JPH0637143B2 - 4輪駆動車の伝達トルク制御装置 - Google Patents

4輪駆動車の伝達トルク制御装置

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JPH0637143B2
JPH0637143B2 JP19103285A JP19103285A JPH0637143B2 JP H0637143 B2 JPH0637143 B2 JP H0637143B2 JP 19103285 A JP19103285 A JP 19103285A JP 19103285 A JP19103285 A JP 19103285A JP H0637143 B2 JPH0637143 B2 JP H0637143B2
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torque
transmission
control
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rotational speed
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憲一 渡辺
学 引田
秀司 昼田
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Mazda Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、4輪駆動車の伝達トルク制御装置に関し、更
に詳細には、前後輪へのトルク配分を可変制御すること
のできる4輪駆動車の伝達トルク制御装置に関する。
(従来の技術) 4輪駆動車としては、例えば実開昭56−122630
号公報に示されているようにエンジン、トランスミッシ
ョン等からなるパワープラントに直接接続された第1駆
動軸と、パワープラントにクラッチ機構等の動力伝達手
段を介して接続された第2駆動軸とを備え、上記クラッ
チ機構の締結と解除を制御することによって、2輪駆動
と4輪駆動の切換えを行なうことができるものが知られ
ている。
4輪駆動車における前後輪へのトルク配分比の調整は、
例えば上述の2輪駆動と4輪駆動の切換えを行なうクラ
ッチ機構の締結力を調節し、このクラッチ機構の伝達ト
ルク量を制御することによって行なうことができる。と
ころが、この機構により前後輪のトルク配分比を調整し
たときには、パワープラント出力トルクが変動した場合
には、上記クラッチの機構の締結力を調整し、その伝達
トルク量を変動させてやらなければトルク配分比を所定
の値に保つことはできない。これは、クラッチ機構の伝
達トルクが、その締結力の変動によってのみ変動するた
らである。
パワープラント出力トルクの変動に伴ないクラッチ機構
の伝達トルク量を制御するには、例えばパワープラント
出力トルクをトルク検出器を用いて検出し、この検出量
に基づきクラッチ機構の締結力を調節してやればよい。
ところが、上記トルク検出器は極めて高価なものであ
り、このため装置全体が高価なものとなってしまうとい
う問題がある。
そこで、この問題を解決するため、パワープラント出力
トルクの変動に伴ない前後輪の回転速度差が変動するこ
とを利用して、この回転速度差に基づき、上記動力伝達
手段の伝達トルク量を調整し、これによって前後輪のト
ルク配分比を所望の値にすることが考えられる。ここ
で、一般に回転速度差に基づき、伝達トルク量を調整す
る場合には、回転速度差の増大に伴い伝達トルクを増加
させるが所望のトルク配分にする場合には走行状態に応
じてその変化勾配を変更させなければ所望の値にするこ
とが困難であるため走行状態に応じて変化勾配を変更さ
せることが考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、走行状態に応じて変化勾配を変更させる場合に
おいて、その変化勾配が急激となるとかえって走行安定
性を悪化させる場合がある。たとえば、車速が小さくな
るとこれにともなって変化勾配が急激になるようにする
と、車両の極低速時に不安定振動が生じる、という問題
がある。すなわち、極低車速時には、前後輪の回転速度
差に対するリヤ側への伝達トルクの制御特性が後述する
ように勾配が大きくなり、回転速度差の変動に対するト
ルクの変動が大きくなるため、トルク変動に伴なう不安
定振動が生じる。
