JPH0637646B2 - 高炉での低Si濃度溶銑の製造方法 - Google Patents

高炉での低Si濃度溶銑の製造方法

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JPH0637646B2
JPH0637646B2 JP28320786A JP28320786A JPH0637646B2 JP H0637646 B2 JPH0637646 B2 JP H0637646B2 JP 28320786 A JP28320786 A JP 28320786A JP 28320786 A JP28320786 A JP 28320786A JP H0637646 B2 JPH0637646 B2 JP H0637646B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高炉での低Si濃度溶銑の製造方法に関し、
特にSi濃度が0.15重量%以下の溶銑を高炉で製造する
方法に関する。
〔従来の技術〕
高炉で生成する溶銑中のSi濃度が低いと製鋼工程での
処理コストが低下する。特に溶銑中Si濃度が0.15重量
%以下になると製鋼工程で脱珪過程が不要となり、処理
時間の短縮やフラックス原単位の低下など著しくメリッ
トがある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これまでに溶銑中のSi濃度を低下させる方法として
は、 溶融帯と羽口レベル間の距離を短くして、滴下帯で
のSiOからメタルへのSi移行を抑える方法(例えば
『鉄と鋼』、62巻(1976)11号、S391およ
び同誌64巻(1978)6号、P691) スラグ中のSiOの活量もしくはコークス中のS
iOの活量を下げて、あるいはスラグがコークスの炉
内での最高到達温度を下げてSiOのSiOまたはS
iへの還元を抑制しようとする方法(例えば、『鉄と
鋼』58巻(1972)11号、S284) 羽口から酸化鉄などの脱珪材を吹き込み溶銑中のS
iを減少させる方法(例えば、『鉄と鋼』69巻(19
83)12号、S791およびS792) の3つに大別される。
上記に関する技術には例えば特開昭55−10770
5、特開昭55−107706のようにスラグ中のSi
活量や送風要因、出銑比、溶銑温度などを調整し
て、前述の溶融滴下帯距離Hcを目標範囲内に納めよう
としたり、溶銑中のSi濃度の予測計算値の目標範囲内
に納めようとするものがある。しかし、溶銑中のSi濃
度を大幅に下げる方法については何も述べられていな
い。
上記に関する技術としては、例えば特開昭57−13
1304のようにコークス灰分中のSiOの活量を下
げるためにCaOを添加したコークスを作り、低Si銑
を得ようとするものがある。このようなCaOを添加す
るとコークス製造過程で強度の低下を招き、これを回復
しようとすればコークス製造コストの上昇が避けられな
い。
上記については、例えば特開昭57−137402や
特開昭57−137403があり、羽口より微粉炭と酸
化鉄や還元鉄もしくは石灰石、ドロマイト等の塩基性物
質とを混合して吹き込むことにより、溶銑中のSi濃度
を低下させるものである。しかしこの方法では粉体を高
炉羽口へ導入する設備が必要であり、操業コストも高く
なり、結果として溶銑コストが高くなってしまう。
以上に述べた方法では長期に亘り、溶銑中のSi濃度が
0.15重量%以下のような操業を維持することは難しく、
また無理矢理Si濃度を下げても製鋼工程を含めめた鋼
中の成分調整コストは上昇してしまう欠点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上述べてきたように、これまでの溶銑中のSi濃度を
低下させる操業法では、本発明で述べるような、溶銑中
のSi濃度を0.4重量%から0.15重量%へ低下させるこ
とは極めて難しかった。高炉の操業条件を整えて溶銑中
のSi濃度を0.15重量%まで下げようとすると、前記
の方法では融着帯の低下によるスリップや炉床冷えが発
生する問題があり、前記の方法ではスラグ融点の上昇
やコークス強度低下に基づく通液性の不良からくる高炉
操業の不安定が避けられず、また上記の方法では炉熱
