行われないが、他の手段により早い時期
に行われるので破線で示してある−により記号化してあ
る。
【0629】システムは異なる色調節または色補償のユ
ーザ選択を考慮に入れている。先に記したとおり、現在
最も高度に好適な実施例ではこのような調節または補償
の正確に二つの異なる個別集合体が利用可能になってい
る。
【0630】これら調節集合体はそれぞれ次のように色
の印刷に対応する。 (1) 表示画面上にできる限り近接して現れるように、お
よび(2) 一層鮮やかに。詳細に述べれば、第2の選択可
能な集合体において鮮やかさが増すのは部分量−着色剤
Nが増すことに対応する。
【0631】この理由で、「色」スイッチハンドル38
1(およびまた「ムーブビビッド(MOVE VIVID)」オプ
ションと「レプロデュースド(REPRODUCED)」オプショ
ンとの間のようなユーザ選択)は共に図29の上方の破
線のHPG空間域の内側に置いてある。
【0632】選択は通常コンピュータ命令かまたは実際
の機械制御かにより行われる。とにかくそれはHPG空
間で行われているように知覚化される。
【0633】しかし、実際の実施例はRGB信号に適用
され、更に多くのRGB信号を発生する。それ故ここで
はそれをHPG空間域の外にあるスイッチ接点382、
383でにより記号化してある。
【0634】同様な慣例は異なるシート媒体を用いる機
器の使用に適用される補償の記号364−364’−3
64”に適用されている。HPG空間の内外のようなユ
ーザの選択プロセスの表現は、下記の理由で、幾らか議
論の余地がある。
【0635】先に提示したように、本発明による誤差拡
散および群集ディザーは共にHPGパラメータおよびそ
の要素を用いて行われる。それにもかかわらず、ディザ
ーは一次のプロセスであるから、HPG処理の潜在利点
を有効にするすなわち発展させることができない。
【0636】その結果事実正確に同じ数、印刷決断、お
よび出力の出現がHPGおよびRGBで群集ディザーを
行うことから生ずる。それ故、アルゴリズムの手順は極
めて大きく異なるが、それらの間の選定は単に設計選択
の問題に過ぎず−または更に独断的レベルでは、プログ
ラミングの好みの問題でさえある。
【0637】商品化のため実際に開発されている本発明
の物理的実施例では、その好みはRGB座標により実施
することであった。したがって−ただし、その選択は本
発明の動作の構成要素ではないから、幾分任意に−ディ
ザーハーフトーニング機能362’を外部HPG空間と
して図示してある。
【0638】色補償テーブルの機能がHPG空間で行わ
れるかRGB空間で行われるかは微妙な意味論的疑問と
なるが、ここではその同じ上部HPG空間域の一部は内
側に一部は外側にあるテーブル356、357を示すこ
とにより解決されている。
【0639】本発明のこの好ましい実施例の最も進んだ
表示はMcIntoshコンピュータで使用するため協同して準
備された。この実施例は選択可能な描写方法−誤差拡散
ED、群集ディザーCD、および分散ディザーDDとし
て提供されるオプション−および普通紙、光沢紙、特殊
紙、および透明プラスチックシート、それぞれPP、G
P、SP、XP、に対する四つの選択可能な補償、の他
に上述の選択可能な鮮やかさを備えている。これらオプ
ションは全部で24の相互組合わせを生じ、事実24個
の参照用テーブルがハードウェアおよびソフトウェアの
商業用パッケージの一部として提供されている。
【0640】他の表示がIBM適合マイクロソフト ウ
インドウズ システム(Microsoft Windows System)に
使用するために準備されており、群集ディザーと分散デ
ィザーとの間の選択、および媒体および鮮やかさの同じ
八つの相互組合わせ選択を提供している。ここでオプシ
ョンの16の相互組合わせが見られ、その数の参照用テ
ーブルが商業的に提供されている。
【0641】なお第3の表示がソフトウェア刊行共同体
(Software Publishing Corporation)によりそのハー
ヴァードグラフィックス(Harvard Graphics)ソフトウ
ェアパッケージのために、マイクロソフトDOS(Microso
ft Dos)の付属品として、準備されており、(1) 普通紙
または特殊紙と(2) 光沢紙または透明プラスチックシー
トとの間の選択を−鮮やかさの選択なしで−可能なよう
にしている。したがって二つの参照用テーブルがパッケ
ージに入っている。
【0642】共に考察したこれら種々の表示は未来のユ
ーザに、対応する種々の価格で、能力および妥協の範囲
を示し−好都合にもユーザが必要性および資力の双方に
最も緊密に合う能力を選択できるようにしている。しか
し、分散ディザー、ベラム紙、および光沢紙は比較的稀
にしか使用されず、それ故補助的なものである。
