JPH0637744Y2 - 浴槽の蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、浴槽の長手方向を分割して形成した複数の蓋
ユニットらなる浴槽の蓋に関する。

［従来の技術］ かかる浴槽の蓋は、従来から大きい浴槽に対して着脱の
便利さから用いられている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記の浴槽の蓋は、浴槽を覆った場合、蓋ユニット同士
がずれて隙間ができると、温気が隙間から逃げる不具合
があり、また、取外した際、重ね合せ整頓して壁に立て
掛けるのが面倒である。

これに対して、特開昭52-4374号公報には複数に分割し
た風呂蓋の側縁部に吸着用磁石を設けた技術が示されて
おり、実願昭55-98969号（実開昭57-22391号）の願書に
添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィ
ルムには、複数に分割された風呂蓋の両面に係合手段を
設けた技術が開示されている。しかし、これ等の技術に
おいては、断面の形状が単純であるため厚さ寸法に比較
して断面係数が小さく、撓み強度が弱いという問題が存
在する。また、入浴時に蓋を重ねて整頓する際に、蓋同
士が面接触するため、湯気が凝縮して蓋に付着した水滴
が乾燥し難くなる。

本考案は、上記した従来技術の各種問題点に鑑みて提案
されたもので、使用時のずれを防止し、取外したときの
整頓が容易であると共に、撓み強度を改善し、且つ、付
着した水滴が乾燥し易い様な浴槽の蓋の提供を目的とす
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案の浴槽の蓋は、浴槽の長手方向を分割して形成し
た複数の蓋ユニットからなる浴槽の蓋において、該蓋ユ
ニットの上面には長手方向に複数の円弧状の第１の凸条
が形成され、その中央部には該凸条より高さ寸法が若干
高い長方形の第２の凸条が形成され、前記蓋ユニットの
下面の４隅には、高さ方向寸法が前記第２の凸条と等し
い円形のボスが形成されており、前記第２の凸部及び下
面の中央部には長方形の第１及び第２のマグネットがそ
れぞれ埋設され、前記蓋ユニットの巾方向両端面はスト
レート面に形成され、該両端面中央部には第３及び第４
のマグネットがそれぞれ埋設されている。

上記蓋ユニットは、プラスチック材でブロー成形により
形成し、ブロー成形時にマグネットを金具に付着してお
いて埋設するのが好ましい。

［作用］ 上記の様に構成された本発明の浴槽の蓋によれば、使用
時、すなわち蓋で浴槽を覆っている時は、蓋ユニットの
巾方向両端面と隣接する蓋ユニットとの接合面の前記第
３、第４のマグネット同士が吸着し、蓋ユニット同士の
ずれをなくし、隙間ができるのを防止する。その結果、
浴槽から湯気が外部に漏れることが無くなるので、湯温
が低下しない。

また、浴槽から蓋を取外す際は、蓋ユニットを重ねる
と、上下に重なった蓋ユニットの上面と下面の第１、第
２のマグネット同士が吸着し、蓋ユニット同士を整合し
た状態に一体化する。従って、浴槽から取り外した蓋が
極めて整然とした状態で整頓されるのである。

この際、蓋ユニット下面の４隅に形成された円形のボス
により、重なりあった蓋ユニット間に空気が流通し易く
なる。そのため、湯気が凝縮した水滴が蓋ユニットに付
着していても、当該水滴の乾燥が容易である。

さらに、前記第１の凸条を形成することにより、蓋ユニ
ットの高さ方向寸法或いは厚さ方向寸法を増加させるこ
と無く断面係数を増加して、撓み強度が向上する。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図ないし第３図において、浴槽の蓋は全体を符号１
で示す蓋ユニットの複数個からなっている。なお、この
蓋ユニット１は図示しない浴槽の長手方向を複数に分割
した大きさに形成され、蓋ユニット１の巾方向の端面
９、10が隣接ユニットとの接合面となっている。

その蓋ユニット１の上面２には、高さ方向寸法が比較的
低い長手方向の円弧状の凸条３（第１の凸条）が複数
（図示の実施例では６条）形成されており、条面２の中
央部には、凸条３より高さ方向寸法が若干高い長方形の
凸条４（第２の凸条）が形成されている。

また、蓋ユニット１の下面５の４隅には、凸条３と同じ
高さの円形のボス６が形成されている。なお、このボス
６は吸着盤を用いることができる。そして、前記凸部４
と下面５との中央部には、長方形のマグネット７、８
（第１及び第２のマグネット）がそれぞれ埋設されてい
る。

一方、接合面９、10（蓋ユニットの巾方向両端面）はス
トレート面に形成され、それらの中央部には、マグネッ
ト11、12（第３及び第４のマグネット）がそれぞれ埋設
されている。

この蓋ユニット１は、例えばポリエチレン材でブロー成
形により形成されており、成形時にマグネット７、８、
11、12を金型に付着しておいて埋設するようにしてい
る。

このように構成されているので、使用時は隣接する蓋ユ
ニット１、１のマグネット11,12が相互に吸着し、蓋ユ
ニット同士のずれをなくし、隙間ができるのを防止す
る。

他方、取外して蓋ユニット１、１を重ねると、上下の蓋
ユニットのマグネット７、８が相互に吸着し、蓋ユニッ
ト同士を整合した状態に一体化し、また、ボス６により
空気流通用の隙間Ｓを形成する。

［考案の効果］ 本考案は、以上説明したように構成されているので、使
用時は蓋ユニット同士のずれをなくして隙間ができるの
を防止し、温気の逃げるのを防止して湯が沸くのを早
め、または、湯のさめるのを防止する。

また、取外す際は蓋ユニットを重ね、蓋ユニット同士を
整合した状態に一体化し、容易に整頓よく壁に立て掛け
ることができる。この際、ボスにより形成された隙間
は、空気の流通を良くして蓋ユニットの乾燥を早め、蓋
ユニットの耐用年数を延ばすことができる。

これに加えて、高さ方向或いは厚さ方向寸法に比較して
蓋ユニットの断面係数が大きいので、軽量で且つ撓み強
度が強い蓋ユニットが提供されるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す蓋ユニットの平面図、
第２図は側面図、第３図は第２図に直交する側面図であ
る。 １……蓋ユニット、２……上面、５……下面、7,8、1
1、12……マグネット、９、10……接合面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽の長手方向を分割して形成した複数の
   蓋ユニットらなる浴槽の蓋において、該蓋ユニットの上
   面には長手方向に複数の円弧状の第１の凸条が形成さ
   れ、その中央部には該凸条より高さ寸法が若干高い長方
   形の第２の凸条が形成され、前記蓋ユニットの下面の４
   隅には、高さ方向寸法が前記第２の凸条と等しい円形の
   ボスが形成されており、前記第２の凸部及び下面の中央
   部には長方形の第１及び第２のマグネットがそれぞれ埋
   設され、前記蓋ユニットの巾方向両端面はストレート面
   に形成され、該両端面中央部には第３及び第４のマグネ
   ットがそれぞれ埋設されていることを特徴とする浴槽の
   蓋。