低下や溶融物の出銑、滓不良に起因する炉況不安定を招
き、長期間安定して低Si濃度の溶銑を製造することが
できない。
本発明は、極めて低いSi濃度の溶銑を長期に亘って安
定に製造し、かつ経済的にもコスト低減効果の大きい方
法を提供することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、高炉の炉頂より装入する原料にスクラップ、
還元鉄、予備還元鉱石などのメタリック鉄分を加え、該
原料を高炉炉頂より装入すると同時に、該メタリック鉄
分の装入量に応じて、熱流比を一定もしくは増加させ、
かつ理論燃焼ガス温度を低下させるように操業を調節し
て、出銑する溶銑のSi濃度を制御することを特徴とす
る高炉の操業方法であり、その際、好ましくは出銑する
溶銑トン当り120kg以上のメタリック鉄を装入する
ことを特徴とする高炉の操業方法である。
〔作用〕
溶銑中のSi濃度を下げようとする場合、次のような因
子を変えればよいことが分っている。(日本学術振興会
製銑第54委員会資料No.54委−1758、昭和60
年11月13日) d〔Si%〕=A・dx+A・dx +A・dx+A・dx +A・dx+A・dx +A・dx・dx …(1) ここで、 〔Si%〕:溶銑中のSi濃度 A,A,A,A,A,A,A,A:寄
与係数 x:熱流比、A<0 〔ここで、熱流比とは、高炉シャフト部熱保存帯で形成
される固/気向流移動層における(固体熱容量の降下速
度W)/(気体熱容量の上昇速度W)であり、気体
を固体の質量速度をG、S(kg/sec/m2)とし、気体と
固体の比熱をC、C(kcal/kg/℃)としたとき、W
=G・C(kcal/sec/m2/℃)とW=S・C
((kcal/sec/m2/℃)となる(日本鉄鋼協会編新版鉄
鋼技術講座 第1巻 製鉄製鋼法、(1978)、P.
31〜P.32(他人書館)。
:理論燃焼ガス温度、A>0 〔ここで、理論燃焼ガス温度とは、{〔燃焼コークスの
顕熱〕+〔送風の顕熱〕+〔燃焼の反応熱〕}/{〔発
生ガス量〕×〔ガスの比熱〕}となる(日本鉄鋼協会編
新版鉄鋼技術講座 第1巻 製銑製鋼法、(197
8)、P.44(他人書館)。〕 x:出銑比(炉断面積当りの出銑速度)、A<0 x:溶銑温度、A>0 x:ボッシュガス中水素濃度、 A<0 x:炉壁ステーブへの熱流束(熱負荷)、A>0 x:装入焼結鉱の塩基度、(CaO/ SiO)、A<0 x:装入焼結鉱のMgO濃度、 A<0 これらの因子のうちx〜xの因子に関しては、通常
その変化幅の範囲が大きくとれないか、もしくはその因
子の溶銑中のSi濃度への寄与係数(A〜A)が小
さい。例えば出銑比xについては寄与係数Aの絶対
値は大きいが、通常、高炉の出銑比は能力一杯に近い所
で操業しており、出銑比の増加しろは少ない。したがっ
て、出銑比を下げることは比較的容易であるが、出銑比
を現状より大幅に増加させることは難しい。すなわちA
・dx(A<0)は溶銑中のSi濃度の増加方向
への変化範囲は大きいが、減少幅は小さい。
一般に、溶銑中Si濃度が0.4%程度の高炉操業におい
て、 であり、x〜xの因子のみを変えて大幅に溶銑中の
Si濃度を下げることは難しい。
他方、熱流比xと理論燃焼ガス温度xは操業者が広
い範囲に変化させることができて、寄与係数A,A
の絶対値はそれぞれ大きい。しかしながら、xとx
とは、所定の温度と成分を満足する溶銑を得るためには
次の関係をもって変化させなければならない。すなわ
ち、xとxとを独立に変えることができない。
ここでQは単位量の溶銑を作るに必要な熱量であり、x
およびxの変化によってQはかわらない。すなわち
dQ=0であり、また、 ∂Q/∂x<0 ∂Q/∂x>0 である。そこでxおよびxのSi濃度に対する寄与
は次式のようになる。
d〔Si%〕=A・dx+A・dx (2)式を代入すれば、 ここで、 上式は熱流比を上昇させて操業すると融着帯が羽口レベ
ルに向って下がってきて、溶銑中のSi濃度が低下する
という、これまでのSi濃度低下方法をよく表してい
る。しかし、実炉の操業結果を第2図中にA領域で示す
ようにxの変化幅に対して溶銑中のSi濃度の変化幅
は0.1重量%程度で大きくない。
ここで本発明者らは上記(3)式中のdxとdx
変化を(2)式に縛られることなく変える手段として、
