JPH0637687B2 - ボ−ルケ−ジ用高強度高靭性肌焼鋼 - Google Patents

ボ−ルケ−ジ用高強度高靭性肌焼鋼

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JPH0637687B2
JPH0637687B2 JP62194946A JP19494687A JPH0637687B2 JP H0637687 B2 JPH0637687 B2 JP H0637687B2 JP 62194946 A JP62194946 A JP 62194946A JP 19494687 A JP19494687 A JP 19494687A JP H0637687 B2 JPH0637687 B2 JP H0637687B2
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steel
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和男 外山
三幸 山本
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車の駆動輪車軸用継手のボールケージに
用いられる高強度高靱性肌焼鋼に関する。
〔従来の技術〕
自動車の駆動車軸を被駆動車軸に動力を伝達する継手と
しては、等速継手と不等速継手とに大別でき、前者の代
表例として、バーフィールド形継手があり、これは、第
1図に示すように、駆動軸1から被駆動軸2への動力伝
達に当り、外輪3と内輪4との間に複数たとえば6個の
ボール5を設け、またこのボール5はボールケージ6に
て保持したものである。
このボールケージは、機能上、非常に大きな回転力を伝
達しようとするものであるため、高い強度と靱性、なら
びにボールとの接触面での耐摩耗性が要求される。
従来は、ボールケージとしては、機械構造用合金鋼、あ
るいはNi−CrもしくはCr−Mo系肌焼鋼が用いられ、その
代表的化学成分は、第1表の通りである(単位は重量
%)。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、従来のボールケージ鋼において、高い強度およ
び耐摩耗性を確保しようとすると、芯部の靱性が犠牲と
なり、衝撃荷重に対する抵抗が乏しく、低い荷重におい
て粒界破壊することがある。
そこで、本発明の主たる目的は、従来材と同様の表面硬
度を持ちながら、十分な芯部靱性を有する肌焼鋼を提供
することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
前記問題点を解決するための本発明は次の通りである。
自動車の駆動輪車軸用継手のボールケージに用いられ以
下の化学成分からなり、 C:0.05〜0.15重量% Si:0.2重量%以下 Mn:0.2〜0.6重量% P:0.015重量%以下 S:0.015重量%以下 Cr:0.15〜0.5重量% Mo:0.1〜0.25重量% so1Al:0.015〜0.06重量% さらに、 0.02〜0.04重量%のNbまたは0.01〜0.
03重量%のTiの1種または2種を含み、残部は実質
上Feよりなり、 かつ焼入れ指数Dが0.93インチ以下となることを
特徴とするボールケージ用高強度高靱性肌焼鋼。
〔作 用〕
本発明では、一般にボールケージは、その肉厚が5mm以
下と厚くなく、焼入性が高いと、全断面硬化され芯部の
靱性が損われるので、焼入性を抑え芯部の強度を従来材
以下とすることにより、芯部靱性を高めている。また、
粒界強化元素を添加しているので、粒界破壊の発生を抑
制でき、また粒界脆化を促進する元素を低減しているか
ら、粒界破壊抵抗性が高まる。
〔発明の具体的構成〕
以下本発明をさらに詳説する。
各々の元素を限定した理由は下記の通りである。
C:Cは硬度あるいは強度を決める基本的な元素であ
る。芯部硬度が従来材レベルを超えないようにするた
め、上限を0.15%とした。一方、ボールケージが使
用中変形しないためには硬さHv=250以上必要であ
り、このため下限値を0.05%とした。
Si:Siは脱酸と焼入れ性の点より通常0.15%以上添
加されるが、本発明では、むしろ焼入性の低減、粒界及
び基地の靱性の向上を図るという点から脱酸の効果が得
られる最低量の添加とし、上限を0.2%とした。
Mn:Mnは脱酸、脱硫、焼入れ性に効果があり、通常0.
35%以上添加される。しかし本発明では、むしろ焼入
性の低減、非金属介在物の低減という点より上限を0.
6%とした。一方、脱酸、脱硫効果が得られる最低量の
添加が必要であるので、下限値を0.2%とした。
P,S:Pは有害な不純物元素であり、特に粒界強化の
点より低く抑えることが望ましい。しかし余りに低くし
