JPH063719B2 - 集束イオンビ−ム装置 - Google Patents

集束イオンビ−ム装置

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JPH063719B2
JPH063719B2 JP11815486A JP11815486A JPH063719B2 JP H063719 B2 JPH063719 B2 JP H063719B2 JP 11815486 A JP11815486 A JP 11815486A JP 11815486 A JP11815486 A JP 11815486A JP H063719 B2 JPH063719 B2 JP H063719B2
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voltage
ion beam
lens
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objective lens
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宏 澤良木
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Nihon Denshi KK
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は集束イオンビーム装置に関し、更に詳しくは、
イオンプローブ径をほぼ一定に保ちながら加速電圧を変
えてイオン注入の深さを制御することのできる集束イオ
ンビーム装置に関する。
(従来の技術) 集束イオンビーム装置は、原子イオン化させ、それを取
出してビームとし、このイオンビームを物質に照射して
物質の形や性質を変え、或いはその物質から発生する2
次イオンの質量数を測定することによりその物質を分析
しようとする装置である。第5図は従来のイオンビーム
装置の電気的構成例を示す図である。図において、1は
イオンビーム加速用の高圧を発生する加速電圧発生回
路、2はイオンを出射するエミッタ、3はエミッタ2か
らイオンを引き出す引出し電極、4は該引出し電極3に
電位を与える引出し電圧印加用電源である。加速電圧発
生回路1の出力電圧としては例えば200KV程度が用
いられ、引出し電圧印加用電源4の供給電圧としては、
例えば5KV程度が用いられる、5はその内部を通過す
るイオンビームを加速する多段加速管、6は該加速管5
に多段の加速電圧を耐える分圧器である。該分圧器6と
しては、例えば高耐圧用の分圧抵抗が用いられる。7は
静電型レンズで構成されイオンビームを集束させるコン
デンサレンズ、8は通過するイオンのうち質量の違うイ
オンを分離する質量分離器である。該質量分離器8は、
通過するイオンに磁界と、該磁界に直交する電界を印加
し、不要イオンを除去するものである。即ち、磁界中を
通過するイオンは質量の大きいイオンから順に軌道が大
きく曲げられる性質を利用し、更に必要なイオンビーム
を直進させるように磁場に直交する電界を与えて、不要
イオンを除去するものである。9は同じく静電型レンズ
で構成された対物レンズ、10はイオンビームをX,Y
2方向に走査する偏向器、11は最終的にイオンビーム
が照射する試料である。12は加速電圧発生回路1の出
力電圧が印加される分圧器で、分圧器6と同様に例えば
高圧用の分圧抵抗が用いられる。分圧器12には図に示
すようなタップA,Bが設けられておりタップAの分圧
電圧は対物レンズ9に、タップBの分圧電圧はコンデン
サレンズ7に印加されている。このように構成された装
置の動作を説明すれば、以下の通りである。
エミッタ2において発生し、引出し電極3の開口部を通
過したイオンビームは、6段の加速管5で加速させられ
る。多段加速管5を通過した高速イオンビームは、コン
デンサレンズ7で集束された後、質量分離器8で不要イ
オンが除去され、対物レンズ9で再度集束され、偏向器
10で所定方向に偏向させられた後試料11を照射す
る。この結果試料11の表面にイオン注入が行われる。
第6図はこのようにして形成されたイオンビームが試料
11に照射されるまでの軌跡を示す図である。図中の番
号は、第5図の構成要素の番号と対応している。
以上のように試料にイオンを注入することができるが、
注入の深さは物質により、又はその必要性により一様で
はないので、注入深さを変える必要がある。注入深さの