高炉にスクラップ、還元鉄あるいは予備還元鉱石などの
メタリック鉄分の装入量を徐々に増しながら、可能な限
りxを大きく、xを低く保つ操業を行った。実験の
結果、確かに(2)式に縛られずに熱流比と理論燃焼ガ
ス温度との関係を外れて独立にx、xを変化させる
ことができ、溶銑中のSi濃度を大幅に下げることがで
きたのである。
従来より高炉において、製鉄所で発生するダスト処理物
として還元鉄や製鋼工程で使いづらい小片ないし粉状ス
クラップを少量使うことは稀ではない。
しかし、この場合に装入鉄鉱石原料と混ぜもメタリック
鉄分を投入するのみでは、ほとんど溶銑中Si濃度の低
下は得られない。これは、 (a)メタリック鉄分を投入しても炉頂装入物分布や送
風条件を変化させずに、単に燃料比を下げるだけではS
i濃度の低下は第2図中のA領域に沿って変化するのみ
で、B領域に向って下げることは難しいこと、 (b)メタリック鉄分が20〜50kg/tのような少
量ではSi濃度低下への寄与が顕著には判断し難い量で
ある。
という2点による。
上記(a)の効果を補足すると、こういう場合にはメタ
リック鉄分の装入量の増加により燃料比は下げられる
が、同時に炉頂ガスカロリー(炉頂ガス中CO%)の増
加や炉頂ガス顕熱の増加を伴い、メタリック鉄分の装入
に見合った効果的な炉内投入熱量の低下が実現されない
からである。
従って本発明で述べているようにxを一定もしくは増
加させながら、積極的にxを低下させることが肝要で
ある。すなわち、メタリック鉄分の装入量が増しつつ、
送風条件を変えて単位送風量が炉内に持ち込む熱量を下
げながら、第2図中の領域Aから領域Bに向ってSi濃
度を下げることが重要である。この場合、炉頂装入物分
布を調整して炉頂ガスカロリーの低下(炉頂ガス利用率
CO/(CO+CO)の上昇)や炉頂ガス顕熱の低
下(装入物とガス流との向流熱交換効率の上昇)を可能
な限り図ることは、後に述べるように溶銑単位量を製造
するに必要な熱量を少なくし、より低いSi濃度の溶銑
を得るのに効果がある。
本発明をさらに詳細に説明すると次の通りである。
メタリック鉄分を使わない場合には、高炉の操業者は熱
流比:xと、理論燃焼ガス温度:xを広い範囲に変
化させ得るが、xとxとの間には生成する溶銑が熱
量的に十分な温度を有するという前提を満たす必要があ
るため、(2)式の関係は外せない。もしこの(2)式
の関係に束縛されることなくxとxを自由に変える
ことができるならば、すなわちA<0より、dx
0とし、A>0よりdx<0と選ぶことにより、x
〜xを一定として(1)式より、 d〔Si%〕 =A・dx+A・dx<0 とすることが容易に実現できる。これは高炉内反応とし
ては次のような現象と対応づけられる。
1)前記従来技術の項で述べたように溶銑中のSi濃度
を低下させる手段の1つとして、前期の溶融帯と羽口
レベル間の距離を短くして、滴下帯を流下する溶銑中へ
のSiOガスからのSi吸収反応(すなわちSiO+
→Si+CO)を、SiOガスと流下溶銑との向流接触
時間を短くすることにより抑制するという手段がある。
この溶融帯と羽口レベルの間の距離を短くするために
は、例えばコークス比を下げて熱流比xを大きく(す
なわちdx>0)すると溶融帯は羽口レベルに向って
低下する。すなわちdx>0とすればd〔Si%〕<
0となり、従ってA<0とする実績回折の回帰分析結
果はこのことを支持している。
2)また、前記の方法と同じ範疇に属する離論燃焼温
度xの低下(dx<0)によっても溶銑中のSi濃
度の低下が得られる。すなわち、理論燃焼温度を下げる
ことにより、高炉内羽口近傍の最も温度が高い領域の過
熱を防ぐことにより、スラグ中のSiOやコークス灰
分中のSiOが固体炭素と反応してSiOガスとなる
反応: (SiO)スラグ+C→SiO(g)+CO (SiO)コークス灰分+C→SiO(g)+CO を抑制する。SiOガス分圧が低くなれば、溶銑へのS
iOガスからのSi吸収速度が小さくなり、溶銑中のS
i濃度を下げることができる。
ここで、メタリック鉄を高炉へ装入することの作用を繰
返して述べると、酸化鉄より酸素を奪うための熱量は次
式で示されるように非常に大きい。
これは銑鉄1tを造るために高炉内に投入する熱量のお