そこで、本発明は、前後輪へのトルク配分を前後輪回転
差に応じて制御するようになった4輪駆動車において、
変化勾配を変更する際に生じる走行安定性の悪化を防止
することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明の伝達トルク制御装置は、パワープラントからの
トルクを前後輪にそれぞれ伝達するトルク伝達経路にト
ルク伝達量可変の動力伝達手段が設けられ、この動力伝
達手段を可変制御して前後輪へのトルク配分を制御する
4輪駆動車の伝達トルク制御装置において、 前後輪の回転速度差を検出する回転速度差検出手段と、 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、 回転速度差の増大にともない動力伝達手段の伝達トルク
を増加させるとともに、前記走行状態検出手段の信号に
基づき回転速度差変化に対する前記伝達トルクの変化勾
配を変更するように構成された制御手段を備え、 前記制御手段は、前記伝達トルクの変化勾配が所定値を
越える場合には、前記走行状態の変化に関わらず前記伝
達トルクの変化勾配の変更を禁止して伝達トルクの変化
勾配を前記所定値に固定する固定手段を有することを特
徴とする。
(発明の効果) 以上説明した構成の本発明の4輪駆動車の伝達トルク制
御装置においては、変化勾配が所定値を越える場合に変
更を禁止して、伝達トルクの変化勾配を所定値に固定す
るため回転数速度差Δnの僅かな変動によっては大きな
トルク変動は生じない。したがって、走行安定性が悪化
することはない。特に、車速等に応じて変化勾配を変更
する場合には、低速走行時における不安定振動を防止で
きる。
(実施例) (前後輪の回転速度差に応じて前後輪のトルク配分比を
制御する原理) まず、リヤ側に上記動力伝達手段を設け、パワープラン
ト出力トルクをT、フロントおよびリヤ側トルクをそ
れぞれT、T、目標リヤトルク配分率をuとする
と、次のような式が成り立つ。
また、フロントおよびリヤ駆動力をそれぞれF
、フロントおよびリヤタイヤスリップ比をS、S
、フロントおよびリヤタイヤ角速度をω、ω、フ
ロントおよびリヤ接地荷重をN、N、フロントおよ
びリヤタイヤ動的有効半径をR、R、左右を平均し
てのフロントおよびリヤ車体速度をV、V、駆動係
数をμ、タイヤのスリップ特性により決る定数をkとす
ると、次の式が成り立つ。なお、上記、駆動係数μ、定
数kは第9図に示すような使用するタイヤ固有のスリッ
プ特性から求められる値で μ=F/N(F;駆動力、N;接地荷重) k=μ/S(S;スリップ率) である。
更に、フロントおよびリヤギヤ比(プロペラシャフト/
ハーフシャフト)をG、G、フロントおよびリヤ側
のプロペラシャフトの各速度をn、nとそれぞれす
ると、トルクと角回転速度の関係は、次の式で表わすこ
とができる。
式(4)、(6)、(8)、(10)から 式(5)、(7)、(9)、(11)から 式(12)から 式(13)から フロントとリヤの車体速度比tは、 で表わすことができる。式(14)、(15)、(16)から リヤトルクと各回転速度との関係は、式(3)、(17)から
次のように表わすことができる。
リヤトルクと前後輪の回転速度差をΔnの関係は次のよ
うに示すことができる。
Δn=n−n ……(19) ∴n=n−Δn ……(20) 式(18)、(20)より 従って、車両の走行条件(例えば車速やコーナリング)
に応じて予め設定した目標リヤトルク配分率uを一定と
するには、前後輪回転速度差Δn、フロント側プロペラ
シャフト各速度nおよび車体速度比tを測定し、上記
式(21)にあてはめ、リヤ側トルクTを得られた値とす
ればよい。なお、舵角を一定にした場合、および車速を
一定にした場合の上記式(21)から得られたリヤ側トルク
と回転速度差Δnの関係を第1図、第2図に示し
た。
なお、前輪の間隔をb、後輪の間隔をb、前後輪の
間隔をl、転舵状態の内側の前輪の舵角をα、外側の
前輪の舵角をα、回転中心から内側および外側の前輪
および内側および外側の後輪への距離をそれぞれR
、R、Rとすると、車体速度比tは次のように
表わすことができる。
従って、舵角がわかれば、車体速度比tは知ることがで
きる。
(発明の原理) 第1図に示されているように、車速が低くなると制御特
性の勾配が大きくなり、大きな勾配を有する制御特性に
応じて制御を行うと、回転速度差Δnのわずかの変動に