ようとすると製鋼上多大な経費が発生するため、経済性
を考慮して上限を0.015%とした。
Cr:Crは基地の靱性向上のため添加される。しかし0.
15%未満ではその効果が十分でなく、0.5%を超え
ると、焼入れ性が高くなりすぎるため、0.15%以
上、0.5%以下とした。
Mo:Moは基地の靱性向上および硬化部のPによる脆化を
防止するため添加される。0.1%未満ではその効果が
十分でなく、0.25%を超えると焼入れ性が高くなり
すぎること、経済的でないことより、0.1%以上、
0.25%以下とした。
solAl:Alは脱酸及び結晶粒微細化に効果を有し、0.015
%未満ではその効果が十分でなく、0.06%を超える
と非金属介在物の残留があるため、0.015 %以上、0.
06%以下とした。
Ti,Nb:TiおよびNbは結晶粒の微細化、粒界強化に効果
があるので、1種又は2種を添加する。その添加量につ
いて、Tiについては0.01%未満では効果がなく、
0.03%を超えると靱性低下を招くので、0.01%
以上、0.03%以下とした。Nbについては、0.02
%未満では効果がなく、0.04%を超えると靱性低下
を招くので、0.02%以上、0.04%以下とした。
次に、焼入れ指数Dについて説明する。第5図は後に
述べる実施例と同様に製作したボールケージの引張試験
結果を示したものである。同図からD=0.86イン
チ以上で破壊強度が急激に低下すること、およびこの急
激な低下の中腹はD=0.93インチ相当することが
判る。したがって、破壊強度を良好なレベルとするため
には、D=0.93インチ以下とする必要がある。ま
たD=0.93インチは本発明鋼のほぼ中央値に相当
する。
〔実施例〕
以下に実施例にて本発明の効果を説明する。
試作したボールケージの化学成分を第2表に示す。本発
明鋼の焼入れ指数は0.60〜0.70で、従来鋼の
1.42インチに比べ著しく低くなっていることがわか
る。
これらを925℃にて浸炭した後の断面硬度分布を第2
図に示す。表面硬度は本発明鋼、従来鋼いずれも約Hv8
00であるのに対し、芯部硬度は従来鋼のHv410に比
べ本発明鋼はHv310〜380と低くなっている。
これらを破壊試験した時の破壊荷重を第3表に示す。こ
の破壊試験は次のように行った。すなわち、外径60
φ、内径55φ長さ5000(単位mm)の試作管を得た。
この製造履歴は次の通りである。
溶製→分塊→マンドレルミル製管→冷間抽伸→応力除去
焼鈍 これを50mm長さの短管に切断後、第4図のように機械
加工した。さらに下記条件にてガス浸炭焼入・焼戻しを
した。
925℃×10hrs(0.9〜1.0のカーボンポテン
シャル下)→840℃炉冷→油焼入→180℃焼戻し→
(研磨) このようにして製作したボールケージGを供試品とし、
第3図に示す電気油圧式引張試験機(容量10ton)に
て各ボールケージに丸棒Rを挿入し、上方のクロスヘッ
ドを固定とし、下部のアクチュエータを引き下げなが
ら、破壊試験を行った。引張速度は120mm/secであ
る。
〔発明の効果〕 以上の通り、本発明によれば、高い強度および耐摩耗性
を有するとともに、芯部の靱性が大きい肌焼鋼が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る肌焼鋼が用いられるボールケージ
を有するバーフィールド型継手例の断面図、第2図は本
発明材と従来材との断面硬度分布比較図、第3図は実施
例で用いた破壊試験装置の斜視図、第4図は破壊試験に
供した供試材の正面図、第5図は実施例での3種の鋼を
含む焼入れ指数と破壊荷重との相関グラフである。 5……ボール、6……ボールケージ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の駆動輪車軸用継手のボールケージ
    に用いられ以下の化学成分からなり、 C:0.05〜0.15重量% Si:0.2重量%以下 Mn:0.2〜0.6重量% P:0.015重量%以下 S:0.015重量%以下 Cr:0.15〜0.5重量% Mo:0.1〜0.25重量% solAl:0.015〜0.06重量% さらに、 0.02〜0.04重量%のNbまたは0.01〜0.
    03重量%のTiの1種または2種を含み、残部は実質
    上Feよりなり、 かつ焼入れ指数Dが0.93インチ以下となることを
    特徴とするボールケージ用高強度高靱性肌焼鋼。
JP62194946A 1987-08-04 1987-08-04 ボ−ルケ−ジ用高強度高靭性肌焼鋼 Expired - Fee Related JPH0637687B2 (ja)

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