JPH0636347A - 光記憶媒体 - Google Patents
光記憶媒体Info
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- JPH0636347A JPH0636347A JP4189137A JP18913792A JPH0636347A JP H0636347 A JPH0636347 A JP H0636347A JP 4189137 A JP4189137 A JP 4189137A JP 18913792 A JP18913792 A JP 18913792A JP H0636347 A JPH0636347 A JP H0636347A
- Authority
- JP
- Japan
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- light
- storage medium
- optical storage
- film
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光ディスクあるいは光カードなどの光記憶媒
体に関するものであり、高密度に情報を記録しても読出
した信号のSN比がよくクロストークや符号間干渉が小
さい光記憶媒体を提供する。 【構成】 基板1上に情報記憶面2を形成し、透明基板
4と情報記憶面2間に光透過膜3を光源から出射された
ビームが情報記憶面に集光されるときのビームの焦点深
度内の距離に配する。光透過膜3は、光の透過率が入射
光の光量の増大とともに大きくなる特性を有している。 【効果】 光透過膜の透過率が入射光の光量の増大とと
もに大きくなるので、光透過膜を透過して記憶膜上に集
光されたビームの直径は小さくなり、サイドロープは小
さくなる。周波数特性が良好で、クロストークや符号間
干渉が少ない信号が得られる光記憶媒体となる。
体に関するものであり、高密度に情報を記録しても読出
した信号のSN比がよくクロストークや符号間干渉が小
さい光記憶媒体を提供する。 【構成】 基板1上に情報記憶面2を形成し、透明基板
4と情報記憶面2間に光透過膜3を光源から出射された
ビームが情報記憶面に集光されるときのビームの焦点深
度内の距離に配する。光透過膜3は、光の透過率が入射
光の光量の増大とともに大きくなる特性を有している。 【効果】 光透過膜の透過率が入射光の光量の増大とと
もに大きくなるので、光透過膜を透過して記憶膜上に集
光されたビームの直径は小さくなり、サイドロープは小
さくなる。周波数特性が良好で、クロストークや符号間
干渉が少ない信号が得られる光記憶媒体となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクあるいは光
カードなどの光記憶媒体に関するものである。
カードなどの光記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光記憶媒体上に情報を記録する光ディス
クシステムがさまざまな形で実用化されてきており、近
年、光記憶媒体上に記憶する単位面積当たりの情報量を
増大するための試みが多くなされている。
クシステムがさまざまな形で実用化されてきており、近
年、光記憶媒体上に記憶する単位面積当たりの情報量を
増大するための試みが多くなされている。
【0003】図3は、Y. Yamanaka, et al.,"High Dens
ity Optical Recording by Superresolution",Japanese
Journal of Applied Physics, Vol.28(1989)Suppl.28-
3;ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フ
ィジックス,第28巻(1989)28−3に掲載され
た光学系の構成図である。半導体レーザ光源11から出
射された発散ビーム12はコリメートレンズ13で平行
ビームにされ、遮光帯14でビームの中心部からx−y
面と直交する方向の領域を遮光された後、対物レンズ1