【0643】これら後者の三つのオプションを別にすれ
ば、集合体に取入れられる残りの14の利用可能な相互
組合わせまたは組合わせは本発明を実用化する最良態様
でありしたがって最も高度に好適である好ましい実施例
を表していると考えられる。
【0644】本書は本発明をその最良態様で、色再生機
械システム、電子システム、およびプログラミングシス
テムの技術に通暁している人(または一群の人々)が実
用化することができるようにすることを目的としてい
る。機械システムについては或る程度次章で説明するこ
とにし、機械学および電子工学の完全な展示は研究のた
め前述のヒューレット・パッカード社のPaint Jet XL30
0 型カラープリンタとして間もなく入手できる。
【0645】プログラミングシステムは同様に間もなく
入手できるが、RGBからHPGへのパラメータ変換3
67、371、およびHPGからCMYKへの(機械)
パラメータ変換の場合の他は非常に一般的に因習にとら
われている。RGB→HPG変換367は既に始めの章
で示してあり、HPG→CMYK317は、HPG要素
の完全集合の半分がCMYKと全く同じであり、たの要
素Wがそれ自体は印刷されないので、或る程度ささいな
ことである。
【0646】RGB→CMYK371に対する残りの変
換は当技術では周知であるが、完全のためここに提示す
ることにする。次の式の最初のもので、記号「m in」
は先に導入した着色剤「M in」またはその数M inで
はなく、最小を選択する関数を表している。
【0647】 K=m in(1−R、1−G、1−B) C=1−R−K M=1−G−K Y=1−B−K
【0648】前述のすべてをガイドとして、図29の色
補償テーブルN1、N2の開発を今度は色技術の係員が
非常に簡単に行うことができる。このような係員は、ど
んな色調節または色補償を実際に行うべきかを決定する
のに必要な、測色的、分析的、および数学的手法、およ
び類似のものを供給することができるが、それらは更に
独創的な試みについての必要性に出逢うことはない。
【0649】しかし、上に記したように、本発明の利益
をこのような中間レベル(またはそれより高い)の技術
者に限定するつもりはない−がそれよりはこの分野の当
業者がこれら利益を完全に享受することができるように
するつもりである。したがって本発明の策略をその最良
態様で可能にする14個のテーブルの集合全体を本書の
マイクロフィッシュによる付属書に示してある。
【0650】付属書のテーブルに対する「目次」は付属
書のP.254に記してあり、方向決定に関する記述ペ
ージはP.253である。すべてテーブルを使用するに
は、入力RGB量をそのテーブルの三つの章の各々(記
述ページに説明してある)で見出し、対応する出力数を
三つの章すべてから読取る。後の方の三つの図はそれぞ
れ出力赤、緑、および青の量である。
【0651】一般に入力RGBの量はテーブルの個別の
入力エントリとは一致しないが、むしろ一般に各入力R
GB量は、三つの各章の、二つのエントリの間にあるこ
とがわかる。
【0652】7. 色分配ハードウェア 本発明の現在最も高度に好ましい実施例では、色発生機
械、すなわち媒体に色を発現させる装置はインク分散文
書プリンタである。そのプリンタで最も好適なのは熱イ
ンクジェット式のものである。これら実施例では可視媒
体はプリンタを通過するシート媒体であり、プリンタが
シート媒体に付着させて実質上安定な画像を形成する色
インクおよび黒インクを受ける。可視光投射は色インク
からのおよび媒体からの反射から成るが、透明プラスチ
ックシート媒体の場合には、投射は更に媒体を通過する
透過から成り、蛍光インクを採用する場合には、投射は
インクからの光放射をも含んでいる。
【0653】個々の物理的着色手段は第1組成の第1原
色インクおよび第2組成の第2原色インクを備えている
−両方ともプリンタ内部にある。第1の装置原色手段は
−第1原色インク、−インクを発射する第1の電気作動
ペン、−第1のペンの位置を媒体に関して制御する手
段、および−位置制御手段と協働して第1のペンを作動
させ、第1のスペクトル分布で、領域から、光を選択的
に反射するよう第1のインクを発射させる第1の回路、
から構成されている。
【0654】対応して第2の装置原色手段は、第2組成
の第2原色インク、インクを発射する第2の電気作動ペ
ン、および第2のペンの位置を媒体に対して制御する手
段を備えている。第2の装置原色手段も位置制御手段と
協働して第2のペンを作動させ、第2のスペクトル分布
で、領域から、光を選択的に反射するよう第2のインク
を発射させる第2の回路を備えている。
【0655】先に指摘したとおり、補色または次位原色
が必要なときは、代わりの規定が呼出されて装置原色手
段の一方または他方を二つ一組で動作するインク、ペン
などにより所要視覚効果を生ずるよう構成させる。