よって、大きなトルク変動が生じ、不安定振動が生じ
る。そこで、本発明においては、低速走行時には、安定
走行可能な最低速度の制御特性に固定して、不安定振動
を防止している。
以下、添加図面を参照しつつ本発明の好ましい実施例に
よる4輪駆動車の伝達トルク制御装置について説明す
る。
第3図および第4図は、本発明の一実施例を示すもので
ある。第3図において、符号1はパワープラントを示
し、このパワープラント1はエンジンおよびトランスミ
ッション等からなっている。このパワープラント1の出
力軸2には、歯車列3を介してフロント側プロペラシャ
フト4が連結されているとともに、動力伝達手段である
油圧式可変クラッチ5を介してリヤ側プロペラシャフト
6が接続されている。フロント側プロペラシャフト4は
ファイナルギヤユニット7を介して前輪8にリヤ側プロ
ペラシャフト6はファイナルギヤユニット9を介して後
輪10にそれぞれ接続されている。以上の構成におい
て、クラッチ5へ加える作動油の圧力を変化させて、ク
ラッチ5の伝達トルク量を変化させ、これにより前後輪
のトルク配分比を調整する。
次に、第4図を参照しつつ、上記クラッチ5のための油
圧制御系について説明する。図に示すように、油タンク
11内の作動油は、ポンプ12によって吸い上げられ、
所定の圧力で吐出され、油圧制御弁13を介して、クラ
ッチ5の作動油室5aに供給される。油圧制御弁13
は、制御ユニット14で制御されて、その作動油圧が調
整される。これによって、クラッチ5の作動油室5aへ
の作動油の圧力が調整され、クラッチ5の締結力が制御
される。
上記制御ユニット14には、車速を検出し、車速信号S
を出力する車速センサ15、舵角を検出し、舵角信号
Sαを出力する舵角センサ16、およびフロント側およ
びリヤ側プロペラシャフト4、6の回転速度差Δnを検
出し、速度差信号SΔを出力する速度差センサ17が
接続されている。なお、上記車速センサ15としては、
フロント側プロペラシャフト4の回転速度を検出する回
転速度センサを用いることができる。また、回転速度差
Δを求めるには、上記速度差センサを用いずに、リヤ
側プロペラシャフト6の回転速度を検出する回転速度セ
ンサを制御ユニット14に接続し、該制御ユニットで演
算するようにしてもよい。
制御ユニット14は、上記3つの信号S、Sαおよび
SΔを入力し、第5、6図に示される予め記憶してい
る次のような第1および第2の制御マップM、M
従い制御電流iを油圧制御弁13に供給する。これらの
第1および第2制御マップMおよびMは、第1図お
よび第2図に示された特性図に基づいて定められたもの
であり、縦軸が制御電流iを、横軸が回転速度差Δ
示している。第1制御マップMは直進時用のものであ
り、車速が速くなるにつれて回転速度差大側に移動する
複数本の制御線l、l、lを備えている。一方、
第2制御マップMは、転舵時用のものであり、舵角が
大きくなるにつれて回転速度差大側に移動する複数本の
制御線l、l、lを備えている。
また、第5図の第1制御マップMにおいて、低速走行
の場合には、破線で示す制御特性l′のように、制御特
性の勾配が大きくなり、このような大きな勾配を有する
制御特性l′に応じて制御を行うと、回転速度差Δnの
わずかな変動によって、大きなトルク変動が生じ、ま
た、これによって新たな回転速度差Δnの変動を引き起
こし、このため、不安定振動を生じやすい。そこで、安
定走行可能な最低速度Vmin を求め、車速V≦Vmin
場合には、V=Vmin のときの制御特性lに固定し、
この固定された制御特性lに応じて制御を行う。
次に、上記伝達トルク制御装置の作動について説明す
る。
制御ユニット14は、各センサ15、16、17から車
速信号S、舵角信号Sαおよび回転速度差信号SΔ
を入力し、舵角信号Sαから直進状態か転舵状態かを判
断し、直進状態のときには第1制御マップMを、転舵
状態のときには第2制御マップMをそれぞれ読み出
す。まず、直進状態のときの制御について説明すると、
上記車速信号Sに応じて第1制御マップMから適切
な制御線l、lまたはlを選択し、回転速度差信
号SΔをこの制御線に照して制御電流iを決定する。
また、車速V≦Vmin の場合には、V=Vmin のときの
制御特性lに固定して、このlに応じて制御を行
い、不安定振動を防止する。そして、制御電流iは、油
圧制御弁13に供給され、この油圧制御弁13は、この