5で光記憶媒体16の記憶面17上に集光される。遮光
帯14の右側に描いている図は、横軸を位置x、縦軸を
強度Iとして、実線aが遮光帯14を通過した直後の位
置でのビーム13の強度分布を、破線bが遮光帯がない
場合のビーム12の強度分布を表わしている。また、光
記憶媒体16の右側に描いている図は、横軸を位置x、
縦軸を強度Iとして、実線cが遮光帯14を通過したビ
ーム12の光記憶媒体16上に集光された位置での強度
分布を、破線dが遮光帯がない場合のビーム12の光記
憶媒体16上に集光された位置での強度分布をそれぞれ
模式的に表わしている。遮光帯14を用いた場合は遮光
帯14がない場合と比較して、より半値幅の狭い集光ス
ポット、すなわちより小さな径のビームに集光できるの
で、光記憶媒体16上の小さなピットの情報を読みとる
ことが可能となり、光記憶媒体16上に記憶する単位面
積当たりの情報量を増大させることができる。
ity Optical Recording by Superresolution",Japanese
Journal of Applied Physics, Vol.28(1989)Suppl.28-
3;ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フ
ィジックス,第28巻(1989)28−3に掲載され
た光学系の構成図である。半導体レーザ光源11から出
射された発散ビーム12はコリメートレンズ13で平行
ビームにされ、遮光帯14でビームの中心部からx−y
面と直交する方向の領域を遮光された後、対物レンズ1
5で光記憶媒体16の記憶面17上に集光される。遮光
帯14の右側に描いている図は、横軸を位置x、縦軸を
強度Iとして、実線aが遮光帯14を通過した直後の位
置でのビーム13の強度分布を、破線bが遮光帯がない
場合のビーム12の強度分布を表わしている。また、光
記憶媒体16の右側に描いている図は、横軸を位置x、
縦軸を強度Iとして、実線cが遮光帯14を通過したビ
ーム12の光記憶媒体16上に集光された位置での強度
分布を、破線dが遮光帯がない場合のビーム12の光記
憶媒体16上に集光された位置での強度分布をそれぞれ
模式的に表わしている。遮光帯14を用いた場合は遮光
帯14がない場合と比較して、より半値幅の狭い集光ス
ポット、すなわちより小さな径のビームに集光できるの
で、光記憶媒体16上の小さなピットの情報を読みとる
ことが可能となり、光記憶媒体16上に記憶する単位面
積当たりの情報量を増大させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体レーザ光源11
から光記憶媒体16に至る光路中に遮光帯14を設ける
ことによって、遮光帯14を設けない場合よりも、小さ
なビーム径を実現できるが、反面ビームのサイドロープ
の強度は、遮光帯14を用いた場合の方が遮光帯14を
用いない場合よりも強くなる傾向がある。光記憶媒体1
6上の情報は、サイドロープによっても読み出され、ク
ロストーク及び符号間干渉の要因となり、SN比を低下
させる。廣瀬、山中、窪田,”超解像による光磁気ディ
スクの高密度記録”,平成1年度春季応用物理学会学術
講演会 2a−ZB−2の発表では、光記憶媒体で反射
したビームを再度集光して、ビームのメインロープ成分
のみをスリットで抜き出して信号検出を行い、サイドロ
ープの影響を除去している。しかしながら、スリットを
用いてメインロープ成分のみを抜き出す方法は、1μm
程度の非常に細かい精度でスリットをビームの集光点に
配置する必要があり、経時変化、温度変化等に対して安
定性に欠けるという課題があった。
から光記憶媒体16に至る光路中に遮光帯14を設ける
ことによって、遮光帯14を設けない場合よりも、小さ
なビーム径を実現できるが、反面ビームのサイドロープ
の強度は、遮光帯14を用いた場合の方が遮光帯14を
用いない場合よりも強くなる傾向がある。光記憶媒体1
6上の情報は、サイドロープによっても読み出され、ク
ロストーク及び符号間干渉の要因となり、SN比を低下
させる。廣瀬、山中、窪田,”超解像による光磁気ディ
スクの高密度記録”,平成1年度春季応用物理学会学術