制御は加速電圧を変えることによって行っている。第5
図の集束イオンビーム装置では、対物レンズは3枚型の
アインツェルレンズで、その印加電圧は加速電圧に比例
した電圧を与えるようになっており、通常加速電圧の1
/2なので加速電圧が200KV及び100KVのとき
のそれぞれの対物レンズに印加する電圧は100KV及
び50KVである。そのときの対物レンズにおける電位
分布は第4図(イ)(ロ)のようになっている。(イ)
は加速電圧V=200KV、(ロ)はV=100KVの
ときの電位分布である。このような集束イオンビーム装
置では最高加速電圧のときに最小の色収差量になるよう
に設計されている。加速電圧とビーム径の関係を説明す
ると、第7図のイオンビームの軌跡図において、9は対
物レンズ、Aは質量分離器8の中心における集束点、B
は試料11における集束点である。RaはA点における
ビーム径、RbはB点におけるビーム径(以下このビー
ム径をプローブ径という)、αaはA点の、αbはB点
の開き角である。ここでプローブ径Rbは次式で表わさ
れる。
Rb=(1/4×Cs・αb +(ΔV/V×Cc・αb) +(Ra・M) …(1) 式中Csは対物レンズ9の球面収差係数で、Csはその
色収差係数、Mは倍率である。Vは加速電圧、ΔVはそ
の変動値である。又(1)式において第1項は球面収差
によるぼけの半径、第2項は色収差によるぼけの半径、
第3項はB点における像の大きさを表わしている。
(1)式から色収差量(半径)は加速電圧を下げると増
大し、従ってプローブ径も大きくなることが分かる。
A点における角度電流密度をβ[A/str]とすると、
ビーム電流iは、開き角αaなので i=β×2π(1−cosαa)≒β×παa 又集束点Bでの電荷密度Qdは Qd=(i・t)/(π・Rb)[c/cm2]…
(2) Qdはドーズ量である。従ってプローブ径が大きくなる
とドーズ量は減少する。以上の説明から加速電圧を下げ
るとドーズ量が減少するが、イオン注入のためにはドー
ズ量を一定にする必要があり、その方法として照射時間
を変える方法があるが、加速電圧と照射時間を同時に適
量だけ変えなければならず制御性が悪い。又加速電圧を
下げた状態で微細なビーム径が得られなくなってしま
う。
最大加速電圧が200KVでは対物レンズ電圧が100
KVにもなるため、1ギャップに100KVの電位差を
与えるよりも2段のギャップに50KVの電位差を与え
て100KVの電位差にした方が真空絶縁破壊を起し難
いことから、5枚構成にした方が都合がよいので5枚構
成のアインツェルレンズの場合で色収差量(半径)を計
算してみる。第3図(イ)の構成のレンズにおいて、加
速電圧Vのとき、対物レンズ主電極の電圧をViとする
と、Vi=V/2であり、中間電極にはVi/2をかけ
るものとする。色収差量(半径)ΔWcは ΔWc=(ΔV/V)×Cc・α …(3) ΔV=10eV,Cc=380mm,α=2mradよりΔ
Wcは第3図(ロ)のようになる。
(発明が解決しようとする問題点) 前述のようにプローブ径は色収差量でほぼ決まる。従っ
て加速電圧に比例して色収差係数を低下させることがで
きればプローブ径は一定に保つことができる。第4図の
ようなレンズの電位分布では色収差係数は加速電圧の如
何に拘らず不変であるので、加速電圧の低下に伴いプロ
ーブ径が大きくなってしまう。従ってドーズ量が減少し
イオン注入の量が減少する。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的
は、加速電圧を変えて注入の深さを変えても、プローブ
径が変らず、ドーズ量を一定に保つことのできる集束イ
オンビーム装置を実現することである。
(問題点を解決する手段) 上記問題点を解決する本発明は、静電コンデンサレン
ズ,質量分離器,静電対物レンズを備えた集束イオンビ
ーム装置において、5枚構成の対物レンズの両側電極を
接地し、中央電極に加速電圧に応じて変化する電圧を、
中央電極に隣接するエミッタ側の電極に前記中央電極の
電圧の1/2の電圧を印加し、中応電極に隣接する試料
側の電極に最高加速電圧よりも低い固定電圧を印加した
ことを特徴とするものである。
(作用) 本発明は加速電圧の変化に伴って5枚構成のレンズの電
極を変えることにより、ドーズ量を一定に保つことがで
きる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明の実施例を示す対物レンズの構成図であ