制御電流iに応じて、該電流iに比例した圧力Pの作動
油をクラッチ5に供給する。クラッチ5は、この作動油
の圧力Pに応じた圧力で締結され、その締結圧力に比例
したトルクTリヤ側プロペラシャフト6に伝達する。
なお、直進状態のときのフローチャートが第9図に示さ
れており、スタート100で始まり、ステップ102で
車速Vと最低車速度Vmin とを比較し、V≦Vmin で或
る場合には、ステップ104 で低速走行モードとして制御
特性をlに固定し、たV>Vmin である場合には、通
常走行モードとして通常のトルク配分比制御を行う。
一方転舵状態のときには、上記舵角信号Sαに応じて第
2制御マップから適切な制御線l、lまたはl
選択し、回転速度差信号SΔをこの制御線に照して制
御電流iを決定し、以下、上記と同様の制御を行なう。
以上により、回転速度差Δを知って、後輪のトルク配
分率uを一定に維持する。なお、後輪のトルク配分立u
は車両の諸元に応じて予め設定した固定値あるいは車両
の走行条件に応じて変更される値とすることができる。
また、上記制御は、制御マップを用いて制御電流iを求
める形式のものについて説明したが、演算によって求め
る形式のものであってもよい。
また、上記実施例においては、フロント側プロペラシャ
フト4をパワープラント1の出力軸2に常に連結させ、
リヤ側プロペラシャフト6と出力軸2の間にクラッチ5
を設けたものについて説明したが、これを逆にしてもよ
く、更に、第7図に示すように2つ目のクラッチ20お
よび歯車列21を出力軸2とフロント側プロペラシャフト
4の間に設けて、直結するプロペラシャフトを選択でき
るようにしてもよい。なお、この場合には、第2の油圧
制御弁22を設ける必要がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、トルク配分率一定、舵角一定としたときの伝
達トルクT−回転速度差Δ特性を示すグラフ、 第2図は、トルク配分率一定、車速一定としたときの伝
達トルクTr−回転速度差Δ特性を示すグラフ、 第3図は、4輪駆動車の駆動系を示す概略図、 第4図は、本発明の一実施例による伝達トルク制御装置
の概略図、 第5図および第6図は、それぞれ上記伝達トルク制御装
置における伝達トルク制御に用いられる第1および第2
制御マップを示すグラフ、 第7図は、本発明の他の実施例による伝達トルク制御装
置の概略図であり、 第8図は、タイヤ固有のスリップ特性を示す特性図、 第9図は、低速走行モードと通常走行モードとを分ける
フローチャート図である。 1……パワープラント、2……出力軸 4……フロント側プロペラシャフト 5……クラッチ 6……リヤ側プロペラシャフト 13……油圧制御弁、14……制御ユニット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パワープラントからのトルクを前後輪にそ
    れぞれ伝達するトルク伝達経路にトルク伝達量可変の動
    力伝達手段が設けられ、この動力伝達手段を可変制御し
    て前後輪へのトルク配分を制御する4輪駆動車の伝達ト
    ルク制御装置において、 前後輪の回転速度差を検出する回転速度差検出手段と、 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、 回転速度差の増大にともない動力伝達手段の伝達トルク
    を増加させるとともに、前記走行状態検出手段の信号に
    基づき回転速度差変化に対する前記伝達トルクの変化勾
    配を変更するように構成された制御手段を備え、 前記制御手段は、前記伝達トルクの変化勾配が所定値を
    越える場合には、前記走行状態の変化に関わらず前記伝
    達トルクの変化勾配の変更を禁止して伝達トルクの変化
    勾配を前記所定値に固定する固定手段を有することを特
    徴とする4輪駆動車の伝達トルク制御装置。
JP19103285A 1985-08-30 1985-08-30 4輪駆動車の伝達トルク制御装置 Expired - Lifetime JPH0637143B2 (ja)

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JPS6250226A (ja) 1987-03-04

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