講演会 2a−ZB−2の発表では、光記憶媒体で反射
したビームを再度集光して、ビームのメインロープ成分
のみをスリットで抜き出して信号検出を行い、サイドロ
ープの影響を除去している。しかしながら、スリットを
用いてメインロープ成分のみを抜き出す方法は、1μm
程度の非常に細かい精度でスリットをビームの集光点に
配置する必要があり、経時変化、温度変化等に対して安
定性に欠けるという課題があった。
【0005】そこで本発明は、上記課題に鑑み、スリッ
トを用いなくてもメインビームのビーム径を小さく保っ
たままサイドロープの影響を抑圧して良好な信号を検出
可能な光記憶媒体を提供することを目的とする。
トを用いなくてもメインビームのビーム径を小さく保っ
たままサイドロープの影響を抑圧して良好な信号を検出
可能な光記憶媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために、情報を記憶する記憶膜を有する光記憶
媒体において、前記記憶膜上に記憶される情報を読みと
る光学系から前記記憶膜上へ集光されるビームの焦点深
度内に光の透過率が入射光の光量の増大とともに大きく
なる光透過膜を配して光記憶媒体を構成する。
解決するために、情報を記憶する記憶膜を有する光記憶
媒体において、前記記憶膜上に記憶される情報を読みと
る光学系から前記記憶膜上へ集光されるビームの焦点深
度内に光の透過率が入射光の光量の増大とともに大きく
なる光透過膜を配して光記憶媒体を構成する。
【0007】
【作用】上記手段を用いることにより、光記憶媒体上に
集光されたビームの強度の強い部分すなわちメインロー
プの中心部分程、光透過膜を透過する際の透過率が大き
くなり、メインロープの周辺部程、光透過膜を透過する
際の透過率が小さくなるので、光透過膜を透過して記憶
膜上に集光されたビームの直径は小さくなり、また、ビ
ームのサイドロープの強度はメインロープの中心部と比
較して弱いので、光透過膜を透過する際の透過率は小さ
くなるので、光透過膜を透過して記憶膜上に集光された
ビームのサイドロープは小さくなり、クロストークや符
号間干渉が少ない良好な信号を検出することが可能とな
る。
集光されたビームの強度の強い部分すなわちメインロー
プの中心部分程、光透過膜を透過する際の透過率が大き
くなり、メインロープの周辺部程、光透過膜を透過する
際の透過率が小さくなるので、光透過膜を透過して記憶
膜上に集光されたビームの直径は小さくなり、また、ビ
ームのサイドロープの強度はメインロープの中心部と比
較して弱いので、光透過膜を透過する際の透過率は小さ
くなるので、光透過膜を透過して記憶膜上に集光された
ビームのサイドロープは小さくなり、クロストークや符
号間干渉が少ない良好な信号を検出することが可能とな
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係わる光記憶媒体の一実施例
を図面を用いて詳細に説明する。
を図面を用いて詳細に説明する。
【0009】図1は、本発明に係わる光記憶媒体の一実
施例の側面断面図である。同図において、1はガラス、
アクリル樹脂等の透明基板である。2は情報記憶面で、
コンパクトディスク等ではアルミニウム等の金属からな
る反射膜となっている。3は光透過膜で、光の透過率が
入射光の光量の増大とともに大きくなる特性を有してい
る。光透過膜3の材質は、光記憶媒体上の情報を読みと
るための光学系に用いられる光源から出射されるビーム
の有する波長を考慮して選ばなければならない。例え
ば、波長630nm程度の光源を用いた場合、光透過膜
3の材質としては、クレシルバイオレット、マラカイト
グリーン、等の有機色素が適当である。また、光透過膜
3は、有機色素以外に半導体で構成することも可能であ
り、CdSe、CdS等が適当である。4は1と同様に
ガラス、アクリル樹脂等の透明基板であり、厚さは0.
1〜2mm程度である。ここでは、光透過膜3は、有機
色素を有機溶媒に溶解したのち、回転塗布法によって1
00nm程度透明基板4上に塗着して形成している。光
透過膜3は、基板全体に形成すればよいので、作製時の