【0656】グレースケール手段はプリンタ内部に第3
組成の黒インク、インクを発射する第3の電気作動ペ
ン、および第3のペンの位置を媒体に対して制御する手
段を備えている。グレースケール手段は位置制御手段と
協働して第3のペンを作動させ、実質上すべての可視光
波長で光を実質上等しく吸収する黒インクを発射させる
第3の回路を備えている。
【0657】上に列挙したような本発明の要素は特定の
所要色を表す活性原色だけに関係していることが理解さ
れるであろう。実際の装置は少なくとも一つの他の装置
原色手段を備えて、一般的色発生のその能力を完全にし
ている。
【0658】a.ペンキャリッジ 図30および図31は、その個々のペンホルダまたはベ
イ91、およびペン96K、96Y、96M、96Cを
備えたペンキャリッジ85が媒体を横断して走査する際
極めて精密に横方向の位置決めを行うため一対の支持案
内ロッド94にどう取付けられているかを示している。
キャリッジ85をそれらロッド94に沿って非常に速く
推進させるため、金属製のキャリッジ駆動ケーブルまた
はストリップ95がキャリッジの床の中心93の近くに
固定されている。
【0659】キャリッジ駆動ケーブル95は、プリンタ
基台(図示せず)の縁でキャプスタン(図示せず)の周
りに取付けられている無端金属ループである。キャプス
タンのモータ駆動の一つの周りに強制的に回転させられ
て、キャリッジ駆動ケーブル95はキャリッジ85を基
台を横断して前後に往復させる。
【0660】垂れ下り電気ケーブルアセンブリ(図示せ
ず)がキャリッジ85の右後隅86に取付けられてい
る。その電線はすべてのペンおよびそれらの色放出駆動
回路の盤上部分87に出入りする制御信号を運ぶ。
【0661】柔軟回路87は各ペンベイ91でペンイン
ターフェース92を垂れ下りケーブルと相互接続し、こ
れによりプリンタケースのどこかに静止して取付けられ
ている制御回路と接続する。その制御回路は先に説明し
た描写および補償の各システムにより作動される。
【0662】キャリッジの右前隅の近くの丁度見えない
ところにシート媒体の縁を検出するセンサのための印刷
回路アセンブリ88がある。この印刷回路アセンブリ
は、(サンフランシスコを知っている者にとって明らか
な理由で)時々親しく「断崖の家」と呼ばれる小さいな
盤外突起89により隠されている。
【0663】断崖の家89を通していわゆる「コードス
トリップ」(図示せず)が突出しているが、これは極め
て微小な光学オリフィスのパターンを支持するものであ
る。コードストリップは、プリンタ基台に対して静止し
ているが、移動キャリッジの位置基準として働く。断崖
の家にあるセンサはキャリッジが通過する各オリフィス
を検出してカウントし、キャリッジの位置を非常に精密
に連続して監視する。
【0664】b.キャリッジ上のペンの位置 これらの図面はペンが走査に垂直な方向に千鳥に配列さ
れていることをも暗示している図32はこの暗示を立証
しており、CMYKペンの相対位置を誇張した形で示し
ている。
【0665】この千鳥状配列は媒体上に短時間にあまり
にも多量のインクが落ちることのないようにするのに役
立つ。こうしないと余分の未乾燥の液体により吸収剤媒
体のしわが一層悪化し、着色剤のにじみが生ずる。
【0666】これまで述べた開示は単に模範例を示そう
としてものであり本発明の範囲を限定するつもりではな
いことが理解されよう−本発明の範囲は特許請求の範囲
を参照して確定するものとする。
【0667】
【発明の効果】以上記載のとおり、本発明は、特に所要
色の情報を色相、部分量着色剤、および黒の情報に分解
する効果を発生することにより、機械は所要色の情報を
知覚的に関連する仕方で操作に従順な形で具現化できる
という効果を生じる。
【0668】また、3つのパラメータは色素情報に関連
して装置言語の指令に直接的に変換される。その結果、
コード化された色情報は装置制御手段に使用することが
できる。換言すれば、このパラメータ集合による情報は
色描写および色素分配のサブシステムの両者を駆動する
ために直接適用することができる。
【0669】特に顕著な結果は、このパラメータ集合を
知覚的色操作空間および描写空間の二重適用により、ハ
ーフトーニングを知覚空間で行うことができる。従っ
て、各画素における着色剤の選択を、色素に分解してか
らではなく、入力色により行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直交するRGB色空間の抽象図である。
【図2】HVC又は一般的に色相―明度―彩度空間に相
当する混合極性/高度色空間の、図1と同様な抽象図で
ある。
【図3】前出のジヤッド氏の著作204頁による理想的
着色剤の無限選択を仮定した理想的色立体の同様の抽象
図である。
【図4】前出のジヤッド氏の著作214頁による、直正