よそ半分に相当する。従って酸化鉄を一部メタリック鉄
分に置換すれば、メタリック鉄の装入により銑鉄t当り
の所要製造熱量が低下し、dx>0およびdx<0
のように操作量を変化させることができるのである。も
しメタリック鉄分の装入なしにこのような操作を行う
と、(2)式および∂Q/∂x<0、∂Q/∂x
0より、 dQ=(∂Q/∂x)・dx +∂Q/∂x)・dx<0 となり、熱量が足りなくなって溶銑を製造することが不
可能になる。
高炉にスクラップ、還元鉄あるいは予備還元鉱石などの
メタリック鉄分を装入すると、溶銑単位量を製造するに
必要な熱量はdQ(<0)だけ少なくて済む。すなわち
(2)式にかわって、次の(2a)式のようになる。
従って、xの値が不変(dx=0)でも、 だけxを下げることができ、次式に示すように溶銑中
のSi濃度を小さくすることができる。
上記(5)式より明らかな如くQを下げれば下げるほ
ど、すなわちメタリック鉄分の装入量に応じて決まるd
Qの絶対値が大きいほどd〔Si%〕の絶対値も大きく
なり、溶銑中のSi濃度も下げ得ることになる。なおこ
こではx〜xの因子は一定としたが、上記の効果は
〜xのような因子の変化と無関係に生ずることは
明白である。
〔実施例〕
実施例I 内容積3000mの高炉でスクラップと還元鉄を原単
位110kg/h−pigで長期間に亘って操業した。
スクラップおよび還元鉄は装入鉄鉱石原料と混ぜて高炉
内に装入した。この装入方法としてはスクラップおよび
還元鉄の炉頂装入口および炉頂への搬送バケットエレベ
ータ等を設けることにより、単独で炉内に装入してもよ
い。もちろんスクラップおよび還元鉄をコークスと共に
炉頂から装入しても一向に差し支えない。
第2図は操業結果を示しものである。第2図中A領域は
従来の実操業例であり、B領域はスクラップと還元鉄と
を加えて装入した場合の同一高炉の操業例である。
A,Bそれぞれの領域での代表的な操業結果を第1表に
示す。
メタリック鉄分の装入原単位が112kg/tの操業期
(II)では、メタリック鉄分なしのベース操業期(I)
に比べて、コークス比を下げ、かつ送風温度を低下させ
て操業した。このとき、第1表に示すように熱流比(x
)の増加はわずかに留め、理論燃焼ガス温度(x
を大きく低下させる操業を指向し、送風温度の低下を図
っている。その結果、溶銑中Si濃度は0.29%から0.19
%へと0.1%低下した。
この低下量は上記(5)式によるSi濃度低下の期待値
である0.09%とよく一致した。この場合、Aは0.0009
5であった。
高炉炉況はメタリック使用時においても好調に推移し
た。
実施例II 第1図は内容積4300mのM高炉と内容積300m
のN高炉でそれぞれスクラップと還元鉄の使用原単位
を増加させた時の溶銑中のSi濃度の変化を示したもの
である。
スクラップおよび還元鉄は装入鉄鉱石原料と混ぜて高炉
内に装入したが、スクラップおよび還元鉄の炉頂装入口
および炉頂への搬送バケットエレベータ等を設けること
により、単独で炉内に入れてもよい。もちろんスクラッ
プおよび還元鉄をコークスと共に炉頂から装入しても一
向に差し支えない。
M,Nの両高炉とも実施例Iと同様に、メタリック鉄分
装入量の増加に伴なうコークス比の低下量は、熱流比の
値が横ばいないし微増する範囲に留め、炉内の熱的余剰
分の減少は主として送風温度を低下することによって調
整した。
その結果、M高炉ではスクラップと還元鉄の原単位12
0kg/t以上で溶銑中のSi濃度が0.15重量%を下廻
り、N高炉ではスクラップと還元鉄の原単位200kg
/tで溶銑中のSi濃度が0.15重量%以下となった。両
者の高炉の溶銑中のSi濃度の違いは、もともとM高炉
は高出銑、高ガス利用効率の高炉であり、基準期のSi
濃度も最も低い部類の高炉であった。このように高効率
な操業を行っている高炉においても、溶銑中のSi濃度
を0.15重量%以下にするためには最低120kg/tの
メタリック鉄使用原単位が必要であった。
操業の安定性については、第2図で熱流比xが0.81以
上に上昇すると炉内温度分布は低温領域が拡大して、急
激な炉熱低下やスリップをしばしば生ずるようになる。
従って実際の操業上では、安定操業の限界としてx
0.81の範囲で操作するが、第2図から明らかなようにA