位置精度は全く問題にならない。光透過膜3と情報記憶
面2の距離は、光源から出射されたビームが情報記憶面
に集光されるときのビームの概ね焦点深度以内の距離と
なるようにほぼ密着するように配置している。この距離
は、通常1μm程度以下である。光ピックアップヘッド
装置の光源からのビームは、透明基板4の下方部から入
射させて情報記憶面2に記憶された情報読み出す。した
がって、光源から出射されたビームは、透明基板4,光
透過膜3を透過した後、情報記憶面2に集光される。光
透過膜3は、光の透過率が入射光の光量の増大とともに
大きくなる特性を有しているので、光記憶媒体上に集光
されたビームの強度の強い部分すなわちメインロープの
中心部分程、光透過膜を透過する際の透過率が大きくな
り、メインロープの周辺部程、光透過膜を透過する際の
透過率が小さくなるので、光透過膜を透過して記憶膜上
に集光されたビームの直径は小さくなる。また、ビーム
のサイドロープの強度はメインロープの中心部と比較し
て弱いので、光透過膜を透過する際の透過率は小さくな
るので、光透過膜を透過して記憶膜上に集光されたビー
ムのサイドロープは小さくなる。本発明の光記憶媒体で
は、情報記憶面2に集光されたビームの直径が小さくな
るので、従来の光記憶媒体よりも高密度に記憶された情
報を読み出すことができ、同じ記憶密度であれば、より
周波数特性の良好な信号が得られる。また、本発明の光
記憶媒体では、情報記憶面2に集光されたビームのサイ
ドロープも小さくなるので、従来の光記憶媒体よりもク
ロストークや符号間干渉が少ない良好な信号が得られ
る。また、例えば、光源から出射されるビームが光記憶
媒体に至る光路中に遮光板を設けて、光記憶媒体上で集
光されるビームのビーム径を小さくするような光学系を
用いた場合、光記憶媒体上に集光されたビームのサイド
ロープが大きくなって、クロストークや符号間干渉を大
きく発生させる。このときには、光記憶媒体で反射した
ビームを再度集光して、ビームのメインロープ成分のみ
をスリットで抜き出して信号検出を行い、サイドロープ
の影響を除去している。しかしながら、スリットは1μ
m程度の非常に細かい精度でビームの集光点に配置する
必要があり、経時変化、温度変化等に対して安定性に欠
けるという課題があった。本発明の光記憶媒体では、情
報記憶面2に集光されたビームのサイドロープが小さく
なるので、クロストークや符号間干渉の発生は小さく、
光記憶媒体で反射したビームを再度集光してビームのメ
インロープ成分のみをスリットで抜き出す必要はない。
したがって、本発明の光記憶媒体に記憶された情報を読
みとる光学系では、スリットが不要となり、経時変化、
温度変化等に対して非常に安定な信号検出が可能とな
る。本発明の光記憶媒体において、光透過膜3は、一般
的には、光源の有する波長に対して、吸収を示す材質で
あれば、透過膜の厚さを適切に設計することにより、本
発明の効果を得ることができる。また、光源の有する波
長に対して、吸収を示し、さらに光源の有する波長より
も長い波長域で発光する材質であれば、特に良好な効果
が得られる。なお、本実施例では、透明基板4上に光透
過膜3を形成した例を述べたが、光透過膜3を情報記憶
面2上に形成しても同様の効果が得られることは言うま
でもない。
施例の側面断面図である。同図において、1はガラス、
アクリル樹脂等の透明基板である。2は情報記憶面で、
コンパクトディスク等ではアルミニウム等の金属からな
る反射膜となっている。3は光透過膜で、光の透過率が
入射光の光量の増大とともに大きくなる特性を有してい
る。光透過膜3の材質は、光記憶媒体上の情報を読みと
るための光学系に用いられる光源から出射されるビーム
の有する波長を考慮して選ばなければならない。例え
ば、波長630nm程度の光源を用いた場合、光透過膜
3の材質としては、クレシルバイオレット、マラカイト
グリーン、等の有機色素が適当である。また、光透過膜
3は、有機色素以外に半導体で構成することも可能であ
り、CdSe、CdS等が適当である。4は1と同様に
ガラス、アクリル樹脂等の透明基板であり、厚さは0.