る。この対物レンズは図示のように5枚構成のアインツ
ェルレンズで、図のように各電極にエミッタ側から順に
番号をつけると、1,5の電極は接地電極で4に固定電
圧50KVを印加して4,5間の電位差を常に50KV
に保つ。3にはViを、2にはVi/2を印加する、V
iは可変で加速電圧V=200KVのときVi=100
KV、V=100KVのときVi=0Vとする。
この電位分布の変化を第2図(a)に示す。即ち、V=
200KVのときはレンズ電位のピーク位置(主面位
置)は中央にあり、加速電圧Vを下げるに従ってViは
下がり、レンズの主面位置は試料11側に移り、V=1
00KVのときに第2図(a)のように電極4の位置に
移る。このときのイオンビームは第2図(b)のように
なる。色収差は電子の速度によって像の位置を異にする
ためによる収差で、像面において錯乱円を作る。その円
の半径が色収差量である。(3)式より明らかなように
色収差量は色収差係数に比例するが、この係数は電界と
物点の位置によって決まる常数であって、レンズの主面
位置と集束点の距離が小さくなる程収差係数は小さくな
る。第1図においてV=100KVのとき既述のように
Vi=0なので、1,2,3,5電極が接地で、4電極
が50KVとなり、3,4,5電極からなる3枚構成の
レンズと同じである。レンズの主面位置が集束点に近付
いたので、V=200KVのときの5枚構成のアインツ
ェルレンズの場合に比べて色収差係数は小さくなり、こ
の場合は1/2程度になる。
以上の説明によって有らかなように、加速電圧を下げた
とき色収差係数Ccが小さくなるため(1)及び(3)
式から加速電圧が低下しても色収差量、従ってプローブ
径は殆ど変化せず、(2)式からドーズ量も変化しない
ことが分る。
ここに挙げたのは1例に過ぎず、例えば5枚構成レンズ
の4電極に50KVをかけたが、50KVでなく他の電
圧でもよく、真空破壊を起さない電圧であればよい。そ
の時のViは4,5電極の電位下に応じて適する電圧変
化をさせればよい。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように本発明によれば、イオン打込
みの際に打込深さを変えるために加速電圧を変化させて
も、照射時間を変えて制御する面倒な手続きをすること
なくドーズ量を一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す対物レンズの構成図、第
2図(a)は実施例において加速電圧の変化に伴う対物
レンズ電位分布の変化を示す図で、(b)はその場合に
イオンビームの変化を示す図、第3図(イ)は上記実施
例の色収差量を計算するための条件設定の図で(ロ)は
各加速電圧に対する色収差量を示す。第4図は従来の集
束イオンビーム装置の加速電圧の変化に伴う対物レンズ
の電位の変化を示す図、第5図はは従来例の集束イオン
ビーム装置を示す図、第6はイオンビームの軌跡を示す
図、第7図はプローブ径と加速電圧、色収差係数の関係
式の条件を示す図である。 2…エミッタ 3…引出し電極 5…加速管 7…コンデンサレンズ 8…質量分離器 9…対物レンズ 11…試料

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電コンデンサレンズ,質量分離器,静電
    対物レンズを備えた集束イオンビーム装置において、5
    枚構成の対物レンズの両側電極を接地し、中央電極に加
    速電圧に応じて変化する電圧を、中央電極に隣接するエ
    ミッタ側の電極に前記中央電極の電圧の1/2の電圧を
    印加し、中央電極に隣接する試料側の電極に最高加速電
    圧よりも低い固定電圧を印加したことを特徴とする集束
    イオンビーム装置。
  2. 【請求項2】最高加速電圧100KV乃至200KVの
    集束イオンビーム装置において、対物レンズの中央電極
    に隣接する試料側の電極に50KV印加することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の集束イオンビーム装
    置。
JP11815486A 1986-05-21 1986-05-21 集束イオンビ−ム装置 Expired - Lifetime JPH063719B2 (ja)

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