領域の操業に比べてB領域の操業の方が操業安定条件下
での溶銑中のSi濃度を低くすることができる。
また第3図は低Si濃度の溶銑を製造するため、および
後工程での処理コストの増減分を含めた銑鉄t当りのコ
ストを前記従来の〜法および本発明との対比で示し
たものである。
図中の・印は焼結鉱の配合比を65重量%から72重量
%、78重量%、81重量%、95重量%と上昇させて
燃料比を低下させ(すなわち熱流比を上昇させ)て融着
帯を低下させるという方法によってSiOガスから溶融
メタルへのSi吸収量を低下させた場合(従来の法)
のコスト計算結果である。
また▲印は装入焼結鉱の塩基度CaO/SiOを1.6
〜2.1まで上昇させて溶融スラグ中のSiOの活量を
低下させて、発生するSiOガスの分圧を下げた場合
(従来の法)の操業結果であり、〇印は羽口からの酸
化鉄吹込みにより溶銑Siの低下を図った場合(従来の
法)のコスト計算結果である。
いずれのケースでも溶銑中のSi濃度の低下に伴ない、
銑鉄コストが増大しており、法のようにコスト上昇が
最も少ないケースでも後工程での処理コストの低下を考
慮したトータルの銑鉄コストは上昇してしまう。
これに対し本発明法ではスクラップや製鉄ダストを処理
した還元鉄を最大120kg/t−pigまで装入する
ことによって、溶銑の製造コストはむしろ低下させなが
ら溶銑中のSi濃度を下げることができた。この効果は
甚だ大きいメットをもたらすものである。
〔発明の効果〕
高炉の基準操業状態によっても異なるが、120kg/
t−pigないしそれ以上のメタリック鉄分原単位の使
用により溶銑中のSi濃度0.15重量%に下げることがで
き、長期間安定操業することができる。またスクラップ
と製鉄工場内で発生する還元鉄とを使用することによ
り、銑鉄のコストもほぼ変らず、Si濃度が低下したこ
とにより溶銑予備処理工程で多大なメリットを計上する
ことができる。スクラツプ使用可能とするために行った
装入物搬送系の設備改造の投資費用の回収は0.5箇月程
度で可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はメタリック鉄分使用原単位と溶銑中のSi濃度
との関係を示すグラフ、第2図はメタリック鉄分使用に
より溶銑中のSi濃度の低下が得られたことを示すグラ
フ、第3図は操業方法による溶銑中のSi濃度低下とそ
の時の銑鉄コストの増減比較を表したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 行雄 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 板谷 宏 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭61−223112(JP,A) 特公 昭58−56721(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炉の炉頂より装入する原料にメタリック
    鉄分を加え、該原料を高炉炉頂より装入すると同時に、
    該メタリック鉄分の装入量に応じて、熱流比を一定もし
    くは増加させ、かつ理論燃焼ガス温度を低下させるよう
    に操業を調節して、出銑する溶銑のSi濃度を制御する
    ことを特徴とする高炉での低Si濃度溶銑の製造方法。
  2. 【請求項2】出銑する溶銑トン当り120kg以上のメ
    タリック鉄を装入することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載の高炉での低Si濃度溶銑の製造方法。
JP28320786A 1986-11-28 1986-11-28 高炉での低Si濃度溶銑の製造方法 Expired - Lifetime JPH0637646B2 (ja)

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JPS61223112A (ja) * 1985-03-29 1986-10-03 Nippon Steel Corp 高炉溶銑の成分調整方法

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