1〜2mm程度である。ここでは、光透過膜3は、有機
色素を有機溶媒に溶解したのち、回転塗布法によって1
00nm程度透明基板4上に塗着して形成している。光
透過膜3は、基板全体に形成すればよいので、作製時の
位置精度は全く問題にならない。光透過膜3と情報記憶
面2の距離は、光源から出射されたビームが情報記憶面
に集光されるときのビームの概ね焦点深度以内の距離と
なるようにほぼ密着するように配置している。この距離
は、通常1μm程度以下である。光ピックアップヘッド
装置の光源からのビームは、透明基板4の下方部から入
射させて情報記憶面2に記憶された情報読み出す。した
がって、光源から出射されたビームは、透明基板4,光
透過膜3を透過した後、情報記憶面2に集光される。光
透過膜3は、光の透過率が入射光の光量の増大とともに
大きくなる特性を有しているので、光記憶媒体上に集光
されたビームの強度の強い部分すなわちメインロープの
中心部分程、光透過膜を透過する際の透過率が大きくな
り、メインロープの周辺部程、光透過膜を透過する際の
透過率が小さくなるので、光透過膜を透過して記憶膜上
に集光されたビームの直径は小さくなる。また、ビーム
のサイドロープの強度はメインロープの中心部と比較し
て弱いので、光透過膜を透過する際の透過率は小さくな
るので、光透過膜を透過して記憶膜上に集光されたビー
ムのサイドロープは小さくなる。本発明の光記憶媒体で
は、情報記憶面2に集光されたビームの直径が小さくな
るので、従来の光記憶媒体よりも高密度に記憶された情
報を読み出すことができ、同じ記憶密度であれば、より
周波数特性の良好な信号が得られる。また、本発明の光
記憶媒体では、情報記憶面2に集光されたビームのサイ
ドロープも小さくなるので、従来の光記憶媒体よりもク
ロストークや符号間干渉が少ない良好な信号が得られ
る。また、例えば、光源から出射されるビームが光記憶
媒体に至る光路中に遮光板を設けて、光記憶媒体上で集
光されるビームのビーム径を小さくするような光学系を
用いた場合、光記憶媒体上に集光されたビームのサイド
ロープが大きくなって、クロストークや符号間干渉を大
きく発生させる。このときには、光記憶媒体で反射した
ビームを再度集光して、ビームのメインロープ成分のみ
をスリットで抜き出して信号検出を行い、サイドロープ
の影響を除去している。しかしながら、スリットは1μ
m程度の非常に細かい精度でビームの集光点に配置する
必要があり、経時変化、温度変化等に対して安定性に欠
けるという課題があった。本発明の光記憶媒体では、情
報記憶面2に集光されたビームのサイドロープが小さく
なるので、クロストークや符号間干渉の発生は小さく、
光記憶媒体で反射したビームを再度集光してビームのメ
インロープ成分のみをスリットで抜き出す必要はない。
したがって、本発明の光記憶媒体に記憶された情報を読
みとる光学系では、スリットが不要となり、経時変化、
温度変化等に対して非常に安定な信号検出が可能とな
る。本発明の光記憶媒体において、光透過膜3は、一般
的には、光源の有する波長に対して、吸収を示す材質で
あれば、透過膜の厚さを適切に設計することにより、本
発明の効果を得ることができる。また、光源の有する波
長に対して、吸収を示し、さらに光源の有する波長より
も長い波長域で発光する材質であれば、特に良好な効果
が得られる。なお、本実施例では、透明基板4上に光透
過膜3を形成した例を述べたが、光透過膜3を情報記憶
面2上に形成しても同様の効果が得られることは言うま
でもない。
【0010】本発明の原理を説明するために、図2に半
導体のバンドモデルを示す。同図において6は価電子
帯、7は伝導帯、8は電子である。半導体の有するバン
ドギャップEg以上のエネルギーE=hν(h;プラン
ク定数、ν;光子の震動数)を持つ光子が半導体に入射
すると、価電子帯にある電子は、その光子の持つエネル
ギーEで励起されて伝導帯へ遷移する。伝導帯に遷移し
た電子は、ある時間が経過した後、発光もしくは非発光
の緩和過程を経て基底状態に戻る。伝導帯に遷移可能な
価電子帯の電子の数は、半導体中の原子数以下であり、
すなわち概ね10の22乗個/立方cm程度である。も
し価電子帯にある電子を全て伝導帯へ励起した場合に
は、もはやそれ以上光子のエネルギーを吸収できなくな
るので、半導体に入射する光子は全て透過するようにな
る。一般に半導体の透過率が一定な場合というのは、価
電子帯にある電子の数が入射する光の光子数よりも十分
に大きい場合であり、入射する光の光子数が価電子帯の
電子数に近づくにつれて次第に半導体の透過率は増加し
始める。今、光記憶媒体に記憶された情報を読み出す場
合、波長630nmの1mWの光を1μsec照射した
ときの光子数は3.2×10の9乗個である。一方、価
電子帯にあって伝導帯に遷移可能な電子の数を10の2