な原色の無限選択―各色相についてただ一つの―のため
の一般化された色立体の同様の抽象図である。
【図5】前出のジヤッド氏の著作226頁による、図3
及び図4に相関し、かつ重ねられた一定の彩度円筒を示
す4つの色相ページの同様の抽象図である。
【図6】RGBとHSV色空間との関係の混合グラフイ
カル及び数理的表現図である。
【図7】HSV色空間内の理想化され若しくは高度に規
制された色相ページ―4つの図5の色相ページのいずれ
にも極めて類似している―を表わし、かつより暗い色を
排他的に得る試みに対するHSVシステムにおける応答
を示す色相ページを示す図である。
【図8】より鮮明の色を排他的に得る試みに対する応答
を示す。図7と同様な図である。
【図9】RGB及びHSLシステムに関する図6に類似
する図である。
【図10】より明るい色を排他的に得る試みに対する応
答を示す、HSLシステムに関する図7と類似する図で
ある。
【図11】鮮明度のより少ない色を排他的に得る試みに
対する応答を示す図10と同様な図である。
【図12】先行技術に使用されかつ本発明に使用可能な
誤差拡散重み付けパターンを示す線図である。
【図13】図7及び図8と類似するが、一定値のパラメ
ータS及びVの内部線を伴ったHSV色相ページ線図で
ある。
【図14】図7及び図8と類似するが、一定値のパラメ
ータS及びVの内部線を伴ったHSV色相ページ線図で
ある。
【図15】図10及び図11のHLS線図に類似する
が、一定値のパラメータS及びVの内部線を伴った線図
である。
【図16】図10及び図11のHLS線図に類似する
が、一定値のパラメータS及びVの内部線を伴った線図
である。
【図17】HPG色モデルに関する、図6及び図9に類
似した図である。
【図18】黒さ及び鮮明さが増すHPG色相ページに関
する、図13〜図16に類似する線図である。
【図19】黒さ及び鮮明さが増すHPG色相ページに関
する、図13〜図16に類似する線図である。
【図20】境界挙動を示す、図18及び図19に類似す
る線図である。
【図21】図15〜図16及び図18〜図20の構成部
にそれぞれ相当するコンピュータシミュレーションを示
す図である。
【図22】図15〜図16及び図18〜図20の構成部
にそれぞれ相当するコンピュータシミュレーションを示
す図である。
【図23】メモリバッファに対する情報移動としての誤
差拡散方法を示す線図である。
【図24】同様な方法に関するソフトウエアの流れ図で
ある。
【図25】集合デザイン―色ベクトルを表わす図であ
る。
【図26】HPCパラメータと殆んど一体的に作用する
色再生システムの構成図である。
【図27】図26と類似するがRGB信号で作動する現
存の入力サブシステムの構成図である。
【図28】(プリンタを除して)RGB―インターフェ
ースされた図27に類似する構成図である。
【図29】検索操作を示す、図28に類似する構成図で
ある。
【図30】それぞれ印刷機キャリエッジ及びペンの斜視
図である。
【図31】それぞれ印刷機キャリエッジ及びペンの平面
図である。
【図32】ペンスタッガー(千鳥配置)の概略平面図で
ある。
【符号の説明】
31 表示装置 33 表示信号 43 制御/選択ブロック 45,56 HPG色補償ブロック 61 信号線 73 印刷装置(プリンタ) 85 ペンキャリッジ 87 盤上部分(柔軟回路) 88 印刷回路アセンブリ 93 キャリッジの床の中心 94 ロッド 112 所要垂直径路 114 水平径路 145 補償モジュール 146 制御ブロック 151 信号分割点 156 色補償モジュール 213’水平線 118,119 内部線 256 色補償 258,268 二重選択スイッチ 263 描写選択 266 出力変換 269 インターフェース 313 垂直の矢の径路 315 上方の矢 315’下方の傾いた矢 356,357 参照用テーブル 381 スイッチハンドル 382,383 スイッチ接点

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可視媒体と、カラー情報源からの所望カラ
    ー情報とを使用する装置であって、 前記可視媒体に着色する装置と、 前記カラー情報を受信し、前記装置に制御信号を発生す
    ると共に、(A)前記カラー情報を色相、中間色、黒色
    情報に実質的に分解し、(B)分解された情報について
    カラー補償動作を行なって前記制御信号を発生し、
    (C)前記制御信号を前記装置を制御し得る形式で表わ
    す、プログラムされた情報プロセッサと、 前記形式で信号を受信し、これを前記装置に与える装置
    制御手段と、 を有するカラー映像形成装置。
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