2乗個/立方cmとすれば、光記憶媒体に集光されるビ
ームの直径を1μmとして、厚みが0.32μmのと
き、価電子帯にあって伝導帯に遷移可能な電子の数が集
光されるビームの光子数と等しくなる。すなわち、光透
過膜の厚さは1μm程度で実現される。光記憶媒体の情
報記憶面上に集光されるビームのメインロープは強度が
強いので透過率は増加し、特にビームの中心部程強度が
強いので、より透過率は高くなり、光記憶膜を透過した
ビームの半値幅が小さくなる。また、ビームのサイドロ
ープの強度はメインロープと比較して弱いので透過率は
メインロープの照射される領域と比較して小さくなり、
すなわち光記憶膜を透過したビームのサイドロープの強
度は光透過膜を透過する際弱くなる。有機色素の場合、
バンド構造は持たないが、特定の波長域に対して吸収帯
を有する材料は数多く存在する。例えば、レーザー発振
に用いられるレーザー媒質や過飽和吸収体がそれに該当
する。このような有機色素では、光子が入射すると、光
子のエネルギーを分子内の電子が吸収して、光子のエネ
ルギーを吸収した電子は半導体と同様に励起状態に遷移
し、ある時間の後熱もしくは光を放出して再び基底状態
に戻る。励起状態に遷移可能な電子の数は半導体と同様
に有限であり、単位体積に入射する光子の数が多くなる
につれて、透過率は増加する傾向すなわち、本発明の光
記憶媒体における光透過膜に適した特性を示す。
導体のバンドモデルを示す。同図において6は価電子
帯、7は伝導帯、8は電子である。半導体の有するバン
ドギャップEg以上のエネルギーE=hν(h;プラン
ク定数、ν;光子の震動数)を持つ光子が半導体に入射
すると、価電子帯にある電子は、その光子の持つエネル
ギーEで励起されて伝導帯へ遷移する。伝導帯に遷移し
た電子は、ある時間が経過した後、発光もしくは非発光
の緩和過程を経て基底状態に戻る。伝導帯に遷移可能な
価電子帯の電子の数は、半導体中の原子数以下であり、
すなわち概ね10の22乗個/立方cm程度である。も
し価電子帯にある電子を全て伝導帯へ励起した場合に
は、もはやそれ以上光子のエネルギーを吸収できなくな
るので、半導体に入射する光子は全て透過するようにな
る。一般に半導体の透過率が一定な場合というのは、価
電子帯にある電子の数が入射する光の光子数よりも十分
に大きい場合であり、入射する光の光子数が価電子帯の
電子数に近づくにつれて次第に半導体の透過率は増加し
始める。今、光記憶媒体に記憶された情報を読み出す場
合、波長630nmの1mWの光を1μsec照射した
ときの光子数は3.2×10の9乗個である。一方、価
電子帯にあって伝導帯に遷移可能な電子の数を10の2
2乗個/立方cmとすれば、光記憶媒体に集光されるビ
ームの直径を1μmとして、厚みが0.32μmのと
き、価電子帯にあって伝導帯に遷移可能な電子の数が集
光されるビームの光子数と等しくなる。すなわち、光透
過膜の厚さは1μm程度で実現される。光記憶媒体の情
報記憶面上に集光されるビームのメインロープは強度が
強いので透過率は増加し、特にビームの中心部程強度が
強いので、より透過率は高くなり、光記憶膜を透過した
ビームの半値幅が小さくなる。また、ビームのサイドロ
ープの強度はメインロープと比較して弱いので透過率は
メインロープの照射される領域と比較して小さくなり、
すなわち光記憶膜を透過したビームのサイドロープの強
度は光透過膜を透過する際弱くなる。有機色素の場合、
バンド構造は持たないが、特定の波長域に対して吸収帯
を有する材料は数多く存在する。例えば、レーザー発振
に用いられるレーザー媒質や過飽和吸収体がそれに該当
する。このような有機色素では、光子が入射すると、光
子のエネルギーを分子内の電子が吸収して、光子のエネ
ルギーを吸収した電子は半導体と同様に励起状態に遷移
し、ある時間の後熱もしくは光を放出して再び基底状態
に戻る。励起状態に遷移可能な電子の数は半導体と同様
に有限であり、単位体積に入射する光子の数が多くなる
につれて、透過率は増加する傾向すなわち、本発明の光
記憶媒体における光透過膜に適した特性を示す。
【0011】
【発明の効果】本発明は、情報を記憶する記憶膜を有す
る光記憶媒体において、前記記憶膜上に記憶される情報
を読みとる光学系から前記記憶膜上へ集光されるビーム
の焦点深度内に光の透過率が入射光の光量の増大ととも
に大きくなる光透過膜を配して光記憶媒体を構成するこ
とにより、光記憶媒体上に集光されたビームの強度の強
い部分すなわちメインロープの中心部分程、光透過膜を
透過する際の透過率が大きくなるので、ビームの直径は
小さくなり、また、ビームのサイドロープの強度はメイ
ンロープと比較して弱いので、光透過膜を透過する際の
透過率が下がるので、光透過膜を透過したビームのサイ
ドロープは抑圧されるので、クロストークや符号間干渉
が抑圧された良好な信号を検出することが可能であり、
光透過膜は光記憶媒体の全面に形成すればよいので、ア
パーチャー等を用いてビームのサイドロープを遮断する
方式とは異なって位置合わせ等の調整が不要となり、非
常に量産性に富んだ光記憶媒体を提供することができ
る。
る光記憶媒体において、前記記憶膜上に記憶される情報
を読みとる光学系から前記記憶膜上へ集光されるビーム
の焦点深度内に光の透過率が入射光の光量の増大ととも
に大きくなる光透過膜を配して光記憶媒体を構成するこ
とにより、光記憶媒体上に集光されたビームの強度の強
い部分すなわちメインロープの中心部分程、光透過膜を
透過する際の透過率が大きくなるので、ビームの直径は
小さくなり、また、ビームのサイドロープの強度はメイ
ンロープと比較して弱いので、光透過膜を透過する際の
透過率が下がるので、光透過膜を透過したビームのサイ
ドロープは抑圧されるので、クロストークや符号間干渉
が抑圧された良好な信号を検出することが可能であり、
光透過膜は光記憶媒体の全面に形成すればよいので、ア
パーチャー等を用いてビームのサイドロープを遮断する
方式とは異なって位置合わせ等の調整が不要となり、非
常に量産性に富んだ光記憶媒体を提供することができ
る。
【図1】本発明の一実施例を示す光記憶媒体の側面断面
図
図
【図2】本発明の原理を示す半導体のバンドモデル図
【図3】従来の高密度に記録された情報を読み出す光学
系を示す図
系を示す図
1 基板 2 情報記憶面 3 光透過膜 4 基板 5 光記憶媒体 6 価電子帯 7 伝導帯 8 電子 11 半導体レーザ光源 12 ビーム 13 コリメートレンズ 14 遮光帯 15 対物レンズ 16 光記憶媒体 17 記憶面
Claims (3)
- 【請求項1】情報を記憶する記憶膜と、前記記憶膜上に
記憶される情報を読みとる光学系から前記記憶膜上へ集
光されるビームの焦点深度内に透過率が入射光の光量に
依存して変化する光透過膜を有する光記憶媒体。 - 【請求項2】光透過膜が有機色素からなることを特徴と
する請求項1記載の光記憶媒体。 - 【請求項3】光透過膜が半導体からなることを特徴とす
る請求項1記載の光記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4189137A JPH0636347A (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 光記憶媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4189137A JPH0636347A (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 光記憶媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0636347A true JPH0636347A (ja) | 1994-02-10 |
Family
ID=16236033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4189137A Pending JPH0636347A (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 光記憶媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0636347A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6606291B2 (en) | 1997-03-17 | 2003-08-12 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical disk and optical disk drive |
-
1992
- 1992-07-16 JP JP4189137A patent/JPH0636347A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6606291B2 (en) | 1997-03-17 | 2003-08-12 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical disk and optical disk drive |
US6744717B2 (en) | 1997-03-17 | 2004-06-01 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical disk and optical disk drive |
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